第三幕

第一場
ザックスの狭い仕事部屋。後方には大通りに通じる接客ドアがあり、右手には室内に通じる扉がある。左側の小路を見渡す窓の前には、花を植えた鉢が置かれている。ザックスはその窓のそばの、大きな肘掛椅子に座り、朝日を浴びながらひざに置いた大判の書物に読みふけっている。ダーフィトが大通りをやってきて、接客ドアから入ってくるのが見える。彼は部屋の中を窺い、ザックスがいるのに気がついて後ずさりする。しかし、ザックスが自分が入ってきたことに気がつかないのを見て、するりと中まで入り込み、持ってきたかごを接客ドアのそばのテーブルに置き、中身をじっくり見ようとする。花とリボンを探し出してテーブルに出し、最後にかごの底に入れてあったソーセージとケーキを見つけて、早速食べようとした時、ザックスが ー 相変わらず弟子が来たことに気づいていない ― 大きな音を立てて本のページをめくる。







ダーフィト
(びくっとし、食べ物を隠して振り返る。)

はい、マイスター!ここにいます!
出来上がった靴はちゃんと
ベックメッサーさんのお宅に届けました。
あの、お呼びになったかと思ったので。
(傍白。)
わざと知らん顔してるのかな。
口を利かない時は怒ってるんだ。
(ご機嫌を取るようにゆっくりザックスに近づき)
マイスター、ほんとうにごめんなさい。
弟子の頃って間違いも犯すものなんです。
僕と同じくらい、レーネのこと知っておいでなら
きっと赦してくださると思うんですけど。
レーネはほんとにいい人で、優しんですよ。
おまけにしょっちゅう心のこもった目で見てくれます。
マイスターに叩かれた時は撫でてくれるし、
慰めるように微笑んでくれます。
食事抜きの罰を喰らった時はおいしいものをくれて、
いつもよりもっと親切になるんです。
ただ、昨日は騎士殿が歌い損ねたからって言って
食べ物のかごを取り上げられてしまいました。
それでとてもつらい思いをしてるところに、
夜更けに窓の前に立って、
彼女にセレナードをわめいてるのを見つけたんです。
それで、背中を思いっきり殴っちゃったんです。
でも、特にどうということはなかったみたいですよ。
僕たちの愛情も元通りですし。
レーネは事情を話してくれて、
お祭りのために花とリボンをくれたんです。
(ひどく心配になって話しやめる。)
ねえ、マイスター、何か言ってくださいよ。
(傍白。)
ソーセージとケーキだけでも隠しておけばよかった!

ザックス
(それまで読書に没頭していたが、ようやく本を閉じる。
ダーフィトはその音にびっくりし、 思わずよろめいて、ザックスの前に膝をついてしまう。ザックスはまだ膝にのせたままの本から目を上げ、相変わらずびくびくしながら自分を見上げている弟子には目もくれず、奥に置かれた花とリボンを見つめる。非常に小さな声で)


花とリボンがたくさん見える。
優雅で若々しいな。
どうしてこんなところにあるんだ?

ダーフィト
(ザックスの親切な口調にびっくりしながら)
だって、マイスター!今日はお祭りですから。
各人それぞれきれいに着飾るんです。

ザックス
(相変わらず小声で、独り言のように)
今日は結婚式でもあるのかな?

ダーフィト
ダーフィトがレーネに求婚するまではまだ遠いですよ。

ザックス
(前と同じように)
昨日は前夜祭だったのかな?

ダーフィト
(独り言。)
前夜祭?大変、叱られる!
(大きな声で)
ごめんなさい、マイスター。その件はどうかお忘れを!今日はヨハネ祭ですから。

ザックス
ヨハネ祭?

ダーフィト
(傍白。)
今日は耳が遠いみたい。

ザックス
祝辞は覚えてるか?言ってみろ。

ダーフィト
(次第に立ち上がりながら)
祝辞?もちろん。
(傍白。)
よかった!マイスターはご機嫌だ!
(荒っぽく)
「ヨルダンの岸辺にヨハネスが…」
[ベックメッサーのセレナードのメロディーで歌う]

ザックス
な、何だ?

ダーフィト
(照れ笑いして)
ごめんなさい。前夜祭の騒ぎで混乱したんです。
(気を取り直し、きちんと立って)
「ヨルダンの岸辺に、ヨハネスが
世界中の人々を洗礼するためにたたずむ。
はるか彼方のニュルンベルクから
一人の女が訪れ、
生まれたばかりの息子に洗礼を受けさせるべく、
岸辺に連れてきた。
彼女が帰路につき、
ふたたびニュルンベルクまで戻ってくると、
ドイツ中で話題になっていた、
ヨルダンの岸辺にて、
その子がヨハネスと名付けられ、
ペグニツではハンスと呼ばれることが。」
(考え込んで)
ハンス?ハンス!
マイスター!
(熱っぽく)
今日はマイスターの命名日ですよ!
忘れてしまうなんて、とんでもないことだ!
ほら、このお花はマイスターに。
それからリボンも。ええと、あと何があったかな。
ああ、そうだ、おいしいケーキもあります!
ソーセージもよかったらお召し上がりになりません?

ザックス
(相変わらず落ち着いて、姿勢を変えず)
ありがとう。それはおまえのために取っておきなさい。
だが、今日は一緒に草原まで来ておくれ。
花とリボンで着飾って、
立派な旗持ちになってほしい。

ダーフィト
それより花嫁の手を引く役回りをしたいんですが。
マイスター、ねえマイスター、もう一度結婚なさらなくては。

ザックス
マイスター夫人がいたほうがいいのかね?

ダーフィト
そのほうがきちんとして見えますよ。

ザックス
どうかな。時期が来れば結論が出るだろう。

ダーフィト
今が時期なんですってば!

ザックス
だったら、何かいい考えが浮かぶかもしれないね。

ダーフィト
そうですとも。あちこちで噂になってるんですよ、
マイスターがベックメッサーを負かすだろうって。
たぶん、彼はまたへまをやらかすだろうって思うんです。

ザックス
そうかもな。私も考えてみたことはある。
さあ、いまはもう行って、騎士殿を起こさないでくれ。
準備ができたらまたおいで。

ダーフィト
(感激してザックスの手にキスして)
いつも優しいけど、こんな感じのは初めてだ。
ぶたれた時のことなんか忘れちゃうくらい!

(かごの中身をまとめ、部屋を出ていく。)

ザックス
(相変わらず本を膝にのせたまま、腕をだらりと垂らして椅子の背に寄りかかり、考えている。ダーフィトとの会話も、彼の物思いを妨げてはいないようだ。)

迷いだ、迷いだ。すべて迷いだ。
この街の、いや、世界中の
歴史を読み返してみても、
迷いはあらゆるところに存在している。
なぜ人々はどうでもよいことで怒るのだろう、
自らを苦しめ、
破滅に追い込むだけであるのに。
感謝の念を知らぬ者は多く、
逃げているのに、自分が追っていると錯覚する者もいる。
苦痛に打ちひしがれて
自らの身をすり減らしているのに、
それが喜びだと思い込んでいる者もいる。
これをいったい何と名づけたらよいのだろう。
(力を込めて)
やはり迷いとしか呼びようがない。
迷いというのはどのような形で現れようとも
何一つ有益なことはもたらさないものだ。
迷いはいたるところに立ちはだかり、
眠っている時は力を蓄えている。
やがて目を覚ますと、
ここぞとばかり自分の威力を見せつける。
この街はすべてが秩序正しく、
平穏に事が進んでいる。
ドイツの中央に位置する、
わが愛するニュルンベルクよ!
(喜ばしげな表情で、感慨を持って思いにふける。)
だが、ある夜遅く、
不幸を未然に防ごうとするも、
情熱にはやる若い心を前に
なす術のない男がいた。
靴屋は自分の店で、
迷いの糸を引いた。
大通りも小路もあっという間に
騒動に飲み込まれた。
男、女、職人や子供までが
気が狂ったように互いをつかみ合った。
迷いは勢いづいて、
火かき棒があちこちに当たった。
殴って、叩いて、蹴って、
皆何とか怒りを発散させようとした。
なぜあんな騒ぎが起きたか、神のみぞ知るだ。
ひょっとすると、妖精がいたずらしたのかもしれない。
蛍が恋人を見つけられなくて、
八つ当たりしたのかもしれない。
あのニワトコに潜んでいたのか。
ヨハネ祭の前夜…
そして今日、ヨハネの日が来た!
さてと、ハンス・ザックスが
この迷いの世界をいかにして操り、
気高い行いを成し遂げるか見守るとしよう。
このニュルンベルクとても、
迷いから解放されることはないのだから。
気高い行いを成し遂げるにしても、
あれこれ悩み、迷ってから
やっとのことでできるものだ。


第二場
ヴァルターが室内に通じるドアから入ってくる。彼は一瞬敷居で立ち止まり、ザックスを見つめる。ザックスは振り返り、本を下に置く。


ザックス
おはよう、騎士殿。休まれていたようですね。
遅くまで起きておいででしたが、眠れましたか?

ヴァルター
(落ち着いて)
少しですが、よく眠れました。

ザックス
ではかなり気分が良くなったのではありませんか?

ヴァルター
(非常に静かな声で)
とても素晴らしい夢を見ました。

ザックス
それはいい兆候です。話してください。

ヴァルター
この夢については考える勇気がないのです。
すぐに消えてしまいそうで。

ザックス
夢をとどめ、記すことこそ
まさに詩人の仕事なのですよ、
人の本当の思いは
夢の中に現れます。
どんな詩人も皆、
夢を書き記しているだけなのです。
その夢はどうすればマイスターになれるか、
あなたに告げたのではありませんか?

ヴァルター
(落ち着き払って)
いいえ、組合やマイスターについては、
まったく夢に出てきませんでした。

ザックス
ですが、その夢そのものが
マイスターになるための魔法だったのではありませんか?

ヴァルター
(少し元気を取り戻して)
あれほど大失敗を犯した後で、
まだ気を持たせるつもりですか?

