登場人物

カルメン: ジプシーの女(メゾソプラノ)
ドン・ホセ: 騎兵伍長(テノール)
ミカエラ: 若き田舎娘(ソプラノ)
エスカミリオ: 闘牛士(バリトン)
フラスキータ:ジプシーの女(ソプラノ)
メルセーデス:ジプシーの女(メゾソプラノ)
ダンカイーロ:密輸入者(バリトン)
レメンダート:密輸入者(テノール)
ツニガ:騎兵士官(バス)
モラーレス:騎兵伍長(バリトン)
リラス・パスチャ:酒場の主人(語り役)
案内者(語り役)
合唱: 兵士たち、子供たち、若者たち、女工たち、ジプシーたち、商人たち

場所:スペインのセヴィリアの町とその周辺
時:1820年頃

第一幕

第一 前奏曲

第二 レシタティーブと合唱

セヴィリアの町角。
右手に煙草工場の入口、左手に衛兵の詰所。
時は昼。
(衛兵詰所の前で兵士たちが煙草をくわえ、談笑している)






兵士たち
いろいろな(別訳:きれいな)
人が(別訳:娘が)、
町を通る。
町を(別訳:これを)見ていれば 
退屈も忘れる。
あれ見ろ、あれ見ろ。
またひとり来たぞ。
あれ見ろ、あれ見ろ。

モラーレス
退屈な時を
すごすのには、
煙草と冗談、そして(別訳:それに)
この眺め。

兵士たち、モラーレス
いろいろな(別訳:きれいな)
人が(別訳:娘が)、
町を通る。
かわいい娘、
退屈も忘れる。
あれ見ろ、あれ見ろ。
いろいろな人
あれ見ろ、あれ見ろ。

(ミカエラ登場。おずおずと人をさがす様子)

モラーレス
あの娘を見ろ、
誰をさがしてるんだろう(別訳:恥ずかしそうな様子)。
おい見ろ、何か聞きたそうだ(別訳:何かいゝたそうだ)。

兵士たち
(おい)誰か行ってやれ。

モラーレス(気取った様子で)
もし娘さん。

ミカエラ
あの、伍長さんはどこに。

モラーレス(勢こんで)
わたしが伍長。

ミカエラ
わたしがさがしているのは
ドン・ホセ。御存じですか?

モラーレス
ドン・ホセ? 僕の仲間だ。

ミカエラ
本当? 今はどこにいるの。

モラーレス
今こゝに来てはいないが。

ミカエラ
では会えないの。

モラーレス
いゝえ、きれいな娘さん、今すぐ(別訳:間もなく)
帰ってきますよ、今すぐ、今すぐ(別訳:今すぐ、こちらへ)。今すぐ僕らは帰り、
彼らが代りに来ます。

兵士たち、モラーレス
今すぐ僕らは帰り、
彼らが代りに来ます。

モラーレス(丁寧に)
彼がくるまで
きれいなお嬢さん(別訳:娘さん)、
どうぞこちらへ
おかけ下さい。

ミカエラ
そこへ?

兵士たち、モラーレス
どうぞ。

ミカエラ
いえいえ、(別訳:いえそれはだめ、)
有難う。またあとで(あとから)。(別訳:左様なら、兵隊さん。)

モラーレス
恐がらないで、
彼が来るまで、
どうぞこちらへ
おかけ下さい。

ミカエラ
どうも有難う、又
参ります。ではまたあとから、
あとから又参りますわ。
では皆さん、左様なら。

兵士たち、モラーレス
行かずに僕らとこゝで
彼の来るのを待ちましょう。

モラーレス
行かずに。

ミカエラ
いえいえ。

兵士たち、モラーレス(兵士たちミカエラを取り囲む)
行かずに、行かずに(別訳:行かずにぼくらとここで)
こゝで、お待ちなさい。(別訳:彼の来るのを待ちましょう)

ミカエラ(にげようとしながら)
いえ、いえ、いえ、いえ、いえ、いえ。
左様なら、またあとから(あとで)。
(走り去りながら)

モラーレス
小鳥は
にげていった。
さあ、僕らは又こゝで、
みちでもながめていよう。

兵士たち
いろいろな(別訳:きれいな)
人が(別訳:娘が)、
道を行くよ(別訳:町を通る、道を通る)。
これを(別訳:町を、道を)見ていれば
退屈も忘れる。
あれ見ろ、あれ見ろ。
いろいろな人
あれ見ろ、あれ見ろ。

第三 子供たちの合唱 

(遠くからラッパの音が聞えてくる。兵士たちは詰所の前に整列して、交代の用意をする。町人たちがそれを見物するために出てくる)








子供たち
兵隊さんが来るぞ。
兵隊さんが来るぞ。
ラッパを吹いて、
ラタタタ。
僕等も兵隊、
小さな兵隊。
鉄砲かついで、
一、二、元気に。
僕等も兵隊(別訳:足音高く)、
元気に進む(別訳:両手をふって)、
姿勢正しく
兵隊さんは進む。
兵隊さんと一緒に、
僕等も進む。
ラッパを吹いて
ラタタタ。
僕等も兵隊、
小さな兵隊。
兵隊さんと一緒に、
一、二、僕等も。
足並揃えて
元気に歩こう。
兵隊さんが来たぞ、
兵隊さんが来たぞ、
きれいな行列(別訳:太鼓を鳴らして)。
ラタタタ。

(士官のツニガと伍長ドン・ホセ、兵士たちを引率してやってくる。双方敬礼して交代する)



モラーレス
今しがた、若い
娘が君を
たずねてきた。
きれいに髪を編んで。

ホセ
それはミカエラ(だ)。
(兵士の一人ラッパを吹く。モラーレス抜剣して号令をかけ列をくんで退場する)



