第五場
ヴァルターがちょうど角を曲がって道に現れる。エーファは彼に気づき、マグダレーネを振り払って、ヴァルターめがけて道を走っていく。


エーファ
やっぱりあの方よ!

マグダレーネ
わかりましたよ!じゃあ、
何とかしましょう。
(急いで家に入る。)

エーファ
(夢中になって)
騎士様!いいえ、あなたって呼ぶわ!
私、何でも話すわ、あなたは分かってくださる人だもの。
今日はひどい目に遭ったって知ってるわ。
だけど、あなたこそ賞にふさわしい騎士で、
私の最高の友なのよ!

ヴァルター
(激しい口調で)
ああ、ちがうんだ。僕はただの友でしかない。
賞には値しないんだ。マイスターなんか夢のまた夢だ。
尊敬していたのに、嘲笑われて終わった。
そして気づいたんだ、
愛する人に求婚する権利はないのだ、と!

エーファ
そんなことないわ!あなたの恋人は
自分の心にかなう人にだけ冠を授けるのよ。
私の心をつかんだのはあなたですもの。
私はあなたにだけ賞を渡すわ。

ヴァルター
ちがうよ!きみは
選ぶ権利を持ってないじゃないか。
きみがお父様の規則に縛られている限り
僕は何もできない。
「娘の夫はマイスタージンガーでなければならず、
娘に求婚できるのはあなた方が選んだ人だけなのです。」
お父様は物々しい口調でそうおっしゃったんだ。
彼が撤回する意思がないかぎり後戻りはできない。
それでも僕は勇気を奮い起こして、
慣れないことばかりではあったが、
愛と情熱を込めて歌い、
マイスターの決まりに従おうとしたんだ。
ところが、マイスターたちは!
(怒りが募って)
ああ、あのマイスターどもめ!
韻だの規則だので塗り固められた石頭連中!
はらわたが煮えくり返りそうだ。
僕が夢中になったものの実態が
あんなものだったのかと思うと、
気分が悪くなる!
自由を求めて逃げよう!
僕がマイスターになれるところに
行ってしまうんだ!
僕のことを本当に愛してくれるなら、
どうかお願いだから
一緒に遠くまでついてきてくれ。
もう何の希望もない。
すべての道は閉ざされたんだ!
マイスターを名乗るやつが、
どこにでも悪霊みたいにはびこっていて、
僕を嘲笑おうと
集まってくるのが見えるぞ。
組合の印をつけて、
何か思いついたみたいに、
あちこちから顔を出してくる。
どこを見渡しても
石頭連中ばかりじゃないか!
そのマイスターたちとやらは調子に乗って
ばかにするようにうなずきながら
きみをじろじろ見て、
大きな輪の中に
入れ込んで、
鼻声出したり、ワーワーわめきながら
我こそきみの夫と言い張る。
きみは不安がって震えてるのに、
やつらはきみを自分たちの慰みものにして
歌の椅子に
無理やり押し上げる!
これを我慢しろって言うのか?思いっきり
ぶちのめしちゃいけないとは、あまりに不公平だ!
(夜警の角笛が力強く響く。)
わあー!

彼はいかにもという風に片手を剣にかけ、攻撃的なまなざしで辺りを見回す。

エーファ
(なだめるように彼の手を取って)
あなた、落ち着いて。
夜警が角笛を吹いただけよ。
急いで菩提樹の陰に隠れて。
夜警はここを通り過ぎていくわ。

マグダレーネ
(ドアのところから小声で呼ぶ。)
エーファちゃん、もう遅いですよ。
そろそろ帰っていらっしゃい。

ヴァルター
逃げるの?

エーファ
(微笑んで)
逃げたほうがいいんでしょう?

ヴァルター
僕を置いていくの?

エーファ
(優しく、しかし決意を込めて)
いいえ、マイスターたちをね。

マグダレーネと一緒に家に入る。

夜警
(道から現れ、歌いながら手前に来て、やがてポーグナー家の角を曲がって左手に消える。)

皆さん、お聞きください。お知らせいたします。
時計の鐘が十時を打ちました。
火の元にご用心、ランプもあなどらぬよう。
どなたも家事の災害に遭いませんように。
主なる神を讃えましょう。

ザックス
(接客ドアの陰で立ち聞きしていたが、ぼんやりしていた明かりの中、いまほんのわずか戸を開ける。)

よくないことが起きるぞ。
駆け落ちする気だな。
気をつけよう。駆け落ちはいけない。

ヴァルター
(菩提樹の後ろで)
あの人は来てくれないんだろうか。ああ、じりじりする。
(エーファがマグダレーネの衣装で家から出てくる。この姿に気がついて)
いや、来てくれたかな。
ああ、ちがう。あれはおばさん/レーネさんか。
(エーファはヴァルターを見つけ、走り寄ってくる。)
いや、やっぱりあの人だ!

エーファ
おばかさん、
本当にしょうのない人ね。ほら、来たわよ!
(楽しそうに彼の腕に飛び込む。)

ヴァルター
(大喜びで)
ああ、いまこそ分かったぞ。
マイスターの賞をもらったのは僕なんだ!

エーファ
余計なことは考えないで!行きましょう!
どうかうまくいきますように!

ヴァルター
この道を行こう、
ほら、向こうだよ。
門の前に下男と馬を待たせてあるんだ。
(遠くから夜警の角笛。 二人が通りを横切って角を曲がろうとした時、ザックスがランプをガラス玉の後ろに立て、再び開け放った扉からどぎつい光を投げかけるので、エーファとヴァルターの姿は突如としてはっきり照らし出される。)



エーファ
(あわててヴァルターを引きもどして)
まあ、靴屋さんだわ。
見られては大変!
隠れて!近づいちゃだめ!

ヴァルター
ほかに道はないのか?

エーファ
向こうの通りを行けばいいかも。
でも入り組んでるし、
よく分からないわ。
もしかしたら夜警に出くわすかもしれないし。

ヴァルター
じゃあ、仕方がない。
このまま行こう。

エーファ
靴屋さんが窓からいなくなるまではだめよ。

ヴァルター
さっさと引っ込んでもらおうよ。

エーファ
姿を見せちゃだめよ。
あの人、あなたを知ってるんだから。

ヴァルター
あの靴屋が?

エーファ
ザックスなのよ!

ヴァルター
ハンス・ザックス?僕の味方だ!

エーファ
そうは思えないわ。あなたの悪口ばかり言っていたもの。

ヴァルター
何だって、ザックスさんが?彼まで?明かりを消してやる!


第六場
ベックメッサーは夜警の後を追うようにして通りを歩いてきて、ポーグナー家の窓をぜんぶ窺い、ザックスの家に寄りかかって、持ってきたリュートを調弦する。


エーファ
(ヴァルターを押しとどめて)
だめだったら!あら、聞いて。

ヴァルター
リュートの音だ。
(ザックスはリュートの音を耳にすると、急に何か思いついた様子で明かりを引っ込め、ドアの下半分をそっと開ける。)



エーファ
ああ、困ったわ!

ヴァルター
どうして?
見てごらん、靴屋は明かりを引っ込めた。さあ、行こう!

エーファ
あなたったら、見えないの?別の人が来て、そこに立ってるじゃないの。
(ザックスは気づかれないように自分の仕事机をドアのそばに据え、エーファが嘆いている声を耳にする。)

ヴァルター
聞こえてもいるし、見えてもいるさ。
楽師さんみたいだよ。こんな夜遅く何をするつもりだろう?

エーファ
(がっくりと)
ベックメッサーが来ちゃったのよ!

ザックス
ははん、思ってたとおりだ!
(そっと仕事にかかる。)

ヴァルター
あの判定役か?やつが僕の目の前に?
よし、あの怠け者を殺してやる!

エーファ
とんでもない!お願いよ、父を起こさないで!
あの人は一曲歌ったらすぐ帰るわ。
あの茂みのところに隠れていましょう。
男の人がこんなに手をかけるとは知らなかったわ。
(彼女はヴァルターを引っぱって、茂みに隠れた菩提樹のそばにあるベンチに連れていく。ベックメッサーは必死に窓のほうばかり窺い、じりじりしながらリュートを荒っぽくかき鳴らす。彼がついに歌いだそうとした時、ザックスがものすごい勢いでハンマーを叩き下ろす。明かりは再びこうこうと輝き、道の向こうまではっきり照らし出されれている。)


ザックス
イェールム!イェールム!おおい、おおい、
何たること!トララライ!トララライ!おお!

ベックメッサー
(不機嫌になって石のベンチから飛び上がり、仕事中のザックスを見つけて)
何事だ!
うるさいな!

ザックス
かつてエーファが神に追放され、
楽園を出ねばならなかった時、
固い石のせいで
彼女ははだしの足をけがした。

ベックメッサー
このいじわる靴屋は何を思いついたんだか。

ザックス
主はこれを憐れみ、

ヴァルター
(そっとエーファに)
これは何の歌?どうしてきみの名前が出てくるんだい?

ザックス
彼女の足を可愛く思っていたこともあって、

エーファ
(そっとヴァルターに)
聞こえてはいるわ。
私とは関係ないの。

ザックス
自分に従う天使を呼びつけて、

エーファ
どうも当てこすってるみたいね。

ザックス
「哀れな罪の女に靴を作るように!
私の見たところ、アダムも
石のせいで足の指をけがしたようだ。
ちゃんと無事に歩けるよう、
やつにもぴったり合う靴を作ってやれ!」

ヴァルター
いらいらするな。時間がどんどん経ってしまうじゃないか。

ベックメッサー
(ザックスのほうに寄って行って)
ちょっと、まだ起きてるんですか?もう夜更けですよ。

ザックス
これはこれは、市の書記殿!まだお目覚めでしたか!
靴のことが心配でならないのですね。
ご覧のとおり、ちゃんと作っています。
明日には履けるようにしますから。
(仕事にかかる。)

ベックメッサー
(腹を立てて)
靴なんかどうでもいい!今は静かにしてもらいたいんだ!

ザックス
イェールム!イェールム!
おおい、おおい、
何たること!トララライ!トララライ!おお!
おお、エーファよ、エーファ!悪い女だ、
良心がとがめないかな、

ヴァルター
(エーファに)
僕たちと判定役のどっちに当てつけてるんだろう。

ザックス
人間に足なんぞ生えてるから、

エーファ
(ヴァルターに)
思うに、三人平等に
あてこすってるみたい。

ザックス
天使が靴を作る羽目になったんだ。

エーファ
ああ、つらいわ。
何か悪いことが起きそう。

ザックス
楽園にとどまっていれば石なんかなかったのに。

ヴァルター
かわいい人、元気を出して!