ザックス
私は少しも希望を捨てていませんよ。
希望というものはそう簡単に消えるものではないのです。
そうでなければあなたの駆け落ちを邪魔したりせず、
私自身あなたと一緒に逃げ出しましたよ。
どうか恨まないでください。
マイスターたちは皆誇り高くて、
自分たちのやり方通りでなければだめだと
思い込んでるのですよ。
彼らが賞をやろうと決心するのは、
とどのつまり、彼らが気に入ったというだけなのです。
あなたの歌は彼らを不安に陥れましたが、
それも故なきことではなかったのです。
だってそうでしょう、
あんな情熱的な歌を歌えば
街中の娘たちが冒険に飛び出してしまいますから。
平穏な結婚生活のためには
もっとちがった詩と音楽がふさわしいのです。

ヴァルター
(微笑んで)
そういう調べなら昨日覚えました。
あの歌は通り中に響き渡りましたから。

ザックス
(笑う。)
それはよかったですね!判定の騒音も
お聞きになったでしょう?まあ、冗談はよして、
私の言うことを聞いてください、簡潔に申します、
マイスター歌曲をお作りなさい。

ヴァルター
美しい歌とマイスター歌曲とは
どんな違いがあるんですか?

ザックス
(優しく)
違いですか?楽しい青春時代に
初恋の幸せを感じ、
やむにやまれぬ思いに駆られて、
心の底からあふれるままに
美しい歌を歌うことは
それほど難しくありません。
春が彼らの口を通して歌うのですから。
やがて夏が訪れ、秋、そして冬へと季節が巡り、
生活の苦労を感じ、
結婚生活の喜びも交えながら
子供の洗礼や仕事や人間関係のいざこざを味わいます。
そうした中でもなお
美しい歌を作り続けることができる者、
その者こそマイスターと呼ばれるのです。

ヴァルター
僕はある乙女を愛しています。彼女に求婚して、
末永く大事にしたいと思っています。

ザックス
ではマイスターの規則を覚えましょう。
規則は忠実にあなたを導き、
あなたが青春時代に、
春と愛の力で
自然と心の中に芽生えたものが
決して失われないように
手伝ってくれます。

ヴァルター
その規則はかなり尊ばれているようですが、
もともと誰が作ったものなのですか?

ザックス
貧しいマイスターたちが生活に苦労しながらも
深い精神から作り上げたものです。
悩み多い暮らしの中で、
彼らは若き日の愛の姿、
つまり春が教えてくれたあの思い出を
目に浮かぶような形ではっきりと
芸術の中にとどめておいたのです。

ヴァルター
ですが、春から遠く遠ざかっているのに、
どうしたらその姿を描き出せるのですか?

ザックス
それができるように、皆努力するのですよ。
生活に苦労しながら芸術を学んだ者として、
あなたに規則を伝授させてください。
新しい歌を作ってください。
インクもペンも紙も揃っています。
口述してくだされば、私が書き取りましょう。

ヴァルター
どう始めたらいいのですか?

ザックス
今朝の夢を話してくれればいいのです。

ヴァルター
でも、規則について教わっているうちに
だいぶ消えてしまったようなのです。

ザックス
では詩作の力を借りましょう、
みんな失ったものをそうやって見つけていますよ。

ヴァルター
それは夢ではなくて、詩では?

ザックス
夢と詩は親友でいつも一緒にいるものです。

ヴァルター
規則に沿うにはどう始めたらいいでしょう?

ザックス
自分で規則を立て、それに従いなさい。
今朝の美しい夢を思い出してください。
他のことはハンス・ザックスがちゃんと処理します。

ヴァルター
(ザックスが書きだそうとしている仕事机のそばに座り、非常に小さな声で、神秘的に歌いだす。)

「朝はバラ色の光に輝き、
辺りは花の香りに満ち溢れて、
思いも及ばぬほどの喜びを漂わせつつ、
ある庭園が私を客人として迎え入れた。」

ザックス
今のがシュトレンになります。
よく気をつけて、
まったく同じようにもう一節作ってください。

ヴァルター
なぜ同じにするのですか?

ザックス
あなたが自分にふさわしい女性を選んだことを
示すためですよ。

ヴァルター
「その花園は喜びにあふれ、
柔らかな枝をつけた神々しいまでに美しい樹が
豊かに実る黄金の実を、
望みを抱く者に優しく差し出した。」

ザックス
同じ節で結びませんでしたね。
これではマイスター方の気に入らないでしょう。
しかし、ハンス・ザックスは
春とはこういうものだと思いますよ。
では、アプゲザンクを。

ヴァルター
アプゲザンクとは何ですか?

ザックス
あなたとその女性が
ふさわしい夫婦であったかどうかは
子供を見ればわかります。
シュトレンに似ているが、同じではなく、
独自の韻と節を持っていなければならない。
子供が生き生きと育っていくのを見て、
両親は大喜びするでしょう。
このアプゲザンクが二つのシュトレンを
まとめあげる役割を果たすのです。

ヴァルター
「私が味わった奇跡を
あなた方とも分け合いたい。
私の傍らには一人の乙女がいたが、
これほど美しく優美な人を目にしたことがあるだろうか。
彼女は花嫁のように
私を優しく抱きしめた。
そして彼女は眼差しを向け、
その手で指し示す、
私が憧れをもって見つめていた、
生命の象徴たる木に結ばれた
美しい実を。」

ザックス
(感動して)
これでアプゲザンクもできました。
ご覧のとおり、完璧なバールが完成しましたよ。
メロディーについては少々奔放ですが、
それが間違いだとは言いません。
ただ覚えにくくて、
我らがお年寄り連中は気にするかもしれませんが。
では、二番目のバールを作ってくれませんか。
そうすることで一番のバールがよりはっきりと意味を持ちます。この歌は素晴らしいが、これが単なる詩か、それとも夢か
まだはっきりとはわからない。

ヴァルター
「夕暮れ時、私がその園に横たわっていると、
太陽が崇高なまでの美しさを漂わせつつ去って行った。
そのまなざしに浮かぶ喜びを、
心ゆくまで味わいたいという願望が強く私を揺り動かす。
あたりが闇に包まれても、あのまなざしが私に輝く。
これほど離れているのに、なぜこうも近く存在を感じさせるのか。はるか彼方の二つの星が
柔らかな枝の間から私を照らし出してくれる。
愛らしい泉の音が、
静かな高みから聞こえてきた。
いま、泉は柔らかな響きとともに流れ出す。
これほど力強く甘美な響きは耳にしたことがない。
輝かしく、明るく、そしてあの星はなんと美しいことか。
木の周りに輪を作り、
黄金色の光をますます増大させながら踊る。
果物の代わりに星の群れに囲まれた
月桂樹よ。」

ザックス
(深く感動して)
素晴らしい!
これは正夢になりますよ。
二番目のバールも出来上がりました。
三番目も作っていただけませんか。
夢の真意を解き明かすために。

ヴァルター
(さっと立ち上がって)
夢はこれで終わりでした。これ以上言葉は不要です。

ザックス
(同じく立ち上がり、決心したように、しかし優しく)

では、しかるべき場所で歌を仕上げてください。
この調べを忘れないように頼みますよ。
この愛すべき旋律でこそ、この詩は映えるのですから。
この歌をもっと大きな集まりの中で歌ってください。
そうすれば夢が現実となりますよ。

ヴァルター
何を始めるつもりですか?

ザックス
あなたの忠実な召使が
荷物を届けてくれたのです。
あなたが故郷での結婚式で着ようとしていた
衣裳が入っていると言って、
私に預けていったのですよ。
おそらく一羽の鳩が
どこで騎士殿がまどろんでいるか彼に教えたのでしょう。
ですから一緒に部屋に行きましょう。
立派なことを成し遂げようというなら、
二人とも小ざっぱりした服で
身を飾りましょう。
さあ、私と同じ気持ちなら一緒に参りましょう。

ヴァルターはザックスが差し出した手を握る。ザックスは静かにしっかりとした足取りでヴァルターを部屋に導き、恭しくドアを開けて、彼の後から自分も部屋に入る。


第三場
ベックメッサー、ザックス。ベックメッサーが接客ドアの表から不安げに中をのぞき込み、誰もいないと見るとせかせかと中に入ってくる。着飾ってはいるが、思い悩んでいる様子。 ドアの敷居でもう一度誰もいないかどうか確かめ、足を引きずりなが手前に歩いてくるが、すぐにぎくっとなり、背中をさする。数歩歩くと、今度は膝がぎくりとなり、またさする。足台に腰を下ろすが、またもや痛みを覚えて飛び上がる。彼は足台をじっと見つめ、だんだんといろいろな思いに捕らわれだす。不愉快な記憶や妄想が頭の中を駆け巡り、彼を苦しめる。やがて落ち着きを取り戻し、額の汗をぬぐう。狂ったようによろよろと歩き回っては自分を見回す。誰かに追われるような妄想に取りつかれているらしく、よろめきながら必死に逃げ回る。体を支えようとするかのように仕事机につかまり、そこに座り込んで、宙をにらむ。やがて疲労し、絶望しきって周りを見回す。 彼の眼差しはとうとうポーグナー家の窓に行きつく。ベックメッサーはよろよろと疲れ切った様子で窓辺まで歩いていき、窓の向こうを窺いながら身を乗り出そうとするが、すぐにヴァルターのことを思い出し、不愉快な思いが込み上げてきて、対抗心を燃やす。 嫉妬心に襲われ、頭を抱える。女たちや弟子たちが通りで自分の悪口を言っているような気がして怒って向きを変え、バタンと窓を閉める。ひどくうろたえ、無意識のうちにまた仕事机のほうに向かう。何とか新しい歌を作ろうと思いめぐらしている様子。ふと、先ほどザックスが書いた紙が目にとまる。何だろうと手に取り、読むうちに興奮し、しまいには怒り出す。












ベックメッサー
求婚の歌だ!しかもザックスの。本当か?
ああ、これですべてが読めたぞ!
(部屋の戸が開くのを聞いてびくっとし、あわてて紙をポケットにしまう。)

ザックス
(晴れ着に着替えて入ってくるが、ベックメッサーに気づいて立ち止まる。)
おや、書記殿!またおいでになったのですか。
もう靴には何の苦情もないはずですが。

ベックメッサー
ちくしょう!こんなペラペラの靴は履いたことがないぞ!
小石までかかとに当たるくらいだ。

ザックス
判定役を務めたせいですよ。
印を入れたおかげで柔らかくなったんでしょう。

ベックメッサー
冗談は結構!ふざけるのはやめてくれ!
ザックスさん、ようやくあんたの考えが読めたよ。
昨夜の騒ぎはあんたが考え出したものだったんだな。

私が邪魔だからといって、
あんな暴動を起こすとはあんまりだ!