子供たち
兵隊さんが帰る。
兵隊さんが帰る。
ラッパを吹いて、
ラタタタ。
僕等も兵隊、
小さな兵隊。
鉄砲かついで、
一、二、元気に。

レシタティーブ<カット>

































第四 女工たちの合唱

(工場の中で鐘が鳴る。町の若者たちが集ってくる)





若者たち
昼休みの鐘が鳴るぞ。
娘たちが出てくるぞ。
浮気者の娘たちが。
恋の言葉を囁け囁け。
(女工たちが工場から出てくる。みんな煙草を吹かしながら)


若者たち
来たぞ、娘たちが。
煙草ふかし、
紫の煙
ふかせて(別訳:くゆらせて)。

女工たち
煙は昇る、
その色、紫。空まで
あがるよ、
香りもつれあがるよ。
煙は昇る、
その色、紫
我らの
ほのかな恋のように、
やさしい恋の言葉も
煙よ。
堅い愛の誓いも
煙よ。
やさしい(愛の)言葉、
交わした誓
みな煙のように
煙と共に、共に
空へ高く上がれ(別訳:あがる)。
空高く煙と共に、
かげろうのように
上れ、上れ。

若者たち
どうしたのだ(ろう)、カルメンがいないぞ。
(カルメンが出てくる)

若者たち
あれだ、あれだ(別訳:来たぞ、来たぞ)。
あれがカルメンシータ。
(カルメンは花を一輪口にくわえている)






若者たち
カルメン、美しい小鳥、
カルメン、やさしい答えを
いつお前はくれるのだ。
カルメン、その日を知らせてくれ。

レシタティーブ

カルメン(ホセの方をチラリと見ながら)
その返事は(別訳:わたしの心は)、
サアわからない。
今はだめよ。あすかも知れぬ(別訳:あしたかも知れない)。
とにかく今日はだめよ。

第五 ハバネラ

カルメン
恋は野育ちの
気まゝな小鳥よ。
いくらくどいても
いやなものはいや。
だが、好きな人は、
いやでも離さない。
逃げても、避けても、
逃がしはしないぞ。
この恋!

合唱
(繰返し)

カルメン
恋は気まゝ者、
だれの言葉もきかぬ。
きらいといえば好き、
好きならあぶない。
お前がいやなら、私は好き(よ)。
もし好きな時は、気を(お)つけ。

合唱
あぶない。
恋は気まゝ者(繰返し)

カルメン
小鳥はきまぐれ
今ここにいても
あすの日はしれぬ。
どこへゆくのやら
誰がくどいても
するりと逃げる、
そちらが逃げれば
こちらが放さない。
この恋!

合唱
小鳥はきまぐれ
今ここにいても
あすの日はしれぬ
どこへゆくのやら。

カルメン
恋は気まゝ者、
だれの言葉もきかぬ。
きらいといえば好き、
好きならあぶない。
お前がいやなら、私は好き。
あぶないぞ。

合唱
あぶない。
恋は気まゝ者(繰返し)

第六 場面

若者たち(カルメンを囲んで)
カルメン、やさしい答えを。
カルメン、せめてひと言、せめて。
おゝカルメン、せめてひと言を(別訳:やさしい言葉を)。

(カルメン若者たちの間をぬけてホセの前に立つ。工場の方へ帰ろうとしながら二三歩戻って、手に持っていた花をホセの足下になげる。そして足早に立去る)


女工たち(陽気に笑いながらホセをからかうように)
恋は気儘もの(別訳:恋は我が儘で)
誰の言葉もきかぬ。
きらいといえば好き、
好きなら危い。
(工場の中で鐘が鳴る。女工たちや若者たちは退場。兵士たちは詰所の中へはいり、ホセだけが残る。彼は暫くためらったのち、カルメンの投げた花を拾い上げる)



レシタティーブ

ホセ(夢みるように)
あの眼、あの唇。
この胸を矢のように
貫くこの花。
強い香り、あでやかな(別訳:きれいな)色。
あの女、
あれが魔女と
いう者かも知れぬ。

ミカエラ(登場)
ホセ。

ホセ(驚いて花をポケットにかくしながら)
ミカエラ。

ミカエラ
私よ。

ホセ
よく来た。

ミカエラ
お母様のお使いで。

第七 二重唱

ホセ(感動して)
母のお使い、母のお使い。

ミカエラ
いろいろなおことずかりもの、
お手紙。

ホセ
手紙?

ミカエラ
それからまた
お小遣いを少しと、
(一寸ためらって)そして。

ホセ
そして?

ミカエラ
そして、いえないわ。
そしてもう一つ、まだ他のもの、
いゝもの。
息子のために、
何よりいゝもの。

ホセ
それは何?聞かせて
おくれ。

ミカエラ(思い切って)
言いますわ。
おことづけを
お伝えしましょう。
お寺の帰り、かあ様は(別訳:小母様は)、
あ(わ)たしを抱いて、
「町へ着いたらすぐ探して、
あの子に会い、あ(わ)たしに代り
伝えて下さい(下され)。この母の
淋しさと、気遣いとを。
この年老いた母は、
眠るひまもなく、
心にかゝるは、
ただお前のこと。
そなたは優しい娘、
わたしの代りに、
あの子への口づけ、
この母に代り」

ホセ
母の口づけ。

ミカエラ
この口づけ。
お言葉通り
お受け下さい。
(ホセ、ミカエラの接吻をうける)




ホセ(感動して)
胸に浮ぶ、
母の面影、
想い出なつかし(い)、
わが古里よ。
面影なつかし
おゝわが母よ、
想い出なつかし母 
なつかし、わが
母の面影。

想い出なつかし
ふるさと
母の面影、
なつかしの古里よ
想い出なつかし母よ
なつかしの古里よ。
再び眺むる日よ
わが古里
その想い出
なつかし思い出よ
なつかし母よ。

ミカエラ
その面影
思えよ なが母
想い出なつかし
わが古里(よ)、
なつかし、なが
母の面影。

想い出なつかし
ふるさと
母の面影、
なつかしの古里よ
想い出なつかし母よ
なつかしの古里よ。
再び眺むる日よ
その想い出
わが古里
なつかし思い出よ
なつかし母よ。

レシタティーブ

ホセ
これを読む間
ここにいておくれ。

ミカエラ
でもお読みになってから
また来ますわ。

ホセ
もう帰るのか。

ミカエラ
お手紙を、
早くお読みになって、
ではまたあとで(別訳:ではさようなら)。

ホセ
帰るの?