ザックス
おまえの若気の過ちのせいで
針金だの錐だのを使って働かなければならないのだ。

エーファ
あの歌を聞くと悲しくなるわ。

ヴァルター
僕は聞いてないよ。
きみがそばにいてくれるし、
夢みたいに幸せさ。
(彼女を優しく引き寄せる。)

ザックス
アダムさんももう少ししっかりしてほしいものだ。
おかげで私はピッチを使って靴底をとめなければならない。
私が品格があって天使みたいに清らかでなかったら、
こんな仕事、悪魔に下げ渡すところだ!

ベックメッサーは脅すようにザックスに突っかかっていく。

ザックス
イェー…
(中断する。)

ベックメッサー
今すぐ聞け!
悪ふざけのつもりか?
おまえはまったくいつでもタイミングが悪いな!

ザックス
私がここで歌ってるのが迷惑になりますかね?
だって靴は仕上げろとおっしゃるんでしょう?

ベックメッサー
じゃ、中に入って、黙っていてくれ!

ザックス
徹夜仕事というのはなかなかつらいものですよ。
景気づけするために、
外の空気と楽しい歌が必要なんです。
では、第三節をお耳に入れましょう!
(針金にワックスを塗りつける。)

ベックメッサー
まったくどうかなりそうだ!

ザックス
(仕事を続けながら)
イェールム!イェールム!
おおい、おおい、

ベックメッサー
いじの悪いわめき声だ!

ザックス
何たること!トララライ!トララライ!おお!

ベックメッサー
しまいにはこれが私の歌だと思われてしまう!
(耳をふさぎ、絶望して歩き回りながら自問自答し、窓の前を行ったり来たりする。)


ザックス
おお、エーファ、わが嘆きを聞いておくれ。
こっちは大変な思いをして、機嫌が悪いのだ。
靴屋が作り上げた芸術品を、
彼女は足で踏みにじりながら世界を歩く。
ある天使が同情し、
この仕事から解放して
たびたび楽園に呼んでくれるのでなければ、
靴もブーツもほったらかすところだ!
だが、天国に滞在し、
地球を足元に見ることができるのなら、
気分が落ち着いてくるし、
ハンス・ザックスは靴屋と詩作に
勤しむことができるというものだ。

ベックメッサー
ああ、窓が開いたぞ!
(彼は今そっと開けられた窓を窺う。窓辺にエーファの服を着たマグダレーネが用心深く姿を見せる。)

エーファ
(すっかり取り乱した様子で)
あの歌はつらいわ、どうしてかわからないけど。
早く、ここを出たい!

ヴァルター
(飛び上がって)
よし、それなら
剣を使ってでも行こう!

エーファ
だめよ!それはやめて!

ベックメッサー
まちがいない、彼女だ!

ヴァルター
(剣から手を離して)
その価値もないか。

エーファ
そうよ、ここはじっと我慢して。

ベックメッサー
(ザックスが仕事を続けながら歌っている間に必死にあれこれ考えていたが)
これ以上やつが歌い続けたらこっちはたまったものではない!

エーファ
ああ、あなた、
私のせいでこんなことになったのよね。

ベックメッサー
(靴に取り組んでいるザックスのほうに歩いていき、続く会話の間街路に背を向けて、リュートをかき鳴らしながら、マグダレーネが窓から去ってしまわないように気を配る。)

ザックスさん、一言だけお話があるんですが…

ヴァルター
(小声でエーファに)
窓にいるのは誰?

ベックメッサー
しかし、あなたは靴にご熱心ですな。

エーファ
マグダレーネよ。

ベックメッサー
私はすっかり靴のことは忘れていましたよ。

ヴァルター
うまいことをやったね!

ベックメッサー
もちろん靴屋の腕前も評価してはいますがね、

ヴァルター
おかしくて吹き出しそうだよ!

ベックメッサー
それよりも芸術の友としての価値のほうが大きい。

エーファ
早く終わってくれたらいいのに!

ヴァルター
判定役がさっさと歌い始めてくれたら終わるんだけどね。
(ヴァルターとエーファはベンチで身を寄せ合いながら、続くザックスとベックメッサーのやりとりをだんだん面白そうに観察する。)

ベックメッサー
あなたの判断力は高く評価しているんですよ。
ですから、ちょっと耳を貸してもらえませんか。
明日お嬢さんを勝ち取るつもりの
セレナードなんですが、
あなたの意にかなうかどうかと思って。
(何度も窓のほうに振り返りながらかき鳴らす。)


ザックス
おやおや!お世辞なんぞ言って!
また叱られたくはありませんよ。
「靴屋が詩人として有名になってからというもの、
靴のほうはすっかりおろそかになってる。 」
たしかにぶかぶかで音がうるさかったですね。
ですから詩もメロディーも放り出して、
本業に戻っているんです。
自分の知識を総動員して、
必ず朝までに新しい靴を仕上げますよ。

ベックメッサー
(必死になって)
やめてくださいよ!あれはほんの冗談だ。
真剣に言ってるんだから聞いてくださいよ。
あなたは民衆から尊敬されているし、
ポーグナー嬢からも一目置かれている。
明日、私は公衆の目前で
求婚するのだが、
私の歌があなたのお気に召さないと
わが名誉に傷が入るのでは、と気がかりでね。
ですから、どうか聴いてください。
今から一曲歌いますから、
あなたの気に入るか入らないか教えてほしい。
そうしたらちゃんと見直しができるというもの。
(またリュートをかき鳴らす。)

ザックス
どうか私にはお構いなく!
そんな栄誉は受けられません。
私が作るのは流行歌だけですから。
だからこうして路地裏で歌い、靴を型にはめてるんです。
イェールム!イェールム!
おおい、おおい、

ベックメッサー
ちくしょう!臭いピッチそのもののような
あの歌を聴くといらいらする!

ザックス
何たること!トララライ!トララライ!おお!

ベックメッサー
黙らないか!近所迷惑だ!

ザックス
皆さんは慣れていますよ。
気になんぞとめません。
「おお、エーファ、エーファ!」

ベックメッサー
(かんかんになって怒りを爆発させ)
この性悪靴屋め!
いたずらにも程があるぞ!
今すぐ黙らないと、
目にもの見せてくれるぞ。
(いらいらとリュートを爪弾きながら)
あんたは信じられんくらい妬み深い。
自分じゃよっぽど賢いつもりなんだろう。
だから他に頭のいいやつがいると地団太を踏むわけだ。
どうだ、あんたのことは裏も表も知ってるぞ。
今までぜんぜん判定役に選ばれてないことが、
性質の悪い靴屋としては癪に障るんだろう。
それならそれで結構。ベックメッサーが生きているうちは、
なおかつその口から一つでも韻が出てくるうちは、
そして私がマイスターとして尊敬されている間は、
ニュルンベルクがいかに「花咲き育とう」とも、
ハンス・ザックス殿、しっかりと言っておこう。
あんたが判定役に選ばれることなんか絶対にない!
(怒り狂ってリュートを爪弾く。)

ザックス
(落ち着き払って注意深く聴いていたが)
いまのがあなたの歌だったんですか?

ベックメッサー
勘違いされてはかなわん!

ザックス
規則破りな歌でしたが、
なかなか誇らしく聞こえましたね。

ベックメッサー
聴いてくれるのかね?

ザックス
神かけて、
あなたがお歌いなさい。
私は靴底を縁取っていますから。

ベックメッサー
だが、あんたが歌いはしないだろうな?

ザックス
歌うのはあなたですよ。
私は仕事がありますからね。

ベックメッサー
そのうるさいハンマーはやめてくれないか!

ザックス
ハンマーを使わずにどうやったら靴底を打てるんです?

ベックメッサー
何だって!そっちが叩いてるのに歌えというのか?

ザックス
あなたは歌を、私は靴を仕上げなければならないんですよ。

ベックメッサー
靴は欲しくない!

ザックス
今はそうおっしゃるが、
歌の学校ではまた中傷なさるんじゃありませんか?
いや、待てよ!これが一番いいか。
人間は二人三脚で歩むのがいいと言いますしね。
私は仕事を中断するわけにはいかないが、
判定役の技も習得したい。
その腕前にかけてはあなたが一番です。
私が教えを乞うとすればあなた以外にはありません。
というわけで、あなたが歌うのを私はじっと聴き、
そのそばで仕事を続けようかと思いますが。

ベックメッサー
注意深く聴いてください。もし間違いがあったら
チョークで印をつけてくださいよ。

ザックス
いいえ!それでは靴が仕上がりません。
判定はハンマーで靴底を叩いて行いますよ。

ベックメッサー
いじわるにも程がある!しまった、もう遅くなってる。
お嬢さんが窓辺から去ってしまう!
(リュートをガチャガチャかき鳴らす。)

ザックス
(ハンマーで仕事をしながら)
始めよ!ちょっと急いでくださいよ。
さもないとまた私が歌いますからね。

ベックメッサー
やめてくれ!それだけはいやだ!ああ、もう、いらいらする!
あなたが図々しくも判定役を買って出るのなら
いいだろう、ハンマーで叩いて印をつけたらいい。
規則に沿ってきちんきちんとやってもらうが、
規則に沿った歌い方をした時に叩かないでくださいよ!

ザックス
靴屋が知っている通りの規則で判定します。
仕事をしたくてうずうずしますよ。

ベックメッサー
マイスターの名誉にかけて誓うんだろうな?

ザックス
靴屋の心意気にもかけて!

ベックメッサー
一つも間違いを犯さず、
すらすらと歌ってみせますよ。

ザックス
だったら明日、あなたは靴を履けませんよ。
(夜警の角笛が遠くで響く。)

ヴァルター
(小声でエーファに)
ばかばかしい騒ぎだね。
夢みたいだよ。

ザックス
(接客ドアの前にある石造りのベンチを指して)
ここにお座りになっては。

ベックメッサー
(家の角まで退いて)
ここに立たせてください。

ヴァルター
僕があの歌の椅子を下りてから間もないのに!

ザックス
なぜそんなに遠くに?

