燃える男の修行時代


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「ししょおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉ!!!!!」

「うるさあああああああぁぁい!!!飯位黙って食わぬかああああああぁぁぁぁ!!!!!」

道場のような広い畳が敷かれた部屋
その真ん中で、師匠と呼ばれる胴着を来て髭を蓄えた老人と、同じ胴着を来た目付きの鋭い青年が向かい合って飯を食っている
双方とも声が大きく、話す度に部屋の窓が振動している

「そろそろ新しい構えとか技とか奥義とか教えてくださいよ!てか教えろおおおおおおおおぉぉぉぉ!!!!!」

「たわけがあああああああぁぁぁぁ!!!あんなただ威力だけの技しか出せぬ者に誰が新しい技を授けるかああああああぁぁ!!!??」

「いいじゃないっすかあああああぁぁぁ!!!師匠だってこないだの模擬戦の時褒めてくれたじゃないっすかあああぁぁ!!!!」

「だぁぁかぁら貴様は馬鹿なんじゃああああぁぁぁぁぁ!!!防御の構えも反撃の構えも使えぬくせにぬぁーにが奥義じゃあああああぁぁぁ!!!!」

「使えないじゃなくて使わないんだよクソジジイ!!!戦闘なんて攻撃だけしてりゃ勝てんだよおおおおおぉぉぉぉ!!!!!」

というかこの二人五月蝿い、五月蝿過ぎる
どれくらい五月蝿いかと言うと、人で一杯のライブ会場にマイク無しでこの二人が口喧嘩すると会場の全員が耳を塞ぎそうな、それくらい声がでかい
そして話す度に米粒が盛大に飛んでいる、汚い

「おい馬鹿弟子いいいいいいぃぃぃぃ!!!!今わしをジジイと言ったかあああああぁぁぁ!!!?」

「ジジイじゃなくてクソジジイだよこのクソジジイいいいいいいぃぃぃぃ!!!!」

「上等じゃああああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!表にでろおおおおおおおぉぉぉぉ!!!!!」

そんな訳で、二人は飯を掻っ込み道場の外に出たのだった
「さあ、かかってくるがよい!!」

「へっ!腰を痛めても知らねぇぞ!!」

向かい合う老人と青年
青年の足には、炎でできた爪が装着されている

「くらえやああああああああああああぁぁぁぁぁ!!!!」

青年が素早く飛び蹴りを放つ
しかし老人は身動き一つせず―――

「ああああああ……ああぁ!!??」

次の瞬間、青年の体は仰向けに倒れていた

「……自分を小さな炎、相手を風に見立て、風を受けて炎を燃やす」
「これぞ、小火豪燃の構え……と、教えたはずじゃが?」

「…ちっ……クソジジイッ!!!」

余裕の表情で佇む老人に、青年は負けじと体制を立て直し飛び膝蹴りを放つ
しかし――

「軽いのう…馬鹿弟子」

老人の、炎を纏う両腕に防がれた

「くっ…離せジジ……ぐおっ!!?」

青年が動くより先に、老人が青年を地面に叩き付けていた

「…燃える鉄に迂闊に触ると火傷するが如く、防御からの一撃を食らわす」
「これが烈火鉄拳の構え…と、これも教えたはずじゃ」

「こんのクソジジイ……」

素早く体制を立て直し、青年は老人を睨む
「もうキレた!!!絶対蹴っ飛ばしてやる!!!!」

「おう、こいこい」

「うおおおおおおおおおおおおぉぉぉ!!!!!」

余裕をぶっこく老人と、怒りでぶちキレる青年、なんともほほえましい光景である
先に動いたのはやはり青年だった
塀に飛び付き蹴って更に高く飛び、老人に飛び蹴りを放つ
青年の体が炎に包まれ鳥の形を象る

「くらえ!!炎空烈火ほうお―――」

「遅いのう……蝿が止まって見えるわい」

青年の渾身の蹴り、それを嘲笑うかのように、ていうか嘲笑いながら老人がすぐ目の前に跳んでいた

「ジジイッ――――」

「これぞ禁じ手―――」

老人の燃える拳に殴られたかと思うと、青年の体は拳によって地面に抑えて付けられていた
一瞬、遅れて衝撃が青年を襲う

「―――うごうっ!!!!」

「……ふん、力を十分の一にしてもこれか、この程度で奥義を教えられるか、うつけが」

目を回して倒れている青年を尻目に、老人は手を叩いて道場に帰って行った


「弟子に……禁じ手使うか普通……」

この青年が以降半分真面目に修行し、最強を目指して度に出るのだが
それはまた、別のお話―――