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1
男声合唱:
皇帝陛下は写真を撮らせる。皇帝陛下は写真を撮らせる。皇帝陛下は写真を撮らせる。皇帝陛下は!皇帝陛下は!(ハミング)

(幕が開く。)

2
(アンジェルの写真スタジオ。部屋は奥に行くに従って狭くなっていて、左手にはがっしりした造りの窓、右手には幅広の寝椅子がある。部屋の側面は壁で、狭く短い通路を形成し、その端はドアになっている。中途半端な高さのニス塗りのテーブルの上に載せられた、電話が鳴る。)


(左手から、お仕着せを着た使い走りの子供が現れ、受話器を取る。)

使い走り:
ハイ、アトリエ・アンジェルです。どちら様でしょうか?(取り乱して)ど?ど?どちら様?(度を失って)呼んで参ります。(受話器を取り落とし、右手のドアの所まで走って、さっとドアを開け)ロメインさん!ロメインさん!

(黒いリネンの上っ張りを着たアシスタントが、右手から現れる。)

アシスタント:
俺をツンボだとでも思ってるのか?

使い走り:
(吃りながら)電話に……出て下さい。

アシスタント:
俺に誰が用があるんだ?

使い走り:
あなた宛じゃないです。

アシスタント:
じゃあ、何で俺が出なきゃならないんだ?

使い走り:
だって、だって……急いで電話に出て下さい!

アシスタント:
(近付いて、受話器を取り)こちらはアトリエ・アンジェルです。そちらはどなた様でしょうか?(すぐに落ち着きを失って)ど?ど?どなた様?呼んで参ります。(大慌てで受話器を置き、右手に走り、大声で呼ぶ)マダム!マダム!マダム!


(アンジェルが右手から現れる。スリムで、美しく、夢のような衣装で着飾っている。アシスタントは彼女に付き従う。)

アンジェル:
私を呼ぶのには、そんな大きな声を上げなくてもいいのよ、ロメイン。お行儀が悪いこと。ここは兵舎じゃなくてよ。何か言いたいことがあるの?(アシスタントは深呼吸する)落ち着いて、落ち着いて。私の耳は世界一よ。ハエの囁きだって聞こえますからね。それで、一体どうしたの?

アシスタント:
(喘ぎながら)御自分で電話に出て下さい。

アンジェル:
そのためにこの子を雇っているんでしょう?(彼女は戻ろうとする)

アシスタント:
こいつが私を呼んだんです。それで、私は、受話器を置いて。

アンジェル:
(気付いて)二人とも震えているじゃないの!

アシスタント:
(使い走りを指さし)こいつも……

使い走り:
(アシスタントを指さし)ロメインさんも……

使い走り/アシスタント:
二人とも震えている。

(アンジェルは意を決し―ニス塗りのテーブルの所まで歩いて―受話器を取り上げる。)

アンジェル:
こちらはアトリエ・アンジェルです。どちら様でしょう?(たちまち、はきはきとして)どちら様?はい、了解いたしましたわ。式部庁からの御用達。今は、わたくし本人が電話に出ておりますが……使用人達がのぼせ上がってしまったものですから。このような栄誉を受けて、わたくしの頭まで混乱しておりますわ。どのようにですって?わたくしがお願いしたと言うのですか?そのようなことをした憶えは御座いませんが。もう少し詳しく、お話願えませんでしょうか?誰かに盗聴されているようですわ。たくさんの声が!そこで話しているのはどなた?一体どなた?一体どなたなの?もしもし!こちらはアトリエ・アンジェル。あら、また繋がったようですわね。混線していたようですわ。

アシスタント/使い走り:
式部庁からの御用達?式部庁からの御用達?一体どういうことなんだろう?一体どういうことなんだろう?

アンジェル:
わたくしに?

アシスタント/使い走り:
私達に?

アンジェル:
十二分で!用意しておりますわ。

アシスタント/使い走り:
……分で!一体、一体どういうことなんだろう?

アンジェル:
(彼女はゆっくりと受話器を下ろす。アシスタントと使い走りは彼女のことを見守っている―気圧されたように)皇帝陛下が写真を撮りにみえられるのよ。

男声合唱:
(ハミング)

(間。)

アンジェル:
(気を取り直し)カメラ、照明!ちょっと待って、ロメイン!いつ私が、皇帝陛下のお写真を撮らせて頂けるように、お願いしたのかしら?一枚目の手紙に、二枚目の手紙、手紙の洪水ですって?私は一行だって書いてはいないのに!これは一体どういうことなのかしら?

アシスタント:
皇帝陛下はあなたの撮った写真が欲しいんですよ。あなたはパリで有名になり、彼は彼の望みをあなたの望みに変える。皇帝と言うものは、自分が望むことを人から請願させるものです。皇帝は神の庇護を受けた専制君主なのですから。

アンジェル:
皇帝が私の所にやって来られる。皇帝陛下がこのスタジオに。これはきっと私の生涯で最良の時になるのよ。レンズの前の皇帝陛下。明日になれば、私のスタジオは大繁盛。私は女王様みたいに崇められる。私は有名になれる、有名によ!(アシスタントに)カメラは中央。(使い走りに)肘掛け椅子はそこ。(鏡の前で)私はどう見えるかしら?(スカーフを寝椅子から取り上げ、身に纏う)これではいけないわ。(彼女はそれを投げ捨て、別のを取り衝立に掛ける)こちらの方がいいわ。(アシスタントに)フィルムを取ってきて頂戴。すっかり準備しておかなくてはいけないわ。(アシスタント、右手に退場。使い走りに)肘掛け椅子の所に座って頂戴。ピントを合わせるのよ。(使い走りは肘掛け椅子に座る。フィルムを持って戻って来たアシスタントに)明かりが足りないわ!(アシスタントは窓のカーテンを高く挙げる)そのままで、よくてよ。(使い走りに)今まで、あなたは皇帝だったけど、坊や。今度は、また坊やに戻って、皇帝陛下。飛んで行って、皇帝が入られるのに、ドアがきちんと開いてるかどうか見てくるのよ。(アシスタントに)あなたは後ろに控えていて頂戴。私が合図したら、フィルムを持って来て、また戻って頂戴。リハーサルしてみましょう。呼び鈴が鳴るまで後、五分あるわ。


(遠くで、けたたましく呼び鈴の音。)

使い走り:
呼び鈴が鳴りました。

アシスタント:
ああ、とても大きな音で。

(再びより大きな音で呼び鈴の音。)

アンジェル:
もう!

使い走り:
またです!

アシスタント:
さっきより大きな音で!

アンジェル:
あれはきっと皇帝ですわ!私はここに立っていましょう。(アシスタントに)あなたはそこにいて!(使い走りに)お前は向こうにお行き!皇帝をお迎えするのよ。

(使い走りは左に退場。)

3
(外で、人声と足音の短いざわめきが起こり、急速に近づいてくる。外套を羽織った人の一群―五人の男、一人の女、一人の青年、テロの首謀者―が使い走りを引っ張って入ってくる。)



テロの首謀者:
(アンジェルとアシスタントにピストルを突き付け)誰が喚いているんだ?(一人また一人と、武器の狙いを定めながら)がたがた喚くんじゃない!(自分の同胞たちに)始めろ。時間は貴重だ。これは皇帝の血で贖われるんだ。


五人の共謀者:
皇帝の血で!

テロの首謀者:
始めろ!

男声合唱(オーケストラボックスから)
皇帝の血で!

(男の一人が後ろからアンジェルに飛びついて、彼女の手を背中に回して押さえつける、第二の男はアシスタントを取り押さえ、三番目は使い走りを同じように捕まえる。)

アシスタント/使い走り:
どうして?

アンジェル:
なぜ?

テロの首謀者:
(ピストルを彼女に向けて)お静かにマダム!

アシスタント/使い走り/アンジェル:
どうしようって言うの?

テロの首謀者:
あなた方にお許し願って、これから十五分ばかりあなた方の代役を務めさせていただきたいんですが、よろしいですかな?(彼は狙いを定める。アンジェルは黙り込む。アンジェルのと同じ様な、ゆったりとした衣装を着た女が立っている。男の一人と青年も上着を脱ぐ。女はアンジェルの前に立ち、男はアシスタントの前、青年は使い走りの前に立つ)マダムの許可が下りたぞ。(彼の同胞に)変装を仕上げろ。

偽アンジェル:
(アンジェルに)あなたのスカーフがいるわ。

偽使い走り:
(使い走りに)お前のジャケットをよこせ。

偽アシスタント:
(アシスタントに)お前の上っ張りをもらうぞ。

偽アンジェル:
スカーフを頂戴。

偽使い走り:
ジャケットを頂戴。

偽アシスタント:
上っ張りを頂戴。

テロの首謀者:
(ピストルを振り上げ)スカーフ!上っ張り!ジャケット!

(三人を押さえている男たちは、それらを彼らから奪い、偽者たちに渡す。)

偽アンジェル:
あなたの髪は分かれているわ。(彼女は髪を整える)

偽使い走り:
お前は小帽子を被っている。(彼は使い走りの帽子を被る)

偽アシスタント:
お前は巻き毛だ。(彼は髪をカールする)

偽アンジェル:
紅を差した唇。

偽使い走り:
髪が分けてある。

偽アシスタント:
弓なりの眉毛。

偽アンジェル/偽使い走り/偽アシスタント:
変装完了です。


テロの首謀者:
素晴らしい似せ方だ。(他の者に)違いが分かるか?


五人の共謀者:
全然、分かりません。ばっちりです。

男声合唱:
ばっちりだ!

(偽アンジェルと偽アシスタントがカメラの方へ行く。)


テロの首謀者:
次はカメラだ。レンズを外せ!

アンジェル:
まあ、私のカメラを壊さないで。

テロの首謀者:
(ピストルを持ち上げ)口を挟まないで、マダム。

アンジェル:
それには触らないで。撮影のためにセットしてあるんですから。私は皇帝陛下を待っていますのよ。

テロの首謀者:
(嘲笑って)我々も彼を待っているのさ。

アンジェル:
あなた方、写真が撮れますの?

テロの首謀者:
我々のやり方でね。我々が準備するのを見てるんですな。特別なやり方だが、結果は確実だ。

偽アンジェル:
(カメラの後ろを見据え)ここは自由に開くの?(立ち上がって)武器をこちらへ。

(偽アシスタントが紙箱からピストルを取り出す、小さな足が付けられボタン付きのゴムチューブが付けられている。)


テロの首謀者:
それをこちらのマダムにお見せして。

アンジェル:
それは何ですの?

テロの首謀者:
フィルムの代わりに、ピストルを写真の乾板のように寸分の狂いもなくセットする。カメラのファインダー越しの方が、うまく狙いを定められるからね。でもなきゃ、犠牲者を銃口の真ん前で、こんなにじっとさせておけますか?

アンジェル:
あなた方は私のスタジオで皇帝を暗殺しようと言うの?

テロの首謀者:
御名答です、マダム。我々はあなたに敬意を表しましたよ。我々はあなたを選び出しました。我々は詳細にスパイし、我々のメンバーも選りすぐりました。背格好やら髪型やら細々したことまで見落としませんでした。あなたの知らない手紙も書きましたよ。式部庁宛にね。巷で噂されている、あなたの素晴らしい魅力についても、我々は忘れずに手紙の中で言及していますよ。ただ、厚かましくも、自画自賛になっていますがね。慎ましく付け加えさせていただきますと。

アンジェル:
何てひどい!