ベックメッサー
あなたが見えないようにですよ。
歌の学校での習わしどおりです。

エーファ
(安心しきってヴァルターの胸にもたれて)
とりとめのないことが頭の中をぐるぐる回ってるわ。
でも、結果がどうなるかさっぱり見当がつかないわね。

ザックス
でも、そこではよく聞こえない。

ベックメッサー
私の声は力強いから
このくらいの距離で優しく弱めるのですよ。
(彼は窓に向かい合うようにして街角に立つ。)


ザックス
いいぞ!では、準備は万端。始めよ!
(ベックメッサーは、先ほど怒り狂っている時にうっかり高く調弦してしまっていたD線を正しく直す。ザックスはハンマーを構える。)

ベックメッサー
(リュートの伴奏に乗って)
「私は見た、
私を喜ばすその日が輝くのを…」
(ザックスは叩く。ベックメッサーはびくっとする。)
「そして、わが心は…
(ザックス、叩く。ベックメッサーは中断するが、また歌い続ける。)
「生き生きした…」
(ザックスは叩き、ベックメッサーは怒って振り返る。)

おい、冗談はよせ!どこがいけなかったんだ?

ザックス
こう歌ったほうがよいのでは。
「そしてわが心は生き生きと…」

ベックメッサー
だが、それでは「私は見た」との
韻の関わりはどうなる?

ザックス
しかし、メロディーも大事ですよ。
言葉と音はきちんと合っていなくては。

ベックメッサー
あなたと喧嘩する気はないんだ!
叩くのはやめてくれ。
さもないと後悔する羽目になるぞ!

ザックス
では続きを。

ベックメッサー
混乱してきたぞ。

ザックス
もう一度最初から。
三つの間違いまでは叩かないでおきましょう。

ベックメッサー
(独り言。)
とにかくあいつのことは気にしないのが一番だ。
ただ、お嬢さんの気が散らないことだけを祈ろう。
「私は見た、
私を喜ばすその日が輝くのを。
わが心は生き生きと
勇気にあふれる。
死ぬことは考えず、
(ザックス、叩く。)
それより若き令嬢に
求婚することを考えよう。
(ザックス、叩く。)
なぜすべての日のうちで、
この日が最も美しいのか。
(打音。怒って)
ここで皆の者に私が告げよう、
(打音。)
それは美しいお嬢さんが
(叩く音が二回。)
彼女の愛すべきお父様から、
(ザックスは叩き、皮肉たっぷりにうなずく。)
ーお父様が口頭で約束されたように、
(音は小さいが、たくさん叩く音。)
結婚するようにと決められたから。
(叩く音が五回。かんかんになって)
自信のある者は、
(打音。)
来て、とくと見るがよい、
若き令嬢の優美な立ち姿を。
(三回叩く音。)
彼女こそわが希望の綱。
(打音。)
それゆえこの日は美しく青く輝く、
(たくさん叩く音。)
私が始めに見たとおりに。」
(彼は怒り狂って角を回ってザックスに詰め寄る。)

ベックメッサー
ザックス、私を殺す気か?
頼むから黙ってくれ!

ザックス
私は黙っていますよ。
判定していただけです。それについては後で話しましょう。
だんだんと靴底も仕上がってきましたしね。

ベックメッサー
(マグダレーネが窓辺から去ろうとしているのに気がついて)

えっ、行くのか?あっ、待ってください!とにかく歌わなくては。 (街角に戻り、ザックスに拳骨を突き出して)
ザックス、この仕返しはきっとしてやるからな!
(第二節の準備をする。)

ザックス
(ハンマーで叩く準備をしながら)
判定役は位置についています。続けよ!

ベックメッサー
(次第に大声になり、息を切らす。)
「今日、この心ははやる、
(打音。)
若き令嬢に求婚しようとして。
(三回の打音。)
しかし、お父様はどうしても
(打音。)
条件をつけておきたいとおっしゃる、
(三回の打音。)
彼の財産を継ぎ、
なおかつかの上品なお嬢さんに
(二回の打音。)
求婚しようとする者に。
(数えきれない打音。)
その条件とは、組合のまじめなマイスターであり、
お嬢さんを愛していること。
(三回の打音。)
そしてなおかつ証明すべきは
(二回の打音。)
その芸術的資質。
(連打音。)
マイスターの歌合戦で、
優勝を目指して歌おう、
彼女の夫になりたいのなら。
(怒って地団太を踏む。)
芸術を語るからには、一切のごまかしを避け、
一生懸命に取り組むべき。
(次々と打音。)
そうして初めて賞品が微笑む、
激しい情熱をもって求めていたものが。
(ザックスは頭を振りながら、一つひとつ間違いを数えるのはやめ、仕事に専念することにして、ハンマーで叩きながらくさびを型から外す作業を続ける。)
それはすなわち若き令嬢を得ること。」

ザックス
(店の戸から頭を突き出して)
もう終わりですか?

ベックメッサー
(ひどく心配になって)
なぜそんなことを聞く?

ザックス
(出来上がった靴を勝ち誇った様子で突き出して)
靴が出来上がりましたので。
(リボンで結び合わせた一足の靴を高く掲げ、振り回す。)

これこそ正真正銘、判定役の靴!
では、判定役の格言をお耳に入れましょう!
(力強い声で)
靴底に長短取り混ぜて
しっかり書き込んでおきましたよ。
はっきり読み取れますし、
ここでお耳に入れましょう。
決してお忘れになっちゃいけませんよ。
良い歌はリズムが大切。
誰か間違いを犯した時、
書記殿は黒板に書き入れるが、
靴屋は皮に叩き込む。
これで安心して走れますよ。
一組のいい靴ができましたので。
これであなたの足がパカパカいうことはありません。
リズミカルに靴底を仕上げましたよ!

ベックメッサー
(通りの端まで引っ込み、壁に寄りかかり、ザックスの声をかき消そうとやっきになってわめくように歌い、怒り狂ってザックスに向かってリュートを振り上げているうちに息が切れ、せかせかと歌い続ける。)

「私がマイスターの名にふさわしいなら、
今日こそそれを証明してみせよう。
なにしろ私は優勝を思って燃え、
焦がれ渇いていて、何としても手にせねばならないから。
さあ、九人のミューズを呼び出し、
彼女たちを頼って、
私の詩の才能を見てもらおう。
私は規則なら完璧に知っているし、
基準でも何でも軽く突破できる。
だが、ボールが転がるように
アクシデントが起こることも考えられる。
特に頭が混乱しかねないのは、
若き令嬢に
求婚しようとするから。
(一息入れる。)
独身生活にやつれはてた
この身。
名誉、役職、体面、収入のすべてを
気に入っていただけるような歌に込め、
お嬢さんが私を選んでくださることを祈る、
この歌が御意に召しました暁には。」

ダーフィト
(ベックメッサーが寄りかかっている後ろの窓をほんのわずか開けて、様子をうかがう。)
ちくしょう、何だ?
(マグダレーネの姿を見とめて)
えっ、あそこにいるのは?
レーネじゃないか。はっきり見えるぞ!
彼女がこいつを呼んだのか?
レーネは僕よりこいつが好きなのか?
待ってろ、思い知らせてやるから!
思いっきりぶん殴ってくれる!

彼は家の中に引っ込む。

隣人
(始めは数人だが、ベックメッサーの歌の間にあちこちの窓が開き、人々が顔を出す。)

そこで吠えてるのは誰だ?
ギーギー声を振り絞ってるのは誰だ?
こんな夜更けに気が知れないな!
静かにしてくれ!安眠妨害だ!
おい、聞けよ、ばかみたいにわめいてるぞ!
おい、そこのおまえ!黙って、とっとと帰ってくれ!
吠えたりわめいたりするのはよそでやってくれ!

彼らは窓から引っ込み、次から次と寝巻のまま通りに出てくる。ザックスはしばらくの間どんどん広まる騒動を観察しながら明かりを消し、姿を見られないように店の中に入るが、常にわずかだけ隙間を開けて、菩提樹の茂みから目を離さない。ヴァルターとエーファはだんだん不安になりながら、どんどん押し寄せてくる人波を見つめている。ヴァルターは自分のマントで恋人を包み、自分自身さらに茂みの奥に身を隠す。そのため、二人の姿はほとんど見えなくなる。



ダーフィト
(棍棒を持って戻り、窓からひとっ跳びでベックメッサーめがけて飛び掛かる。)
こんちくしょうめ、これでも喰らえ!

マグダレーネ
(必死にダーフィトにやめるように合図し、窓辺で悲鳴を上げる。) ああ、ダーフィト!どうしたらいいの!
助けて!助けて!
殴り合って二人とも死ぬわ!

ベックメッサー
(逃げようとするが、ダーフィトは襟首をつかんで離さない。) この出来損ないの若僧め!
放さんか!

ダーフィト
ああ、打ちのめしたら放してやるとも!

ベックメッサーとダーフィトはつかみ合いを始める。間もなく二人の姿は完全に見えなくなるが、すぐに前景に戻ってくる。必ずベックメッサーが逃げ役で、ダーフィトは追いついては思いっきり殴りつける。

フォーゲルゲザンク、ツォルン、モーザー、アイスリンガー、
ナハティガル、コートナー、オルテル、フォルツ
(窓辺で)
おい、見ろ!とびかかれ!
あそこで二人がつかみ合いをやってるぞ!
(通りに出てくる。)

オルテル
(通りに向かって叫ぶ。)
おおい!こっち来いよ!殴り合いの始まり始まり!

弟子たち
(始めは一人ずつ、だんだんあちこちから集まってきて)
こっち来いよ、殴り合いだぜ!

フォーゲルゲザンク、ツォルン、モーザー、アイスリンガー、
ナハティガル、コートナー、オルテル、フォルツ
(通りで準備して)
ちょっと放してくれ!道を開けろ!
さもなきゃぶん殴るぞ!
さっさとよけろ!

職人たち
(火かき棒を手に、あちこちから集まってくる。)

おおい!職人はみんな集まれ!
喧嘩が始まったぞ!
これは殴り合いに発展してるな!
みんな来いよ!

弟子たち
錠前屋を見なかったかい?
やつらが始めたんだよ!

第二、第四の弟子
あれは靴屋の一行だな!

第一、第三の弟子
いや、仕立て屋さ!

第二、第三の弟子
大酒飲み連中め!

第一の弟子
大喰らいめ!

マグダレーネ
(窓辺で、絶望しきった様子で祈るように)
まあ!ダーフィト!ああ、どうしましょう!
助けて!助けて!二人とも殴り合って死んでしまうわ!

婦人たち
(窓を開け、見まわして)
この喧嘩はいったい何事?
これは殴り合いに発展してるじゃないの!
お父さんがいなきゃいいけど。
あそこに主人がいるわ!

ツォルン
(第一の隣人―フォーゲルゲザンクを捕まえ)
おい、おまえもここか?
そっちに何の関係がある?