ザックス
ああ、あれはただの前夜祭と解釈してください。
みんなあなたの結婚式を祝ったんですよ。
騒げば騒ぐほど縁起がいいと聞いたことがありますよ。

ベックメッサー
(激怒して)
この靴屋め、悪巧みばっかりやって
意地汚い根性まるだしじゃないか!
あんたはずっと前から私の敵だったんだな、
いかにあんたの心理を解き明かしたか聞きたまえ!
私のために選ばれた、
いや、私のために生まれてきたような乙女を
男やもめの恥におとしめて、
追いかけ回して、しかもその魂胆は見え見えだ。
何とかこのハンス・ザックスが
金細工師の財産を勝ち取らんとばかり、
マイスターとしての経験をかさに着て、
歌で気を引こうと
お嬢さんを惑わしたんだろう。
自分の言うことだけ聞かせようと
他を追っ払って、
自分の所有物にしようと思ってるんだ!
だからだ!だからだ!
私がばかとでも思ったのか?
大声でわめいたり、ハンマーを叩いたりして
私の歌を邪魔して、
お嬢さんがあんたから離れて
他のやつに目を向けるのを防ごうとしたな!
そうとも!分からないとでも思ったか?
ついには家の中から
自分の弟子を呼び出して、
厄介払いしようと
火かき棒を振り上げさせたんだ!
痛い、痛い!体中緑と青のあざだらけになって、
最愛の女性からまで笑われる羽目になった。
打ちのめされ、打ち砕かれて、
どんな仕立て屋も縫い合わせられないくらいだ。
もう少しで命も危なかったんだぞ!
だが、どうにか一命をとりとめたからには、
あのお礼はきっとしてやるからな!
しゃあしゃあと歌合戦に出て行ってもいいが、
うまくいくかどうかよく見てろ。
あざだらけになって、ぼろぼろにされても、
おまえの目論見はつぶしてやるから!

ザックス
書記殿、かなり取り乱しておいでですな。
あなたが私について何を思おうと勝手ですが、
焼きもちだけはひっこめていただかないと困りますよ。
求婚しようなどみじんも思っていないんですから。

ベックメッサー
嘘つきめ!私のほうがよく分かってる!

ザックス
いったい何を思いつかれたんです、ベックメッサー親方?
あなたが何をお考えでも勝手だが、ただ、
歌合戦についてあなたは完全に思い違いをなさっている。

ベックメッサー
今日は歌わないとでも?

ザックス
歌合戦には出ませんよ。

ベックメッサー
求婚の歌も?

ザックス
もちろん!

ベックメッサー
だが、あいにく私が証拠を持っていたとしたら?
(ポケットをさぐる。)

ザックス
(仕事机に目をやって)
あの詩は?ここに置いておいたのだが。あなたが持っていますね?

ベックメッサー
(紙を突き出して)
これはあんたの筆跡だろう?

ザックス
ええと…どうだったかな。

ベックメッサー
書いたばかりのようだが?

ザックス
インクも乾いてないしね。

ベックメッサー
これが聖書にもとづく歌とでも?

ザックス
それはありえないでしょうな。

ベックメッサー
だったら、つまり?

ザックス
何が?

ベックメッサー
そっちが聞くのか?

ザックス
まだ何か?

ベックメッサー
あんたは実直を装っていながら
最悪に悪賢いな。

ザックス
かもしれませんね。ですが、よその家の机から
勝手に物を取ったことはありませんよ。
しかし、あなたが泥棒扱いされるのも嫌なので、
この紙は取っておきなさい、あげますよ。

ベックメッサー
(びっくりし、嬉しくなって)
何てことだ!
この詩を?ザックスの歌を?
だが待てよ、またひどい目に遭ってはかなわんから。
この歌、暗記はしてるんだろう?

ザックス
どうか変に勘ぐらないでくださいよ。

ベックメッサー
この紙を譲ってくれるんだな?

ザックス
あなたが泥棒にならないために。

ベックメッサー
使ってもいいのかな?

ザックス
お気に召すなら。

ベックメッサー
歌ってもいいのか?

ザックス
難しくなければどうぞ。

ベックメッサー
で、優勝したら?

ザックス
それは…かなりふしぎですな。

ベックメッサー
(すっかり親しげになって)
もう、とんだご謙遜を!
ザックスの歌なんですよ、
(口笛を吹くように)
それが何を意味するかは明白!
今の私の身がどうであるかお分かりになるでしょう?
ひどくみじめな気分だったんだから。
苦労して一生懸命作った歌は
昨日歌った時に
あなたの冗談の被害に遭って、
ポーグナー嬢を不安に陥れてしまった。
この状況でどうやって新しい歌を
作れるだろう?
打ちのめされた哀れな私は
どれほど気に病んだことか。
求婚もその後の結婚生活も、
神が与えてくださるかどうか
全く見通しが立たなくなってしまうのだ、
新しい歌がないかぎり。
だが、ザックスの歌を得られた以上、
障害はぜんぶはねのけることができる!
この親切に免じて、
これまで我々を隔てていた
諍いや恨みつらみは
すべて水に流すとしましょう。
(ちらちら紙に目をやるが、ふと額にしわを寄せ)

だが、待てよ!もしや罠では?
昨日まであんたは敵だったわけだ。
あれだけごたごたがあった後で、
よく私と仲良く話す気になったものだな?

ザックス
夜遅くまで靴を作ったのは私ですよ。
敵だったらわざわざそんなことまでしませんよ。

ベックメッサー
それもそうだ!だが、一つだけ。
この歌をどこでどのような形で耳にしようと、
絶対に慎んでいただきたいのは
作詞者が自分だと言い出すことですよ。

ザックス
だいじょうぶ、約束しますよ。
自慢の材料にこの歌を使う気はありません。

ベックメッサー
(すっかり満足し、大喜びで)
これ以上何を望むことがあろう?これで安心だ!
今こそベックメッサーに心配事はなくなった!

ザックス
ですが、よく気をつけてください、
一言申し上げますが、
その歌はよく読み込んでください。
歌うのは簡単ではないでしょう、
この詩をうまくメロディーに乗せるのは
大変難しいですから。

ベックメッサー
ザックスさん、あなたは素晴らしい詩人だ。
だが、節や調べにかけては
私にかなうものはいない。
じっと耳を澄まして聴いていてください。
きっと、誰もが
「ベックメッサーよりうまいやつはいない」と言いますから。
私に落ち着いて歌わせれば、
心を打つ調べが次々と流れ出す。
だが、急いで家に戻って
研究を始めなくては。
一刻も無駄にはできない、
完璧な歌にしなくては。
ハンス・ザックス、あなたは私の親友ですよ。
すっかり誤解してしまって…
あの若造のせいで
すっかり血迷ってしまっていたものだから。
(親しげに)
あんなやつはまったく迷惑だ!
だが、我々はあいつをちゃんと追い出したぞ!
だが、こうしちゃいられない、
もう考えがあちこちに飛ぶ。
どこに頭がついてるんだ?
混乱してるのかな。
音節に韻に、
言葉に調べに、と…。
新作の歌で頭がいっぱいだ。
急いで家に帰りたい。
さようなら、もう行かなくては。
また時を改めて
お礼をいたします。
だってこんなに親切にしていただいたんだから。
あなたの仕事ぶりを称賛するとともに、
必ず判定役にも
推薦しますよ。
ですが、印をつける時は上品にチョークを使い、
ハンマーはいけませんよ。
判定役!判定役!判定役ハンス・ザックス!
ニュルンベルクが靴屋によって花咲かんことを!

ベックメッサーは踊りながらザックスに別れを告げ、よろめきながらもがやがやと扉に向かう。突然詩をポケットに入れ忘れたかと思い、また戻ってきて、心配そうに仕事机の上を探すが、やがて手に持っていたことに気がつく。彼はいたずらっぽい表情を浮かべて喜び、ザックスを抱きしめてもう一度感謝の念を述べてから、騒々しく店の戸から出ていく。



ザックス
(考え深げに微笑みながらベックメッサーを見送り)
あれほど意地が悪いやつも見たことがない。
あれではうまくいくまい。
人間というものは自分を過信するものだが、
それにしても彼はひどすぎる。
いや、だが誰にもどきっとする瞬間は訪れるものだな。
そうすると、まったく知恵が浮かばずに妥協してしまうのだ。
だが、ベックメッサーがあの歌を取ったのは、
私の計画には好都合だった。
(エーファが通りから店のドアに近づいてくる。ザックスは振り返って彼女に気がつき)
エーファちゃんだ!どこにいるのかなと思っていたところだが。

第四場
エーファは輝くばかりに白いドレスをまとい、美しく着飾っているが、その顔は青く、少々物憂げである。彼女は接客ドアから入ってきて、ゆっくりと前に歩いてくる。

ザックス
おはよう、エーファちゃん。ああ、今日のおまえは
何とすてきなんだろう!
そんなに美しい姿で現れたのでは、
老いも若きもおまえに求婚したくなってしまう。

エーファ
マイスター、騒ぐほどのことではないわ。
仕立て屋さんのドレスがきれいなだけ。
でも、靴が痛いだなんて
ぱっと見たら分からないでしょう?

ザックス
いけない靴だな。おまえが
昨日のうちに試しておかなかったからだよ。

エーファ
過信していたのよ、
マイスターが作ってくださったから大丈夫って。

ザックス
ああ、ごめんよ。見せてごらん。
手を入れるから。

エーファ
立っているだけの時はいいんだけど、
歩き出すと止まりたくなってしまうのよ。

ザックス
ここに足を乗せてごらん。
どこが悪いか見るから。
(彼女は仕事台のそばに置かれた足台に片足を乗せる。)

どんな感じだい?

エーファ
見ての通りぶかぶかみたい。

ザックス
エーファちゃん、それは思い過ごしだよ。
靴はぴったりじゃないか。

エーファ
言い間違えたわ。
きつくて足の指を押すの。

ザックス
左かい?

エーファ
いいえ、右のほう。

ザックス
要するに足の甲が痛いんだね?

エーファ
いいえ、かかとのほうよ。

ザックス
かかとも?

エーファ
マイスターったら、靴のどこが当たってるか
私より詳しいでしょう?