ミカエラ
さよなら(別訳:御機嫌よう)。
(ミカエラ退場)

ホセ(ホセひとりで手紙を読みながら)
どうぞお母さん、お気づかいなく。
あなたの息子は、ミカエラを愛し、
あの女などは、
心にもかけませぬ(ん)。

第八 合唱

(工場の中ではげしい叫び声が起る。士官ツニガ詰所から出てくる。兵士たち、町人たちも集ってくる)


ツニガ
あのさわぎは何だ?

女工たちA(とび出してきて)
助けて、助けて。
人殺し(だ)。

女工たちB
助けて、助けて。
早く来て。

女工たちA
カルメンがさした(やった)。

女工たちB
いや(いえいえ)あれじゃない。
ちがう。

女工たちA
あれだ。あいつが先に(別訳:あの女が)
始めた(別訳:殺した)。始めた(別訳:あいつだ)。

女工たちB
あいつが先だ(別訳:いや、そうじゃない)。

女工たち全員(ツニガを取り囲んで)
聞いておくれよ、
あいつが先だよ。
あいつが先だよ。
だんな、聞いて。
だんな、本当だよ。

女工たちB
(ツニガを自分たちの方へ引っぱりながら)
隊長さん、
話をきいておくれ(下さい)。
手を出したのは
あいつが先よ。

女工たちA(同じくツニガを自分たちの方へ引っぱりながら)
乱暴するのは、
いつもカルメンシータ。
手を出したのは
あいつが先よ。

女工たちB
マヌエリータが、先に
ひどい悪口(を)。
あんまりひどい(別訳:カルメンが怒るのは)
あたり前だわ。

女工たちA
奴らの話は(別訳:彼らのいうことは)
嘘ばかり(よ)。
乱暴なの(乱暴するの)は
いつもあいつよ。

女工たちA
それはほんとだよ(本当です)。
それはほんとだよ(本当です)。
あいつは悪者。
きいておくれよ(下さい)。

女工たちB
それは嘘だわ、
それは嘘だわ。
あいつは嘘つき。
きいておくれよ(下さい)。

ツニガ(憤って)
だまれ、やかましいぞ。
これでは何もわからぬ。
(ホセに向って)おい、ホセ、中へはいり、
事件の調査を頼む。(別訳:くわしく様子を調べてこい。)
(ホセ二人の兵士をつれて工場の中へはいる)



女工たちA(またツニガを取巻いて)
それはカルメン。

女工たちB
そりゃちがうよ(別訳:いえいえちがうわ)。

女工たちA
それはカルメン。(別訳:あいつが手を出した。)

女工たちB
嘘だ。

女工たちA
あいつが先だよ。

ツニガ
これ(別訳:うるさい)。
うるさい。どこかへ行ってしまえ(別訳:こいつらを追払え)。

女工たち全員(お互いに)
隊長、聞いておくれよ(別訳:あいつらの)、
言ってることは、みな嘘。
きいておくれ。

女工たちA
先に始めたのは カルメンだ。
カルメンシータだ 。そうだ。

女工たちB
それは嘘だ それは嘘だよ。
マヌエリータよ(だ)。 うそ。

(兵士たちは女工たちや弥次馬を追払う。カルメンがホセと二人の兵士に捕えられて工場から出てくる。ホセ、ツニガの前に立って報告する)

第九 シャンソンとメロドラマ

ホセ
つまらぬことが元で(別訳:隊長どの、女達が二組に)
女たちのばか騒ぎ(な)(別訳:分かれてつかみあいになり)
ひとりは怪我してます。

ツニガ
相手は?

ホセ
この女(別訳:これです)。

ツニガ(カルメンに向い)
カルメン、またやったのか。(別訳:どうしたのだ、今の騒ぎは?)(別訳:お前か、斬りつけたのは?)

カルメン(それには答えず、うそぶいて)
ラ、ラ、ラ、ラ、
好きなように
しておくれな。
ラ、ラ、ラ、ラ、
あたしゃ(わたしは)
何も知らないわよ。

ツニガ
人をばかにするな、
おれの言葉に答えろ。

カルメン
ラ、ラ、ラ、ラ、
お前さんの知らないことよ。
ラ、ラ、ラ、ラ、
(ホセを横目に見て)死ぬほど
好きな人なら別よ。

ツニガ
生意気な奴め、
牢屋の中でほざくがよい。

女工たちA
そうだ そうだ。(別訳:よい気味だわ。)(別訳:牢屋だ、牢屋だ。)

女工たちB
それはひどい。
(カルメン憤って、そばの女工を打とうとする。女工たち逃げる)

ツニガ(カルメンに向い)
やめろ(別訳:行け)。
おとなしくして行くのだ(ぞ)。

カルメン
ラ、ラ、ラ、ラ。

ツニガ
なかなか
いゝ女だ。
牢へ入れるのは惜しいものだ。
あのきれいな腕
縛らねばならんとは。
(ツニガ、兵士たちを随えて詰所にはいる。ホセ、カルメンをしばる。カルメン、不貞くされたように)
(ホセ、身支度をしてカルメンのそばへよる)


カルメン
どこへ行くのさ。

ホセ
牢屋へ、可哀そうだが。

カルメン
見逃すことはできないの?