フォーゲルゲザンク
何を漁りに来たんだ?
誰かおまえに何かしたか?

ツォルン
気づかれるぞ、おまえの顔は知れてるからな。

フォーゲルゲザンク
そっちこそ!

ツォルン
どうしてだ?

フォーゲルゲザンク
そら、喰らえ!
(殴る。)

ツォルン
(また殴って)
馬鹿者!

フォーゲルゲザンク
そっちは大馬鹿だ!
(またツォルンを殴る。)

弟子たち
あそこの連中は鍛冶屋さんかな。
ちがうよ、あれは錠前屋だって!
あそこには家具屋の一行が見える。
それにもちろんあれは肉屋だ!
わあい!あそこで御者さんが踊ってるぞ!
おいで、おいで!これはすごく楽しい踊りだよ!
すごいぞ!こんな殴り合い、見たことない!

婦人たち
ちょっと向こう(あそこ)を見てよ!
何て騒音!何て争い!
だんだん心配になってくるわ!

マイスターたち
(年寄りの市民たちと一緒に集まってくる。)

この喧嘩はいったい何事だ?
どこを見ても殴り合いばかりじゃないか!

マグダレーネ
必死に大声をはりあげて)
聞いて、ダーフィト!
その方を離してちょうだい!
私に何にもなさってないのよ!
お願いだから聞いて!

職人たち
織工が来たぞ、皮なめし工に、
それからあれは値切ってばっかりの一行だ!

婦人たち
ちょっと、皆さん!
いいかげんにしたらどうなの!
まあ、あのおばあさんは何するつもり?
みんなして殴るのが
当たり前みたいになってしまってる!

コートナー
(ナハティガルに飛び掛かって)
まえから殴ってやりたかったんだ!

モーザーとアイスリンガーが喧嘩している。

モーザー
怖いのか?

アイスリンガー
奥さんにけしかけられたのか?

ナハティガル
(コートナーを殴って)
訴えるぞ!

モーザー
棍棒の使い方を伝授してやる!
(殴り合う。)

アイスリンガー
無礼者!

モーザー
それはこっちの台詞だ!

職人たち
思ってたとおりだ!
バシンと叩きのめせ!
一発お見舞いだ!
ちょっとは特訓してやらないと気が済まない!
いいぞ!どんどんよくなる!

弟子たち
(大喜びで)
小売り商人が加勢に来たぞ、
大麦と砂糖を持ってきたみたいだ。
コショウもあるし、シナモンにナツメグ。
いい香りだけど、何の役にも立たないと思うな。

コートナー
(杖を持ってきて)
気をつけろ、殴るからな!

ナハティガル
まだやるつもりか?

コートナー
それ、殴ってみろ!

ナハティガル
(殴る。)
どうだ!

コートナー
この悪党め、おまえが
カチンとくるまでやるぞ!
(追いかける。)

ナハティガル
(後ろから叫ぶ。)
お返しはしてやる!

職人たち
全員集合だ!棍棒も入り用だぞ!

オルテル
この悪党!

アイスリンガー
いたずら野郎、待て!

モーザー
いつもごまかして商売してやがら!

フォルツ
前から殴ってやりたくてうずうずしてた!

弟子たち
おいおい、その言い方はないだろう!
口をふさげ!
いくら何でも僕はそんなことは言わないぞ!

職人たち
あそこに肉屋のクラウスがいるぞ、
見てはっきり分からあ!
家んなかが焼けたみたいな騒ぎだ!
明日になったらぜんぶ収まるんだろうな!
仕立て屋はハンガーを持ってきた!みんな集まれ!

マグダレーネ
ああ!いったいどうしたら!
ダーフィト!お願いだから聞いて!

弟子たち
わあい!殴ったぞ!ウサギみたいにおびえてら!
何でもかんでも確認してる!

婦人たち
キャー!あそこに主人がいるわ!
ああ、ハンスが見つかったらいいけど!
みんなしてワインの飲みすぎよ!
いったいどうしたらいいの?
みんなして気でも狂ったの?

マイスターたち
いいかげん静かにして
めいめい家に帰れ!
さもないと手ひどくぶん殴るぞ!
これ以上逆らう気なら
我々も参加するからな!

弟子たち
楽しく元気にやろう!今からが本番だ!
どんどん突き進むぞ!
わあい、お見舞いするぞ!今の見た?
ひげにもろにぶち当たったぞ!
ドシーン、とすごいぞ!これはひょうの嵐みたいだ!
殴り合いやってたら夜警もすぐには来ないよ!
元気に喧嘩しよう!怖がるのはなしだ!
職人たちもしっかりやってるんだから!
怖気づいたら不名誉になるぞ!
さあ、立ち向かえ!
男らしく振る舞おう!
僕たちみんな殴り合いに参加だ!

隣人たちと弟子たちはすでに殴り合っていたが、その波がどんどん広がる。

職人たち
こんなもの、すぐ片づけるぞ!
家が火事になったみたいな騒ぎだ!
勇敢に立ち向かえ、打ちのめすんだ!

婦人たち
ワインを飲みすぎて
酔っぱらってるのよ!
ちょっと、クリスティアンを見てよ。
あんなに殴ってはペーターがのびちゃうわ!
大変!あそこでミヒェルがシュテッフェンを殴ってるわ!
助けて!お父さん!お父さん!
あの人たち、死人がでるまでぶつわ!
誰もこっちの言うことなんか聞きもしない!

職人たち
おい、どうにかしろよ!さっさと帰れ!
俺たちは今来たばかりだぞ!
まさか道をふさぐつもりじゃないだろうね。
通らせろ、さもなきゃ殴るぞ!
ベルト作りめ!-ブリキ加工屋め!
そっちが立ち退きゃいいだろ!
錫加工職人!-にかわ作りめ!-ロウソク屋め!
絶対譲歩しないぞ!
殴ってしまえ!
びくびくするな!
仕立て屋だ!亜麻織職人だ!
やっつけろ!そんな言い方はない!
とにかく帰って
ここを出て行ってくれ!

マグダレーネ
(下を窺って)
ああ、どうしましょう、まだつかんでいる!

婦人たち
ペーター、聞いてちょうだい!
イエス様!ハンスが頭を殴られたわ!
ハンス、いいから聞きなさいって!
大変!このままでは息子が死んでしまう!
ああ、神様!これはまるで地獄!
神様、早くこの騒ぎが収まりますように!
まあ!主人が勇敢にも立ち向かっていった!

ツォルン
いたずら小僧め!

フォーゲルゲザンク
いんちき!

ツォルン
怖くなったろう?

フォーゲルゲザンク
もっと前に殴っとけばよかった!

コートナー、オルテル、フォーゲルゲザンク
とっとと失せろ、奥さんの機嫌を損ねるぞ!

ツォルン
もっと思い知らせてやろうか?

フォルツ、シュヴァルツ
走って戻れ!さもなきゃ奥さんから叱られるぞ!

ツォルン、モーザー
だが、もし私がいやだと言ったら?

ナハティガル
私がまだここにいるからといって、そっちに何の関係がある?


フォーゲルゲザンク
さあ、家に帰れ!

アイスリンガー
こっちが楽しんでるのに口を出さないでくれ!

コートナー、オルテル、フォルツ、シュヴァルツ、モーザー
とにかく職人どもを帰さないと!

ツォルン
こっちだって立派なマイスターなんだぞ!

アイスリンガー
ばか野郎!

コートナー
とっとと失せろ!

ナハティガル
いいから家に帰ろ!

フォーゲルゲザンク
そういう自分たちもさっさと帰ったらどうだ!

婦人たち
かつらだろうが本物の頭だろうがぐしゃぐしゃだわ。
ああ、みんなよろめいてる!
フランツ、いいかげんにしなさい!
ああ、もういつまでつづくの?
急いで、助けを呼ばなくては!人殺しよ、殺人よ!
水を持ってきて!水よ!
この騒ぎを収めるには水しかないわ!
あの人たちの頭にジャーッと浴びせかけるのよ!

取っ組み合いはどんどん広がり、わめき声と罵り声が響き渡る。

マグダレーネ
ダーフィトったら、気でも狂ったの?
(必死に大声をはりあげて)
お願いだから聞いて!
その方はベックメッサーさんよ!

ポーグナー
(寝巻を着て、窓のところに現れ)
何てことだ!エーファ、窓を閉めるんだ!
私は下が無事かどうか見てくる。

彼は、窓辺で叫びながら両手を差し出していたマグダレーネを部屋に引き入れ、窓を閉める。


ヴァルター
(それまでエーファとともに茂みに身を隠していたが、いまエーファを左の腕にしっかりと抱き寄せ、右手で剣を抜く。)

思い切ってやってみよう、
このまま突っ切っていくんだ!

彼は剣を突き出しながら舞台の前面まで出てきて、エーファとともに道を歩んでいこうとするが、その時ザックスが勢いよく仕事場から飛び出し、革ひもを振り回しながら行く手を阻み、ヴァルターの腕を捕らえる。



ポーグナー
(階段のところで)
おい、レーネ!どこにいるんだ!

ザックス
(半分気を失いかけているエーファを階段のほうに押しやって) お家にどうぞ、レーネさん!

ポーグナーはエーファを支えながら家に入る。ザックスは革ひもでダーフィトを軽くぶち、蹴飛ばすようにして接客ドアから中に押し込み、もう一方の手でしっかり捕まえておいたヴァルターを引っぱりながら、自分も中に入ってすばやく後ろ手にドアを閉める。ザックスのおかげでダーフィトから解放されたベックメッサーは、 大慌てで人ごみの中を逃げていこうとする。ザックスが通りに分け入って行った時、ちょうど夜警の角笛が聞こえ、誰もが大急ぎでちりぢりに引き上げていくので、舞台はあっという間に空になる。どの家の扉も閉まり、誰もいなくなったところに夜警が現れ、目をこすり、びっくりしたようにあたりを見回し、頭を振る。




夜警
(小さな震え声で)
皆さん、お聞きを…
お知らせします。
時計の鐘が…
十一時を打ちました。
化け物や悪霊がうろつく時間です。
誰も悪魔に魂をさらわれんことを!
主なる神を讃えましょう!

角笛の音。満月がのぼり、小路を明るく照らし出す。夜警はゆっくりと歩いていく。夜警の姿が角の向こうに消えた時、最後の音とともに幕が下りる。
FÜNFTE SZENE
Walther ist die Gasse heraufgekommen; jetzt biegt er um die Ecke herum: Eva erblickt ihn, reisst sich von Magdalene los und stürzt Walther auf die Strasse entgegen

EVA
Da ist er!