テロの首謀者:
パリで遊びほうけている皇帝を、どうやったら誘き出せるか?犯罪ノ陰ニ女アリ?電話では、あやうくあなた方に裏切られるところでした。だから我々は電話回線を妨害しました。私たちは見張っていました。すっかり用意していました。何週間も前からこの猟は始まっていたのですよ。ここで野獣はカメラマンのカメラに打ち倒され、断末魔の声をあげるのです。

偽アンジェル:
(偽使い走りに)肘掛け椅子の所にお座り。狙いを定めるわ。


(偽使い走りは肘掛け椅子にかける。)

アンジェル:
助けて!助けて!

テロの首謀者:
彼を?

アンジェル:
私を、私を!そんなことされたら、私はおしまいだわ。

テロの首謀者/五人の共謀者:
やらなければならない。やらなければならないんだ。

テロの首謀者:
心臓のど真ん中を射当てるんだ。

五人の共謀者:
あいつはくたばるんだ。

(偽アンジェルはカメラを黒い布で覆う。)


テロの首謀者:
みんな集まれ。この黒い布の上に、その下で待っているものの上に手を重ねるんだ。(皆言われたとおりにする)この、狙いの定められた一発の銃弾が、全ての者への合図となって、解放への叫びを上げるに違いないか?

偽アンジェル/偽使い走り/偽アシスタント/五人の共謀者:
違いない!


テロの首謀者:
この、照準を合わせて発射される一撃が、全ての自由への門を開くことになると信じるか?

偽アンジェル/偽使い走り/偽アシスタント/五人の共謀者:
信じる!


テロの首謀者:
この、必ず相手を仕留めることになる弾丸が、我々の同胞の最後の枷を弛めることになると言えるか?

偽アンジェル/偽使い走り/偽アシスタント/五人の共謀者:
言える!


偽アンジェル:
私は暴君を撃ち殺すのよ。今日は、あいつの首が飛ぶの!我々は誓う!我々は誓う!我々は誓う、あいつはくたばる。

偽使い走り/偽アシスタント/テロの首謀者/五人の共謀者:
全ての者への合図だ、自由への門を開くのだ、我々の同胞の最後の枷を弛めるのだ。我々は誓う!我々は誓う!我々は誓う、あいつはくたばる。


男声合唱:
違いない!信じる!言える!我々は誓う!我々は誓う。我々は誓う、あいつはくたばる。

使い走り/アシスタント:
カメラを壊さないで!私達を助けて!助けて下さい!私達を助けて下さい!

アンジェル:
カメラを壊さないで!私を助けて!助けて下さい!助けて下さい!カメラを壊さないで、私を傷付けないで、助けて下さい!


テロの首謀者:
(下がって)奴等を黙らせろ。

アンジェル:
助けて!

(彼らはハンカチでアンジェル、使い走り、アシスタントに猿ぐつわを噛ませる。)

テロの首謀者:
(偽アンジェル、偽使い走り、アシスタントを指して)来い!こいつらだけにするんだ!

(アンジェル、アシスタント、使い走り右手に連れ去られる。)

テロの首謀者:
(偽アンジェルに)待ってるぞ。手は震えていないか?

偽アンジェル:
大丈夫よ!

テロの首謀者:
暴君の心臓を打ち抜くんだ。(他の者の後を追い―退場)

偽アンジェル:
窓のカーテンを下ろして。(皮肉っぽく)私には明かりはいらないわ。私の弾丸は暗やみでも自分の道を見つけられるから。(偽アシスタントはカーテンを下ろす)これが、人の入れ換えを完璧にする、正しい明かりよ。


(外で呼び鈴が鳴る。)

偽アシスタント:
あいつが来た。

偽アンジェル:
下がってなさい。私はここにいるわ。

偽使い走り:
僕は行ってきます。(左手に退場)

偽アンジェル:
皇帝をお迎えして頂戴!

(初めに、偽使い走りに案内されて、二人の警官が現れる。)


男声合唱:
布の下に。黒い布の下に。発射を待ち構えているのは、発射を待ち構えているのは、解放への合図となるもの、自由への門を開くもの、我々の同胞の最後の枷を弛めるもの、暴君の心臓を打ち抜くもの。


警官1:
マダム―警視総監の命により、皇帝陛下の安全の確認に参りました。あのお方の御来場の前に、スタジオと人の捜査を行わなければなりません。この命令には進んで従って頂けるよう、お願い致します。(警官2に)部屋を捜索しろ、俺はこの人達の尋問を行う。(偽アンジェルの前で)お許し下さい、マダム!(彼は彼女のボディチェックを行う―下がって)どうも!(偽アシスタントに)お前は何者だね?



偽アシスタント:
マダム・アンジェルのアシスタントです。

警官1:
(ボディチェックを行う)どうも!(偽使い走りに)お前は?

偽使い走り:
マダム・アンジェルの使い走りです。

警官1:
(ボディチェックを行う)どうも。(警官2に)何か見つけたか?

警官2:
何もありません。

警官1:
(アンジェルに)武器を隠したりしていませんか?(偽アンジェルは首を横に振る)

警官2:
(黒い布を持ち上げようとして)この布の下は?

警官1:
(布を下げて)写真用のカメラだ。(アンジェルに)これで充分です。

男声合唱:
布の下に。黒い布の下に。

(二人の警官は左手のドアの所定の位地に付き、外に向かって深々と頭を下げる。)

4
(皇帝―明るい色の平服を着た、慎ましやかな様子の紳士―と、その付き人―フロックコートを着て、シルクハットを被り、白いちょび髭を生やした高官―が入ってくる。皇帝は少し離れた所からアンジェルのことをじろじろと見る。偽アンジェルは彼を正面から見据える。皇帝は彼女に近寄る。偽アンジェルは彼の手に接吻しようとする。)

皇帝:
僕はただのムッシュー。敬意を表されるべきなのはあなたの方ですよ、マダム。(彼は彼女の手に接吻する)

偽アンジェル:
(秘かに嘲りを込めて)何て寛大な!

皇帝:
がっかりなされたのでは?

偽アンジェル:
なぜ、がっかりしなくてはいけませんの?

皇帝:
あなたは皇帝の写真を撮るおつもりだったのでしょう?

偽アンジェル:
(驚いて)写真をお撮りにならないおつもりですか?

皇帝:
皇帝としては撮られたくないのです。普通の人間として、他の人たちと一緒に通りを歩いているような、他の誰彼と同じような者として撮られたいのです。

偽アンジェル:
(笑って)他の誰彼と同じように、わたくしのカメラの前でじっとしていて下されば、きっと最高の写真になりますわよ。

皇帝:
そういう風に私に好意を寄せてくれるとありがたい。(周りを見回し)ここはどこですか?

偽アンジェル:
ブールバールの遙か上です。

皇帝:
(窓に歩み寄り)パリはどこですか?

偽アンジェル:
(移動しながら)下に沈み込んでいます。

皇帝:
(窓のカーテンを傍らに押しやり)このパリの眺めは、なんて素敵なんだ。巨大なアスパラガスのように聳え立つ、エッフェル塔。モンマルトル!ムーランルージュ!夜になればもっと面白くなるんだ。パリ!パリ!下に沈み込んでいる。あそこに見えるのは廃兵院の丸屋根。あそこにはナポレオンが葬られている。彼はもう死んだ。死んでしまったのだ。(アンジェルの所に戻り、彼女にぐっと迫り)私はナポレオンの様な目には遭いたくない。お解りかなマダム?

偽アンジェル:
わたくしに理解をお望みなのですか、ムッシュー?

皇帝:
ムッシューは切に望んでおります。(彼と彼女が目と目を合わせている間に、彼は後ろで彼の付き人に身振りで合図を送ってみせる。付き人は気付くが、ためらっている。語気を強めて)ムッシューは切に、切に望んでおります。(付き人は二人の警官に指図して、遠くへ行かせる。二人は左手に出て行く。皇帝は振り返り、まだそこにいる付き人を見る。彼は足を踏みならす。それからアンジェルに)私達は見られている。



偽アンジェル:
どこから見られていると言うのですか?

皇帝:
壁中の紳士淑女の写真ですよ。これは誰なのですか?ここに並べられ、固定された者達の真実の姿を説明して下さい。(右手の壁の一枚の写真に歩み寄り)この線の細い顔の持ち主は誰ですか?


偽アンジェル:
(彼の横で、不確かに)誰か男の人ですわ。

皇帝:
おそらく女性でしょう。今となっては、区別できる人がいるでしょうか?(次の写真を眺め)この写真には迷い無く言うことができる。胸が服から飛び出そうになってるのがその証拠だ。この美しい御婦人の名は?

偽アンジェル:
名前は失念いたしましたわ。

皇帝:
(他の肖像写真の前で)これは素っ裸だ。何とも大胆だが、これができるのも肉体の均整がすっかり整えられているからでしょう。魅力的な姿です。この美神は何者ですか?


偽アンジェル:
さる上流階級の御夫人ですわ。

皇帝:
失敬!訊ねないでおきましょう。(次のものの前で)ワンちゃんだ!ちっちゃな、かわいい動物、見ていると子供に返ったような気分になる。あなたは動物はお好きですか?

偽アンジェル:
(熱狂的に)動物には夢中ですわ。

皇帝:
優しい心をお持ちなんですね。なんて素敵なんだ。(それから、とても急いで左手へ向かいながら)こちらの壁は何を見せてくれるのかな?(抑えた声で付き人に)君、席を外してくれたまえ!

付き人:
それはできかねますが……

皇帝:
それを余は命じるのじゃ!(付き人左手へ退場。さらにいそいそと、写真を見ていきながら)人物写真はどれも賞賛に値します。あなたは人のタイプの選りすぐりを揃えている。私はこの調和を乱すのではないでしょうか?


偽アンジェル:
(躍起になって)何をするにしても混乱は避けられませんわ!

皇帝:
私は壁の顔との競争には敗れることでしょう。私は恐れています、マダム。私は恥を恐れているのです。


偽アンジェル:
おやめになるのですか?

皇帝:
私は臆病過ぎるんです。(皇帝は彼女をひざまずかせずしっかりと抱き締める。切実な様子で)だから、見る者はなしで。二人きりにして下さい。(彼女を放して)誰かに顔を見ていられていると、僕がこうしていたいというようにはできないですから。マダムがお決めになって下さい。(彼は窓から顔を背ける)

男声合唱:
布の下に。黒い布の下に。

偽アンジェル:
(偽アンジェルは偽アシスタントから偽使い走りに視線を走らす。二人は頷いて右手に去っていく。退場)私達、二人きりですわ。

(皇帝は振り返る。)

5
偽アンジェル:
あそこの肘掛け椅子の所でお撮りになるよう、お願いいたします。

皇帝:
(そこへ向かう途中、彼女の前で立ち止まって)僕の責任は大きい?

偽アンジェル:
それはもう、大き過ぎるくらいですわ。

皇帝:
あなたに気付くのが遅かったから?

