【谷山達実験体の子供は、身寄りのない子供であって、研究所は名目上孤児院とされていた】
【そして、その研究所の所長こそが、エヴァンス=エリッドである】
【研究の内容は、〝天才の創造〟、プロジェクト名〝Genius〟】
【その内容は、何も無い白い部屋に一年以上監禁するだけ、というモノ】
【能力者の能力に依って、死なないぎりぎりで命を繋ぎ、〝虚無の日々〟をおくらされた子供たち】
【そのなかで、最後まで、〝壊れることが出来なかった子供〟。それらが、谷山、ガートルッド、エリシア、観瀧原の四人であったのだ】
【そして、何も無い状況で、最後に残った、〝渇望〟。それらを与えることに依って、その分野における天才を創りだすというモノ】
【谷山は〝真実〟】【ガートルッドは〝知識〟】【エリシアは〝繋がり〟】【涼香は〝自由〟】
【谷山がその若さで、ジャーナリストとして大成しているのは、之が理由】
【ガートルッドが、天才科学者たるのも、同じ理由】
【エリシアが、会長として人心を集めるのも、涼香が自由の反動で規律を求めるのも】
【その分野に対する、飢餓感と渇望が、その才能を生み出していて、その精神が、能力を創りだした】
【100人以上の中で、狂わなかった4人の中で、エヴァンスが後継者に選んだのが、ガートルッドで】
【ガートルッドは、そのなかで、エヴァンスに逆らえないように、洗脳されていた、という事だった】
【要は、一人の科学者の知識欲の犠牲者、というだけの、〝よく有る話〟がそこにあった】
【そして、その現場こそが、〝聖都スラウロット、第七研究所〟であるのだ】
まあ、このようなことをする、男である。