MAGDALENE
Da haben wir's! Nun heisst's:
gescheit!
Sie geht eilig in das Haus

EVA
ausser sich
Ja, Ihr seid es! Nein, du bist es!
Alles sag' ich, denn Ihr wisst es;
alles klag' ich, denn ich weiss es;
Ihr seid beides, Held des Preises
und mein einz'ger Freund!

WALTHER
leidenschaftlich
Ach, du irrst! Bin nur dein Freund, doch des Preises
noch nicht würdig, nicht den Meistern ebenbürtig.
Mein Begeistern fand Verachten,
und, ich weiss es, darf nicht trachten
nach der Freundin Hand!

EVA
Wie du irrst! Der Freundin Hand,
erteilt nur sie den Preis,
wie deinen Mut ihr Herz erfand,
reicht sie nur dir das Reis.

WALTHER
Ach nein, du irrst! Der Freundin Hand,
wär' keinem sie erkoren;
wie sie des Vaters Wille band,
mir war sie doch verloren.
»Ein Meistersinger muss er sein,
nur wen Ihr krönt, den darf sie frein!«
So sprach er festlich zu den Herr'n,
kann nicht zurück, möcht' er auch gern!
Das eben gab mir Mut;
wie ungewohnt mir alles schien,
ich sang voll Lieb' und Glut,
dass ich den Meisterschlag verdien'.
Doch diese Meister!
wütend
Ha, diese Meister!
Dieser Reim-Gesetze Leimen und Kleister!
Mir schwillt die Galle,
das Herz mir stockt,
denk' ich der Falle,
darein ich gelockt!
Fort in die Freiheit!
Da hin gehör' ich,
da, wo ich Meister im Haus!
Soll ich dich frei'n heut,
dich nun beschwör' ich,
komm und folg mir hinaus!
Nichts steht zu hoffen;
keine Wahl ist offen!
Überall Meister,
wie böse Geister
seh' ich sich rotten,
mich zu verspotten:
mit den Gewerken,
aus den Gemerken,
aus allen Ecken,
auf allen Flecken
seh' ich zu Haufen
Meister nur laufen,
mit höhnendem Nicken
frech auf dich blicken,
in Kreisen und Ringeln
dich umzingeln,
näselnd und kreischend
zur Braut dich heischend,
als Meisterbuhle
auf dem Singestuhle,
zitternd und bebend,
hoch dich erhebend!
Und ich ertrüg' es, sollt' es nicht wagen,
gradaus tüchtig d'rein zu schlagen?
Man hört den starken Ruf eines Nachtwächterhorns
Ha! ...

Er hat mit emphatischer Gebärde die Hand an das Schwert gelegt und starrt wild vor sich hin

EVA
fasst ihn besänftigend bei der Hand
Geliebter, spare den Zorn!
‘s war nur des Nachtwächters Horn.
Unter der Linde birg dich geschwinde;
hier kommt der Wächter vorbei.

MAGDALENE
ruft leise unter der Tür
Evchen! ‘s ist Zeit:
mach dich frei!

WALTHER
Du fliehst?

EVA
lächelnd
Muss ich denn nicht?

WALTHER
Entweichst?

EVA
mit zarter Bestimmtheit
Dem Meistergericht.

Sie verschwindet mit Magdalene im Hause

Der NACHTWÄCHTER
ist währenddem in der Gasse erschienen, kommt singend nach vorn, biegt um die Ecke von Pogners Haus und geht nach links ab
Hört, ihr Leut', und lasst euch sagen,
die Glock' hat zehn geschlagen:
bewahrt das Feuer und auch das Licht,
damit niemand kein Schad' geschicht!
Lobet Gott den Herrn!

SACHS
welcher hinter der Ladentür dem Gespräche gelauscht, öffnet jetzt, bei eingezogenem Lampenlicht, ein wenig mehr
Üble Dinge, die ich da merk':
eine Entführung gar im Werk!
Aufgepasst! Das darf nicht sein!

WALTHER
hinter der Linde
Käm' sie nicht wieder? o der Pein! -
Eva kommt in Magdalenes Kleidung aus dem Hause; die Gestalt gewahrend
Doch ja, sie kommt dort! -
Weh mir, nein! Die Alte/Lene ist's! -
Eva erblickt Walther und eilt auf ihn zu
Doch aber - ja!

EVA
Das tör'ge Kind:
da hast du's! Da!
Sie wirft sich ihm heiter an die Brust

WALTHER
hingerissen
O Himmel! Ja, nun wohl ich weiss,
dass ich gewann den Meisterpreis!

EVA
Doch nun kein Besinnen! Von hinnen! Von hinnen!
o wären wir schon fort!

WALTHER
Hier durch die Gasse:
dort
finden wir vor dem Tor Knecht und Rosse vor.
Nachtwächterhorn entfernt. Als sich beide wenden, um in die Gasse einzubiegen, lässt Sachs, nachdem er die Lampe hinter eine Glaskugel gestellt, durch die ganz wieder geöffnete Ladentür einen grellen Lichtschein quer über die Strasse fallen, so dass Eva und Walther sich plötzlich hell beleuchtet sehen

EVA
Walther hastig zurückziehend
O weh, der Schuster!
Wenn er uns säh'!
Birg dich! Komm ihm nicht in die Näh'!

WALTHER
Welch and'rer Weg führt uns hinaus?

EVA
Dort durch die Strasse:
doch der ist kraus,
ich kenn' ihn nicht gut;
auch stiessen wir dort auf den Wächter.

WALTHER
Nun denn:
durch die Gasse!

EVA
Der Schuster muss erst vom Fenster fort.

WALTHER:
Ich zwing' ihn, dass er's verlasse.

EVA
Zeig dich ihm nicht:
er kennt dich!

WALTHER
Der Schuster?

EVA
‘s ist Sachs!

WALTHER
Hans Sachs? Mein Freund!

EVA
Glaub's nicht! Von dir Übles zu sagen nur wusst' er.

WALTHER
Wie, Sachs? Auch er? Ich lösch' ihm das Licht.


SECHSTE SZENE
Beckmesser ist, dem Nachtwächter nachschleichend, die Gasse heraufgekommen, hat nach den Fenstern von Pogners Haus gespäht und, an Sachsens Haus gelehnt, stimmt er jetzt seine mitgebrachte Laute

EVA
Walther zurückhaltend
Tu's nicht! - Doch horch!

WALTHER
Einer Laute Klang.
Als Sachs den ersten Ton der Laute vernommen, hat er, von einem plötzlichen Einfall erfasst, das Licht wieder etwas eingezogen und öffnet leise den unteren Teil des Ladens

EVA
Ach, meine Not!

WALTHER
Wie, wird dir bang'?
Der Schuster, sieh, zog ein das Licht. So sei's gewagt!

EVA
Weh! Siehst du denn nicht? Ein and'rer kam und nahm dort Stand.
Sachs hat unvermerkt seinen Werktisch ganz unter die Tür gestellt Jetzt erlauscht er Evas Ausruf

WALTHER
Ich hör's und seh's:
ein Musikant. Was will der hier so spät des Nachts?

EVA
in Verzweiflung
‘s ist Beckmesser schon!

SACHS
Aha, ich dacht's!
Er setzt sich leise zur Arbeit zurecht

WALTHER
Der Merker? Er in meiner Gewalt?
Drauf zu! Den Lung'rer mach' ich kalt!

EVA
Um Gott! So hör! Willst den Vater wecken?
Er singt ein Lied, dann zieht er ab.
Lass dort uns im Gebüsch verstecken. -
Was mit den Männern ich Müh' doch hab!
Sie zieht Walther hinter das Gebüsch auf die Bank unter der Linde. Beckmesser, eifrig nach dem Fenster lugend, klimpert voll Ungeduld heftig auf der Laute. Als er sich endlich auch zum Singen rüstet, schlägt Sachs sehr stark mit dem Hammer auf den Leisten, nachdem er soeben das Licht wieder hell auf die Strasse hat fallen lassen.

SACHS
Jerum! Jerum! Hallo hallo he!
O ho! Trallalei! Trallalei! O ho!

BECKMESSER
springt ärgerlich von dem Steinsitz auf und gewahrt Sachs bei der Arbeit
Was soll das sein?
Verdammtes Schrein!

SACHS
Als Eva aus dem Paradies
von Gott dem Herrn verstossen,
gar schuf ihr Schmerz der harte Kies
an ihrem Fuss, dem blossen.

BECKMESSER
Was fällt dem groben Schuster ein?

SACHS
Das jammerte den Herrn,

WALTHER
flüsternd zu Eva
Was heisst das Lied? Wie nennt er dich?

SACHS
ihr Füsschen hatt' er gern,

EVA
flüsternd zu Walther
Ich hört' es schon:
‘s geht nicht auf mich.

SACHS
und seinem Engel rief er zu:

EVA
Doch eine Bosheit steckt darin.

SACHS
»Da, mach der armen Sünd'rin Schuh'!
Und da der Adam, wie ich seh',
an Steinen dort sich stösst die Zeh',
dass recht fortan er wandeln kann,
so miss dem auch Stiefeln an!«

WALTHER
Welch Zögernis! Die Zeit geht hin!

BECKMESSER
tritt zu Sachs heran
Wie, Meister? Auf? Noch so spät zur Nacht?

SACHS
Herr Stadtschreiber! Was, Ihr wacht?
Die Schuh' machen Euch grosse Sorgen?
Ihr seht, ich bin dran:
Ihr habt sie morgen.
Er arbeitet

BECKMESSER
zornig
Hol' der Teufel die Schuh'! Hier will ich Ruh'!

SACHS
Jerum! Jerum!
Hallo hallo he!
Oho! Trallalei! Trallalei! O he!
O Eva, Eva! Schlimmes Weib,
das hast du am Gewissen,

WALTHER
zu Eva
Uns oder dem Merker? Wem spielt er den Streich?

SACHS
dass ob der Füss' am Menschenleib

EVA
zu Walther
Ich fürcht', uns dreien
gilt er gleich.

SACHS
jetzt Engel schustern müssen.

EVA
O weh der Pein.
Mir ahnt nichts Gutes!

SACHS
Blieb'st du im Paradies, da gab es keinen Kies.

WALTHER
Mein süsser Engel, sei guten Mutes!

SACHS
Um deiner jungen Missetat
hantier' ich jetzt mit Ahl' und Draht

EVA
Mich betrübt das Lied!