ホセ
だめだ、それは出来ない。

カルメン
嘘よ、お前は
それができるはず。
何故ならお前は、
あたし(わたし)が好きだもの。

ホセ
おれが?

カルメン
そうよ、
あたしの投げた花、
あれは魔法の花よ。
逃げようとしても
もうだめよ(もうだめさ)。

ホセ(慌てゝ)
何もいうな、だまれ。
おれはきかないぞ。

第十 セキディリアと二重唱

カルメン(ホセの言葉をきゝながし、歌う)
町はずれの居酒屋、
その名はリラス・パスチャ。
さざめき踊り、
酌み交わすマンザニラ、
そこの店がリラス・パスチャ。
(ホセに話しかけるように)だがどこにしても、
ひとりでいるのでは
唄に身もい(入)らぬ。
あの人とならば、(ト書:笑って)
あの人、恋人と(別訳:好きな人)、
それだけで楽しい。
いつでもわたしの
心にあるのは、
あの人(別訳:ある人)のことよ。
あの人のことよ。(別訳:ある人の姿、)
わたしはその人が
好きなの、好きなの(よ)。
誰もそれは知らない、
この胸の思い。
誰にもわからぬ、
わたしの心は。
町はずれの居酒屋、
その名はリラス・パスチャ。
さざめき踊り、
酌み交わすマンザニラ、
その店の名はリラス・パスチャ。

ホセ
やめろ、おれに話しかけるな。

カルメン
わたし(あたしや)ひとりで
唄うだけさ。
野の鳥のように、
気まゝに唄(を)歌うだけよ。
小鳥をとらえる
若い兵隊さん、
それは誰かしら、
誰かしら、誰か知らないわ。(別訳:誰も知らない。)

ホセ(思わず)
カルメン。

カルメン
それは隊長さんでもない、
少尉さんでもない。
それは若い
きれいな伍長さんよ。
誰も知らぬこと。

ホセ
(後ろへまわりしばった縄をほどく)
カルメン、今の言葉は
嘘ではあるまいな。
もしおれがお前を
助ければ(別訳:愛すれば、好きならば)、カルメン、お前は。

カルメン
そうよ(別訳:あゝ)、
二人で踊るのよ。
甘い酒を酌み、あゝ。

ホセ
あそこで?
ほんとか?
カルメン
二人で?

カルメン(勝ち誇ったように大声で)
あゝ、町はずれの居酒屋、等々。
(そこへツニガが詰所から出て来てホセに命令書を渡す)


第十一 フィナーレ

ツニガ(ホセに)
直ぐに行け、
(よく)気をつけて。
(ホセ、それを受取り敬礼してカルメンをつれて出かけようとする)

カルメン(小声でホセに)
あの角あたりで、
お前をつきとばして、
私はにげる。
約束のところで。



(ツニガの方へ笑いながら口ずさむ)
恋は気まゝ者、
誰の言葉もきかぬ。
きらいといえば好き、
好きなら危い。
お前がいやなら私は好きよ。
もし好きな時は危い(気をおつけ)。
(ホセと兵士たち、カルメンを間にして行きかける。橋の袂で、カルメンはホセをつき仆して大声で笑いながら逃げる。町人や女工たち、追おうとする兵士たちを邪魔する。一同立ちさわぐうちに幕)
Personnages

CARMEN, bohémienne et cigarière (mezzo-soprano)
DON JOSÉ, brigadier (ténor)
MICAËLA, jeune paysanne (soprano)
ESCAMILLO, toréador (baryton)
FRASQUITA, bohémienne (soprano)
MERCÉDÈS, bohémienne (mezzo-soprano)
LE DANCAÏRE, contrebandier (baryton)
LE REMENDADO, contrebandier (ténor)
ZUNIGA, lieutenant (basse)
MORALÈS, brigadier (baryton)
LILLAS PASTIA, aubergiste (rôle parlé)
UN GUIDE (rôle parlé)
CHŒUR


L'action se passe à Séville et dans les environs vers 1820

PREMIER ACTE

N° 1Prélude

N° 2 Scène et chœur

Grande place à Séville
(À droite, la porte de la manufacture de tabac. Au fond, face au public, pont praticable. De la scène on arrive à ce pont par un escalier tournant qui fait sa révolution droite au-dessus de la porte de la manufacture de tabac. À gauche, le corps de garde, une petite galerie couverte. Au lever du rideau, une quinzaine de soldats, dragons du régiment d'Almanza, sont groupés devant le corps de garde. Mouvement de passants sur la place.)

LES SOLDATS
Sur la place
chacun passe,
chacun vient, chacun va ;
drôles de gens que ces gens-là!
drôles de gens que ces gens-là!
drôles de gens! drôles de gens!
drôles de gens que ces gens-là!
drôles de gens! drôles de gens!

MORALÈS
À la porte du corps de garde,
pour tuer le temps,
on fume, on jase, l'on regarde
passer les passants.

LES SOLDATS et MORALÈS
Sur la place
chacun passe,
chacun vient, chacun va ;
drôles de gens que ces gens-là!
drôles de gens que ces gens-là!
drôles de gens! drôles de gens!
drôles de gens que ces gens-là!
drôles de gens! drôles de gens!

(Entre Micaëla.)

MORALÈS
Regardez donc cette petite
qui semble vouloir nous parler.
Voyez, elle tourne, elle hésite.

LES SOLDATS
À son secours il faut aller!

MORALÈS (à Micaëla)
Que cherchez-vous, la belle?

MICAËLA
Moi, je cherche un brigadier.

MORALÈS
Je suis là, voilà!

MICAËLA
Mon brigadier à moi s'appelle
Don José…le connaissez-vous?

MORALÈS
Don José? Nous le connaissons tous.

MICAËLA
Vraiment! Est-il avec vous, je vous prie?

