オペラ作曲家別索引

オペラ対訳完成

その他対訳完成

対訳一部完成

このサイトについて

アクセス数

  • 今日  -
  • 昨日  -
  • 累計  -

翻訳エンジン


bose_soundlink_color_ii



"マクロプロス事件"border="0"

目次


  • この物語は一種の「ミステリー」なので、劇の進行につれて次々と新たな事実が明らかとなっていきます。そのため、できるだけ、その順番に則って記述してみます。

登場人物

  • まずは、主要登場人物についての簡単な解説です。
    • アルベルト・グレゴル:グレゴル家の当主。「グレゴル・プルス裁判」の当事者。34歳。
    • コレナティー博士:グレゴルの顧問弁護士。先祖代々この裁判に携わってきた。
    • ヴィーテク:コレナティー弁護士事務所の社員。
    • クリスタ(クリスティナ):ヴィーテクの娘。オペラ歌手の卵。
    • ヤネク:プルス男爵の息子。クリスタと交際している。
    • プルス男爵:「グレゴル・プルス裁判」のもう一方の当事者。年齢は50歳前後か?
    • エミリア・マルティ:謎のオペラ歌手。

プレヒストリー

  • グレゴル・プルス裁判の経過
    1816年、ヨゼフ・プルス(愛称ペピ。チェコではヨゼフの愛称がペピとなる)という人物が急死し、彼の財産は親戚のプルス男爵家により相続された。しかし、彼の私生児と主張するフェルディナント(愛称フェルディ)・グレゴルが、その相続に対して異議を唱える。裁判はその後100年以上にわたって続き、プルス家、グレゴル家の子孫達に代々引き継がれて争われてきた。
    現在のグレゴル家の当主であるアルベルト・グレゴルの父親は負債を残したまま自殺し、アルベルト自身も勝訴を当てにしてお金を浪費する傾向がある。あせった彼は、最高裁で最終決着を付けようとするが、自分に有利な決定的証拠は無いまま、今日まさに判決が下りようとしている。

第1幕

  • コレナティー弁護士事務所。ヴィーテクが書類を探しているところに、アルベルト・グレゴルが入って来て、判決の内容を尋ねる。ヴィーテクがまだわからないと答えると、グレゴルは「裁判に負けたら自殺するしかない」とつぶやく。
  • ヴィーテクの娘クリスタが登場する。駆け出しのオペラ歌手である彼女は、歌劇場で聞いたソプラノ歌手エミリア・マルティの歌声の素晴らしさに圧倒されて、自分の才能に自信を失っている。
  • コレナティー博士が帰って来ると、そのエミリア・マルティが一緒に現れるので一同は驚く。彼女はコレナティーに「グレゴル・プルス裁判」の経緯を質問し、当事者であるグレゴルにも同席を促す。説明し始めたコレナティーにマルティはいちいち口をはさむので、彼は苛立つ。なぜかマルティは、この裁判の出発点となったペピ・プルスについて、何事かを知っているようである。
  • コレナティーが「フェルディに財産を譲るペピの意志の証明書類が無い限りはこの裁判に負ける」と指摘すると、マルティは「その書類はプルス男爵家の戸棚にある」と主張する。コレナティーは「他人の家に何があるかどうして分かるんだ?」と取り合わないが、グレゴルは彼女の言う通りにするように彼に命じ、いやがるコレナティーを無理矢理プルス家に向かわせる。
  • マルティと二人きりになったグレゴルは彼女の美貌に魅せられ、情熱的に口説き始めるがマルティは笑い飛ばす。グレゴルは諦めないが、マルティはなぜか突然グレゴルを「あんた」呼ばわりし始める。しまいには、ギリシャ語で書かれた別の文書を彼女に渡すように迫り、そんな文書は知らないと答えるグレゴルを凶暴に追いかけ回す。
  • その時、コレナティーが再登場し、マルティの言った通りの文書が見つかったと報告する。彼に同行して来たプルス男爵も潔くグレゴルを祝福するが、ただ一点「フェルディが本当にペピの子供だということを証明する書類」が必要だと主張する。マルティは「その書類は私がこれから送る」と答えるので、コレナティーがすっかり自信を失ってしまったところで幕が下りる。

第2幕

  • 上演終了後の歌劇場のステージ。舞台技術係員と掃除婦が、今しがたのマルティへの熱狂的な観衆の反応について語り合っていると、プルス男爵が登場する。だがマルティがいないので、舞台の陰で待つことにする。
  • 彼の息子ヤネクとクリスタが登場。二人は恋人同士だが、クリスタは歌の稽古に集中するために当分あまり会わないようにしたいとヤネクに伝える。彼が反発してクリスタにキスしようとすると、父親のプルスが登場。それと同時にマルティも戻って来る。
  • 途端にヤネクはマルティの美しさに呆然となってしまい、その場に立ちすくむ。マルティはそんな彼を笑い物にし、「この世に価値のあることは何も無い」とうそぶく。
  • その時、痴呆症の老人ハウクが登場。彼は、若い頃にスペインで出会ったジプシー娘エフゲーニアとマルティは瓜二つだと叫ぶ。マルティは彼のキスを受け入れ、二人で乱痴気騒ぎを演じる。
  • ハウクが退場すると、マルティは求めに応じてヴィーテクに自分のサインを与え、プルス以外の全員をさがらせる。マルティはプルスの鋭い質問にも初めは動じなかったが、プルスが「封印されたもう一つの書類」に言及すると急に狼狽する。これこそマルティが手に入れたかった書類なのである。さらにプルスは「出生台帳の記載によるとフェルディの姓はグレゴルではなくマクロプロスであり、母親名もエリ-ナ・マクロプロスとなっているので、ペピとフェルディの血縁関係は証明できない」と言う。したがって、このままではグレゴルは敗訴してしまう。マルティは「封筒のためには何をあげればいい?」と暗に「取引」を勧めるが、プルスは汚らわしいとばかりに憤然と立ち去る。マルティは打ちひしがれてしまう。
  • プルスと入れ替わりにグレゴルがやって来て、懲りずに彼女を口説き始めるが、マルティは全く相手にしない。しまいには眠ってしまうので、グレゴルは怒って立ち去る。
  • 入れ替わりにヤネクが入って来るとマルティは目を覚ます。彼女は、プルスの部屋から封筒を盗み出すようにヤネクを唆し、彼もその気になりかけるが、突然プルスが舞い戻って来て息子を怒鳴りつけるので、ヤネクは激しい屈辱を胸に退場する。欲望に打ち勝てなかったプルスとマルティとの間に「取引」が成立したところで幕が閉じる。