WALTHER
Ich hör' es kaum!
Du bist bei mir,
welch holder Traum!
Er zieht sie zärtlich an sich

SACHS
und ob Herrn Adams übler Schwäch'
versohl' ich Schuh' und streiche Pech.
Wär' ich nicht fein ein Engel rein,
Teufel möchte Schuster sein!

Beckmesser drohend auf Sachs zufahrend

SACHS
Je -
Er unterbricht sich

BECKMESSER
Gleich höret auf!
Spielt Ihr mir Streich'?
Bleibt Ihr tags und nachts Euch gleich?

SACHS
Wenn ich hier sing', was kümmert's Euch?
Die Schuhe sollen doch fertig werden?

BECKMESSER
So schliesst Euch ein und schweigt dazu still!

SACHS
Des Nachts arbeiten macht Beschwerden;
wenn ich da munter bleiben will,
so brauch' ich Luft und frischen Gesang;
drum hört, wie der dritte Vers gelang!
Er wichst den Draht ersichtlich

BECKMESSER
Er macht mich rasend!

SACHS
fortarbeitend
Jerum! Jerum!
Hallo hallo he!

BECKMESSER
Das grobe Geschrei!

SACHS
O ho! Trallalei! Trallalei! O he!

BECKMESSER
Am End' denkt sie gar, dass ich das sei!
Er hält sich die Ohren zu und geht verzweiflungsvoll, sich mit sich beratend, die Gasse vor dem Fenster auf und ab

SACHS
O Eva! Hör mein' Klageruf,
mein' Not und schwer Verdrüssen!
Die Kunstwerk', die ein Schuster schuf,
sie tritt die Welt mit Füssen!
Gäb' nicht ein Engel Trost,
der gleiches Werk erlost,
und rief' mich oft ins Paradies,
wie ich da Schuh' und Stiefel liess'!
Doch wenn mich der im Himmel hält,
dann liegt zu Füssen mir die Welt,
und bin in Ruh'
Hans Sachs ein Schuh-
macher und Poet dazu.

BECKMESSER
Das Fenster geht auf!
Er späht nach dem Fenster, welches jetzt leise geöffnet wird und an welchem vorsichtig Magdalene in Evas Kleidung sich zeigt.

EVA
mit grosser Aufgeregtheit
Mich schmerzt das Lied, ich weiss nicht wie!
O fort, lass uns fliehen!

WALTHER
auffahrend
Nun denn:
mit dem Schwert!

EVA
Nicht doch! Ach, halt!

BECKMESSER
Herrgott, ‘s ist sie!

WALTHER
die Hand vom Schwert nehmend
Kaum wär' er's wert!

EVA
Ja, besser Geduld!

BECKMESSER
der, während Sachs fortfährt zu arbeiten und zu singen, in grosser Aufregung mit sich beraten hat
Jetzt bin ich verloren, singt der noch fort!

EVA
O bester Mann,
dass ich so Not dir machen kann!

BECKMESSER
tritt zu Sachs an den Laden heran und klimpert, während des Folgenden mit dem Rücken der Gasse zugewandt, seitwärts auf der Laute, um Magdalene am Fenster festzuhalten
Freund Sachs! So hört doch nur ein Wort!

WALTHER
leise zu Eva
Wer ist am Fenster?

BECKMESSER
Wie seid Ihr auf die Schuh' versessen!

EVA
‘s ist Magdalene.

BECKMESSER
Ich hatt' sie wahrlich schon vergessen.

WALTHER
Das heiss' ich vergelten!

BECKMESSER
Als Schuster seid Ihr mir wohl wert,

WALTHER
Fast muss ich lachen.

BECKMESSER
als Kunstfreund doch weit mehr verehrt.

EVA
Wie ich ein End' und Flucht mir ersehne!

WALTHER
Ich wünscht', er möchte den Anfang machen.
Walther und Eva, auf der Bank sanft aneinandergelehnt, erfolgen des weiteren Sachs und Beckmesser mit wachsender Teilnahme

BECKMESSER
Eu'r Urteil, glaubt, das halt' ich hoch;
drum bitt' ich:
hört das Liedlein doch,
mit dem ich morgen möcht' gewinnen,
ob das auch recht nach Euren Sinnen.
Er klimpert wiederholt seitwärts nach dem Fenster gewandt

SACHS
Oha! Wollt mich beim Wahne fassen?
Mag mich nicht wieder schelten lassen.
»Seit sich der Schuster dünkt Poet,
gar übel es um Eu'r Schuhwerk steht.«
Ich seh', wie's schlappt und überall klappt:
drum lass ich Vers und Reim'
gar billig nun daheim,
Verstand und Witz und Kenntnis dazu,
mach' Euch für morgen die neuen Schuh'.

BECKMESSER
kreischend
Lasst das doch sein! Das war ja nur Scherz.
Vernehmt besser, wie's mir ums Herz!
Vom Volk seid Ihr geehrt,
auch der Pognerin seid Ihr wert.
Will ich vor aller Welt
nun morgen um die werben,
sagt, könnt's mich nicht verderben,
wenn mein Lied ihr nicht gefällt?
Drum hört mich ruhig an;
und sang ich, sagt mir dann,
was Euch gefällt, was nicht,
dass ich mich danach richt'.
Er klimpert wieder

SACHS
Ei, lasst mich doch in Ruh'!
Wie käme solche Ehr' mir zu?
Nur Gassenhauer dicht' ich zum meisten,
drum sing' ich zur Gassen und hau' auf den Leisten.
Jerum! Jerum!
Hallo hallo he!

BECKMESSER
Verfluchter Kerl! Den Verstand verlier' ich
mit seinem Lied voll Pech und Schmierich! -

SACHS
O ho! Trallalei! Trallalei! O he!

BECKMESSER
Schweigt doch! Weckt Ihr die Nachbarn auf?

SACHS
Die sind's gewohnt:
‘s hört keiner drauf. -
»O Eva, Eva!« -

BECKMESSER
in höchste Wut ausbrechend
O Ihr boshafter Geselle!
Ihr spielt mir heut' den letzten Streich!
Schweigt Ihr jetzt nicht auf der Stelle,
so denkt Ihr dran, das schwör' ich Euch.
Er klimpert wütend
Neidisch seid Ihr, nichts weiter,
dünkt Ihr Euch auch gleich gescheiter.
Dass andre auch was sind, ärgert Euch schändlich!
Glaubt, ich kenne Euch aus- und inwendlich!
Dass man Euch noch nicht zum Merker gewählt,
das ist's, was den gallichten Schuster quält.
Nun gut! Solang' als Beckmesser lebt
und ihm noch ein Reim an den Lippen klebt,
solang' ich noch bei den Meistern was gelt',
ob Nürnberg »blüh' und wachs'«,
das schwör' ich Herrn Hans Sachs:
nie wird er je zum Merker bestellt!
Er klimpert in höchster Wut

SACHS
der ihm ruhig und aufmerksam zugehört hat
War das Eu'r Lied?

BECKMESSER
Der Teufel hol's!

SACHS
Zwar wenig Regel:
doch klang's recht stolz!

BECKMESSER
Wollt Ihr mich hören?

SACHS
In Gottes Namen
singt zu:
ich schlag' auf die Sohl' die Rahmen.

BECKMESSER
Doch schweigt Ihr still?

SACHS
Ei, singet Ihr,
die Arbeit, schaut, fördert's auch mir.

BECKMESSER
Das verfluchte Klopfen wollt Ihr doch lassen?

SACHS
Wie sollt' ich die Sohl' Euch richtig fassen?

BECKMESSER
Was? Ihr wollt klopfen, und ich soll singen?

SACHS
Euch muss das Lied, mir der Schuh gelingen.

BECKMESSER
Ich mag keine Schuh'!

SACHS
Das sagt Ihr jetzt;
in der Singschul' Ihr mir's dann wieder versetzt.
Doch hört! Vielleicht sich's richten lässt:
zwei-einig geht der Mensch am best.
Darf ich die Arbeit nicht entfernen,
die Kunst des Merkers möcht' ich erlernen.
Darin kommt Euch nun keiner gleich;
ich lern' sie nie, wenn nicht von Euch.
Drum singt Ihr nun, ich acht' und merk'
und fördr' auch wohl dabei mein Werk.

BECKMESSER
Merkt immer zu; und was nicht gewann,
nehmt Eure Kreide und streicht mir‘s an.

SACHS
Nein, Herr! Da fleckten die Schuh' mir nicht,
mit dem Hammer auf den Leisten halt' ich Gericht.

BECKMESSER
Verdammte Bosheit! - Gott, und ‘s wird spät:
am End' mir die Jungfer vom Fenster geht!
Er klimpert eifrig

SACHS
aufschlagend
Fanget an! ‘s pressiert!
Sonst sing' ich für mich!

BECKMESSER
Haltet ein! Nur das nicht! - Teufel, wie ärgerlich! -
Wollt Ihr Euch denn als Merker erdreisten,
nun gut, so merkt mit dem Hammer auf den Leisten;
nur mit dem Beding, nach den Regeln scharf,
aber nichts, was nach den Regeln ich darf.

SACHS
Nach den Regeln, wie sie der Schuster kennt,
dem die Arbeit unter den Händen brennt.

BECKMESSER
Auf Meisterehr'?

SACHS
Und Schustermut!

BECKMESSER
Nicht einen Fehler:
glatt und gut!

SACHS
Dann gingt Ihr morgen unbeschuht.
Nachtwächterhorn sehr entfernt

WALTHER
leise zu Eva
Welch toller Spuk!
Mich dünkt's ein Traum.

SACHS
auf den Steinsitz vor der Ladentür deutend
Setzt Euch denn hier!

BECKMESSER
zieht sich nach der Ecke des Hauses zurück
Lasst hier mich stehen!

WALTHER
den Singstuhl, scheint's, verliess ich kaum!

SACHS
Warum so weit?

BECKMESSER
Euch nicht zu seh'n,
wie's Brauch der Schul' vor dem Gemerk'.

EVA
sanft an Walthers Brust gelehnt
Die Schläf' umwebt mir's wie ein Wahn:
ob's Heil, ob Unheil, was ich ahn'?

SACHS
Da hör' ich Euch schlecht.