MORALÈS
Il n'est pas brigadier dans notre compagnie.

MICAËLA (désolée)
Alors, il n'est pas là?

MORALÈS
Non, ma charmante ,non, ma charmante,il n'est pas là.
Mais tout à l'heure il y sera, Oui, tout à l'heure il y sera.
il y sera quand la garde montante
remplacera la garde descendante.

LES SOLDATS et MORALÈS
Il y sera quand la garde montante
remplacera la garde descendante.

MORALÈS
Mais en attendant qu'il vienne,
voulez-vous, la belle enfant,
voulez-vous prendre la peine
d'entrer chez nous un instant?

MICAËLA
Chez vous?

LES SOLDATS et MORALÈS
Chez nous.

MICAËLA
Non pas, non pas.
Grand merci, messieurs les soldats.


MORALÈS
Entrez sans crainte, mignonne,
je vous promets qu'on aura,
pour votre chère personne,
tous les égards qu'il faudra.

MICAËLA
Je n'en doute pas ; cependant
je reviendrai, c'est plus prudent.
Je reviendrai quand la garde montante
remplacera la garde descendante.

LES SOLDATS et MORALÈS
Il faut rester car la garde montante
va remplacer la garde descendante.

MORALÈS
Vous resterez!

MICAËLA
Non pas! non pas!

LES SOLDATS et MORALÈS (entourant Micaëla)
Vous resterez,vous resterez !
Oui, vous resterez, vous resterez!

MICAËLA
Non pas! non pas! non! non! non!
Au revoir, messieurs les soldats!
(Elle s'échappe et se sauve en courant.)

MORALÈS
L'oiseau s'envole,
on s'en console.
Reprenons notre passe-temps
et regardons passer les gens.

LES SOLDATS
Sur la place
chacun passe,
chacun vient, chacun va ;
drôles de gens que ces gens-là!
drôles de gens que ces gens-là!
drôles de gens! drôles de gens!
drôles de gens que ces gens-là!
drôles de gens! drôles de gens!

N° 3 Chœur des gamins

(On entend au loin une marche militaire, clairons et fifres. C'est la garde montante qui arrive ; un officier sort du poste. Les soldats du poste vont prendre leurs fusils et se rangent en ligne devant le corps de garde. Les passants forment un groupe pour assister à la parade. La marche militaire se rapproche. La garde montante débouche enfin et traverse le pont. Deux clairons et deux fifres d'abord. Puis une bande de petits gamins. Derrière les enfants, le Lieutenant Zuniga et le Brigadier Don José, puis les dragons.)

CHŒUR DES GAMINS
Avec la garde montante,
nous arrivons, nous voilà.
Sonne, trompette éclatante!
Taratata, taratata!
Nous marchons la tête haute
comme de petits soldats,
marquant sans faire de faute,
une, deux, marquant le pas.
Les épaules en arrière
et la poitrine en dehors,
les bras de cette manière
tombant tout le long du corps.
Avec la garde montante,
nous arrivons, nous voilà.
Sonne, trompette éclatante!
Taratata, taratata!
Nous marchons la tête haute
comme de petits soldats,
marquant sans faire de faute,
une, deux, marquant le pas.
Les épaules en arrière
et la poitrine en dehors,
les bras de cette manière
tombant tout le long du corps.
nous arrivons, nous voilà.
Taratata, taratata!

(La garde montante va se ranger à droite en face de la garde descendante. Les officiers se saluent de l'épée et se mettent à causer à voix basse. On relève les sentinelles.)

MORALÈS (à Don José)
Une jeune fille charmante
vient de nous demander
si tu n'étais pas là.
Jupe bleue et natte tombante.

JOSÉ
Ce doit être Micaëla.
(La garde descendante passe devant la garde montante. Les gamins en troupe reprennent la place qu'ils occupaient derrière les tambours et les fifres de la garde montante.)

CHŒUR DES GAMINS (reprise)
Et la garde descendante
rentre chez elle et s'en va,
sonne, trompette éclatante!
Taratata, taratata!
Nous marchons la tête haute
comme de petits soldats, etc.
marquant sans faire de faute,
une, deux, marquant le pas.

Récitative

ZUNIGA
C'est bien là, n'est-ce pas,
dans ce grand bâtiment,
que travaillent les cigarières?

JOSÉ
C'est là, mon officier,
et bien certainement
on ne vit nulle part filles aussi légères.

ZUNIGA
Mais au moins sont-elles jolies?

JOSÉ
Mon officier, je n'en sais rien,
et m'occupe assez peu de ces galanteries.

ZUNIGA
Ce qui t'occupe, ami,
je le sais bien :
une jeune fille charmante,
qu'on appelle Micaëla,
jupe bleue et natte tombante.
Tu ne réponds rien à cela?

JOSÉ
Je réponds que c'est vrai…
je réponds que je l'aime!
Quant aux ouvrières d'ici,
quant à leur beauté, les voici!
Et vous pouvez juger vous-même.

N° 4 Chœur des cigarières

(La place se remplit de jeunes gens qui viennent se placer sur le passage des cigarières. Les soldats sortent du poste. Don José s'assied sur une chaise, et reste là fort indifférent à toutes ces allées et venues, travaillant à son épinglette.)

JEUNES GENS
La cloche a sonné ; nous, des ouvrières
nous venons ici guetter le retour ;
et nous vous suivrons, brunes cigarières,
en vous murmurant des propos d'amour!
(À ce moment paraissent les cigarières, la cigarette aux lèvres.)

LES SOLDATS
Voyez-les! Regards impudents,
mines coquettes,
fumant toutes du bout des dents
la cigarette.