第3幕

  • ホテルの一室。明け方。プルスとマルティが寝室から出て来る。プルスはマルティに約束の封筒を渡し、マルティは喜色満面でそれを受け取るが、プルスは「死体を抱いているようだった」と、この「取引」を激しく後悔している。
  • そこにホテルの女中が、プルスに急使が来たことを伝えるので、プルスは部屋を出て行く。女中は急使のただならぬ様子にすっかり怯えているが、マルティは全く動じない。
  • プルスが蒼い顔をして戻って来て、息子ヤネクの自殺を伝える。ヤネクは、自分の父親とマルティが一夜を共にしたのを見て、人生に絶望して自殺したのである。しかし、マルティは「そんなことはよくあるわよ」と同情の素振りすら見せないので、プルスは激怒し、マルティを罵って退場。
  • 再びハウク老人が現れる。マルティにスペインに駆け落ちしようと勧めると、彼女もその気になって荷造りを始める。
  • そこへコレナティー、ヴィーテク、クリスタ、グレゴル、プルスが一斉に押しかけて来る。コレナティーは、マルティが彼に送った証明書類(第1幕の幕切れでマルティが送ると約束した書類)は偽造書類だと彼女を責め立てる。マルティが着替えをするため隣室に退場している間に、男達は彼女の荷物の中身をあらためる。すると見つかるのは、E.M.のイニシャルを持つ女性の書類ばかりだが、その書類はどう見ても本物のようである。男達は頭が混乱する。
  • 戻って来たマルティは、ウィスキーを片手に持って酔っ払っている。「本当の名前と年齢」を尋ねるコレナティーに彼女は「エリーナ・マクロプロス。337歳。フェルディの母親エリアン・マックグレゴルは私自身よ」と答える。驚く一同に向かって彼女は「ここに来た理由は、300年の若さを与えるマクロプロスの処方を取り戻すためだった」と、次のような物語を語り始める。
  • マルティの過去
    マルティの父親ヒエロニムス・マクロプロスは、16世紀後半のプラハに宮廷を構える神聖ローマ帝国皇帝ルドルフ2世の侍医であった。錬金術に没頭したことで有名なこの皇帝は、不老長寿の薬の研究を彼に命じ、彼は命令通り「マクロプロスの処方」を完成させた。しかし、暗殺を恐れた皇帝は「まず自分の娘で試してみろ」と彼に命じ、その実験台になったのが当時16歳のエリーナ・マクロプロスであった。しかし、彼女は薬を飲んだ途端に死んだように倒れてしまったので、皇帝は父親を詐欺師と見なして監禁してしまう。一方、1週間後に回復したエリーナは逮捕を免れ、国外へと逃亡した。
  • その後、300年の生を得たエリーナ・マクロプロスは、エルザ・ミュラー、エフゲーニア・モンテスなど何度も名前を変えて、ヨーロッパ中を巡り歩いた。エリアン・マックグレゴルと名乗っていたのは、ナポレオン戦争終了直後のウィーンであり、彼女はそこでヨゼフ・プルス(ペピ)と出会い、息子フェルディをもうけた。
  • その時、ペピに懇望された彼女は「マクロプロスの処方」を彼に預けたが、いつか必ず返してもらう約束だった。今回一同の前に現れた理由は、300年が経過し、そろそろ死んでしまうと分かったので、この処方を取り戻すためだったのだ。

第3幕(フィナーレ)

  • 一同はなお半信半疑だったが、彼女の様子から、この物語が嘘ではないと悟る。死期を悟ったマルティが部屋に戻ってくると、舞台上は神秘的な光に包まれる。
  • 男達はマルティに「あなたにひどいことをした」と言い、クリスタは「あなたがとてもかわいそう」と言う。マルティは「人は300年も生きるべきではない」と語り、「あっという間に死んでしまうあなた方は何て幸せなんでしょう」と語る。どこから聞こえてくるとも知れない男声合唱がそれに和す。
  • マルティはクリスタに「マクロプロスの処方」を委ねようとする。しかし、クリスタはそれを炎の上にかざし、書類は瞬く間に灰になる。マルティは「われらのお父様!」とギリシャ語で救世主に呼びかけ、その場にくずれ落ちて死ぬ。


Creative Commons License
この日本語テキストは、
クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
の下でライセンスされています。
@ wagnerianchan



|新しいページ|検索|ページ一覧|RSS|@ウィキご利用ガイド | 管理者にお問合せ
|ログイン|