BECKMESSER
Der Stimme Stärk'
ich so gar lieblich dämpfen kann.
Er stellt sich ganz um die Ecke,
dem Fenster gegenüber, auf

SACHS
Wie fein! Nun gut denn! - Fanget an!
Beckmesser stimmt die in der Wut unversehens heraufgeschraubte D-Saite wieder herunter. Sachs holt mit dem Hammer aus

BECKMESSER
zur Laute
»Den Tag seh' ich erscheinen,
der mir wohlgefall'n tut.....
Sachs schlägt auf, Beckmesser schüttelt sich
»Da fasst mein Herz sich einen
Sachs schlägt auf, Beckmesser setzt heftig ab, singt aber weiter
guten und frischen -
Sachs hat aufgeschlagen, Beckmesser wendet sich wütend um die Ecke herum
Treibt Ihr hier Scherz? Was wär' nicht gelungen?

SACHS
Besser gesungen:
»Da fasst mein Herz sich einen guten,frischen -«

BECKMESSER
Wie sollt' sich das reimen
auf »Seh ich erscheinen«?

SACHS
Ist Euch an der Weise nichts gelegen?
Mich dünkt, sollt' passen Ton und Wort.

BECKMESSER
Mit Euch zu streiten?
Lasst von den Schlägen,
sonst denkt Ihr mir dran!

SACHS
Jetzt fahret fort!

BECKMESSER
Bin ganz verwirrt!

SACHS
So fangt noch mal an:
drei Schläg' ich jetzt pausieren kann.

BECKMESSER
für sich
Am besten, wenn ich ihn gar nicht beacht'.
Wenn's nur die Jungfer nicht irre macht!
Den Tag seh' ich erscheinen,
der mir wohl gefall'n tut;
da fasst mein Herz sich einen
guten und frischen Mut.
Da denk' ich nicht an Sterben,
Sachs schlägt
lieber an Werben
um jung' Mägdeleins Hand.
Sachs schlägt
Warum wohl aller Tage
schönster mag dieser sein?
Schlag. Ärgerlich
Allen hier ich es sage:
Schlag
weil ein schönes Fräulein
zwei Schläge
von ihrem lieb'n Herrn Vater,
Sachs schlägt und nickt ironisch beifällig
wie gelobt hat er,
viele kleine Schläge
ist bestimmt zum Eh'stand.
Fünf Schläge. Sehr ärgerlich
Wer sich getrau',
Schlag
der komm' und schau',
da steh'n die hold lieblich' Jungfrau,
drei Schläge
auf die ich all mein' Hoffnung bau':
Schlag
darum ist der Tag so schön blau,
viele Schläge
als ich anfänglich fand.«
Er bricht wütend um die Ecke auf Sachs los

BECKMESSER
Sachs! Seht, Ihr bringt mich um!
Wollt Ihr jetzt schweigen?

SACHS
Ich bin ja stumm!
Die Zeichen merkt' ich; wir sprechen dann:
derweil lassen die Sohlen sich an.

BECKMESSER
gewahrt, dass Magdalene sich vom Fenster entfernen will
Sie entweicht? Pst, pst! - Herrgott! Ich muss!
Um die Ecke herum die Faust gegen Sachs ballend
Sachs, Euch gedenk' ich die Ärgernuss!
Er macht sich zum zweiten Vers fertig

SACHS
mit dem Hammer nach dem Leisten ausholend
Merker am Ort! - Fahret fort!

BECKMESSER
immer stärker und atemloser
»Will heut' mir das Herz hüpfen,
Schlag
werben um Fräulein jung,
drei Schläge
doch tät' der Vater knüpfen
Schlag
daran ein' Bedingung
drei Schläge
für den, wer ihn beerben
will und auch werben
zwei Schläge
um sein Kindelein fein.
viele Schläge
Der Zunft ein bied'rer Meister
wohl sein' Tochter er liebt,
drei Schläge
doch zugleich auch beweist er,
zwei Schläge
was er auf die Kunst gibt:
ununterbrochene Schläge
zum Preise muss es bringen
im Meistersingen,
wer sein Eidam will sein.
Er stampft wütend mit den Füssen
Nun gilt es Kunst, dass mit Vergunst,
ohn' all schädlich gemeinen Dunst,
fortwährende Schläge
ihm glücke des Preises Gewunst,
war begehrt mit wahrer Inbrunst,
Sachs, welcher kopfschüttelnd es aufgibt, die einzelnen Fehler anzumerken, arbeitet hämmernd fort, um den Keil aus dem Leisten zu schlagen
um die Jungfrau zu frei'n.«

SACHS
über den Laden weit herausgelehnt
Seid Ihr nun fertig?

BECKMESSER
in höchster Angst
Wie fraget Ihr?

SACHS
hält die fertigen Schuhe triumphierend heraus
Mit den Schuhen ward ich fertig schier. -
Während er die Schuhe an den Bändern hoch in der Luft tanzen lässt
Das heiss ich mir echte Merkerschuh: -
mein Merkersprüchlein hört dazu! -
sehr kräftig
Mit lang und kurzen Hieben
steht's auf der Sohl geschrieben:
da lest es klar
und nehmt es wahr,
und merkt's Euch immerdar.
Gut Lied will Takt:
wer den verzwackt,
dem Schreiber mit der Feder
haut ihn der Schuster aufs Leder. -
Nun lauft in Ruh:
habt gute Schuh,
der Fuss Euch drin nicht knackt,
ihn hält die Sohl im Takt!

BECKMESSER
der sich ganz in die Gasse zurückgezogen hat und an die Mauer mit dem Rücken sich anlehnt, singt, um Sachs zu übertäuben, mit grösster Anstrengung, schreiend und atemlos hastig, während er die Laute wütend nach Sachs schwingt
"Darf ich mich Meister nennen,
das bewähr ich heut gern,
weil ich nach dem Preis brennen
muss, dursten und hungern.
Nun ruf ich die neun Musen,
dass an sie blusen
mein dicht'rischen Verstand.
Wohl kenn ich alle Regeln,
halte gut Mass und Zahl;
doch Sprung und Überkegeln
wohl passiert je einmal,
wann der Kopf ganz voll Zagen
zu frei'n will wagen
um jung Mägdeleins Hand.
Er verschnauft sich
Ein Junggesell,
trug ich mein Fell,
mein Ehr, Amt, Würd und Brot zur Stell,
dass Euch mein Gesang wohl gefällt,
und mich das Jungfräulein erwähl,
wenn sie mein Lied gut fand." -

DAVID
hat den Fensterladen, dicht hinter Beckmesser, ein wenig geöffnet und lugt daraus hervor
Wer Teufel, hier? -
Er wird Magdalene gewahr
Und drüben gar?
Die Lene ist's -, ich seh es klar!
Herrje, der war's, den hat sie bestellt.
Der ist's, der ihr besser als ich gefällt!
Nun warte, du kriegst's!
Dir streich ich das Fell!

Er entfernt sich nach innen

NACHBARN
erst einige, dann immer mehr, öffnen während Beckmessers Lied in der Gasse die Fenster und gucken heraus
Was heult denn da?
Wer kreischt mit Macht?
Ist das erlaubt so spät zur Nacht?
Gebt Ruhe hier! 's ist Schlafenszeit.
Mein', hört nur, wie dort der Esel schreit!
Ihr da! Seid still und schert Euch fort!
Heult, kreischt und schreit an andrem Ort!

Sie verlassen die Fenster und kommen nach und nach in Nachtkleidern einzeln auf die Strasse heraus. – Sachs beobachtet noch eine Zeitlang den wachsenden Tumult, löscht aber alsbald sein Licht aus und schliesst den Laden so weit, dass er, ungesehen, stets durch eine kleine Öffnung den Platz unter der Linde beobachten kann.Walther und Eva sehen mit wachsender Sorge dem anschwellenden Auflaufe zu; er schliesst sie in seinen Mantel fest an sich und birgt sich hart an der Linde im Gebüsch, so dass beide fast ungesehen bleiben

DAVID
ist, mit einem Knüppel bewaffnet, zurückgekommen, steigt aus dem Fenster und wirft sich auf Beckmesser
Zum Teufel mit dir, verdammter Kerl!

MAGDALENE
winkt David heftig zurück. Am Fenster, schreiend
Ach, Himmel! David! Gott, welche Not!
Zu Hilfe! Zu Hilfe!
Sie schlagen sich tot!

BECKMESSER
wehrt sich, will fliehen; David hält ihn am Kragen
Verfluchter Bursch!
Lässt du mich los?

DAVID
Gewiss! Die Glieder brech ich dir bloss!

Beckmesser und David balgen sich fortwährend; bald verschwinden sie gänzlich, bald kommen sie wieder in den Vordergrund, immer Beckmesser auf der Flucht. David ihn einholend, festhaltend und prügelnd

VOGELGESANG,ZORN,MOSER,EISSLINGER,
NACHTIGAL,KOTHNER,ORTEL,FOLZ
an den Fenstern
Seht nach! Springt zu!
Da würgen sich zwei!
Sie kommen herab.

ORTEL
in die Gasse laut schreiend
Heda! Herbei! 's gibt Schlägerei:

LEHRBUBEN
einzeln, dann mehr, von allen Seiten dazukommend
Herbei! Herbei! 's gibt Keilerei!

VOGELGESANG,ZORN,MOSER,EISSLINGER,
NACHTIGAL,KOTHNER,ORTEL,FOLZ
Bereits auf der Gasse
Ihr da, lasst los! Gebt freien Lauf!
Lasst ihr nicht los, wir schlagen drauf.
Gleich aus einander da!

GESELLEN
mit Knitteln bewaffnet, kommen von verschiedenen Seiten dazu
Heda! Gesellen 'ran!
Dort wird mit Streit und Zank getan;
da gibt's gewiss noch Schlägerei;
Gesellen, haltet euch dabei!

LEHRBUBEN
Kennt man die Schlosser nicht?
Die haben's sicher angericht't!

ZWEITE u. VIERTE LEHRBUBE
's sind die Schuster!

ERSTE u. DRITTE LEHRBUBE
Nein, 's sind die Schneider!

ZWEITER u. DRITTER
Die Trunkenbolde!

ERSTER
Die Hungerleider!

MAGDALENE
am Fenster, verzweifelt die Hände ringend
Ach Himmel! David! Gott! Welche Not!
Zu Hilfe! Zu Hilfe! Sie schlagen sich tot!

NACHBARINNEN
haben die Fenster geöffnet und gucken heraus
Was ist das für Zanken und Streit?
Da gibt's gewiss noch Schlägerei!
Wär nur der Vater nicht dabei!
Da ist mein Mann gewiss dabei!

ZORN
(auf den ersten Nachbar - Vogelgesang stossend)
Ei, seht, auch Ihr hier?
Geht's Euch was an?

VOGELGESANG
Was sucht Ihr hier?
Hat man Euch was getan?

ZORN
Euch kennt man gut.