ザックス
これはふしぎだな、
ぶかぶかなのに、あちこち当たってきついだなんて。
(ヴァルターがきらびやかな騎士の衣装をまとい、部屋の戸から出てくる。エーファは声を上げ、足を台に乗せた姿勢は変えないままじっとヴァルターを見つめる。ザックスはドアのほうに背を向け、エーファの足元にかがみこんだまま、ヴァルターが入ってきても注意を向けない。ヴァルターはエーファの姿に魅惑され、彼女と同様、微動もせずに敷居に立っている。)


なるほど、ここか!やっとわかったぞ!
おまえの言うとおりだった。
縫い目が食い込んでいるんだよ。
待っていてくれ、直してくるから。
そのまま立っているんだよ。ちょっとの間
おまえの靴を型に入れておくから。
そうしたらよくなるはずだ。
(そっと靴を脱がせてやり、彼女がじっとしている間に仕事机で靴を直し始め、何も気がつかないふりをする。)



ザックス
(仕事をしながら)
いつも靴を手にしているのが私の定めなのさ。
夜も昼もゆっくりできたためしがない。
ねえ、エーファちゃん。どうしたら靴屋をやめられるか
考えていたんだが、
やっぱりおまえに求婚することにしたよ。
そうしたら詩作だけに専念できそうだしな。
聞いてくれないのかい?何か言ってくれよ。
おまえがそそのかした考えなんだからね。
いいよ、わかった。
「靴を作っていろ」と言うんだね。
じゃあ、せめて誰か歌ってくれないかな。
今日はとても素晴らしい歌を聴いたが、
あれに第三節を加えてくれる人がいないかな。

ヴァルター
(眼差しをエーファに当てたまま)
「夜空の星が楽しげに踊っているのだろうか。
巻き毛がこれほどまでに明るく、
すべての乙女の中で最も気高く感じられるのは、
彼女の内に星の優しい光が秘められているため。」

ザックス
(仕事を続けながら)
ほら、これこそマイスター歌曲だよ。

ヴァルター
「これは奇跡か、それとも夢が叶ったのか。
この日に挨拶を捧げたい。
清らかな喜びにあふれた二つの太陽が
うるわしきその眼差しに浮かんでいる。」

ザックス
(エーファにそっと)
私の家ではこんな歌が聴けるんだよ。

ヴァルター
「私が勇気をもってそばに寄った
慈愛に満ちた姿よ。
その眼差しの太陽に彩られ、
栄光のために育ったその冠で、
彼女は優しく、愛情をこめて
夫の頭を飾る。」

ザックス
(靴を持って戻り、もう一度エーファに履かせようとしながら)
靴が直ったかどうかみてごらん。

ヴァルター
愛の生まれたところ、栄誉が与えられたその場所で、

ザックス
どうだ、
修理できてるだろう?

ヴァルター
彼女は詩人の胸に天の喜びを与え、

ザックス
試してごらん。ほら、歩いて。どうだ、まだ当たるか?

ヴァルター
愛の夢へと誘った。」

エーファはそれまで魅惑されたようにじっと立ち尽くし、じっと歌に聴き入っていたが、ここで突然激しく泣き出し、しゃくりあげながらザックスの胸にすがりつく。ヴァルターは彼らのほうに近づいてきて、感に打たれた様子でザックスの手を握る。ザックスはきゅうに不機嫌になった様子で身をもぎ離し、そのためエーファは知らず知らずヴァルターの肩に身を持たせることになる。

ザックス
靴屋の苦労なんか誰も分かってくれない!
これで詩を書いてる暇もなかったとしたら、
決して靴なんか作らないところだ!
苦労ばかりで報われもしない!
一人はぶかぶかだと言い、別の人はきついと言い出す!
あちこちから苦情ばかり舞い込む。
やれ音がする、ぶかぶかだ、
ここが当たる、あっちがきついと!
靴屋は何でも知ってるだろうと頼られる。
いつもだめになった靴を修理してばかりで、
そのうえ詩人としてまで頼られては
時間も何もあったものではない!
おまけに男やもめとあっては
徹底的に馬鹿にされる!
若い娘も男が足りないと見たら
こっちにすり寄ってきて、もらってもらおうとする。
私が彼女の気持ちを分かろうが、分かるまいが、
思わせぶりな求婚を受けようが受けまいが、
結局のところピッチが臭いと言って、
軽蔑されるんだ!
これでは弟子に申し訳ない。
あの子は自分の師匠を尊敬することができないんだ。
レーネはといえば甘やかしてばかりで
鍋やら皿やらなめさせて!
あの子はいったいどこにいるんだ?
(ダーフィトを探しに行こうとする。)

エーファ
(ザックスを引き止め、自分のほうに引き寄せて)
ああ、ザックスさん、あなたは大切な方よ!
あなたの気高い心にどう報いたらいいでしょう?
あなたの愛がなかったら、あなたが支えてくれなかったら、
私はきっと未だに
子供のままだったわ。
あなたのおかげで、
私は大切なものを得た。
精神とは何か教えてくださったのも
あなただった。
あなたのおかげで目を覚まし、
崇高なもの、勇気や自由について
知ることができたのよ。
今私がこうしていられるのはあなたのおかげ。
大好きなマイスター、叱るなら叱って。
でも、私は何も悪いことはしていないのよ。
だって、もし自分で選べる立場だったら
絶対にあなたしか選ばなかったもの。
あなたは私の夫になっていたはずなのよ。
月桂冠もあなたにしか渡さなかったでしょう。
でも、思いがけない不幸が
降りかかってきてしまって…。
今日結婚するのだって、
私には何の権利もないんですもの。
ただの義務で、強制以外の何物でもないわ!
マイスター、あなただって不安でしょう?

ザックス
エーファちゃん、私はトリスタンとイゾルデの
悲しい物語を知っている。
ハンス・ザックスは賢明だったから、
マルケ王のような幸せは望まなかった。
おまえの正しい相手が見つかってよかった。
でなければ、悲劇に終わっていたかもしれない。
おや、レーネがもう家の周りをうろうろしているな。
どうぞ!おい、ダーフィト!そろそろおいで!
(マグダレーネが晴れ着を着て、ドアから入ってくる。ダーフィトも花とリボンで身を飾り、やはり祭りにふさわしい衣装で、すぐに部屋から出てくる。)

証人は揃いましたね。名付け親も準備ができています。
では、洗礼を行いましょう。位置についてください。
(皆ふしぎそうにする。)
一人の子供がここに生まれました。
その子に名前を付けてやりましょう。
マイスターの掟に沿って、
一曲のマイスター歌曲が作られたのです。
良い名前をつけて、
皆に存在を分かってもらえるようにしなければなりません。
では、尊敬すべき組合の掟に従って、
あなた方の役割をお話ししましょう。
新しいマイスター歌曲が出来上がりました。
騎士ヴァルターが作詞し、歌ったものです。
生まれたばかりの調べの父は、
この歌を耳にした者として
ポーグナー嬢と私を名付け親として招いてくれたため、
今から洗礼を行うこととなりました。
洗礼式には証人も必要ですから、
私のほうでレーネ嬢とわが弟子を呼んでおきました。
しかし、弟子の立場では証人になれません。
この子は今日、格言を立派に歌ったので、
この場で職人にしようと思います。
ダーフィト、膝をついて昇格の儀式を受けなさい。
(ダーフィトがひざまずくと、ザックスは彼の頬を打つ。)

立て、職人よ。今の平手打ちを覚えておきなさい。
洗礼のことも忘れないように。
何か手落ちがあるかもしれませんが、
誰も文句は言わないでしょう。
何しろ、緊急の洗礼なのですから。
この調べが力強く人生を歩んでいくよう、
こう名づけましょう;
「幸せな朝の夢の調べ」。
この名でもって、マイスターの栄誉を受けられますように。
この子が障害なく、すくすくと育っていけるよう、
最年少のポーグナー嬢に祝辞を述べていただきましょう。

それまで皆はザックスを囲んで輪を作るように立っていたが、いま彼はその輪から出て、代わりにエーファが中央にくる。


エーファ
まるで太陽が私の幸せに
笑いかけているかのように、
暁は喜びにあふれて
私の前に立ち現われました。
最高の慈愛に満ちた夢、
天を思わせる朝焼け。
この歌を作り上げた努力を
皆で讃えましょう。
その調べが優美に、そして高らかに
成長しますように。
そうすれば、私の心も
安らぎを得ることができるでしょう。

ザックス
この子の前で私も
愛情を込めて優しい歌を歌いたかった。
だが、この心の痛みは
耐え忍ばなくては。

ヴァルター
きみの愛が僕にこの歌を作らせたのだ。
これで僕の心は落ち着きを取り戻すことができる。

マグダレーネとダーフィト
夢か現実か分からない。
何が起きたんだろう/でしょう?

エーファ
これはただの暁の夢だったの?

ヴァルター
僕はまだあの夢の続きを見ているんだろうか。

ザックス
あれは美しい夢だった。

エーファとヴァルター
あまりに幸せで考えることもできない。
僕に/あなたにそっと語りかけたこの調べは
何を意味していたのだろう/でしょう。

ヴァルター
この静かな部屋で生まれた歌を、

二人
マイスター方の集まりの中で
高らかに歌い、

ヴァルター
最高の賞に臨んでみよう。

エーファ
この歌が最高の賞を意味していますように!

ザックス
この歌を解明することなどできない。
この静かな部屋で私が書き取った
あの調べは
はっきりと私に告げた、
詩人としての賞によってのみ、
この調べは息づくのだ、と。

マグダレーネとダーフィト
これはただの暁の夢だろうか/でしょうか。
本当とは思えない。

ダーフィト
この場でもう職人に?
レーネは花嫁になるのか?
教会で式も挙げられるんだ。
いずれマイスターとも呼ばれるようになるかと思うと、
頭がぐるぐる回るようだ。

マグダレーネ
ダーフィトはもう職人になったの?
私は花嫁なんだわ。
結婚できるようになったのね。
そうよ!まちがいないわ。
私がマイスター夫人と呼ばれるのも遠くないなんて、
誰が思ったかしら。

ザックス
(周りの人たちのほうを向いて)
さあ、最終仕上げだ!
(エーファに)
お父様によろしくお伝えしてくれ。
さあ、急いで草原に出かけましょう!
(エーファとマグダレーネは出ていく。)
(ヴァルターに)
さあ、騎士殿、参りましょう。勇気を失わずに!
ダーフィト、職人さん!戸締りを頼むよ!