偽アンジェル:
遅かったですわ。でも、遅過ぎはしませんわ!

皇帝:
もっと早く来るべきだった。でも、あなたがこんなにも美しいとは、あなたの言葉からは知ることができなかったのです。

偽アンジェル:
今から一枚の写真で、これまでの怠慢の償いをして頂きますわ。

皇帝:
それで勘定は合うだろうか?

偽アンジェル:
ちょうど余さずに。

皇帝:
でも、僕への報酬はどうなる?

偽アンジェル:
何のための?

皇帝:
僕が皇帝をあなたに紹介したことに対して。これは安くはないですよ。諸候への支払いはいかに致しましょう、マダム?

偽アンジェル:
撮影の後で、ムッシュー。まだ、時間がおありなら。


皇帝:
時間はあるでしょう、マダム。肘掛け椅子で?

偽アンジェル:
肘掛け椅子で。

皇帝:
(歩き回り―肘掛け椅子の背もたれに腰掛けて)クッションには座らない。また、パレードみたいになってしまうから。こんな風に座ってみよう。

偽アンジェル:
ピントを合わせ直しますわ。(彼女はカメラを合わせ始める)


皇帝:
僕は僕のための写真が欲しいんだ。一人の人間を、僕と言う人間を、思い出させてくれる写真を。僕は、戦争と平和の間で決断を迫られ自問する時に、この写真を見るだろう。どうして、こんなことを国民が望むはずがあるだろうか?国民はきっと、緑の野原や歩き回る家畜達、でなければ渦を巻く小川にほの見える魚を釣ろうと釣り糸を垂らすことの方を好むはずだ。僕には、人は殺せない。

偽アンジェル:
(布の陰から姿を現し)こちらの準備はよろしいですわ。では……

皇帝:
座り心地が悪い。背もたれが当たるんだ。やっぱり下に座る。でも、それでは写真が撮れないかな?

偽アンジェル:
ちょっと時間を頂ければ、充分ですよ……

皇帝:
(既に肘掛け椅子に腰を下ろし)もう、我慢しきれないのでは?

偽アンジェル:
ずっと、この時を待っていたのですから。それはこの数秒間よりも、ずっと長くかかっておりますもの。(皇帝は煙草入れを胸ポケットから取り出し煙草を抜き取る。彼女はカメラをセットし直す)

皇帝:
一本の煙草は、とてもいい気晴らしになる。あなたはどう思います?

偽アンジェル:
(はっと見上げて)それのケースはどこから出しました?

皇帝:
(ポケットにケースをしまい)この心臓の上のところ。どうして、そんなことを聞くんです?

偽アンジェル:
(彼の側に来て)私が聞いたのは、服が皺になっていましたからですわ。上着を幅広に折り返させて頂きたいのですが。(彼女はジャケットの左側を折り返す)

皇帝:
この方がよく見える?

偽アンジェル:
写真にはよろしいですわ。

皇帝:
明かりは充分ですか?もう、黄昏時だ。僕はどれぐらい、棒みたいにかちこちになって、じっと座っていなきゃならないのかな?

偽アンジェル:
このカメラにはフラッシュがありますわ。

皇帝:
びっくりさせられるのでは?

偽アンジェル:
すぐにお解りになりますわ!

皇帝:
ピントを外さないと、確信していますか?

偽アンジェル:
射撃手が的に命中させるように、狙いは外しませんわ。

皇帝:
ブラヴォー!

偽アンジェル:
三つ数えます。

男声合唱:
皇帝陛下は写真を撮らせる!

皇帝:
ブラヴォー!

偽アンジェル:
それから私はシャッターを切ります!

男声合唱:
皇帝陛下は写真を撮らせる!

皇帝:
私は落ち着いているよ。(彼はすっかりくつろいだ様子になっている)

偽アンジェル:
(偽アンジェルはバルブをしっかり握り数え始める)……一……二……

皇帝:
(それを遮って)待って、マダム!(立ち上がる)


偽アンジェル:
立ち上がらないで!

皇帝:
役の交代を、お許し願いたい。僕がカメラマンになって、マダムが座る。

偽アンジェル:
何をしたいのですか?

皇帝:
僕はあなたの写真を撮りたい。

偽アンジェル:
どうして?

皇帝:
そんな気分だからだ。

偽アンジェル:
でも、そんなの子供じみていますわ!

皇帝:
僕は自分の気分には従うことにしています。それ以外、僕に命令できるものがありますか?我々にはひざまずかねばならないものがあります。神とか気分とか、人が呼ぶものに。それが馬鹿げたことでしょうか?

偽アンジェル:
そんなこと不可能ですわ!

皇帝:
そんなに難しい?

偽アンジェル:
そんなこと不可能ですわ。あなたは私のカメラを壊してしまいますもの。そんなこと不可能ですわ。そんなこと不可能ですわ。

皇帝:
僕は薄のろじゃないんだ!僕はとても飲み込みが早いんだ。あなたが教えてくれればいい。あなたがピントを合わせたんだ。このバルブは僕が持とう!

偽アンジェル:
バルブには触らないで。

皇帝:
あなたは肘掛け椅子に座って、最初に僕が押す。いけませんか、マダム?

偽アンジェル:
私、座れませんわ。眩暈がしてしまいますもの、考えるだけで……皇帝陛下が……

皇帝:
皇帝は忘れなさい、僕が彼を忘れたように。ムッシューがマダムの撮影を行うのです。それも、今すぐに!


偽アンジェル:
決断に固執してはいけませんわ。

皇帝:
不可避ですよ、マダム。肘掛け椅子があなたを待っています。

偽アンジェル:
私は用意ができていません。私は疲れきっていますもの。

皇帝:
今のあなたは、とても混乱しているとは思えないほど、美しい。あなたの写真を私は大切にとっておこう、パリの一つだけのみやげとして。

偽アンジェル:
まあ、私のカメラを乱暴にしないで。まあ、壊さないで。私をそっとしておいて。私は落ち着かなくてはいけないわ。まだうまくいきませんの。その間に、あなたが座っていて下さい。

皇帝:
レディーファーストですよ。

偽アンジェル:
馬鹿馬鹿しいわ、エチケットなんて!

皇帝:
用意はいいですか?

偽アンジェル:
あなたの後でなら。

皇帝:
(バルブを指さして)じゃあ、感光板は無駄にしてしまおう。あなたが僕の言うことに従わないというのなら、このままバルブを押しますよ。

偽アンジェル:
(彼を引き止めようとしながら)従いますわ。でも、私の鼓動が落ち着くまで待って下さい。

皇帝:
待ちましょう。

偽アンジェル:
(気まずそうな笑いを浮かべ)驚いただけで、心臓がこんなにどきどきするなんて。捕まって、篭の格子の向こう側で羽をばたつかせている小鳥みたいですわ。心臓にこんな、人を狼狽させるような、途方もない力があるだなんて。私は右左をはっきりさせなくてはならないのに、まだふらふらしていますわ。(彼女は途方にくれ、黙り込む)

皇帝:
興奮して喋れないのですか?では、黙っていましょう。僕が三つ数えるのから始めて、写真を撮って、いつまで?

偽アンジェル:
(囁く)いつまで……

皇帝:
ほら、いつまで?

偽アンジェル:
私が止めるまで。

皇帝:
用意!(彼はバルブを持つ)はい一、はい二……はい……

偽アンジェル:
(さっと立ち上がり―彼に駆け寄る)私の心臓、私の心臓が!私の心臓の音を聞いて!人の心臓がこんなにも恐ろしく鳴るものなのかしら?触ってみなきゃ駄目ですわ。手を貸して。心臓がこんなに強烈に暴れ回っているのを感じます?

皇帝:
(彼女を見て―しばらく沈黙の後)今は僕の心臓の方が、もっとどきどきしてきているよ。

偽アンジェル:
私と同じくらい速く?

皇帝:
そうだと思う。

偽アンジェル:
どこで鳴っているの?(彼女は彼の胸に手を置く)

皇帝:
ここ。(彼は彼女の手に自分の手をぎゅっと押しつける)

偽アンジェル:
感じないわ、固いケースがあるだけ。

皇帝:
(彼は煙草のケースをポケットから取り出し床に投げ捨てる)まだ心臓までの道は遮られているかい?


偽アンジェル:
今は自由になっていますわ!

皇帝:
アンジェル、アンジェル。(彼は彼女にキスしようとする)

偽アンジェル:
(彼の脇をすり抜け)まずは写真!

皇帝:
何のための写真?

偽アンジェル:
私が欲しいの、これ以上のことを私が提供しなければならないのなら。肘掛け椅子はそこにありますわ。ムッシューは決定しなければなりません。

皇帝:
(頷いて)あなたは私の移り気の神の不意を突く。もう、彼等は逃げてしまった。アデュー、天の神々よ。ここにはこの世の喜びがあるのだ。マダム、僕は座ります。

偽アンジェル:
やっと座って頂けるのですね、私が望んだように。

皇帝:
今からはあなたがいいと言うまで、死人みたいにじっとしてるよ。

偽アンジェル:
今度は神にもうまくはいかせないでしょう。

皇帝:
でも女神だったら!

偽アンジェル:
(バルブを持って)気を付けて下さい、ムッシュー!数えますよ、一……数えますよ、二……数えま……

(左手のドアがさっと開かれる。付き人が急いで入ってくる。)

6
男声合唱:
(ハミング)

付き人:
県警からの報告であります。陰謀が発覚致しました。家宅捜索で証拠品が押収されております。近辺に潜んでいると思われる不審人物の追跡が行われております。県警長官からの緊急の要請です。適切な処置が施されるまでは、スタジオを離れないように。この街区一体は既に包囲されております。全住民に対する、最高に厳重な監視が予定されております。十分後には警察が到着致します。


(皇帝は肘掛け椅子から立ち上がり、ぞんざいな身振りで合図する。付き人、退場。偽アンジェルは硬直したようになって立っている。)

皇帝:
驚いたのですか?僕は慣れてますよ。これはとても人気のあるスポーツです。人間狩り。時には爆弾が破裂することもある。とうの昔に廃れてしまった、月並みなやり方のね。暗殺の分野で何か新しく発明されたものがあるなら、その気晴らしに僕は感謝したいくらいですよ。(偽アンジェルはみじろぎもしない。彼女の前で)あなたはチョークみたいに真っ白だ。ここで爆弾が破裂して、ビロードのような肌を損ねるのが怖いのですか、マダム?怖がらないで下さい。スタジオに危険はありませんよ、僕が保証します。ですが、僕達には後、十分しか残されていません。これでは撮影にも恋にも時間が足りないのでは?

偽アンジェル:
(やっとの思いで)時間は充分ですわ。

皇帝:
(彼女を引っ張って)恋に?

偽アンジェル:
(彼から逃れて)撮影に。

皇帝:
それじゃあ時間は充分とは言えない。

偽アンジェル:
どちらにも充分ですわ。まず、あなたがお座りになって。

皇帝:
それを聞いて僕はがっかりですよ。

偽アンジェル:
私の言うことを聞いて頂ければ、もっと時間はできますわ。


皇帝:
あなたがそう言ってくれると、僕は大変嬉しいです。

偽アンジェル:
肘掛け椅子へどうぞ。(彼をそこへ導く)

皇帝:
(座って)これが永遠に続くんだ。

偽アンジェル:
(カメラの後ろで)またピントを合わせなくてはいけませんわ。(彼女は黒い布の陰に入って見えなくなる)

皇帝:
もっと早くできませんか?