LES CIGARIÈRES
Dans l'air, nous suivons des yeux
la fumée, la fumée,
qui vers les cieux
monte, monte par fumée.
Cela monte gentiment
à la tête, à la tête,
tout doucement
cela vous met l'âme en fête!
Le doux parler, le doux parler des amants,
c'est fumée!
Leurs transports, leurs transports et leurs serments,
c'est fumée!
Le doux parler des amants,
Leurs transports et leurs serments,
Oui, c'est fumée, c'est fumée!
Dans l'air, nous suivons des yeux、des yeux
la fumée, la fumée、Dans l'air.
nous suivons la fumée qui monte en tournant,
en tournant ver les cieux!
La fumée! La fumée!

LES SOLDATS
Mais nous ne voyons pas la Carmencita!
(Entre Carmen.)

LES CIGARIÈRES et LES JEUNES GENS
La voilà! La voilà!
Voilà la Carmencita!
(Elle a un bouquet de cassie à son corsage et une fleur de cassie au coin de la bouche. Des jeunes gens entrent avec Carmen. Ils la suivent, l'entourent, lui parlent. Elle minaude et coquette avec eux. Don José lève la tête. Il regarde Carmen puis se remet tranquillement à travailler.)

LES JEUNES GENS
Carmen! sur tes pas, nous nous pressons tous!
Carmen! sois gentille, au moins réponds-nous
et dis-nous quel jour tu nous aimeras!
Carmen, dis-nous quel jour tu nous aimeras!

Récitative

CARMEN (regardant Don José)
Quand je vous aimerai?
Ma foi, je ne sais pas.
Peut-être jamais, peut-être demain ;
mais pas aujourd'hui, c'est certain.

N° 5 Habanera

CARMEN
L'amour est un oiseau rebelle
que nul ne peut apprivoiser,
et c'est bien en vain qu'on l'appelle,
s'il lui convient de refuser.
Rien n'y fait, menace ou prière,
l'un parle bien, l'autre se tait ;
et c'est l'autre que je préfère :
il n'a rien dit, mais il me plaît.
L'amour! l'amour!

CHŒUR
L'amour est un oiseau rebelle, etc.

CARMEN
L'amour est enfant de bohème,
il n'a jamais connu de loi :
Si tu ne m'aimes pas, je t'aime ;
si je t'aime, prends garde à toi! etc.
Si tu ne m'aimes pas,si tu ne m'aimes pas,je t'aime ;
Mais si je t'aime,si je t'aime, prends garde à toi!

CHŒUR
Prends garde à toi! etc.
L'amour est enfant de bohème, etc.

CARMEN
L'oiseau que tu croyais surprendre
battit de l'aile et s'envola -
l'amour est loin, tu peux l'attendre ;
tu ne l'attends plus, il est là!
Tout autour de toi vite, vite,
il vient, s'en va, puis il revient -
tu crois le tenir, il t'évite,
tu crois l'éviter, il te tient.
L'amour! l'amour!

CHŒUR
Tout autour de toi vite, vite,
il vient, s'en va, puis il revient -
tu crois le tenir, il t'évite,
tu crois l'éviter, il te tient.

CARMEN
L'amour est enfant de bohème,
il n'a jamais connu de loi,
Si tu ne m'aimes pas, je t'aime ;
si je t'aime, prends garde à toi!
Si tu ne m'aimes pas, je t'aime, etc.
Prends garde à toi!

CHŒUR
Prends garde à toi! etc.
L'amour est enfant de bohème, etc.

N° 6 Scène

JEUNES GENS
Carmen! sur tes pas, nous nous pressons tous!
Carmen! sois gentille, au moins réponds-nous! réponds-nous!
Carmen! sois gentille, au moins réponds-nous!
(Moment de silence. Les jeunes gens entourent Carmen; celle-ci les regarde l'un après l'autre, sort du cercle qu'ils forment autour d'elle et s'en va droit à Don José, qui est toujours occupé avec son épinglette.)

LES CIGARIÈRES (entourant Don José)
L'amour est enfant de bohème, etc.
il n'a jamais connu de loi,
Si tu ne m'aimes pas, je t'aime ;
si je t'aime, prends garde à toi!
(La cloche de la manufacture se fait entendre une deuxième fois. Carmen et les autres cigarières courent dans la manufacture. Sortie des jeunes gens, etc. Les soldats entrent le corps de garde. Don José reste seul; il prend la fleur.)

Récitative

JOSÉ
Quels regards! Quelle effronterie!
Cette fleur-là m'a fait l'effet
d'une balle qui m'arrivait!
Le parfum en est fort et la fleur est jolie!
Et la femme…
S'il est vraiment des sorcières
c'en est une certainement.

MICAËLA (entrant)
José!

JOSÉ
Micaëla!

MICAËLA
Me voici!

JOSÉ
Quelle joie!

MICAËLA
C'est votre mère qui m'envoie.

N° 7 Duo

JOSÉ
Parle-moi de ma mère! Parle-moi de ma mère!

MICAËLA
J'apporte de sa part, fidèle messagère,
cette lettre…

JOSÉ
Une lettre! .

MICAËLA
Et puis un peu d'argent
pour ajouter à votre traitement.
Et puis…

JOSÉ
Et puis?

MICAËLA
Et puis…vraiment je n'ose,
et puis encore une autre chose
qui vaut mieux que l'argent
et qui pour un bon fils
aura sans doute plus de prix.

JOSÉ
Cette autre chose, quelle est-elle?
Parle donc.

MICAËLA
Oui, je parlerai ;
ce que l'on m'a donné
je vous le donnerai.
Votre mère avec moi sortait de la chapelle
et c'est alors qu'en m'embrassant :
« Tu vas », m'a-t-elle dit, « t'en aller à la ville ;
la route n'est pas longue, une fois à Séville,
tu chercheras mon fils, mon José, mon enfant.
tu chercheras mon fils, mon José, mon enfant.
Et tu lui diras que sa mère
songe nuit et jour à l'absent,
qu'elle regrette et qu'elle espère,
qu'elle pardonne et qu'elle attend.
Tout cela, n'est-ce pas, mignonne,
de ma part tu le lui diras ;
et ce baiser que je te donne
de ma part tu le lui rendras. »

JOSÉ
Un baiser de ma mère!