ザックスとヴァルターは一緒に通りに出ていき、ダーフィトが張り切って戸締りをしようとするうちに、左右から幕が下りてきて、舞台を完全に隠す。
DRITTER AUFZUG

ERSTE SZENE
In Sachs' Werkstatt. Kurzer Raum. Im Hintergrund die halb geöffnete Ladentür, nach der Strasse führend. Rechts zur Seite eine Kammertür. Links das nach der Gasse gehende Fenster, mit Blumenstöcken davor, zur Seite ein Werktisch. Sachs sitzt auf einem grossen Lehnstuhle an diesem Fenster, durch welches die Morgensonne hell auf ihn hereinscheint: Er hat vor sich auf dem Schosse einen grossen Folianten und ist im Lesen vertieft. David zeigt sich, von der Strasse kommend, unter der Ladentür, er lugt herein, und da er Sachs gewahrt, fährt er zurück. Er versichert sich aber, dass Sachs ihn nicht bemerkt, schlüpft herein, stellt seinen mitgebrachten Korb auf den hinteren Werktisch beim Laden und untersucht seinen Inhalt:Er holt Blumen und Bänder und kramt sie auf dem Tische aus, endlich findet er auf dem Grunde eine Wurst und einen Kuchen und lässt sich sogleich an, diese zu verzehren, als Sachs, der ihn fortwährend nicht beachtet, mit starkem Geräusch eines der grossen Blätter des Folianten umwendet

DAVID
fährt zusammen, verbirgt das Essen und wendet sich zurück
Gleich, Meister! Hier!
Die Schuh' sind abgegeben
in Herrn Beckmessers Quartier.
Mir war's, als rieft Ihr mich eben?
beiseite
Er tut, als säh' er mich nicht?
Da ist er bös', wenn er nicht spricht! -
Er nähert sich sehr demütig langsam Sachs
Ach, Meister, wollt mir verzeih'n!
Kann ein Lehrbub' vollkommen sein?
Kenntet Ihr die Lene wie ich,
dann vergäbt Ihr mir sicherlich.
Sie ist so gut, so sanft für mich
und blickt mich oft an so innerlich.
Wenn Ihr mich schlagt, streichelt sie mich
und lächelt dabei holdseliglich.
Muss ich karieren, füttert sie mich
und ist in allem gar liebelich.
Nur gestern, weil der Junker versungen,
hab ich den Korb ihr nicht abgerungen.
Das schmerzte mich; und da ich fand,
dass nachts einer vor dem Fenster stand
und sang zu ihr und schrie wie toll,
da hieb ich ihm den Buckel voll.
Wie käm' nun da was Grosses drauf an?
Auch hat's uns'rer Liebe gar wohl getan.
Die Lene hat mir eben alles erklärt
und zum Fest Blumen und Bänder beschert.
Er bricht in grössere Angst aus
Ach, Meister, sprecht doch nur ein Wort!
beiseite
Hätt' ich nur die Wurst und den Kuchen erst fort!

SACHS
hat unbeirrt immer weitergelesen. Jetzt schlägt er den Folianten zu. Von dem Geräusch erschrickt David so, dass er strauchelt und unwillkürlich vor Sachs auf die Knie fällt. Sachs sieht über das Buch, das er noch auf dem Schosse behält, hinweg, über David, welcher immer auf den Knien furchtsam nach ihm aufblickt, hin und heftet seinen Blick unwillkürlich auf den hinteren Werktisch. Sehr leise
Blumen und Bänder seh' ich dort!
Schaut hold und jugendlich aus!
Wie kamen mir die ins Haus?

DAVID
verwundert über Sachs' Freundlichkeit
Ei, Meister! ‘s ist heut festlicher Tag;
da putzt sich jeder, so schön er mag.

SACHS
immer leise, wie für sich
Wär' heut Hochzeitsfest?

DAVID
Ja, käm's erst so weit, dass David die Lene freit!

SACHS
immer wie zuvor
‘s war Polterabend, dünkt mich doch?

DAVID
für sich
Polterabend? - Da krieg' ich's wohl noch?
laut
Verzeiht das, Meister! Ich bitt', vergesst! Wir feiern ja heut' Johannisfest.

SACHS
Johannisfest?

DAVID
beiseite
Hört er heut' schwer?

SACHS
Kannst du dein Sprüchlein? Sag es her!

DAVID
ist allmählich zu stehen gekommen
Mein Sprüchlein? Denk', ich kann es gut.
beiseite
‘s setzt nichts! Der Meister ist wohlgemut! -
stark und grob
»Am Jordan Sankt Johannes stand« -


SACHS
Wa - was?

DAVID
lächelnd
Verzeiht, das Gewirr! Mich machte der Polterabend irr.
Er sammelt sich und stellt sich gehörig auf
»Am Jordan Sankt Johannes stand,
all' Volk der Welt zu taufen;
kam auch ein Weib aus fernem Land,
von Nürnberg gar gelaufen;
sein Söhnlein trug's zum Uferrand,
empfing da Tauf' und Namen;
doch als sie dann sich heimgewandt,
nach Nürnberg wieder kamen,
in deutschem Land gar bald sich fand's,
dass wer am Ufer des Jordans
Johannes war genannt,
an der Pegnitz hiess der Hans.«
sich besinnend
Hans? Hans!
Herr! Meister!
feurig
s ist heut Eu'r Namenstag!
Nein! Wie man so was vergessen mag!
Hier! Hier, die Blumen sind für Euch,
die Bänder - und was nur alles noch gleich?
Ja, hier schaut! Meister, herrlicher Kuchen!
Möchtet Ihr nicht auch die Wurst versuchen?

SACHS
immer ruhig, ohne seine Stellung zu verändern
Schön Dank, mein Jung', behalt's für dich!
Doch heut auf die Wiese begleitest du mich.
Mit Blumen und Bändern putz' dich fein;
sollst mein stattlicher Herold sein.

DAVID
Sollt' ich nicht lieber Brautführer sein?
Meister, ach Meister! Ihr müsst wieder frein!

SACHS
Hätt'st wohl gern eine Meist'rin im Haus?

DAVID
Ich mein', es säh' doch viel stattlicher aus.

SACHS
Wer weiss! Kommt Zeit, kommt Rat.

DAVID
‘s ist Zeit!

SACHS
Dann wär' der Rat wohl auch nicht weit?

DAVID
Gewiss! Gehn schon Reden hin und wieder,
den Beckmesser, denk' ich, sängt Ihr doch nieder?
Ich mein', dass der heut' sich nicht wichtig macht.

SACHS
Wohl möglich! Hab mir's auch schon bedacht. -
Jetzt geh' und stör' mir den Junker nicht!
Komm wieder, wenn du schön gericht't.

DAVID
küsst Sachs gerührt die Hand
So war er noch nie, wenn sonst auch gut!
Kann mir gar nicht mehr denken,
wie der Knieriemen tut!
Er packt alles zusammen und geht in die Kammer ab

SACHS
immer noch den Folianten auf dem Schosse, lehnt sich, mit untergestütztem Arme, sinnend darauf; es scheint, dass ihn das Gespräch mit David gar nicht aus seinem Nachdenken gestört hat
Wahn! Wahn! Überall Wahn!
Wohin ich forschend blick'
in Stadt- und Weltchronik,
den Grund mir aufzufinden,
warum gar bis aufs Blut
die Leut' sich quälen und schinden
in unnütz toller Wut!
Hat keiner Lohn noch Dank davon:
in Flucht geschlagen, wähnt er zu jagen.
Hört nicht sein eigen Schmerzgekreisch,
wenn er sich wühlt ins eig'ne Fleisch,
wähnt Lust sich zu erzeigen.
Wer gibt den Namen an?
kräftig
‘s ist halt der alte Wahn,
ohn' den nichts mag geschehen,
‘s mag gehen oder stehen!
Steht's wo im Lauf,
er schläft nur neue Kraft sich an;
gleich wacht er auf,
dann schaut, wer ihn bemeistern kann!
Wie friedsam treuer Sitten
getrost in Tat und Werk,
liegt nicht in Deutschlands Mitten
mein liebes Nürenberg!
Er blickt mit freudiger Begeisterung ruhig vor sich hin
Doch eines Abends spat,
ein Unglück zu verhüten,
bei jugendheissen Gemüten,
ein Mann weiss sich nicht Rat;
ein Schuster in seinem Laden
zieht an des Wahnes Faden.
Wie bald auf Gassen und Strassen
fängt der da an zu rasen!
Mann, Weib, Gesell und Kind
fällt sich da an wie toll und blind;
und will's der Wahn gesegnen,
nun muss es Prügel regnen,
mit Hieben, Stoss' und Dreschen
den Wutesbrand zu löschen.
Gott weiss, wie das geschah? -
Ein Kobold half wohl da!
Ein Glühwurm fand sein Weibchen nicht;
der hat den Schaden angericht't.
Der Flieder war's:
Johannisnacht. -
Nun aber kam Johannistag! -
Jetzt schau'n wir, wie Hans Sachs es macht,
dass er den Wahn fein lenken kann,
ein edler' Werk zu tun.
Denn lässt er uns nicht ruh'n
selbst hier in Nürenberg,
so sei's um solche Werk',
die selten vor gemeinen Dingen
und nie ohn' ein'gen Wahn gelingen.


ZWEITE SZENE
Walther tritt unter der Kammertür ein. Er bleibt einen Augenblick dort stehen und blickt auf Sachs. Dieser wendet sich und lässt den Folianten auf den Boden gleiten

SACHS
Grüss Gott, mein Junker! Ruhtet Ihr noch?
Ihr wachtet lang: nun schlieft Ihr doch?

WALTHER
sehr ruhig
Ein wenig, aber fest und gut.

SACHS
So ist Euch nun wohl bass zumut?

WALTHER
immer sehr ruhig
Ich hatt' einen wunderschönen Traum.

SACHS
Das deutet Gut's! Erzählt mir den.

WALTHER
Ihn selbst zu denken wag' ich kaum;
ich fürcht' ihn mir vergeh'n zu sehn.

SACHS
Mein Freund, das grad' ist Dichters Werk,
dass er sein Träumen deut' und merk'.
Glaubt mir, des Menschen wahrster Wahn
wird ihm im Traume aufgetan:
all Dichtkunst und Poeterei
ist nichts als Wahrtraumdeuterei.
Was gilt's, es gab der Traum Euch ein,
wie heut' Ihr sollet Meister sein?

WALTHER
sehr ruhig
Nein, von der Zunft und ihren Meistern
wollt' sich mein Traumbild nicht begeistern.

SACHS
Doch lehrt' es wohl den Zauberspruch,
mit dem Ihr sie gewännet?

WALTHER
etwas lebhafter
Wie wähnt Ihr doch nach solchem Bruch,
wenn Ihr noch Hoffnung kennet!

SACHS
Die Hoffnung lass ich mir nicht mindern,
nichts stiess sie noch über'n Haufen.
Wär's nicht, glaubt, statt Eure Flucht zu hindern,
wär' ich selbst mit Euch fortgelaufen!
Drum bitt ich, lasst den Groll jetzt ruh'n;
Ihr habt's mit Ehrenmännern zu tun,
die irren sich und sind bequem,
dass man auf ihre Weise sie nähm'.
Wer Preise erkennt und Preise stellt,
der will am End' auch, dass man ihm gefällt.
Eu'r Lied, das hat ihnen bang gemacht;
und das mit Recht:
denn wohlbedacht,
mit solchem Dicht'- und Liebesfeuer
verführt man wohl Töchter zum Abenteuer;
doch für liebseligen Ehestand
man andre Wort' und Weisen fand.