偽アンジェル:
もうカウントしませんわ……

皇帝:
うっとうしい一二三はなし。

偽アンジェル:
(姿を見せ)……それからバルブを押します。(彼女はバルブをつかむ)

皇帝:
(立ち上がり、彼女に駆け寄って、その手をつかみ)なんてきれいなんだ、アンジェル!あなたの瞳は頬を染める波打つ血の海の中を、漂う二つの黒い月だ。こんな混乱の中にある婦人を、僕は見たことがなかった。写真を!魔法のようなあなたの写真を!(彼は彼女を肘掛け椅子に導き抑え込む)すぐに僕のモデルになって。

偽アンジェル:
あなたは言いましたわ、あなたが最初に……?

皇帝:
(彼女に覆いかぶさり)あなたの唇の微笑むのを見ていると、そんな約束はとても守れません。最初に、あなたの写真を、永遠の想い出に。(カメラに駆け寄る)ピントは合っている?

偽アンジェル:
(行きつ戻りつしながら)私には合っていませんわ。

皇帝:
僕の方を見て!

偽アンジェル:
私を助けて。私、とてもふらふらしているの。

皇帝:
(彼女に歩み寄り、彼女の頭を両手で抱え込む)じゃあ頭を背もたれに載せて。

偽アンジェル:
(彼に抱きついて)あなたを愛しているのに、落ち着いて座ってなんかいられる?

皇帝:
(膝を折りアンジェルにキスをする)愛し合おうよ、アンジェル。愛し合おうよ、アンジェル。愛し合おうよ、アンジェル。


偽アンジェル:
一千回のキスで愛し合うことを誓いましょう。(皇帝を先程の写真撮影と同じ姿勢になるように立たせる)写真の後でなら、私はあなたに全てを許しますわ。


皇帝:
(彼女をじっと見て)あなたは嘘をついている。(立ち上がる)

偽アンジェル:
(バルブを取ろうとして)私たちは愛し合って、幸福の内に死んでいくのよ。

皇帝:
これは喜劇だ。あなたはただの眩暈のするカメラマン。


偽アンジェル:
(口ごもりながら)一枚の写真を、あなたの想い出に。

皇帝:
どこの店でも、あなたは買うことができるじゃないですか。正面でも横顔でも。平服、制服、帽子、王冠。僕は市場に出回っているけれど、あなたはそうじゃない。だから僕は是が非でも、あなたをこの肘掛け椅子に押さえつける。僕が写真を撮る。(彼女を肘掛け椅子の所に連れ戻す)喋らないで、動かないで。僕がこれを押す。(カメラに歩み寄る)もうやけだ……(偽アンジェルは肘掛け椅子から離れる)……あっ。

偽アンジェル:
(彼のそばで)もう一度キスして!(肘掛け椅子に向かい)それからよ!(彼を肘掛け椅子に押しやりカメラの後ろへ行こうとする)それからよ!

皇帝:
(彼女を引き止め)どこへ行く?

偽アンジェル:
写真撮影。

皇帝:
ここで写真を撮るのは、僕だ。(彼女を肘掛け椅子に押しやり、カメラに向かう)

偽アンジェル:
(彼にしがみつき)私がやるのよ、撮影は。(再び彼を肘掛け椅子に押しやり、カメラに向かう)

皇帝:
僕がやるんだ、撮影は。

偽アンジェル:
私がやるの。私がやるの。私が!私が!私が!私が!私が!私が!私が写真を撮るのよ。私が写真を撮るのよ。愛する人の写真を。愛する人の写真を。ああ!ああ!ああ!

皇帝:
僕がやる。僕がやる。僕が!僕が!僕が!僕が!僕が!僕が写真を撮るんだ。僕が写真を撮るんだ。パリの想い出に。パリの想い出に。想い出に。アンジェル!アンジェル!アンジェル!アンジェル!

7
付き人:
(左手から、急いで入って来て)県警長官からの新たな報告であります。陰謀の痕跡はここ、アトリエ・アンジェルまで続いております。ただちにマダム・アンジェルの部屋の全てについて、家宅捜索に取りかからねばなりません。外では二人の警察官に命令が出されています。同時に、警察の総力部隊が召集されております。

男声合唱:
(ハミング)

皇帝:
(落ち着いて)待つとしよう。(付き人、退場。アンジェルに)こちらは待てない。人がここに入ってくる。最初は二人、それから二十人、それから浜の真砂のごとくね。(偽アンジェルは肘掛け椅子から立ち上がる)これを妨げられるだろうか?皇帝でも自分の人生だけは支配できない。これが僕の主張です。

偽アンジェル:
警察が来るの?

皇帝:
今やパリの夢は消え行こうとしている。僕が抗議している前で、鉄の門が閉ざされていく。ブールバールからモンマルトルへそぞろ歩きすることもないままに。今やパリの夢は消え行こうとしている。

男声合唱:
(ハミング)

皇帝:
(とても落ち着いて)僕はナポレオンのように死ぬんだ。これは哀れではないかね?

(偽アンジェルはしばらくためらってから、蓄音機の所へ行き、レコードを載せてかける。)

8
(今や偽アンジェルは、ただひたすら気付かれずに逃げ去る方法を、考え出そうとしている。)


皇帝:
こんな時に音楽なんて。

偽アンジェル:
(誘いかけるように)これはアンジェルのタンゴよ。(彼女は右手のドアと左手のドアに目をやる。それから左手のドアに駆け寄って閉める。)

皇帝:
何をしてるの?

偽アンジェル:
ドアを閉めたの。

皇帝:
なぜ?

偽アンジェル:
私達が愛し合っている時に警察が入ってきて、驚かされないようによ。

皇帝:
(熱狂的に)最後の最後の時になって、やっと許してくれるのかい?

偽アンジェル:
幸福に酔いしれましょうよ!

皇帝:
(笑って)写真撮影はなしの無条件降伏?

偽アンジェル:
(身を投げ出し、抱きついて)愛し合うだけよ。愛し合うだけよ。

皇帝:
最後の最後の時になって、やっと許してくれるのかい!アンジェル!

偽アンジェル:
(彼女は彼を寝椅子に押しやり)愛してるわ!

皇帝:
(彼は倒されて)おいで!

偽アンジェル:
(彼の腕から逃れて)待って。

皇帝:
君は今、どこにいるの?

偽アンジェル:
覗こうとするものじゃないわ、服を脱いでいるのよ!

(彼女は彼を押さえつけ、その上にクッションを積み上げ、彼をすっかり覆ってしまう。皇帝はじっとしている。彼女は右手のドアに駆け寄り、さっと開ける。すぐにテロの首謀者、偽アシスタント、偽使い走り、共謀者達が中に入ってくる。)


テロの首謀者:
(ほとんど囁くように)皇帝はどこだ?

偽アンジェル:
あのクッションの下よ。

テロの首謀者:
死んでるのか?

偽アンジェル:
失敗よ!我々は見つかったのよ。我々は屋根から逃げなければならないわ。

五人の共謀者:
我々は負けたんだ。我々は逃げなければならない。警察は我々を追跡している。我々は逃げ去らなければならない。

偽アンジェル/偽使い走り/偽アシスタント/テロの首謀者:
警察が来る。警察が全ての通りを遮断している。我々は負けたんだ。奴等は我々を追跡している。


偽アンジェル:
変装を解きましょう。

(偽アシスタントと偽使い走りが変装を解く。彼女はカラフルなベールを投げ捨てる。左手からノックの音。)

偽アンジェル/偽使い走り/偽アシスタント/テロの首謀者/五人の共謀者:
戸を叩いているぞ!あれは何だ?

偽アンジェル:
もう警察が?

偽アンジェル/偽使い走り/偽アシスタント/テロの首謀者:
さあ逃げるんだ!(皆右手へ退場)


9
(すぐに、右手から本物のアンジェル、本物のアシスタント、本物の使い走りが入ってくる―猿ぐつわのハンカチを取り去って、ノックする。)

アンジェル:
(一目、皇帝を見やって)まだクッションの下にいるわ!あなたは上っ張りを着て!スカーフを付けなくちゃ。(彼女はいそいそと身繕いする)スタジオが変わったように見えてはいけないわ。私やあなた達が疑われるかもしれないもの。(アシスタントに)あなたは後ろに下がっていて!(使い走りに)あなたは戸を開けて。(ノックの音が高くなる)待って!誰かがバルブに触るかもしれないわ。私が弾を発射しておくわ。この喧噪の中じゃあ、爆音も聞こえないもの!

(ドアを叩くノックの音は、ハンマーで叩いているような大きな音にまで、高まっている。彼女はバルブを押すと、煌めく閃光が箱から噴出する。)

(アンジェルは使い走りに合図する。使い走りは左手のドアを開ける。付き人が―壮麗な礼服を着た士官達の先頭になって―入って来る。警官がそれに続く。)

皇帝:
(クッションの中から出てきて、座ったまま朦朧として)今のは何だ?(息を吸い込み)火薬か?

アンジェル:
(愛らしく)マグネシウムですわ。露光を調べましたの。明かりが微弱なようですわ。(アシスタントに)もっと感度のいいカメラを!(使い走りに)カーテンを開けて!

(バックで軍隊の大行進が始まり、これが終わりまで続く。)


(アシスタントはカメラを脇に寄せ、衝立てから別のカメラを出し、中央に据える。使い走りは窓を開く。)


皇帝:
(不思議そうに、アンジェルをじっと見て)あなたはアンジェル?

アンジェル:
陽光の中では違って見えまして?

皇帝:
何て変わって見えるんだろう!(士官達に)じゃあ、私は皇帝?

士官達:
(サーベルを振り回し)我々は我らの命を賭けて暗殺者から守った。我々は我らの命を賭けて暗殺者から守った。


皇帝:
(立ち上がり)では皆で写真を撮るとしよう!(彼はゆっくりと肘掛け椅子の所まで行き、腰を下ろす)

男声合唱:
皇帝陛下は写真を撮らせる。皇帝陛下は写真を撮らせる。皇帝陛下は。皇帝陛下は。皇帝陛下は……

(士官達はバックで行進を続けパレードを繰り広げる。)


皇帝:
用意はいいか?(アンジェルは同意の意味で頭を下げる)私もだ。(座ったままじっとしている)

アンジェル:
(バルブをつかみ、叫ぶ)一……二……(士官達は撮影の間敬礼をする。警官は直立不動の姿勢を取る。彼女はバルブを押す)……三!

男声合唱:
皇帝陛下は写真を撮らせる。

(速やかに幕が降りる。)
1
Männerchor:
Der Zar läßt sich photographieren. Der Zar läßt sich photographieren. Der Zar läßt sich photographieren. Der Zar! Der Zar! (Summen)

(Vorhang auf.)

2
(Das Atelier Angéle für Photographie. Spitzwinklig zieht sich der Raum zur Tiefe, hat links das mächtige Fenster, rechts einen breiten Diwan. Auf beiden Seiten vorn weichen die zurück, so entstehen schmale, kurze mit Türen an den Enden. Auf einem halbhohen Lacktisch klingelt das Telefon.)

