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目次

チームヘンデル・メンバー紹介

  • 以下のように、メンバーで登場人物別に分担して訳出しました。
    • セメレ、ジューノー(一部分)、イリス、アタマス、カドモス、祭司達・西風の神などの合唱、特定人物に属さないト書き…REIKO
    • ジュピター、イノ、アポロ…koh
    • ジューノー(一部分)…アルカナ
    • ソムヌス…アルチーナ

訳者より(REIKO)

  • えっ、ヘンデルにこんな作品があるの!?と驚かないでください。「水上の音楽」や「メサイア」で、健全かつ神聖なヘンデルのイメージが出来上がっている人は、「セメレ」の不倫愛やベッド上の駆け引きを含む情欲丸出しの展開に、今まで信じてきたもの(あるとすればですが)が、音を立てて崩壊する体験を味わうことでしょう。この作品は本来「音楽劇」で、舞台装置や演技を伴わない演奏会用にもかかわらず、その劇的・視覚的な内容から現在ではオペラ風上演で人気となっています。セメレ歌手が(後ろ向きとはいえ)全裸!になったり、ジュピター役とベッドで濃厚に絡んだりするR-18な舞台は、よくある演出家の勝手な読み替えや妄想ではありません。作品自体がそのような性質を持っているのです。
  • 「セメレ」を初演した1744年当時、ヘンデルは作曲だけでなく自ら興行主も兼ねており、公演シーズン全体の構想や台本の選定も含め、作品や上演に関する全てを仕切っていました。それまでの英語による劇的作品が、題材を聖書から多く採っているのと異なり、この「セメレ」はギリシャ神話による世俗的な内容で、しかも男女の交わりを示唆する性的表現を含んでいます。これを、本来慎ましくあるべき四旬節のオラトリオ・シーズンに上演したことで、ヘンデルの意欲作は聴衆の強い反発を買ってしまいました。
  • 次のシーズンに、性的な部分を和らげる等の改訂上演を行うも挽回はできず、以降ヘンデルによる「セメレ」の上演はありません。「メサイア」の台本を書いたジェネンズ(何度か仲違いもあったが基本的にヘンデルの友人)にさえ「淫ら」と評されるなど、とにかく当時のほとんどの人には受け入れがたい作品だったようです。
  • …しかし時は流れて21世紀(笑)、この作品は「肉食系女子」が大手を振って巷を闊歩する現在、ちょっとニヤニヤしながら楽しめる大人の寓話となりました。テノール歌手に愛唱されている「Where'er you walk」は、メロディーメーカー・ヘンデルの才能が光る名曲ですし、演奏会形式でも歌手が鏡を持って歌うことが多い「Myself I shall adore」は、音楽による彼の卓越した女性描写の一例として有名です。そして何と!セメレとジュピターの間に生まれたのが酒の神バッカスだったとは───全曲楽しんだ後にワインでも飲めば、その味も格別かと思います。
  • 「セメレ」を、人間(特に女性)が欲を出し過ぎるとバチが当たるよ…という道徳的教訓物語と取るのは簡単です。しかしそれは表面的すぎるように感じます。なぜなら作中、最も魅力的に描かれているのはセメレ自身であって、その点が「舌切り雀」の欲張りなおばあさんと決定的に違うからです。むしろ限りある命の中で精一杯、自分が欲しいものを求めて生きることへのエールが、作品に輝きを与え私達を魅了するのではないでしょうか。そしてこれはそのまま、ヘンデルの生き方にも通じていると思います。

おことわり

  • 訳文中の地名・人名などの固有名詞は、日本で一般的に知られている表記を優先いたしました。従ってギリシャ(古代)名(あるいは「読み」)やローマ名・英語名が混在しています。訳出前にメンバーで話し合いましたが、どれかに統一しようとすると問題が多いことが分かったためです。「イノ」「イリス」は、それぞれ英語発音では「アイノ」「アイリス」となり、CDなどの音源を聴きながらだと少し違和感があるかもしれませんが、ご了承ください。

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この日本語テキストは、
クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
の下でライセンスされています。
@REIKO

訳者より(koh)

  • 第3部のおしまいのところで唐突にアポロが登場しますが、これはどういうことなんでしょうか。普通ならジュピターがでてくるところです。アポロが登場するにあたり、神様たちの間で以下のようなやりとりがあったのかもしれません。

    (神々のオフィス。電話でなにやら指示している声や掛ってきたベルの音、パソコンのキーボードをたたく音などが交錯している。
    大部屋の壁を背に大きなデスクについているジュピター。その前で神々が担当部署別にグループを作って執務しているのが見える)

    <ジュピター>
    「アポロ君、ちょっと・・・」
    <アポロ>
    「はい」
    (とジュピターのデスクに小走りで向かう)
    <ジュピター>
    「君なあ、ちょっと下界へ出張してくれないか」
    <アポロ>
    「はあ、それはまたどんな用件で?」
    <ジュピター>
    「今、下は少しがたがたしてるんでな、それを治めてきてほしいんだ。それとね、生まれた子供のことも皆に知らせてもらいたいのよ」
    <アポロ>
    「そうですか、でもそういう時はいつもジュピターはんが『デウス・エクス・マキナ』とか言うてご自分で行ってはるやないですか」
    <ジュピター>
    「そうなんだけどね、今回はセメレが死んだりしてるし、僕が直接行くのはまずいんだよ。君がかわりに行ってうまくやってきてくれたら、今度の人事考課でも悪いようにはしないからさ。ねえ、アーちゃん、頼むよ」
    <アポロ>
    (傍白)
    「なんで俺がこのおっさんの色事の後始末をせないかんのや、あほくさ。そやけど、ここで断ったら今後の出世に影響するやろな。あ~あ、すまじきものは宮仕え、か」
    (ジュピターに)
    「わかりました、そんなら行きますわ」
    <ジュピター>
    「そうか、行ってくれるか。出張申請書書いてくれたらすぐハンコ押そう。旅費の仮払いもするようにな、経理に言っとくから。僕の新型VTOL『みさご』に乗って行ってもいいよ」
    <アポロ>
    「では早速準備しまっさ」
    (と自席へ向かう)
    <ジュピター>
    (そのアポロの背に)
    「気をつけてな、うまくやれよ」

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@koh
Handel,George Frideric/Semele



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