WALTHER
lächelnd
Die kenn' ich nun auch seit dieser Nacht:
es hat viel Lärm auf der Gasse gemacht.

SACHS
lachend
Ja, ja! Schon gut! Den Takt dazu
hörtet Ihr auch! - Doch, lasst dem Ruh'
und folgt meinem Rate, kurz und gut,
fasst zu einem Meisterliede Mut.

WALTHER
Ein schönes Lied, ein Meisterlied,
wie fass ich da den Unterschied?

SACHS
zart
Mein Freund! In holder Jugendzeit,
wenn uns von mächt'gen Trieben
zum sel'gen ersten Lieben
die Brust sich schwellet hoch und weit,
ein schönes Lied zu singen
mocht' vielen da gelingen:
der Lenz, der sang für sie.
Kam Sommer, Herbst und Winterzeit,
viel Not und Sorg' im Leben,
manch ehlich Glück daneben,
Kindtauf', Geschäfte, Zwist und Streit:
denen's dann noch will gelingen,
ein schönes Lied zu singen,
seht, Meister nennt man die.

WALTHER
Ich lieb' ein Weib und will es frein,
mein dauernd Ehgemahl zu sein.

SACHS
Die Meisterregeln lernt beizeiten,
dass sie getreulich Euch geleiten
und helfen wohl bewahren,
was in der Jugend Jahren
mit holdem Triebe Lenz und Liebe
Euch unbewusst ins Herz gelegt,
dass Ihr das unverloren hegt.

WALTHER
Stehn sie nun in so hohem Ruf,
wer war es, der die Regeln schuf?

SACHS
Das waren hochbedürft'ge Meister,
von Lebensmüh' bedrängte Geister;
in ihrer Nöten Wildnis
sie schufen sich ein Bildnis,
dass ihnen bliebe der Jugendliebe
ein Angedenken klar und fest,
dran sich der Lenz erkennen lässt.

WALTHER
Doch, wem der Lenz schon lang entronnen,
wie wird er dem im Bild gewonnen?

SACHS
Er frischt es an, so oft er kann!
Drum möcht' ich, als bedürft'ger Mann,
will ich die Regeln Euch lehren,
sollt Ihr sie mir neu erklären.
Seht, hier ist Tinte, Feder, Papier:
ich schreib's Euch auf, diktiert Ihr mir!

WALTHER
Wie ich's begänne, wüsst' ich kaum.

SACHS
Erzählt mir Euren Morgentraum!

WALTHER
Durch Eurer Regeln gute Lehr'
ist mir's, als ob verwischt er wär'.

SACHS
Grad' nehmt die Dichtkunst jetzt zur Hand;
mancher durch sie das Verlorene fand.

WALTHER
So wär's nicht Traum, doch Dichterei?

SACHS
‘s sind Freunde beid', steh'n gern sich bei.

WALTHER
Wie fang' ich nach der Regel an?

SACHS
Ihr stellt sie selbst und folgt ihr dann.
Gedenkt des schönen Traums am Morgen;
fürs and're lasst Hans Sachs nur sorgen!

WALTHER
hat sich zu Sachs am Werktisch gesetzt, wo dieser das Gedicht Walthers nachschreibt. Er beginnt sehr leise, wie heimlich
»Morgenlich leuchtend in rosigem Schein,
von Blüt' und Duft geschwellt die Luft,
voll aller Wonnen, nie ersonnen,
ein Garten lud mich ein, Gast ihm zu sein.«

SACHS
Das war ein Stollen:
nun achtet wohl,
dass ganz ein gleicher ihm folgen soll.

WALTHER
Warum ganz gleich?

SACHS
Damit man seh',
Ihr wähltet Euch gleich ein Weib zur Eh'.

WALTHER
»Wonnig entragend dem seligen Raum
bot goldner Frucht heilsaft'ge Wucht
mit holdem Prangen dem Verlangen
an duft'ger Zweige Saum herrlich ein Baum.«

SACHS
Ihr schlosset nicht im gleichen Ton.
Das macht den Meistern Pein;
doch nimmt Hans Sachs die Lehr' davon,
im Lenz wohl müss' es so sein. -
Nun stellt mir einen Abgesang.

WALTHER
Was soll nun der?

SACHS
Ob Euch gelang,
ein rechtes Paar zu finden,
das zeigt sich jetzt an den Kinden.
Den Stollen ähnlich, doch nicht gleich,
an eig'nen Reim' und Tönen reich;
dass man's recht schlank und selbstig find',
das freut die Eltern an dem Kind,
und Euren Stollen gibt's den Schluss,
dass nichts davon abfallen muss.

WALTHER
»Sei Euch vertraut,
welch hehres Wunder mir gescheh'n:
an meiner Seite stand ein Weib,
so hold und schön ich nie geseh'n;
gleich einer Braut
umfasste sie sanft meinen Leib;
mit Augen winkend,
die Hand wies blinkend,
was ich verlangend begehrt,
die Frucht so hold und wert
vom Lebensbaum.«

SACHS
gerührt
Das nenn' ich mir einen Abgesang!
Seht, wie der ganze Bar gelang.
Nur mit der Melodei seid Ihr ein wenig frei;
doch sag' ich nicht, dass das ein Fehler sei;
nur ist's nicht leicht zu behalten,
und das ärgert uns're Alten! -
Jetzt richtet mir noch einen zweiten Bar,
damit man merk', welch' der erste war.
Auch weiss ich noch nicht, so gut Ihr's gereimt,
was Ihr gedichtet, was Ihr geträumt.

WALTHER
»Abendlich glühend in himmlischer Pracht
verschied der Tag, wie dort ich lag;
aus ihren Augen Wonne zu saugen,
Verlangen einz'ger Macht in mir nur wacht'.
Nächtlich umdämmert der Blick mir sich bricht!
Wie weit so nah' beschienen da
zwei lichte Sterne aus der Ferne
durch schlanker Zweige Licht hehr mein Gesicht.
Lieblich ein Quell
auf stiller Höhe dort mir rauscht;
jetzt schwellt er an sein hold' Getön',
so stark und süss ich's nie erlauscht:
leuchtend und hell, wie strahlten die Sterne da schön;
zu Tanz und Reigen in Laub und Zweigen
der gold'nen sammeln sich mehr,
statt Frucht ein Sternenheer
im Lorbeerbaum.« -

SACHS
sehr gerührt
Freund!
Euer Traumbild wies Euch wahr;
gelungen ist auch der zweite Bar.
Wolltet Ihr noch einen dritten dichten?
Des Traumes Deutung würd' er berichten.

WALTHER
steht schnell auf
Wo fänd' ich die? Genug der Wort'!

SACHS
erhebt sich gleichfalls und tritt mit freundlicher Entschiedenheit zu Walther
Dann Tat und Wort am rechten Ort!
Drum bitt' ich, merkt mir wohl die Weise:
gar lieblich drin sich's dichten lässt:
und singt Ihr sie im weit'ren Kreise,
so haltet mir auch das Traumbild fest.

WALTHER
Was habt Ihr vor?

SACHS
Eu'r treuer Knecht
fand sich mit Sack und Tasch' zurecht;
die Kleider, drin am Hochzeitfest
daheim Ihr wolltet prangen,
die liess er her zu mir gelangen.
Ein Täubchen zeigt' ihm wohl das Nest,
darin sein Junker träumt!
Drum folgt mir jetzt ins Kämmerlein!
Mit Kleiden, wohlgesäumt,
sollen beide wir gezieret sein,
wenn's Stattliches zu wagen gilt.
Drum kommt, seid Ihr gleich mir gesinnt.

Walther schlägt in Sachsens Hand ein; so geleitet ihn dieser ruhig festen Schrittes zur Kammer, deren Tür er ihm ehrerbietig öffnet und dann ihm folgt


DRITTE SZENE
Beckmesser. Sachs. Man gewahrt Beckmesser, welcher draussen vor dem Laden erscheint, in grosser Aufregung hereinlugt und, da er die Werkstatt leer findet, hastig eintritt Er ist reich aufgeputzt, aber in sehr leidendem Zustande. Er blickt sich erst unter der Tür nochmals genau in der Werkstatt um, dann hinkt er vorwärts, zuckt aber zusammen und streicht sich den Rücken. Er macht wieder einige Schritte, knickt aber mit den Knien und streicht nun diese. Er setzt sich auf den Schusterschemel, fährt aber schnell schmerzhaft wieder auf. Er betrachtet sich den Schemel und gerät dabei in immer aufgeregteres Nachsinnen. Er wird von den verdriesslichsten Erinnerungen und Vorstellungen gepeinigt; immer unruhiger beginnt er sich den Schweiss von der Stirne zu wischen. Er hinkt immer lebhafter umher und starrt dabei vor sich hin. Als ob er von allen Seiten verfolgt wäre, taumelt er fliehend hin und her. Wie um nicht umzusinken, hält er sich an dem Werktisch, zu dem er hin geschwankt war, an und starrt vor sich hin. Matt und verzweiflungsvoll sieht er um sich; sein Blick fällt endlich durch das Fenster auf Pogners Haus; er hinkt mühsam an dasselbe heran, und, nach dem gegenüberliegenden Fenster ausspähend, versucht er, sich in die Brust zu werfen, als ihm sogleich der Ritter Walther einfällt. Ärgerliche Gedanken entstehen dadurch, gegen die er mit schmeichelndem Selbstgefühl anzukämpfen sucht. Die Eifersucht übermannt ihn; er schlägt sich vor den Kopf. Er glaubt die Verhöhnung der Weiber und Buben auf der Gasse zu vernehmen, wendet sich wütend ab und schmeisst das Fenster zu. Sehr verstört wendet er sich mechanisch wieder dem Werktische zu, indem er vor sich hinbrütend nach einer neuen Weise zu suchen scheint.
Sein Blick fällt auf das von Sachs zuvor beschriebene Papier; er nimmt es neugierig auf, überfliegt es mit wachsender Aufregung und bricht endlich wütend aus

BECKMESSER
Ein Werbelied! Von Sachs! Ist's wahr?
Ha! Jetzt wird mir alles klar!
Da er die Kammertür gehen hört, fährt er zusammen und steckt das Papier eilig in die Tasche

SACHS
im Festgewande, tritt ein, kommt vor und hält an, als er Beckmesser gewahrt
Sieh da, Herr Schreiber! Auch am Morgen?
Euch machen die Schuh' doch nicht mehr Sorgen?