(Von links kommt der livrierte Boy und hebt den Hörer auf.)

Der Boy:
Hier Atelier Angéle. Wer dort? (in Verwirrung geratend) Wer? Wer? Wer? (fassungslos) Ich werde rufen. (er läßt den Hörer fallen und läuft nach der Tür rechts, die er aufreißt) Romain! Romain!

(Der Gehilfe, in schwarzem Leinenkittel, tritt rechts heraus.)

Der Gehilfe:
Hältst du mich für taub?

Der Boy:
(stammelnd) Am Telefon… Sie müssen sprechen.

Der Gehilfe:
Wer fragt nach mir?

Der Boy:
Sie ruft man nicht.

Der Gehilfe:
Warum muß ich denn kommen?

Der Boy:
Weil dort, weil dort… beeilen Sie sich doch zum Telefon!

Der Gehilfe:
(geht hin, nimmt den Hörer) Hier Atelier. Wer ist denn dort? (sofort verliert er seine Ruhe) Wer ist? Wer ist? Wer ist? Ich werde rufen. (er legt den Hörer schleunigst hin, stürmt nach rechts, rufend) Madame! Madame! Madame!

(Angéle kommt von rechts: schlank, shön, mit einiger Phantastik gekleidet. Der Gehilfe folgt ihr.)

Angéle:
Man schreit nicht so bei mir, Romain. Sie haben peinliche Manieren. Sie bewegen sich in keiner Kaserne. Was haben Sie mir zu sagen? (der Gehilfe holt tief Atem) Leise, leise. Ich habe die besten Ohren der Welt, ich höre Fliegen wispern. Was fällt denn vor?

Der Gehilfe:
(ausbrechend) Sie müssen selbst zum Telefon.

Angéle:
Das Amt des Boy. (sie will sich umwenden)


Der Gehilfe:
Der Boy rief mich. Mir fiel der Hörer weg.

Angéle:
(aufmerksam) Ihr zittert beide!

Der Gehilfe:
(auf den Boy weisend) Der Boy…

Der Boy:
(auf den Gehilfen weisend) Romain…

Der Boy/Der Gehilfe:
Wir beben doch.

(Angéle entschließt sich — tritt an den Lacktisch — nimmt den Hörer auf.)

Angéle:
Hier Atelier Angéle. Wer dort? (sofort lebhaft) Wer? Nein, ich verstehe. Das Hofmarschallamt. Nun bin ich selbst am Telefon… Die Erregung der Angestellten. Diese Ehre verwirrt auch meine Fassung. Wie? Ich hätte eine Bitte ? Nie hätte ich gewagt. Sprechen Sie nicht mehr? Da ist doch wer in der Leitung. Viele Stimmen! Wer redet immer hinein? Wer ist den dort? Wer ist den dort? Halloh! Hier Atelier Angéle. Jetzt sind wir wieder verbunden. Wir waren getrennt.




Der Gehilfe/Der Boy:
Das Hofmarschallamt? Das Hofmarschallamt? Was soll das bedeuten? Was soll das bedeuten?

Angéle:
Zu mir?

Der Gehilfe/Der Boy:
Zu uns?

Angéle:
In zwölf Minuten! Ich werde bereit sein.

Der Gehilfe/Der Boy:
Minuten. Was soll das, was soll das bedeuten?

Angéle:
(sie senkt langsam den Hörer, Gehilfen und Boy ansehend — überwältigt) Der Zar läßt sich photographieren.

Männerchor:
(Summen)

(Stille.)

Angéle:
(sich aufraffend) Den Apparat, Beleuchtung! Halt Romain! Wann hatte ich den Zaren zur Aufnahme eingeladen? Mit einem Brief und noch einem Brief, einer Flut von Briefen? Nicht eine Zeile habe ich geschickt! Was heißt denn das?

Der Gehilfe:
Er wünscht ein Bild von Ihnen. Sie sind in Paris und er verwandelt seinen Wunsch in Ihren Wunsch. Ein Zar läßt immer sich bitten auch wo er begehrt, denn er ist Herrscher von Gottes Gnaden.

Angéle:
Er kommt zu mir, der Zar ins Atelier. Das wird die schönste Stunde meines Lebens sein: einen Zaren vor der Linse. Und morgen wird mein Atelier gestürmt. Ich werde gefeiert wie eine. Ich werde berühmt, berühmt! (zum Gehilfen) Den Apparat in die Mitte. (zum Boy) Den Sessel dorthin. (vor dem Spiegel) Wie seh ich aus? (einen Schal vom Diwan nehmend und sich umtuend) Das ist nicht gut. (sie wirft ihn weg, faßt einen anderen, der über einem Wandschirm hängt) So müßte ich gefallen. (zum Gehilfen) Hol die Kassette. Wir müssen alles vorbereiten. (Gehilfe rechts ab. Zum Boy) Nimm in dem Sessel Platz. Ich stelle vorher ein. (der Boy setzt sich in dem Sessel. Zum Gehilfen, der mit der Kassette kommt) Mehr Licht! (Gehilfe zieht Fenstervorhänge hoch) So kann es bleiben. (zum Boy) Jetzt warst du Zar, mein Boy. Nun bist du wieder Boy, mein Zar. Und wehe dir, wenn du die Tür nicht weit genug vor dem Zaren öffnest. (zum Gehilfen) Sie bleiben noch da hinten. Wenn ich winke, bringen Sie mir dir die Kassette und ziehn sich zurück. Wir wollen es probieren. Wenn es in Minuten klingelt.

(Draußen heftige Klingel.)

Der Boy:
Es hat geklingelt.

Der Gehilfe:
Ja, ganz laut.

(Erneutes, noch stärkeres Klingeln.)

Angéle:
Schon jetzt!

Der Boy:
Schon wieder!

Der Gehilfe:
Und noch lauter!

Angéle:
Das ist der Zar! Ich stehe hier. (zum Gehilfen) Sie bleiben dort! (zum Boy) Du gehst hinaus! Empfange den Zaren.

(Boy links ab.)

3
(Dann entsteht draußen kurzer Lärm von Stimmen und Schritten, der sich rasch nähert, ein Rudel Menschen in Mänteln — fünf Männer, eine Frau, ein halbwüchsiger Junge und der — dringt ein, den Boy mit sich schleppend.)

Der Anführer:
(mit vorgehaltenem Revolver gegen Angéle und den Gehilfen) Wer schreit? (von einem zum anderen zielend, die Waffe senkend) Man soll nicht schreien! (zu seinen Leuten) Fangt an. Die Zeit ist kostbar. Sie wird mit eines Zaren Blut bezahlt.

Fünf Verschwörer:
Mit eines Zaren Blut!

Der Anführer:
Fangt an!

Männerchor (im Orch.):
Mit eines Zaren Blut!

(Ein Mann springt hinter Angéle und hält ihre Arme auf dem Rücken fest, ein zweiter sich des Gehilfen, ein dritter faßt der Boy auf gleiche Weise.)

Der Gehilfe/Der Boy:
Wie?

Angéle:
Warum?

Der Anführer:
(den Revolver auf sie richtend) Leiser Madame!

Der Gehilfe/Der Boy/Angéle:
Was wollen Sie?

Der Anführer:
Von Ihnen die Erlaubnis, Sie in der nächsten Viertelstunde vertreten zu dürfen. Bewilligen Sie? (er zielt. Angéle verstummt. Die Frau steht in einem losen Gewande, dem Angéles ähnlich, da. Ein Mann und der Halbwüchsige sind. Die Frau stellt sich vor Angéle hin, der Mann vor den Gehilfen, der vor den Boy) Madame erlaubt. (zu seinen Leuten) Vollendet die Verkleidung.

Die falsche Angéle:
(zu Angéle) Ich brauche deinen Schal.

Der falsche Boy:
(zum Boy) Ich trage deinen Jacke.

Der falsche Gehilfe:
(zum Gehilfen) Ich nehme deinen Kittel.

Die falsche Angéle:
Gib her den Schal.

Der falsche Boy:
Gib her die Jacke.

Der falsche Gehilfe:
Gib her den Kittel.

Der Anführer:
(Revolver hebend) Schal! Kittel! Jacke!

(Die Männer, die die drei halten, nehmen ihnen die Sachen weg und reichen sie den anderen.)

Die falsche Angéle:
Du bist gescheitelt. (sie frisiert sich)

Der falsche Boy:
Du hast ein Käppi. (er setzt des Boys Käppi auf)

Der falsche Gehilfe:
Und du hast Locken. (er lockert seine Mähne)

Die falsche Angéle:
Geschminkte Lippen.

Der falsche Boy:
Das Haar gescheitelt.

Der falsche Gehilfe:
Gewölbte Brauen.

Die falsche Angéle/Der falsche Boy/Der falsche Gehilfe:
Vollendet die Maske.

Der Anführer:
Vorzügliche Kopien. (zu den anderen) Bemerkt ihr einen Unterschied?

Fünf Verschwörer:
Wir finden keinen. Es ist gelungen.

Männerchor:
Gelungen!

(Falsche Angéle und falscher Gehilfe treten zum Apparat.)

Der Anführer:
Und jetzt den Apparat. Die Linse weg!

Angéle:
Ach schonen Sie meinen Apparat.

Der Anführer:
(Revolver hoch) Piano Madame.

Angéle:
Sie dürfen ihn nicht berühren. Er ist zur Aufnahme eingestellt. Ich erwarte den Zaren.

Der Anführer:
(mit Hohngelächter) Auch wir erwarten ihn.

Angéle:
Können Sie photographieren?

Der Anführer:
Auf uns’re Art. Sehn Sie unsere Vorkehrungen. Von besonderer Art, doch vollen Erfolg versprechend.

Die falsche Angéle:
(hinterm Apparat visierend) Ist die Öffnung frei? (sich aufrichtend) Gib her die Waffe.

(Der falsche Gehilfe nimmt aus einem Pappkarton eine Pistol, die auf einem kleinen Gestell montiert ist und am Drücker einen Gummischlauch.)

Der Anführer:
Zeig das Madame.

Angéle:
Was ist das?

Der Anführer:
Statt der Kassette ein Pistol und genau so empfindlich wie eine photographische Platte. Kann man besser zielen, als durch das Rohr des Apparates. Hält ein Opfer jemals so still, wie vor dieser Öffnung?

Angéle:
Sie wollen in meinem Atelier den Zaren ermorden?

Der Anführer:
Erraten Madame. Wir gaben Ihnen die Ehre. Wir haben uns für Sie entschieden. Wir haben spioniert und uns’re Leute gesiebt. Passend nach Größe, Haaren, Details. Wir haben auch die Briefe geschrieben, von denen Sie nichts wissen. Ans Hofmarschallamt. Wir vergaßen nicht zu erwähnen, daß Ihnen große Liebenswürdigkeit nachgesagt wird, obwohl es unbescheiden war, sich selbst zu rühmen. Das wir galant hinzu.

Angéle:
Schändlich!

Der Anführer:
Wie lockt man einen Zar, der sich in Paris ? Cherchez la femme? Am Telefon sie uns fast verraten. Drum haben die Verbindung wir gestört. Wir passen auf. sind wir. Seit Wochen schon geht die Jagd. Hier verröchelt das Wild im Schulß aus dem Photographenkasten.