MICAËLA
Un baiser pour son fils!
José, je vous le rends,
comme je l'ai promis.
(Micaëla se hausse un peu sur la pointe des pieds et donne à Don José un baiser bien franc, bien maternel. Don José, très ému, la laisse faire. Il la regarde bien dans les yeux. Un moment de silence.)

JOSÉ
Ma mère, je la vois!
Oui, je revois mon village!
Ô souvenirs d'autrefois,
doux souvenirs du pays!
Doux souvenirs du pays!
Ô souvenirs chéris!
Ô souvenirs, Ô souvenirs chéris!
Vous remplissez mon cœur
de force et de courage.

Ô souvenirs chéris!
Ma mère, je la vois!
Je revois mon village!
Je te revois o mon village!
Doux souvenirs, souvenirs du pays!
Vous remplissez mon cœur de courage.
Ô souvenirs, Ô souvenirs chéris!
Je revois mon village!
Ô souvenirs chéris!
Vous me rendez tout mon courage,
Ô souvenirs du pays!!

MICAËLA
Sa mère, il la revoit!
Il revoit son village!
Ô souvenirs d'autrefois!
Souvenirs du pays!
Vous remplissez son cœur
de force et de courage!

Ô souvenirs chéris!
Sa mère, il la revoit,
il revoit son village!
Il te revois o mon village!
Doux souvenirs, souvenirs du pays!
Vous remplissez son cœur de courage.
Ô souvenirs, Ô souvenirs chéris!
Ô souvenirs chéris!
il revoit son village!
Vous lui rendez tout son courage,
Ô souvenirs du pays!!

Récitative

JOSÉ
Reste là, maintenant,
pendant que je lirai.

MICAËLA
Non pas, lisez d'abord,
et puis je reviendrai.

JOSÉ
Pourquoi t'en aller?

MICAËLA
C'est plus sage.
Cela me convient davantage.
Lisez! puis je reviendrai.

JOSÉ
Tu reviendras?

MICAËLA
Je reviendrai.
(Exit Micaëla.)

JOSÉ
Ne crains rien, ma mère, ton fils t'obéira,
fera ce que tu lui dis ; j'aime Micaëla,
je la prendrai pour femme.
Quant à tes fleurs, sorcière infâme!

N° 8 Chœur

(Au moment où il va arracher la fleur de sa veste, grande rumeur dans l'intérieur de la manufacture. Entre Zuniga suivi des soldats.)

ZUNIGA
Que se passe-t-il donc là-bas?

PREMIER GROUPE DE FEMMES
Au secours! Au secours!
N'entendez-vous pas?

DEUXIÈME GROUPE DE FEMMES
Au secours! Au secours!
Messieurs les soldats!

PREMIER GROUPE DE FEMMES
C'est la Carmencita!

DEUXIÈME GROUPE DE FEMMES
Non, non, ce n'est pas elle!
Pas du tout!

PREMIER GROUPE DE FEMMES
C'est elle! Si fait, si fait, c'est elle!
Elle a porté les premiers coups!

DEUXIÈME GROUPE DE FEMMES
Ne les écoutez pas!

TOUTES LES FEMMES (entourant Zuniga)
Écoutez-nous, monsieur!
Écoutez-nous! Écoutez-nous!.
Écoutez-nous! Écoutez-nous!.
Écoutez-nous, monsieur!
monsieur, écoutez-nous, !

DEUXIÈME GROUPE DE FEMMES
(tirant l'officier de leur côté)
La Manuelita disait,
et répétait à voix haute
qu'elle achèterait sans faute
un âne qui lui plaisait.

PREMIER GROUPE DE FEMMES
Alors la Carmencita,
railleuse à son ordinaire,
dit : « Un âne, pourquoi faire?
Un balai te suffira. »

DEUXIÈME GROUPE DE FEMMES
Manuelita riposta,
et dit à sa camarade :
« Pour certaine promenade,
mon âne te servira! - »

PREMIER GROUPE DE FEMMES
« - Et ce jour-là tu pourras
à bon droit faire la fière ;
deux laquais suivront derrière,
t'émouchant à tour de bras!»

TOUTES LES FEMMES
Là-dessus, toutes les deux
se sont prises aux cheveux!
Toutes les deux, toutes les deux
se sont prises aux cheveux!







ZUNIGA
Au diable tout ce bavardage!
Au diable tout ce bavardage!
Prenez, José, deux hommes avec vous
et voyez là-dedans qui cause ce tapage.
(Don José prend deux hommes avec lui. Les soldats rentrent dans la manufacture. Pendant ce temps les femmes se pressent, se disputent entre elles.)

PREMIER GROUPE DE FEMMES
C'est la Carmencita! etc.

DEUXIÈME GROUPE DE FEMMES
Non, non, ce n'est pas elle! etc.

PREMIER GROUPE DE FEMMES
Si fait, si fait c'est elle!

DEUXIÈME GROUPE DE FEMMES
Pas du tout!

PREMIER GROUPE DE FEMMES
Elle a porté les premiers coups!

ZUNIGA
Holà!
Éloignez-moi toutes ces femmes-là!


TOUTES LES FEMMES
Monsieur! ne les écoutez pas!
Monsieur! écoutez nouz! écoutez nouz!
Monsieur! écoutez nouz!

PREMIER GROUPE DE FEMMES
C'est la Carmencita Qui porta les premiers coups!
La Carmencita! Si!

DEUXIÈME GROUPE DE FEMMES
C'est la Manuelita Qui porta les premiers coups!
La Manuelita Non!