BECKMESSER
Zum Teufel! So dünn war ich noch nie beschuht!
Fühl' durch die Sohl' den kleinsten Kies!

SACHS
Mein Merkersprüchlein wirkte dies,
trieb sie mit Merkerzeichen so weich.

BECKMESSER
Schon gut der Witz! Und genug der Streich'!
Glaubt mir, Freund Sachs, jetzt kenn' ich Euch!
Der Spass von dieser Nacht, der wird Euch noch gedacht.
Dass ich Euch nur nicht im Wege sei,
schuft Ihr gar Aufruhr und Meuterei!

SACHS
‘s war Polterabend, lasst Euch bedeuten;
Eure Hochzeit spukte unter den Leuten:
je toller es da hergeh', je besser bekommt's der Eh'.

BECKMESSER
wütend
O Schuster, voll von Ränken
und pöbelhaften Schwänken,
du warst mein Feind von je:
nun hör, ob hell ich seh'!
Die ich mir auserkoren,
die ganz für mich geboren,
zu aller Witwer Schmach,
der Jungfer stellst du nach.
Dass sich Herr Sachs erwerbe
des Goldschmieds reiches Erbe,
im Meisterrat zur Hand
auf Klauseln er bestand,
ein Mägdlein zu betören,
das nur auf ihn sollt' hören
und, andern abgewandt,
zu ihm allein sich fand.
Darum! Darum!
Wär' ich so dumm?
Mit Schreien und mit Klopfen
wollt' er mein Lied zustopfen,
dass nicht dem Kind werd' kund,
wie auch ein and'rer bestund!
Ja ja! Haha! Hab ich dich da?
Aus seiner Schusterstuben
hetzt' endlich er den Buben
mit Knüppeln auf mich her,
dass meiner los er wär'!
Au au! Au au! Wohl grün und blau,
zum Spott der allerliebsten Frau,
zerschlagen und zerprügelt,
dass kein Schneider mich aufbügelt!
Gar auf mein Leben war's angegeben!
Doch kam ich noch so davon,
dass ich die Tat Euch lohn'!
Zieht heut' nur aus zum Singen,
merkt auf, wie's mag gelingen;
bin ich gezwackt auch und zerhackt,
Euch bring' ich doch sicher aus dem Takt!

SACHS
Gut Freund, Ihr seid in argem Wahn!
Glaubt, was Ihr wollt, dass ich getan,
gebt Eure Eifersucht nur hin;
zu werben kommt mir nicht in Sinn.

BECKMESSER
Lug und Trug! Ich kenn' es besser.

SACHS
Was fällt Euch nur ein, Meister Beckmesser?
Was ich sonst im Sinn, geht Euch nichts an.
Doch glaubt, ob der Werbung seid Ihr im Wahn.

BECKMESSER
Ihr sängt heut nicht?

SACHS
Nicht zur Wette.

BECKMESSER
Kein Werbelied?

SACHS
Gewisslich, nein!

BECKMESSER
Wenn ich aber drob ein Zeugnis hätte?
Er greift in die Tasche

SACHS
blickt auf den Werktisch
Das Gedicht? Hier liess ich's. Stecktet Ihr's ein?


BECKMESSER
das Blatt hervorziehend
Ist das Eure Hand?

SACHS
Ja - war es das?

BECKMESSER
Ganz frisch noch die Schrift?

SACHS
Und die Tinte noch nass!

BECKMESSER
‘s wär' wohl gar ein biblisches Lied?

SACHS
Der fehlte wohl, wer darauf riet.

BECKMESSER
Nun denn?

SACHS
Wie doch?

BECKMESSER
Ihr fragt?

SACHS
Was noch?

BECKMESSER
Dass Ihr mit aller Biederkeit
der ärgste aller Spitzbuben seid!

SACHS
Mag sein! Doch hab ich noch nie entwandt,
was ich auf fremden Tischen fand -
und dass man von Euch auch nicht Übles denkt,
behaltet das Blatt, es sei Euch geschenkt.

BECKMESSER
in freudigem Schreck aufspringend
Herrgott! ...
Ein Gedicht? ... Ein Gedicht von Sachs!
Doch halt, dass kein neuer Schad' mir erwachs'!
Ihr habt's wohl schon recht gut memoriert?

SACHS
Seid meinethalb doch nur unbeirrt!

BECKMESSER
Ihr lasst mir das Blatt?

SACHS
Damit Ihr kein Dieb.

BECKMESSER
Und mach' ich Gebrauch?

SACHS
Wie's Euch belieb'.

BECKMESSER
Doch sing' ich das Lied?

SACHS
Wenn's nicht zu schwer!

BECKMESSER
Und wenn ich gefiel'?

SACHS
Das ... wunderte mich sehr!

BECKMESSER
ganz zutraulich
Da seid Ihr nun wieder zu bescheiden:
ein Lied von Sachs,
gleichsam pfeifend
das will was bedeuten!
Und seht nur, wie mir's ergeht,
wie's mit mir Ärmsten steht!
Erseh' ich doch mit Schmerzen,
das Lied, das nachts ich sang -
dank Euren lust'gen Scherzen! -
es machte der Pognerin bang'.
Wie schaff' ich mir nun zur Stelle
ein neues Lied herzu?
Ich armer, zerschlag'ner Geselle,
wie fänd' ich heut dazu Ruh'?
Werbung und ehlich Leben,
ob das mir Gott beschied,
muss ich nun grad aufgeben,
hab ich kein neues Lied.
Ein Lied von Euch, des bin ich gewiss,
mit dem besieg' ich jed' Hindernis!
Soll ich das heute haben,
vergessen, begraben
sei Zwist, Hader und Streit
und was uns je entzweit.
Er blickt seitwärts in das Blatt: plötzlich runzelt sich seine Stirn
Und doch! Wenn's nur eine Falle wär'?
Noch gestern wart Ihr mein Feind:
Wie käm's, dass nach so grosser Beschwer'
Ihr's freundlich heut' mit mir meint?

SACHS
Ich macht' Euch Schuh' in später Nacht:
hat man je so einen Feind bedacht?

BECKMESSER
Ja ja! Recht gut! Doch eines schwört:
wo und wie Ihr das Lied auch hört,
dass nie Ihr Euch beikommen lasst,
zu sagen, das Lied sei von Euch verfasst.

SACHS
Das schwör' ich und gelob' es Euch,
nie mich zu rühmen, das Lied sei von mir.

BECKMESSER
sich vergnügt die Hände reibend
Was will ich mehr? Ich bin geborgen!
Jetzt braucht sich Beckmesser nicht mehr zu sorgen!

SACHS
Doch, Freund, ich führ's Euch zu Gemüte
und rat' es Euch in aller Güte:
studiert mir recht das Lied!
Sein Vortrag ist nicht leicht:
ob Euch die Weise geriet
und Ihr den Ton erreicht!

BECKMESSER
Freund Sachs, Ihr seid ein guter Poet;
doch was Ton und Weise betrifft,
gesteht, da tut mir's keiner vor!
Drum spitzt nur fein das Ohr.
Und:
»Beckmesser, keiner besser!«
darauf macht Euch gefasst,
wenn Ihr mich ruhig singen lasst.
Doch nun memorieren,
schnell nach Haus;
ohne Zeit zu verlieren
richt' ich das aus.
Hans Sachs, mein Teurer!
ich hab Euch verkannt;
durch den Abenteurer
war ich verrannt:
sehr zutraulich
So einer fehlte uns bloss!
Den wurden wir Meister doch los!
Doch mein Besinnen
läuft mir von hinnen.
Bin ich verwirrt
und ganz verirrt?
Die Silben, die Reime,
die Worte, die Verse:
ich kleb' wie am Leime,
und brennt doch die Ferse.
Ade, ich muss fort!
An andrem Ort
dank' ich Euch inniglich,
weil Ihr so minniglich;
für Euch nun stimme ich,
kauf' Eure Werke gleich,
mache zum Merker Euch:
doch fein mit Kreide weich,
nicht mit dem Hammerstreich!
Merker! Merker! Merker Hans Sachs!
Dass Nürnberg schusterlich blüh' und wachs'!

Beckmesser nimmt tanzend von Sachs Abschied, taumelt und poltert der Ladentür zu; plötzlich glaubt er das Gedicht in seiner Tasche vergessen zu haben, läuft wieder vor, sucht ängstlich auf dem Werktische, bis er es in der eigenen Hand gewahr wird; darüber scherzhaft erfreut, umarmt er Sachs nochmals voll feurigen Dankes und stürzt dann, hinkend und strauchelnd, geräuschvoll durch die Ladentür ab

SACHS
sieht Beckmesser gedankenvoll lächelnd nach
So ganz boshaft doch keinen ich fand;
er hält's auf die Länge nicht aus:
vergeudet mancher oft viel Verstand,
doch hält er auch damit Haus;
die schwache Stunde kommt für jeden,
da wird er dumm und lässt mit sich reden.
Dass hier Herr Beckmesser ward zum Dieb,
ist mir für meinen Plan sehr lieb.
Eva nähert sich auf der Strasse der Ladentür. Sachs wendet sich um und gewahrt Eva
Sieh, Evchen! Dacht' ich doch, wo sie blieb'!


VIERTE SZENE
Eva, reich geschmückt, in glänzender weisser Kleidung, etwas leidend und blass, tritt zum Laden herein und schreitet langsam vor

SACHS
Grüss Gott, mein Evchen! Ei, wie herrlich
und stolz du's heute meinst!
Du machst wohl alt und jung begehrlich,
wenn du so schön erscheinst.

EVA
Meister! ‘s ist nicht so gefährlich:
und ist's dem Schneider geglückt,
wer sieht dann, wo's mir beschwerlich,
wo still der Schuh mich drückt?

SACHS:
Der böse Schuh! ‘s war deine Laun',
dass du ihn gestern nicht probiert.

EVA
Merk' wohl, ich hatt' zu viel Vertrau'n;
im Meister hatt' ich mich geirrt.

SACHS
Ei, ‘s tut mir leid! Zeig' her, mein Kind,
dass ich dir helfe gleich geschwind.

EVA
Sobald ich stehe, will es geh'n;
doch will ich geh'n, zwingt's mich zu steh'n.

SACHS
Hier auf den Schemel streck den Fuss:
der üblen Not ich wehren muss.
Sie streckt einen Fuss auf dem Schemel am Werktisch aus.
Was ist's mit dem?

EVA
Ihr seht, zu weit!

SACHS
Kind, das ist pure Eitelkeit,
der Schuh ist knapp.

EVA
Das sagt' ich ja:
drum drückt er mich an den Zehen da.