Die falsche Angéle:
(zum falschen Boy) Nimm Platz im Sessel. Ich stelle ein.

(Der falsche Boy setzt sich in den Sessel.)

Angéle:
Erbarmen! Erbarmen!

Der Anführer:
Mit ihm?

Angéle:
Mit mir, mit mir! Ich bin ruiniert, wenn das geschieht.

Der Anführer/Fünf Verschwörer:
Es muß geschehen. Es muß geschehen.

Der Anführer:
Es trifft ihn mitten ins Herz.

Fünf Verschwörer:
Er stirbt.

(Die falsche Angéle bedeckt den Apparat mit dem schwarzen Tuch.)

Der Anführer:
Tretet heran. Vereinigt die Hände auf diesem schwarzen Tuch (man tut es) und dem was darunter lauert. Soll dieser wohlgezielte Schluß Signal für alle werden, die nach Befreiung lechzen?

Die falsche Angéle/Der falsche Boy/Der falsche Gehilfe/Fünf Verschwörer:
Er soll!

Der Anführer:
Muß dieser scharfgezielte Schuß hier fallen, um allen das Tor der Freiheit zu öffnen?

Die falsche Angéle/Der falsche Boy/Der falsche Gehilfe/Fünf Verschwörer:
Er muß!

Der Anführer:
Kann dieser unausweichlich gezielte Schuß die letzten Fesseln unsrer Brüder lösen?

Die falsche Angéle/Der falsche Boy/Der falsche Gehilfe/Fünf Verschwörer:
Er kann!

Die falsche Angéle:
Ich töte den Tyrannen. Noch heute fällt sein Haupt! Wir schwören! Wir schwören! Wir schwören, er stirbt.

Der falsche Boy/Der falsche Gehilfe/Fünf Verschwörer:
Signal für alle werden, das Tor der Freiheit , die letzten Fesseln unsrer Brüder lösen. Wir schwören! Wir schwören! Wir schwören, er stirbt.

Männerchor:
Er soll! Er muß! Er kann! Wir schwören! Wir schwören. Wir schwören, er stirbt.

Der Boy/Der Gehilfe:
O schonet unsern Apparat! Erbarmen für uns! O habt Erbarmen! O habt Erbarmen für uns!

Angéle:
O schonet meinen Apparat! Erbarmen für mich! O habt Erbarmen! O habt Erbarmen! O schonet meinen Apparat, so schonet mich, o habt Erbarmen!

Der Anführer:
(zurücktretend) Macht jene stumm.

Angéle:
Erbarmen!

(Man verbindet mit Taschentüchern Angéle, dem Boy und dem Gehilfen den Mund.)

Der Anführer:
(auf die falsche Angéle, den falschen Boy und Gehilfen weisend) Kommt! Laßt sie allein!

(Angéle, Gehilfen und Boy werden rechts.)


Der Anführer:
(zur falschen Angéle) Wir warten. Deine Hand?

Die falsche Angéle:
Ruhig!

Der Anführer:
Triff den Tyrannen ins Herz. (er folgt den andern — ab)

Die falsche Angéle:
Verhängt die Fenster. (ironisch) Ich brauche kein Licht. Meine Kugel findet auch im Dunkel ihren Weg. (der falsche Gehilfe hat die herabgelassen) Das ist die richtige Beleuchtung, um die Vertauschung der Personen gründlich zu vollenden.

(Es klingelt draußen.)

Der falsche Gehilfe:
Er kommt.

Die falsche Angéle:
Bleib im Hintergrund. Ich stehe hier.

Der falsche Boy:
Ich gehe. (links ab)

Die falsche Angéle:
Empfang den Zaren!

(Zuerst erscheinen zwei Kriminalbeamte, den falschen Boy mit sich führend.)

Männerchor:
Dort unter dem Tuch. Dort unter dem schwarzen Tuch. Lauert der Schuß, lauert der Schuß, der das Signal zur Befreiung gibt, der das Tor zur Freiheit öffnen soll, der die letzten Fesseln unsrer Brüder löst, der den Tyrannen ins Herz trifft.

1. Beamter:
Madame — auf Anordnung des haben wir für die Sicherheit des Zaren zu bürgen. Vor seinem Eintritt wir eine Durchsuchung des Ateliers und der Personen vornehmen. Wir bitten Sie, sich diesem Zwange bereitwillig zu fügen. (zum 2. Beamten) Kontrollieren Sie den Raum, ich vollziehe die Leibesvisitation. (vor der falschen Angéle) Gestatten Sie, Madame! (er betastet sie — zurücktretend) Danke! (zum falschen Gehilfen) Wer sind Sie hier?

Der falsche Gehilfe:
Gehilfe bei Madame Angéle.

1. Beamter:
(betastet ihn) Danke! (zum falschen Boy) Du?


Der falsche Boy:
Boy bei Madame Angéle.

1. Beamter:
(betastet ihn) Danke. (zum 2. Beamten) Nichts gefunden?

2. Beamter:
Nichts.

1. Beamter:
(zu Angéle) Sind Waffen versteckt? (die falsche Angéle schüttelt den Kopf)

2. Beamter:
(will das schwarze Tuch lüften) Unter diesem Tuch?

1. Beamter:
(schlägt es nieder) Der photographische Apparat. (zu Angéle) Wir sind zufrieden.

Männerchor:
Dort unter dem Tuch. Dort unter dem schwarzen Tuch.

(Die beiden Beamten postieren sich bei der Tür links und verbeugen sich tief nach draußen.)

4
(Der Zar, unauffälliger Gentleman in hellem und sein Begleiter: Respektsperson mit weißem Zipfelbart, in Gehrock und Zylinder — kommen. Der Zar mustert in einiger Entfernung Angéle. Die falsche Angéle will ihm entgegen. Der Zar kommt ihr zuvor. Die falsche Angéle will ihm die Hand küssen.)

Der Zar:
Ich bin Monsieur, die Ehre meinerseits, Madame. (er küßt ihr die Hand)

Die falsche Angéle:
(mit verstecktem Hohn) Wie gnädig!

Der Zar:
Sind Sie enttäuscht?

Die falsche Angéle:
Warum soll ich enttäuscht sein?

Der Zar:
Sie wollten ja den Zaren photographieren?

Die falsche Angéle:
(erschrickt) Wollen Sie mir nicht zur Aufnahme sitzen?

Der Zar:
Nicht als Zar. Als Mensch, der auf den Straßen geht mit anderen Menschen, die alle seinesgleichen sind.


Die falsche Angéle:
(lächelnd) Das wird das beste Bild, wenn Sie sich still wie jedermann vor meiner Kamera verhalten.

Der Zar:
Sie sollen Ihre Freude an mir haben. (sich umblickend) Wo sind wir hier?

Die falsche Angéle:
Hoch überm Boulevard.

Der Zar:
(zum Fenster tretend) Wo ist Paris?

Die falsche Angéle:
(überleitend) Versunken in der Tiefe.

Der Zar:
(schiebt einen Fenstervorhang beiseite) Wie ist diese Aussicht auf Paris. Der Eiffelturm, der wie ein Riesenspargel. Montmartre! Moulin rouge! Bei Nacht noch interessanter. Paris! Paris! Versunken in der Tiefe. Und dort das Ei der Kuppel vom Invalidendom. Da ruht Napoleon. Der ist nun tot, ganz tod. (zu Angéle , dicht vor ihr) Ich möchte nicht in diesem Augenblick Napoleon sein. Verstehen Sie das Madame?

Die falsche Angéle:
Wünschen Sie, daß ich begreife, Monsieur?

Der Zar:
Monsieur wünscht dringend. (während er seine Augen in ihre Augen versenkt, vollführt er hinterrücks winkende Gesten nach seinem Begleiter. Der Begleiter bemerkt, zögert. Nachdrücklich) Monsieur wünscht dringender. (der Begleiter bedeutet die beiden Kriminalbeamten, sich zu entfernen. Die beiden links ab. Der Zar blickt sich um und sieht den noch anwesenden Begleiter. Er stampft mit dem Fuß auf. Dann zu Angéle) Wir haben Zuschauer.

Die falsche Angéle:
Wo sehen Sie?

Der Zar:
An allen Wänden die Bilder von Herren und Damen. Wer sind sie? Erklären Sie mir die Galerie der Wirklichkeit, die sie hier fixierten. (er tritt vor eine Photographie an der rechten Wand) Wer ist der Träger dieses linienzarten Kopfes?

Die falsche Angéle:
(nehben ihm, unsicher) Das ist ein Mann.

Der Zar:
Vielleicht ein Weib. Wer kann das heute unterschieden? (das nächste Bild betrachtend) Vor diesem Bild hab’ ich keine Zweifel. Der Ansatz eines Busen überrennt das Kleid. Wie heißt die schöne Dame?

Die falsche Angéle:
Mir entfiel der Name.

Der Zar:
(vor einem anderen Bildnis) Und diese hier ist splitterfasernackt. Wahrhaftig kühn, doch , weil der Körper vollendet ebenmäßig aufgebaut. Bezaubernde Figur. Wer ist die Venus?

Die falsche Angéle:
Eine Dame der Gesellschaft.

Der Zar:
Pardon! Ich fragte nicht. (vor dem nächsten) Ein Hund! Ein kleines, liebes Tier, das wie ein Kind mich anblickt. Lieben Sie die Tiere?

Die falsche Angéle:
(fanatisch) Mit Inbrunst auch die Tiere.

Der Zar:
Sie haben Gemüt. Wie reizend. (dann sehr eilig nach links hinübergehend) Was zeigt die andre Wand? (halblaut zum Begleiter) Verschwinden Sie!


Der Begleiter:
Ich bitte…

Der Zar:
und ich befehle! (der Begleiter links ab. Die Bilderreiche rascher abschreitend) Jedes Portrait ist bewunderungswürdig. Sie haben die Elite menschlicher Charaktere versammelt. Werde ich nicht das Ensemble stören?

Die falsche Angéle:
(heftig) Reif zur Zerstörung ist alles!

Der Zar:
Ich werde unterliegen in diesem Wettstreit mit den Köpfen an der Wand. Ich fürchte mich, Madame. Ich fürchte die Blamage.

Die falsche Angéle:
Sie wollen nicht?

Der Zar:
Ich bin zu feige. (der Zar verhindert sie am Kniefall und hält sie fest. Eindringlich) Dann ohne Zeugen. Wir werden allein sein. (sie loslassend) Wenn man mir aufs Gesicht sieht, kann ich mich nicht halten wie ich will. Madame entscheidet (er steht abgewandt gegen das Fenster)

Männerchor:
Dort unter dem Tuch. Dort unter dem schwarzen Tuch.

Die falsche Angéle:
(die falsche Angéle sieht vom falschen Gehilfen zum falschen Boy. Diese nicken und entfernen sich nach rechts. Ab) Wir sind allein.

(Zar dreht sich um.)

5
Die falsche Angéle:
Ich bitte dort im Sessel Platz zu nehmen.


Der Zar:
(Zar auf dem Wege dahin vor ihr stehenbleibend) Wie groß wird meine Schuld?