VOGELGESANG
Euch noch viel besser.

ZORN
Wieso denn?

VOGELGESANG
Ei, so!
Er schlägt ihn.

ZORN
Er schlägt wieder.
Esel!

VOGELGESANG
Dummrian!
Zorn schlägt wieder.

LEHRBUBEN
Ich glaub, die Schmiede werden's sein!
Nein, ‘s sind die Schlosser dort, ich wett!
Ich kenn die Schreiner dort.
Gewiss, die Metzger sind’s!
Hei! Schaut die Schäffler dort beim Tanz!
Herbei, herbei! Jetzt geht’s zum Tanz!
Immermehr! ‘s gibt grosse Keilerei!

NACHBARINNEN
Mein! Seht nur dort(hier)!
Der Zank und Lärm! Der Lärm und Streit!
's wird einem wahrlich angst und bang!

DIE MEISTER
und älteren Bürger kommen von verschiedenen Seiten dazu
Was gibt's denn da für Zank und Streit?
Das tost ja weit und breit!

MAGDALENE
mit grösster Anstrengung
Hör doch nur, David!
So lass doch nur den Herrn dort los,
er hat mir nichts getan!
So hör mich doch nur an!

GESELLEN
's sind die Weber! 's sind die Gerber!
Die Preisverderber!

NACHBARINNEN
Heda! Ihr dort unten,
so seid doch nur gescheit!
Ei hört, was will die Alte da?
Seid ihr denn Alle gleich
zu Streit und Zank bereit?

KOTHNER
stösst auf einen Nachbar - Nachtigal
Euch gönnt ich's schon lange.

Moser, Eisslinger beide im Streit.

MOSER
Wird euch wohl bange?

EISSLINGER
Hat euch die Frau gehetzt?

NACHTIGAL
schlägt Kothner
Das für die Klage!

MOSER
Schaut, wie es Prügel setzt!
Sie schlagen sich.

EISSLINGER
Lümmel!

MOSER
Grobian!

GESELLEN
Dacht ich mir's doch gleich:
spielen immer Streich!
Wischt’s ihnen aus!
Gebt’s denen scharf!
Immermehr! Die Keilerei wird gross!

LEHRBUBEN
jubelnd
Krämer finden sich zur Hand,
Mit Gerstenstang’ und Zuckerhand;
Mit Pfeffer, Zimt, muskatennuss,
Sie riechen schön und bleiben gern vom Schuss.

KOTHNER
holt einen Stock hervor
Seht euch vor, wenn ich schlage!

NACHTIGAL
Seid ihr noch nicht gewitzt?

KOTHNER
Nun, schlagt doch!

NACHTIGAL
schlägt
Das sitzt!

KOTHNER
Dass dich Halunken
gleich ein Donnerwetter träf!
verfolgt ihn.

NACHTIGAL
nachrufend
Das für die Klage!

GESELLEN
Herbei! Hei! Hier setzt’s prügel!

ORTEL
Dass dich Halunke!

EISSLINGER
Wartet, ihr Racker!

MOSER
Massabzwacker!

FOLTZ
Euch gönnt ich’s lang!

LEHRBUBEN
Meinst du damit etwa mich?
Halt’s Maul!
Mein ich damit etwa dich?

GESELLEN
Dort den Metzger Klaus
kenn ich heraus!
's brennt manchem im Haus!
's ist morgen der Fünfte!
Schneider mit dem Bügel! Zünfte heraus!

MAGDALENE
Ach! Welche Not!
David! So hör doch nur einmal!

LEHRBUBEN
Hei! Das sitzt. Seht nur, der Has’!
Hat überall die Nas’.

NACHBARINNEN
Mein! Dort schlägt sich mein Mann!
Ach, Gott! Säh’ ich nur meinen Hans!
Sind die Köpfe vom Wein euch voll?
Säh’ die Not ich wohl an?
Seid ihr alle blind und toll?

DIE MEISTER
Gebt Ruh und schert
euch jeder gleich nach Hause heim,
sonst schlag ein Hageldonnerwetter drein!
Stemmt euch hier nicht mehr zu Hauf,
oder sonst wir schlagen drein!

LEHRBUBEN
Lustig, wacker! jetzt geht's erst recht an!
Nur immermehr heran!
Hei, nun geht's Plauz! hast du nicht gesehn!
Hast's auf die Schnauz! -
Ha! nun geht's: Krach! Hagelwetterschlag!
Wo es sitzt, da wächst nichts so bald nach!
Keilt euch wacker! Keiner weiche!
Haltet selbst Gesellen mutig stand!
Wer wich, 's wär wahrlich eine Schand!
Wacker drauf und dran!
Wir stehen alle wie ein Mann!
Wie ein Mann stehn wir alle fest zur Keilerei!

Bereits prügeln sich Nachbarn und Lebrbuben fast allgemein durcheinander

GESELLEN
Bald’ ist der Fünfte.
’s brenntmanchem da im Haus!
Nun tüchtig drauf und dran, wir schlagen los!

NACHBARINNEN
Sind euch vom Wein denn
noch die Köpfe voll?
Seht dort den Christian;
er walkt den Peter ab!
Mein! Dort den Michel seht, der haut dem Steffen eins!
Hilfe! Der Vater! Der Vater!
Ach, sie haun ihn tot!
Hört keines mehr sein Wort!

GESELLEN
Ihr da, macht! Packt euch fort!
Wir sind hier grad am Ort!
Wolltet ihr etwa den Weg uns hier verwehren?
Macht Platz, wir schlagen drein!
Gürtler! - Spengler!
Macht ihr euch selber fort!
Zinngiesser! - Leimsieder! - Lichtgiesser! -
Nicht gewichen!
Schlagt sie nieder!
Keiner weiche!
Tuchscherer! Leinweber!
Schlagt’s ihn’ hin! Haltet’s Maul!
Schert euch selber fort
und macht euch heim!

MAGDALENE
hinabspähend
Herrgott, er hält ihn noch!

NACHBARINNEN
Peter! So höre doch!
Jesus! Der Hans hat einen Hieb am kopf. -
Hans! Ei, so höre doch!
Jesus! Sie schlagen meinen Jungen tot!
Gott, welche Not! Welche Höllennot!
Gott steh’ uns bei, geht das noch lange hier fort!
Hei! Mein Mann schlägt wacker auf sie drein!

ZORN
Racker!

VOGELGESANG
Zwacker!

ZORN
Wird euch bang?

VOGELGESANG
Euch gönnt ich’s lang!

KOTHNER, ORTEL, VOGELGESANG
Packt euch jetzt heim, sonst Kriegt ihr’s von der Frau!

ZORN
Wollt ihr noch mehr?

FOLZ, SCHWARZ
Lauft heim, sonst Kriegt ihr’s von der Frau!

ZORN, MOSER
Geht’s euch was an, wenn ich nicht will?

NACHTIGAL
Was geht’s euch an, Wenn ich nun grad’ hier bleiben will?

VOGELGESANG
Auf, schert euch heim!

EISSLINGER
Was geht’s euch an, wenn mir’s gefällt?

KOTHNER, ORTEL, FOLTZ, SCHWARZ, MOSER
Schickt die Gesellen heim!

ZORN
So gut wie ihr bin M;eister ich!

EISSLINGER
Dummer Kerl!

KOTHNER
Macht euch fort!

NACHTIGAL
Schert euch heim!

VOGELGESANG
Schert doch euch selber fort!

NACHBARINNEN
Die Köpf und Zöpfe wackeln hin und her!
Gott, wie sie walken!
Franz, sei doch nur gescheit!
Ach, wie soll das enden?
Auf, schreit zu Hilfe: Mord und Zeter! -
Schafft Wasser, Wasser her! Wasser her!
Wasser ist allerbest’ für ihre Wut!
das giesst ihn' auf die Köpf herab!

Die Rauferei ist allgemein geworden, Schreien und Toben

MAGDALENE
Nein! David, ist er toll?
mit höchster Anstrengung
Ach, David, hör:
's ist Herr Beckmesser!

POGNER
ist im Nachtgewand oben an das Fenster getreten
Um Gott! Eva! Schliess zu!
Ich seh, ob unt' im Hause Ruh!

Er zieht Magdalenen, welche jammernd die Hände nach der Gasse hinab gerungen, herein und schliesst das Fenster

WALTHER
der bisher mit Eva sich hinter dem Gebüsch verborgen, fasst jetzt Eva dicht in den linken Arm und zieht mit der rechten Hand das Schwert
Jetzt gilt's zu wagen,
sich durchzuschlagen!

Er dringt mit geschwungenem Schwert bis in die Mitte der Bühne vor, um sich mit Eva durch die Gasse durchzuhauen. Da springt Sachs mit einem kräftigen Satze aus dem Laden, bahnt sich mit geschwungenem Knieriemen den Weg bis zu Walther und packt diesen beim Arm

POGNER
auf der Treppe
He! Lene! Wo bist du?

SACHS
die halb ohnmächtige Eva die Treppe hinaufstossend
Ins Haus, Jungfer Lene!

Pogner empfängt Eva und zieht sie in das Haus. - Sachs, mit einem Knieriemen David eines überhauend und mit einem Fusstritt ihn voran in den Laden stossend, zieht Walther, den er mit der andren Hand fest gefasst hält, mit sich hinein und schliesst sogleich fest hinter sich zu. Beckmesser, durch Sachs von David befreit, sucht sich eilig durch die Menge zu flüchten. – Im gleichen Augenblick, wo Sachs auf die Strasse sprang, hörte man einen Hornruf des Nachtwächters. Alle suchen in eiliger Flucht nach allen Seiten hin das Weite, so dass die Bühne sehr bald gänzlich leer wird. Als die Strasse und Gasse leer geworden und alle Häuser geschlossen sind, betritt der Nachtwächter die Bühne, reibt sich die Augen, siebt sich verwundert um und schüttelt den Kopf.

DER NACHTWÄCHTER
mit leise bebender Stimme
Hört, ihr Leut,
und lasst euch sagen,
die Glock hat
eilfe geschlagen:
bewahrt euch vor Gespenstern und Spuk,
dass kein böser Geist eu'r Seel beruck!
Lobet Gott, den Herrn!

Hornruf. Der Vollmond tritt hervor und scheint hell in die Gasse hinein; der Nachtwächter schreitet langsam dieselbe hinab. Als der Nachtwächter um die Ecke biegt, fällt der Vorhang, genau mit dem letzten Takte


All rights reserved
© Maria Fujioka


最終更新:2019年08月16日 20:50