目次
- 作曲・台本:アルベルト・ロルツィング
- 物語の舞台:中世のドイツ、ライン地方のヴォルムス。
登場人物
- リーベナウ伯爵(Br)
このオペラの主人公。刀鍛冶の娘マリーを愛し、職人コンラートとしてシュタディンガーの下で働いている。
- マリー(S)
伯爵の恋人。伯爵とコンラートが同一人物とは知らず、コンラートのほうを愛している。
- ハンス・シュタディンガー(Bs)
マリーの父親。刀鍛冶の親方。非常に頑固。
- ゲオルク(T)
伯爵の小姓。主人に従って鍛冶職人に変装している。
- イルメントラウト(Ms)
マリーの家庭教師。うぬぼれが強く、小賢しい面がある。
- アデルホフ(Bs)
シュヴァーベンの騎士。物語には登場しない伯爵の婚約者カッツェンシュタイン令嬢の使い。
- ブレンナー(T)
シュタディンガーの義弟で旅館の主人。
- 一人の職人(Bs)
第一幕
- リーベナウ伯爵は、鍛冶屋シュタディンガーの娘マリーを愛しているが、親方から反対されたために、何とか彼女と結婚する糸口をつかもうと職人に変装し、コンラートと名も変えて、慣れない鍛冶仕事に従事する毎日。小姓のゲオルクも主人につき従って職人に変装しているが、彼は伯爵の恋をからかい気味だ。伯爵は職人の姿でマリーの心を勝ち得たものの、彼女がコンラートと伯爵のどちらを愛しているのか調べようと、いったん貴族の姿に戻って求婚。まさか二人が同一人物とは知らないマリーは困惑しながらも「コンラートのほうが自分にはふさわしい」とつぶやく。
第二幕
- 伯爵はまたコンラートの姿になり、恋人に向かって「昨日伯爵と会っただろう」と詰め寄って彼女の心を試し、マリーが地位や身分ではなく、本当に自分を愛していることを知って喜ぶ。だが、二人の仲を知ったシュタディンガーは激怒。騎士アデルホフやマリーの家庭教師イルメントラウトは恋人たちを取りなそうとするが、聞き入れてもらえない。貴族の姿でも職人の姿でも受け入れられないことに業を煮やした伯爵はシュタディンガーに手紙を書き、「わたしを息子として受け入れるのか、それとも敵にまわす気か」と、強い口調で迫る。過去に騎士から妻を奪われた経験を持つシュタディンガーは何としても娘を貴族にはやりたくなく、一方的に娘をゲオルクにやると決めてしまう。伯爵はゲオルクにそそのかされるまま一芝居を打ち、「伯爵」がマリーをさらおうとしたところを「コンラート」が救い出したという状況を作るが、頑固な親方はそれでも「コンラート」に娘をやろうとしない。
第三幕
- 伯爵もコンラートも気に入らないシュタディンガーだが、伯爵とゲオルク、さらには彼らとぐるになっているシュタディンガーの義弟ブレンナーらの巧妙な作戦に丸め込まれ、ついに「コンラート」と娘の結婚を許すことになった。挙式を終えて、貴族の姿に戻った伯爵を見て、シュタディンガーは騙されたことに気づくが、赦しを乞う娘と伯爵に心を和らげ、皆の祝福の中、幕が下りる。
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© Maria Fujioka
最終更新:2017年05月20日 10:45