(Les soldats repoussent les femmes et les écartent. Carmen paraît sur la porte de la manufacture amenée par Don José et suivie par deux dragons.)

N° 9 Chanson et Mélodrame

JOSÉ
Mon officier, c'était une querelle
des injures d'abord, puis à la fin des coups;
une femme blessée.

ZUNIGA
Et par qui?

JOSÉ
Mais par elle.

ZUNIGA (à Carmen)
Vous entendez, que nous répondez-vous?


CARMEN
Tralalalala,
coupe-moi, brûle-moi,
je ne te dirai rien ;
tralalalala,
je brave tout -
le feu, et le ciel même!

ZUNIGA
Fais-nous grâce de tes chansons,
et puisque l'on t'a dit de répondre, réponds!

CARMEN
Tralalalala,
mon secret, je le garde, et je le garde bien!
Tralalalala,
j'en aime un autre,
et meurs en disant que je l'aime.

ZUNIGA
Puis tu le prends sur ce ton
tu chanteras ton air aux murs de la prison.

CHŒUR
En prison! En prison!
En prison! En prison!



(Carmen veut se précipiter sur les femmes.)


ZUNIGA (à Carmen)
La peste!
Décidément vous avez la main leste!

CARMEN
Tralalalala…

ZUNIGA
C'est dommage,
c'est grand dommage,
car elle est gentille vraiment!
Mais il faut bien la rendre sage,
attachez ces deux jolis bras.
(Exit Zuniga. Un petit moment de silence. Carmen lève les yeux et regarde Don José. Celui-ci se détourne, s'éloigne de quelques pas, puis revient à Carmen qui le regarde toujours.)

CARMEN
Où me conduirez-vous?

JOSÉ
À la prison, et je n'y puis rien faire.

CARMEN
Vraiment, tu n'y peux rien faire!

JOSÉ
Non, rien! J'obéis à mes chefs.

CARMEN
Eh bien, moi, je sais bien
qu'en dépit de tes chefs eux-mêmes
tu feras tout ce que je veux,
et cela parce que tu m'aimes!

JOSÉ
Moi, t'aimer?

CARMEN
Oui, José!
La fleur dont je t'ai fait présent,
tu sais, la fleur de la sorcière,
tu peux la jeter maintenant.
Le charme opère!

JOSÉ
Ne me parle plus, tu m'entends?
Ne parle plus, je le défends!

N° 10 Séguedille et Duo

CARMEN
Près des remparts de Séville,
chez mon ami Lillas Pastia,
j'irai danser la séguedille,
et boire du manzanilla.
J'irai chez mon ami Lillas Pastia!
Oui, mais toute seule on s'ennuie,
et les vrais plaisirs sont à deux.
Donc, pour me tenir compagnie,
j'emmènerai mon amoureux!
Mon amoureux…il est au diable :
je l'ai mis à la porte hier.
Mon pauvre cœur très consolable,
mon cœur est libre comme l'air.
J'ai des galants à la douzaine,
mais ils ne sont pas à mon gré.
Voici la fin de la semaine,
qui veut m'aimer? je l'aimerai.
Qui veut mon âme? Elle est à prendre!
Vous arrivez au bon moment!
Je n'ai guère le temps d'attendre,
car avec mon nouvel amant…
Près des remparts de Séville,
chez mon ami Lillas Pastia,
j'irai danser la séguedille,
et boire du manzanilla.
Oui, j'irai chez mon ami Lillas Pastia!

JOSÉ
Tais-toi! je t'avais dit de ne pas me parler!

CARMEN
Je ne te parle pas,
je chante pour moi-même ;
je chante pour moi-même ;
et je pense…il n'est pas défendu de penser!
Je pense à certain officier,
Je pense à certain officier,
qui m'aime, et qu'à mon tour,
oui, qu'à mon tour je pourrais bien aimer!

JOSÉ
Carmen!

CARMEN
Mon officier n'est pas un capitaine,
pas même un lieutenant,
il n'est que brigadier ;
mais c'est assez pour une bohémienne,
et je daigne m'en contenter!

JOSÉ
(déliant la corde qui attache les mains de Carmen)
Carmen, je suis comme un homme ivre,
si je cède, si je me livre,
ta promesse, tu la tiendras,
ah! si je t'aime, Carmen, tu m'aimeras?


CARMEN
Oui…
Nous danserons la séguedille
en buvant du manzanilla.

JOSÉ
Chez Lillas Pastia…
Tu le promets!
Carmen…
Tu le promets!

CARMEN
Ah! Près des remparts de Séville, etc.
(Carmen va se replacer sur son escabeau, les mains derrière le dos. Rentre Zuniga.)

N° 11 Final

ZUNIGA (à José)
Voici l'ordre ; partez.
Et faites bonne garde.



CARMEN (bas à José)
En chemin je te pousserai,
je te pousserai aussi fort que je le pourrais…
Laisse-toi renverser…
le reste me regarde.
(Elle se place entre les deux dragons. José à côté d'elle. Les femmes et les bourgeois pendant ce temps sont rentrés en scène, toujours maintenus à distance par les dragons. Carmen traverse la scène allant vers le pont.)
L'amour est enfant de bohème,
il n'a jamais connu de loi.
Si tu ne m'aimes pas, je t'aime ;
si je t'aime, prends garde à toi!
Si tu ne m'aimes pas, si tu ne m'aimes pas,je t'aime ;
Mais si je t'aime, si je t'aime prends garde à toi!
(En arrivant à l'entrée du pont, Carmen pousse José qui se laisse renverser. Confusion, désordre, Carmen s'enfuit. Arrivée au milieu du pont, elle s'arrête un instant, jette sa corde à la volée par-dessus le parapet du pont, et se sauve pendant qu'à la scène, avec de grands éclats de rire, les cigarières entourent Zuniga.)


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© Asahina Takashi
最終更新:2022年08月05日 10:11