"ヴォツェック"

対訳

全曲(動画対訳)


訳者より

  • 「ヴォツェック?あの、暗らーいオペラ?」というのが、アルバン・ベルク作曲のこのオペラに対する、一般的なリアクションである。確かに、このオペラのストーリーは救われようのないほど暗い。登場人物の衣装には汗の匂いが染み付いていそうだし、おまけに音楽は不協和音だらけで、メロディーを捉えることのできるだけの長さを持つアリアもない…。にもかかわらず、なぜこのオペラが、いわゆる現代音楽作品の中の傑作として、(実際には、現代どころか、もうそろそろ100年近い昔に書かれた音楽になってしまったのだが、)現在もまだ、ヨーロッパ、特に、ドイツ語圏のオペラハウスで、かなりの頻度で上演されるのだろうか?― ということは、このオペラを見たい観客がいるということなのだ…。なぜ?この答えを見出すために、テキストに関してだけではなく、このオペラ全体について、しばらくの間考えてみたい。

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最終更新:2020年01月05日 11:23