Die falsche Angéle:
Zu groß ist schon die Schuld.

Der Zar:
Weil ich so spät zu Ihnen finde?

Die falsche Angéle:
Spät, doch nie zu spät!

Der Zar:
Ich hätte früher kommen sollen, doch konnt’ ich nicht aus Ihren Worten lesen, daß Sie so sind.

Die falsche Angéle:
Jetzt büßen Sie mit einem Bild für das.


Der Zar:
Geht dann die Rechnung auf?

Die falsche Angéle:
Glatt und ohne Rest.

Der Zar:
Doch wie wird mir vergütet?

Die falsche Angéle:
Wofür?

Der Zar:
Daß ich den Zaren Ihnen präsentierte. Das ist nicht billig. Wie bezahlt man Fürsten, Madame?

Die falsche Angéle:
Nach der Aufnahme, Monsieur, wenn Ihnen noch Zeit bleibt.

Der Zar:
Wir haben Zeit, Madame. Im Sessel?

Die falsche Angéle:
Im Sessel.

Der Zar:
(schlendert hin — setzt sich auf die Sessellehne) Doch nicht auf dem Polster. Das wieder nur Parade. Ich sitze so.

Die falsche Angéle:
Ich stelle anders ein. (sie beginnt den Apparat zu richten)

Der Zar:
Ich will ein Bild von mir, das mich erinnert an einen Menschen, der ich bin. Ich werde es ansehn, wenn ich über Krieg und Frieden bestimmen soll und werde fragen: Warum wollen das die Völker? Wäre ich Volk, mir grüne Felder und wimmelnde Herden lieber, oder am strudelnden Bach die Angel werfen nach schimmernden Fischen. Ich könnte keinen Menschen töten.

Die falsche Angéle:
(unterm Tuch hervortauchend) So ich bin fertig. Jetzt…


Der Zar:
Ich sitze nicht bequem. Die Lehne drückt mich. Ich will doch unten sitzen. Sonst ist das Bild gefährdet.

Die falsche Angéle:
Ein Augenblick genügt mir…

Der Zar:
(sitzt schon im Sessel) Verlieren Sie schon die Geduld?


Die falsche Angéle:
Ich habe lang auf diesen Augenblick gewartet. Es geht um mehr als um Sekunden. (er zieht ein Zigarettenetui aus der Brusttasche und entnimmt eine Zigarette. Sie stellt den Apparat von neuem ein)

Der Zar:
Mit einer Zigarette bekommt es mehr Bewegung. Wie denken Sie?

Die falsche Angéle:
(rasch aufblickend) Wo tragen Sie denn das Etui?

Der Zar:
(er steckt das Etui wieder ein) Hier auf dem Herzen. Warum fragen Sie?

Die falsche Angéle:
(tritt zu ihm) Ich fragte, weil es Falten gibt. Ich möchte den Rock breit aufgeschlagen. (sie klappt die linke die Jacketseite zurück)

Der Zar:
Sieht das denn schön aus?

Die falsche Angéle:
Es ist schön für Photographie.

Der Zar:
Genügt des Licht? Es ist ja Dämmerung. Wie lang muß ich sitzen stock–steif–still?


Die falsche Angéle:
Ich habe Blitzlicht in der Kamera.

Der Zar:
Werd’ ich erschrecken?

Die falsche Angéle:
Das wird sich finden!

Der Zar:
Sie glauben fest, ich werde gut getroffen?

Die falsche Angéle:
Ich treffe wie der Schütze seine Scheibe.

Der Zar:
Bravo!

Die falsche Angéle:
Ich zähle bis drei.

Männerchor:
Der Zar läßt sich photographieren!

Der Zar:
Bravo!

Die falsche Angéle:
und dann drück ich los!

Männerchor:
Der Zar läßt sich photographieren!

Der Zar:
Ich sammle mich. (er verhält sich ganz ruhig)


Die falsche Angéle:
(die falsche Angéle faßt den Ball und biginnt zu zählen) … eins… zwei…

Der Zar:
(vollführt eine abwehrende Bewegung) Halt, Madame! (erhebt sich)

Die falsche Angéle:
Steh’n Sie doch nicht auf!

Der Zar:
Erlauben Sie, daß wir die Rollen tauschen: Ich bin der Photograph, und Madame sitzt.

Die falsche Angéle:
Was wollen Sie?

Der Zar:
Ich wünsche Sie zu photographieren.

Die falsche Angéle:
Warum?

Der Zar:
Weils eine Laune ist.

Die falsche Angéle:
Das ist doch kindlich!

Der Zar:
Ich pflege meinen Launen zu gehorchen, denn wer befiehlt mir sonst? In jedem von uns will etwas niederknien. Vor Gott, vor Launen, wie man’s nennen will. Ist das so närrisch?

Die falsche Angéle:
Es ist unmöglich!

Der Zar:
Ist es denn gar so schwer?

Die falsche Angéle:
Es ist unmöglich. Sie würden meinen Apparat zerstören. Es ist unmöglich. Es ist unmöglich.


Der Zar:
Ich bin kein Tölpel! Ich bin sehr gelehrig, wenn Sie mich unterweisen. Sie haben eingestellt. Ich nehme diesen Ball!

Die falsche Angéle:
Den Ball nicht berühren.

Der Zar:
Ich drücke erst, wenn Sie im Sessel sitzen. Darf ich bitten, Madame?

Die falsche Angéle:
Ich kann nicht sitzen. Mir würde schwindeln, wenn ich bedenke… daß der Zar…

Der Zar:
Vergessen Sie den Zaren, wie ich ihn vergaß. Monsieur macht eine Aufnahme von Madame und das im Augenblick!

Die falsche Angéle:
Sie dürfen nicht bei dem Entschluß beharren.

Der Zar:
Unweigerlich, Madame. Der Sessel erwartet Sie.

Die falsche Angéle:
Ich bin nicht vorbereitet. Ich bin müde und abgespannt.

Der Zar:
Jetzt sind Sie schön wie nie in der Verwirrung. Ihr Bild will ich bewahren, einziges Souvenir de Paris.


Die falsche Angéle:
Ach schonen Sie meinen Apparat. Ach schonen, ach schonen Sie mich. Ich muß mich sammeln. Es gelingt noch. Sitzen Sie mir inzwischen.

Der Zar:
Erst die Dame.

Die falsche Angéle:
Lächerlich Etiquette!

Der Zar:
Sind Sie bereit?

Die falsche Angéle:
Nach Ihnen.

Der Zar:
(mit Bewegung zum Ball) Dann bleibt die Platte leer. Ich drücke den Ball, wenn Sie mir nicht gehorchen.


Die falsche Angéle:
(inh zurückhaltend) Ich tut es. Doch warten Sie, bis sich mein Blut beruhigt.

Der Zar:
Ich warte.

Die falsche Angéle:
(mit gequältem Lächeln) Wie ein Herz doch klopfen kann, wenn es überrascht ist. Wie ein gefangener Vogel hinter Käfigstäben die Flügel schlägt. Hat denn ein Herz so ungeheure Macht, den Menschen umzuwerfen. Ich muß mich stützen rechts und links und taumle doch. (sie verstummt hilflos)

Der Zar:
Erregt Sie nicht die Sprache? Wir wollen schweigen. Bei drei beginne ich und zähle bei der Aufnahme bis?

Die falsche Angéle:
(gehaucht) Bis…

Der Zar:
Nun, wie lang?

Die falsche Angéle:
bis ich verbiete.

Der Zar:
Fertig! (er hält den Ball) Nun eins, nun zwei… Nun…

Die falsche Angéle:
(springt auf — läuft zu ihm) Mein Herz, mein Herz! Hören Sie doch mein Herz! Hat je ein Herz so fürchterlich geschlagen? Sie müssen. Geben Sie die Hand. Spürten Sie schon ein Herz so übermächtig toben?

Der Zar:
(sieht sie an — nach einer Pause) Jetzt klopft auch mein Herz stärker.

Die falsche Angéle:
Rasch wie meins?

Der Zar:
Ich glaube ja.

Die falsche Angéle:
Wo pocht es? (sie legt die Hand auf seine Brust)

Der Zar:
Hier. (er preßt die Hände mit seiner fest)

Die falsche Angéle:
Ich fühle nichts, nur die harte Dose.

Der Zar:
(er zieht die Zigarettendose aus der Tasche und schleudert sie auf den Boden) Versperrt sie noch den Weg zum Herzen?

Die falsche Angéle:
Jetzt liegt es frei!

Der Zar:
Angéle, Angéle. (er will sie küssen)

Die falsche Angéle:
(sie entschlüpft ihm) Erst das Bild!

Der Zar:
Was für ein Bild?

Die falsche Angéle:
Das ich verlange, wenn ich mehr gewähren soll. Da ist der Sessel. Monsieur soll entscheiden.


Der Zar:
(nickt) Sie überrumpeln meine launenhaften. Schon fliehen sie. Adieu, ihr Himmlischen. Es bleibt das irdische. Madame, ich sitze.

Die falsche Angéle:
Endlich sitzen Sie, so wie ich wünschte.

Der Zar:
Und halte nun still bis sie mich wecken wie einen Toten.


Die falsche Angéle:
Das wird einem Gott nicht gelingen.

Der Zar:
Doch einer Göttin!

Die falsche Angéle:
(den Ball nehmend) Achtung Monsieur! Ich wieder eins… Ich zähle wieder zwei… Ich zähle wie–…

(Die Tür links wird aufgerissen. Der Begleiter tritt rasch ein.)

6
Männerchor:
(Summen)

Der Begleiter:
Nachricht von der Polizeipräfektur. Komplott ist aufgedeckt. Haussuchung hat Material geliefert. Man ist auf der Spur verdächtiger Personen, die sich hier verbergen. Dringende Bitte des Polizeipräfekten, das Atelier nicht zu verlassen, bis entsprechende Maßnahmen durchgeführt sind. Man umzingelt den. Schärfste Kontrolle sämtlicher Bewohner wird hier vorgenommen. In zehn Minuten kommt Polizei.

(Der Zar hat sich aus dem Sessel erhoben, winkt mit lässiger Geste. Begleiter ab. Die falsche steht wie versteinert.)

Der Zar:
Erschraken Sie? Ich bin’s gewohnt. Ein Sport, der sehr beliebt ist. Menschenjägerei. Mal kracht eine Bombe. Die übliche Methode, langweilig längst. Erfindet Neues auf dem Gebiet des Attentats, ich wäre dankbar für die Abwechslung. (die falsche Angéle rührt sich nicht. Vor ihr) Sie sind ja weiß wie Kreide. Angst, Madame, daß hier die Bombe platzt und diesen sammetreichen Teint verdirbt? Keine Furcht, hier bin ich sicher, das Atelier ist , doch bleiben uns nur zehn Minuten. Ist das nicht zu wenig für Photographie und Liebe?

Die falsche Angéle:
(sich aufraffend) Die Zeit genügt.

Der Zar:
(will sie an sich ziehen) Für Liebe?

Die falsche Angéle:
(entwindet sich ihm) Für Photographie.

Der Zar:
Die Zeit ist knapp.

Die falsche Angéle:
Sie genügt für beides. Sitzen Sie mir erst.

