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"タメルラーノ"border="0"

目次

訳者より

  • 今回初めてこのプロジェクトでの対訳に挑戦させていただき、それがヘンデルの数あるオペラのなかでも必ず傑作の一つとして数え上げられる「タメルラーノ」ということで、最初は「ホントに私がやっちゃっていいの?」という感じだったのですが、チーム・ヘンデルのボス、REIKO様の懇切丁寧なご助言のおかげで、とりあえず読むに耐えるものができたのではないかとおもいます。REIKO様にはこの場をお借りして、改めて感謝申し上げます。まだ、至らない点が多々あるとおもいますが、拙訳がこの傑作オペラの鑑賞の助けに少しでもなれば幸いです。
  • テキストについて
    イタリア語のテキストは、管理人様が用意してくださったテンプレートに手を入れさせていただき1724年の初演稿使用を謳っているMD+Gのペトルー指揮オーケストラ・オブ・パトラスのCDによるもの(レシタティーヴォがおそらくノーカットで収録されているのです)を基にしました。さらに、この稿でカットされている(おそらくヘンデルが1回めの上演直後にカットした)第3幕第8場のタメルラーノとイレーネの二重唱、第9場のアステリアのアリアおよび最終場のタメルラーノとアンドロニコの二重唱をくわえ、さらに1731年の再演で追加されたレオーネのレシタティーヴォとアリアを第1幕第8場として入れたてんこ盛りテキストになってます。カット部分を採用したCD、DVDはかなりあるのでどれにも対応できるのではないかと・・
  • 台本の背景?
    どの解説にも書いている通り、このオペラは1402年にモンゴル帝国の後継者を自称していたティムール(タメルラーノは西欧人による蔑称だそうです)が西へ進撃しオスマン・トルコの王バヤズィト(バヤゼット)を現在のトルコの首都アンカラのあたりで打ち破り捕虜にしたという史実がもとになっています。で、史実と合っているのはバヤゼットが捕虜になってそのあとすぐ死んでしまったということだけで、あとはオペラの台本によくある誇張とでっち上げだよと言ってしまうのは簡単なのですが、オペラの場面に至るまでの背景を妄想してみますと・・・
バヤゼットの率いるオスマン・トルコにより、ギリシャ(東ローマ帝国)の領土は次々と蚕食され、千年の伝統を誇るギリシャは存亡の危機に立たされていた。ギリシャの王子アンドロニコは敗戦のたびに交渉のためオスマンの陣営をたびたび訪れていたが、敵王バヤゼットにいつしか畏敬の念をいだくようになり、王の娘アステリアとの間に愛が芽生えていた。そんなおり、ギリシャの宮廷は起死回生の策を打ち出した。東方で急速に勢力をのばしているタメルラーノと手を結びバヤゼットを挟撃しようと考えたのだ。その交渉の使者に選ばれたのはアンドロニコだった。交渉は成功し、タメルラーノはアンドロニコとともにオスマンへ兵を向け、バヤゼットの軍勢を打ち破り、バヤゼットを捕虜とした・・・
  • みたいな感じはどうでしょうか。読み込むとヘンデルとハイムが借用した台本の原作者は史実をかなりよく配慮して作っているように思えてきたりします。(例えばアンドロニコ(ギリシャ)とイレーネ(トレビゾンド)の微妙な関係など・・)

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この日本語テキストは、
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の下でライセンスされています。
@ TRASIMEDE

監修者より

  • 「タメルラーノ」は上演当時も好評でしたが、現在でもヘンデル・オペラの中では舞台にかかる率が高い人気作品です。その理由の一つに、テノールが歌うバヤゼット役に見どころ&聴きどころが多いことが上げられます。実は今日、オペラのイメージとして定着している「テノールが声を張り上げてナンボ」は、バロック時代のイタリア系オペラでは一般的ではありませんでした。観客のお目当てはまずカストラート、性を越えた特異な音域で歌う彼らと比べれば、テノールはどんなに上手くても平凡な男性歌手でしかなく、端役に回ることがほとんどだったのです。
  • しかしこの作品でヘンデルは、最後にバヤゼットの娘アステリアと結ばれるアンドロニコ役を第一カストラート(プリモ)のセネジーノに与え、バヤゼット役に当時の優れたテノール歌手ボロジーニを起用して、「死の場面」で劇的なクライマックスを作ることに成功しています。そしてバヤゼットの誇り高い死に様に心を打たれた暴君タメルラーノが改心し、先の見えなかった物語は一気に解決に向かう────この「テノールがカッコいい」筋立てが、現在一般的なオペラに親しんでいるファンにも馴染みやすく、人気歌手も使えるとあって「お客を呼びやすい」のだと思われます。プラシド・ドミンゴがバヤゼットを持ち役にしていますが、彼が出るなら知らないオペラだろうが何だろうが、劇場に足を運ぶというファンも多いでしょう。ロランド・ヴィリャソンも彼のヘンデルアルバムで、バヤゼットのアリアをいくつか取り上げています。
  • ヘンデル・オペラでは、最後に登場歌手全員でハッピーエンドの合唱を歌うのが「お約束」のため、途中で重要な人物が亡くなる展開は少数派です。さらにこの作品では、生きているアステリアが最後の合唱に参加せず、歌手六人のうち四人だけの合唱で幕を閉じているのも珍しい。愛するアンドロニコと結ばれることになったとはいえ、父を亡くしたすぐ後では不自然との考えでしょうか。彼女が最後のシーンで歌わないことが、この物語の悲劇としての一面を語っているように思います。
  • 今まで当プロジェクトでいくつかのヘンデル対訳に関わって来ましたが、「タメルラーノ」のイタリア語は難しかったです。「一体どういう構文なんだ?」「この語句はどことつながっているのか?」など、まるでパズルでも解くように頭をひねる箇所が多々ありました。また当時の諸事情により、台本自体にイタリア語の文法的誤りも多いのだそうです。そういうわけで不備な点もあるかと思いますが、鑑賞に支障のないレベルに仕上げるように尽力いたしました。重厚な人間ドラマをお楽しみください。

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@ REIKO
Handel,George Frideric/Tamerlano








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