Der Zar:
Das wäre Diebstahl an dem schönsten Glück.

Die falsche Angéle:
Es wird noch größer, wenn Sie sich vorher meinem Willen fügen.

Der Zar:
Was Sie verheißen, klingt so wunderbar.

Die falsche Angéle:
Zum Sessel. (sie führt ihn hin)

Der Zar:
(setzt sich) Es dauert ewig.

Die falsche Angéle:
(hinterm Apparat) Ich muß doch zielen. (sie verschwindet unter dem schwarzen Tuch)

Der Zar:
Geht es nicht rascher?

Die falsche Angéle:
Ich zähle nicht mehr…

Der Zar:
Lästiges Eins-zwei-drei.

Die falsche Angéle:
(auftauchend) … und drücke den Ball. (sie nimmt ihn)


Der Zar:
(steht auf, eilt zu ihr, faßt ihre Hände) Wie sind Sie, Angéle! Zwei schwarze Monde schwimmen Ihre Augen in Wogen Bluts, das diese Wangen färbt. Ich sah noch keine Frau in solchem Aufruhr. Ein Bild! Ein Bild, das diesen Zauber bannt! (er führt sie zum Sessel und drückt sie nieder) Sitzen Sie mir schnell.

Die falsche Angéle:
Gilt nicht Ihr Wort, daß Sie zuerst…?

Der Zar:
(sich über sie beugend) Nichts hat Bestand, wo diese Lippen lachen. Erst ihr Bild zum ewigen Gedenken. (er läuft zum Apparat) Ist eingestellt?

Die falsche Angéle:
(sich hin und her bewegend) Es trifft mich nicht.

Der Zar:
Zu mir den Blick!

Die falsche Angéle:
Helfen Sie mir. Ich bin so ungeschickt.

Der Zar:
(tritt vor sie, hält ihren Kopf zwischen seinen) So drücken Sie den Kopf auf die Lehne.

Die falsche Angéle:
(umschlingt ihn) Wie kann ich ruhig sitzen, wenn ich liebe?

Der Zar:
(sinkt in die Knie und küßt Angéle) Wir wollen uns lieben, Angéle. Wir wollen uns lieben,. Wir wollen uns lieben, Angéle.

Die falsche Angéle:
Mit tausend Küssen versprechen wir uns Liebe. (sie richtet den Zaren in derselben Stellung wie vorher zum Photographieren auf) Ich will dir alles gewähren nach dem Bilde.

Der Zar:
(starrt ihr nach) Sie betrügen. (springt auf)


Die falsche Angéle:
(will den Ball nehmen) Wer liebt, stirbt.


Der Zar:
Das ist Komödie. Sie bleiben Photograph im Taumel noch.

Die falsche Angéle:
(stammelnd) Ein Bild, das mich erinnert.

Der Zar:
Das könnten Sie in jedem Laden kaufen. En face und im Profil. Zivil, in Uniform. In Hut, mit Krone. Ich bin im Handel, doch Sie sind rar. Und müßt ich Sie an diesen Sessel. Ich will das Bild, (er hat sie in den Sessel zurückgeführt) kein Wort, keine Regung. Ich drücke (er tritt an den Apparat) blindlings… (die falsche Angéle verläßt den Sessel) … ab.

Die falsche Angéle:
(bei ihm) Noch einen Kuß! (zum Sessel strebend) Und dann! (Sie drängt ihn in den Sessel und will zum Apparat zurück) Und dann!

Der Zar:
(hält sie fest) Wohin?

Die falsche Angéle:
Photographieren.

Der Zar:
Wenn einer hier photographiert, bin ichs. (er sie in den Sessel, will zum Apparat)

Die falsche Angéle:
(umschlingt ihn) Ich bins, der photographiert. (wieder drückt sie ihn in den Sessel und will zum Apparat)

Der Zar:
Ich bins, der photographiert.

Die falsche Angéle:
Ich bins. Ich bins. Ich! Ich! Ich! Ich! Ich! Ich! Ich will das Bild. Ich will das Bild. Lieber, das Bild. Lieber, das Bild. O Gott! O Gott! O Gott!

Der Zar:
Ich bins. Ich bins. Ich! Ich! Ich! Ich! Ich! Ich will das Bild. Ich will das Bild. Das will Souvenir de Paris. Das will Souvenir de Paris. Das Souvenir. Angéle! Angéle! Angéle! Angéle!

7
Der Begleiter:
(tritt rasch von links ein) Vom Polizeipräfekten neue Nachricht. Die Spuren der Verschwörung führen hier ins Atelier Angéle. Es soll sofort zur Durchsuchung aller Räume bei Madame Angéle geschritten werden. Die beiden Polizeibeamten draußen haben den Befehl. Indessen ist die gesamte Polizeimacht alarmiert.

Männerchor:
(Summen)

Der Zar:
(ruhig) Man wartet. (Begleiter ab. Zu Angéle) Man wird nicht warten. Man wird hier eindringen. Erst sind es zwei, dann zwanzig, dann wie Sand am Meer. (die falsche Angéle erhebt sich aus dem Sessel) Kann ich’s verhindern? Über alles soll ein Zar gebieten, nur nicht über sein Leben. Denn ich bin ein Prinzip.

Die falsche Angéle:
Kommt Polizei?

Der Zar:
Nun stirbt der Traum Paris. Eiserne Tore fallen zu, die mich verwahren. Kein Bummel mehr in Boulevards nach Montmartre. Nun stirbt der Traum Paris.


Männerchor:
(Summen)

Der Zar:
(sehr ruhig) Tot bin ich wie Napoleon. Ist das nicht jämmerlich?

(Die falsche Angéle, nach einigem Zögern, geht zum Grammophon, legt eine Platte auf, setzt an.)

8
(Die falsche Angéle hat es jetzt nur noch darauf abgesehen, sich unbemerkt aus dem Staube zu machen.)

Der Zar:
Musik in diesem Augenblick.

Die falsche Angéle:
(verführerisch) Der Tango Angéle. (sie blickt nach der Tür rechts, nach der Tür links. Dann sie nach der Tür links und schließt ab.)

Der Zar:
Was tuen Sie?

Die falsche Angéle:
Ich schloß die Tür.

Der Zar:
Warum?

Die falsche Angéle:
Die Polizei soll uns nicht überraschen, wenn wir uns lieben.

Der Zar:
(leidenschaftlich) Gewährung noch im letzten Augenblick?

Die falsche Angéle:
Wir werden selig sein!

Der Zar:
(lachend) Bedingungslos und ohne Photographie?

Die falsche Angéle:
(sie wirft sich an ihn und umschlingt ihn) Nur Liebe. Nur Liebe.

Der Zar:
Gewährung noch im letzten Augenblick! !


Die falsche Angéle:
(sie drängt ihn gegen den Diwan) Geliebter!

Der Zar:
(er läßt sich fallen) Komm!

Die falsche Angéle:
(befreit sich aus seinen Armen) Erwarte mich.

Der Zar:
Wo bleibst du?

Die falsche Angéle:
Du sollst nicht sehen, wenn ich mich entkleide!

(Sie drückt ihn nieder und häuft Kissen auf ihn, die ihn fast verdecken. Der Zar liegt still. Sie nach der Tür rechts, reißt sie auf: Sofort treten der Anführer, der falsche Gehilfe, der falsche Boy und die Verschwörer heraus.)

Der Anführer:
(fast geflüstert) Wo ist der Zar?

Die falsche Angéle:
Dort unter Kissen.

Der Anführer:
Getötet?

Die falsche Angéle:
Mißlungen! Wie sind entdeckt. Wir müssen fliehen über die Dächer.

Fünf Verschwörer:
Wir sind verloren. Wir müssen fliehen. Die Polizei ist uns auf der Spur. Wir müssen entfliehen.

Die falsche Angéle/Der falsche Boy/Der falsche Gehilfe/Der Anführer:
Polizei kommt. Polizei sperrt alle Straßen. Wir sind verloren. Sie sind uns auf der Spur.

Die falsche Angéle:
Legt die Verkleidung ab.

(Der falsche Gehilfe und der falsche Boy tun es, sie selbst wirft den bunten Schleier ab: links wird geklopft.)

Die falsche Angéle/Der falsche Boy/Der falsche Gehilfe/Der Anführer/Fünf:
Es klopft! Was ist das?

Die falsche Angéle:
Schon die Polizei?

Die falsche Angéle/Der falsche Boy/Der falsche Gehilfe/Der Anführer:
Schnell fort! (alle ab rechts)

9
(Sofort kommen von rechts die echte Angéle, der echte Gehilfe und der echte Boy — sich die umgebundenen Taschentücher abstreifend, klopfen.)

Angéle:
(mit kurzem Blick nach dem Zaren) Noch unter Kissen! Zieht eure Kittel an! Hier ist der Schal. (sie kostümiert sich hastig) Es darf nichts in meinem Atelier verändert sein. Man würde mich und euch verdächtigen. (zum Gehilfen) Du bist im Hintergrund! (zum Boy) Du machst die Tür auf. (Klopfen immer lauter) Halt! Es wer an den Ball rühren. Ich löse noch den Schuß. In diesem Lärm verschwindet der Knall!

(Hier hat sich das Klopfen gegen die Tür zu donnerndem Hämmern gesteigert. Sie drückt auf den Ball, ein feuriger Strahl fährt aus dem Kasten.)

(Angéle winkt dem Boy. Der Boy öffnet links. Der Begleiter — an der Spitze prächtig uniformierter Offiziere — dringt ein. Polizisten folgen.)

Der Zar:
(hat sich aus den Kissen herausgewühlt, sitzend, benommen) Was war das? (er zieht die Luft ein) Pulver?

Angéle:
(liebenswürdig) Magnesium. Ich prüfte die Belichtung. Zu schwach. (zum Gehilfen) Den schärferen Apparat! (zum Boy) Die Vorhänge auf!

(Im Hintergrund großer Truppenaufmarsch bis zum Schluß.)

(Der Gehilfe rollt den Apparat beiseite und schiebt aus einem Wandschirm einen anderen in die Mitte. Der Boy macht das Fenster frei.)

Der Zar:
(betrachtet verwundert Angéle) Sind Sie denn Angéle?


Angéle:
Jetzt bei Tageslicht!

Der Zar:
Wie das verändert! (zu den Offizieren) Bin denn ich der Zar?

Offiziere:
(die Säbel schwingend) Den wir mit unserm Leben vor den Meuchelmördern schützen, den wir mit unserm Leben vor den schützen.

Der Zar:
(sich erhebend) Dann machen wir das Bild! (er geht langsam nach dem Sessel und läßt sich nieder)

Männerchor:
Der Zar läßt sich photographieren. Der Zar läßt sich photographieren. Der Zar. Der Zar. Der Zar…

(Offiziere marschieren in den Hintergrund und stellen sich in Parade auf.)

Der Zar:
Sind Sie bereit? (Angéle verneigt sich zustimmend) Ich auch. (er sitzt still)

Angéle:
(faßt den Ball, ruft) Eins… Zwei… (die Offiziere salutieren während der Aufnahme. Die Polizisten stehen stramm. Sie drückt den Ball) … Drei!

Männerchor:
Der Zar läßt sich photographieren.

(Vorhang rasch.)


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