SACHS
Hier links?

EVA
Nein, rechts.

SACHS
Wohl mehr am Spann?

EVA
Hier, mehr am Hacken.

SACHS
Kommt der auch dran?

EVA
Ach Meister! Wüsstet Ihr besser als ich,
wo der Schuh mich drückt?

SACHS
Ei, ‘s wundert mich,
dass er zu weit und doch drückt überall?
Walther, in glänzender Rittertracht, tritt unter die Tür der Kammer. Eva stösst einen Schrei aus und bleibt, unverwandt auf Walther blickend, in ihrer Stellung, mit dem Fusse auf dem Schemel. Sachs, der vor ihr niedergebückt steht, bleibt mit dem Rücken der Tür zugekehrt, ohne Walthers Eintritt zu beachten.
Walther, durch den Anblick Evas festgebannt, bleibt ebenfalls unbeweglich unter der Tür stehen.
Aha! Hier sitzt's! Nun begreif' ich den Fall!
Kind, du hast recht:
‘s stak in der Naht.
Nun warte, dem Übel schaff' ich Rat.
Bleib nur so steh'n; ich nehm' dir den Schuh
eine Weil' auf den Leisten:
dann lässt er dir Ruh'!
Er hat ihr sanft den Schuh vom Fusse gezogen; während sie in ihrer Stellung verbleibt, macht er sich am Werktisch mit dem Schuh zu schaffen und tut, als beachte er nichts anderes

SACHS
bei der Arbeit
Immer schustern, das ist nun mein Los;
des Nachts, des Tags komm' nicht davon los!
Kind, hör' zu! Ich hab mir's überdacht,
was meinem Schustern ein Ende macht:
am besten, ich werbe doch noch um dich;
da gewänn' ich doch was als Poet für mich!
Du hörst nicht drauf? - So sprich doch jetzt!
Hast mir's ja selbst in den Kopf gesetzt.
Schon gut! - Ich merk':
»Mach deinen Schuh!«..
Säng' mir nur wenigstens einer dazu!
Hörte heut' gar ein schönes Lied:
wem dazu wohl ein dritter Vers geriet?

WALTHER
den Blick unverwandt auf Eva geheftet
»Weilten die Sterne im lieblichen Tanz?
So licht und klar im Lockenhaar,
vor allen Frauen hehr zu schauen,
lag ihr mit zartem Glanz ein Sternenkranz. -

SACHS
immerfort arbeitend
Lausch, Kind, das ist ein Meisterlied!

WALTHER
Wunder ob Wunder nun bieten sich dar:
zwiefachen Tag ich grüssen mag;
denn gleich zwei'n Sonnen reinster Wonnen
der hehrsten Augen Paar nahm ich da wahr. -

SACHS
beiseite zu Eva
Derlei hörst du jetzt bei mir singen.

WALTHER
Huldreichstes Bild,
dem ich zu nahen mich erkühnt:
den Kranz, von zweier Sonnen Strahl
zugleich geblichen und ergrünt,
minnig und mild,
sie flocht ihn um das Haupt dem Gemahl.

SACHS
hat den Schuh zurückgebracht und ist jetzt darüber, ihn Eva wieder anzuziehen
Nun schau, ob dazu mein Schuh geriet?

WALTHER
Dort Huld-geboren, nun Ruhm-erkoren,

SACHS
Mein' endlich doch,
es tät' mir gelingen?

WALTHER
giesst paradiesische Lust sie in des Dichters Brust

SACHS
Versuch's! Tritt auf! - Sag, drückt er dich noch?

WALTHER
im Liebestraum.«

Eva, die wie bezaubert regungslos gestanden, gesehen und gehört hat, bricht jetzt in heftiges Weinen aus, sinkt Sachs an die Brust und drückt ihn schluchzend an sich. Walther ist zu ihnen getreten; er drückt begeistert Sachs die Hand. Sachs tut sich endlich Gewalt an, reisst sich wie unmutig los und lässt dadurch Eva unwillkürlich an Walthers Schulter sich anlehnen

SACHS
Hat man mit dem Schuhwerk nicht seine Not!
Wär' ich nicht noch Poet dazu,
ich machte länger keine Schuh'!
Das ist eine Müh', ein Aufgebot!
Zu weit dem einen, dem andern zu eng;
von allen Seiten Lauf und Gedräng':
da klappt's, da schlappt's,
hier drückt's, da zwickt's!
Der Schuster soll auch alles wissen,
flicken, was nur immer zerrissen
und ist er nun gar Poet dazu,
da lässt man am End' ihm auch da keine Ruh';
und ist er erst noch Witwer gar,
zum Narren hält man ihn fürwahr.
Die jüngsten Mädchen, ist Not am Mann,
begehren. er hielte um sie an.
Versteht er sie, versteht er sie nicht,
all eins, ob ja, ob nein er spricht:
am End' riecht er doch nach Pech
und gilt für dumm, tückisch und frech!
Ei, ‘s ist mir nur um den Lehrbuben leid;
der verliert mir allen Respekt;
die Lene macht' ihn schon nicht recht gescheit,
dass aus Töpf' und Tellern er leckt!
Wo Teufel er jetzt nur wieder steckt?
Er stellt sich, als wolle er nach David sehen

EVA
indem sie Sachs zurückhält und von neuem an sich zieht
O Sachs, mein Freund! Du teurer Mann!
Wie ich dir Edlem lohnen kann?
Was ohne deine Liebe, was wär' ich ohne dich,
ob je auch Kind ich bliebe,
erwecktest du mich nicht?
Durch dich gewann ich,
was man preist,
durch dich ersann ich,
was ein Geist!
Durch dich erwacht',
durch dich nur dacht'
ich edel, frei und kühn,
du liessest mich erblüh'n!
Ja, lieber Meister, schilt mich nur!
Ich war doch auf der rechten Spur:
denn, hatte ich die Wahl,
nur dich erwählt' ich mir:
du warest mein Gemahl.
Den Preis reicht' ich nur dir! -
Doch nun hat's mich gewählt
zu nie gekannter Qual:
und werd' ich heut' vermählt,
so war's ohn' alle Wahl!
Das war ein Müssen, war ein Zwang!
Euch selbst, mein Meister, wurde bang'.

SACHS
Mein Kind, von Tristan und Isolde
kenn' ich ein traurig Stück:
Hans Sachs war klug und wollte
nichts von Herrn Markes Glück.
‘s war Zeit, dass ich den Rechten fand,
wär' sonst am End' doch hineingerannt. -
Aha! Da streicht die Lene schon ums Haus:
Nur herein! - He, David! Kommst nicht heraus?
Magdalene, in festlichem Staate, tritt durch die Ladentür herein; David ebenfalls im Festkleid, mit Blumen und Bändern sehr reich und zierlich aufgeputzt, kommt zugleich aus der Kammer
Die Zeugen sind da, Gevatter zur Hand;
jetzt schnell zur Taufe, nehmt euren Stand.
Alle blicken ihn verwundert an
Ein Kind ward hier geboren;
jetzt sei ihm ein Nam' erkoren!
So ist's nach Meisterweis' und Art,
wenn eine Meister-Weise geschaffen ward:
dass die einen guten Namen trag',
dran jeder sie erkennen mag.
Vernehmt, respektable Gesellschaft,
was euch hier zur Stell' schafft!
Eine Meisterweise ist gelungen,
von Junker Walther gedichtet und gesungen;
der jungen Weise lebender Vater
lud mich und die Pognerin zu Gevatter.
Weil wir die Weise wohl vernommen,
sind wir zur Taufe hierher gekommen.
Auch dass wir zur Handlung Zeugen haben,
ruf' ich Jungfer Lene und meinen Knaben.
Doch da's zum Zeugen kein Lehrbube tut
und heut' auch den Spruch er gesungen gut,
so mach' ich den Burschen gleich zum Gesell;
knie nieder, David, und nimm diese Schell'!
David ist niedergekniet: Sachs gibt ihm eine starke Ohrfeige
Steh' auf, Gesell', und denk' an den Streich;
du merkst dir dabei die Taufe zugleich! -
Fehlt sonst noch was,
uns keiner schilt:
wer weiss, ob's nicht gar einer Nottaufe gilt.
Dass die Weise Kraft behalte zum Leben,
will ich nur gleich den Namen ihr geben:
»Die selige Morgentraumdeut-Weise«
sei sie genannt zu des Meisters Preise.
Nun wachse sie gross, ohn' Schad' und Bruch.
Die jüngste Gevatterin spricht den Spruch.

Er tritt aus der Mitte des Halbkreises, der von den übrigen um ihn gebildet war, auf die Seite, so dass nun Eva in die Mitte zu stehen kommt

EVA
Selig, wie die Sonne
meines Glückes lacht,
Morgen voller Wonne
selig mir erwacht!
Traum der höchsten Hulden,
himmlisch' Morgenglüh'n!
Deutung euch zu schulden,
selig süss Bemüh'n!
Einer Weise mild und hehr
sollt' es hold gelingen,
meines Herzens süss Beschwer'
deutend zu bezwingen.

SACHS
Vor dem Kinde lieblich hold
möcht' ich gern wohl singen;
doch des Herzens süss' Beschwer
galt es zu bezwingen.

WALTHER
Deine Liebe liess mir es gelingen,
meines Herzens süss' Beschwer' deutend zu bezwingen.

MAGDALENE und DAVID
Wach' oder träum' ich schon so früh?
Das zu erklären macht mir Müh':

EVA
Ob es nur ein Morgentraum?

WALTHER
Ob es noch der Morgentraum?

SACHS
‘s war ein schöner Morgen-Traum:

EVA und WALTHER
Selig deut' ich mir es kaum.
Doch die Weise, was sie leise
mir/dir vertraut

WALTHER
im stillen Raum,

BEIDE
hell und laut,
in der Meister vollem Kreis

WALTHER
werbe sie um den höchsten Preis!

EVA
deute sie auf den höchsten Preis!

SACHS
dran zu deuten wag' ich kaum.
Diese Weise, was sie leise
mir anvertraut' im stillen Raum,
sagt mir laut:
auch der Jugend ew'ges Reis
grünt nur durch des Dichters Preis.

MAGDALENE und DAVID
‘s ist wohl nur ein Morgentraum?
Was ich seh', begreif' ich kaum!

DAVID
Ward zur Stelle gleich Geselle?
Lene Braut?
Im Kirchenraum wir gar getraut?
‘s geht der Kopf mir wie im Kreis,
dass Meister gar bald ich heiss'!

MAGDALENE
Er zur Stelle gleich Geselle?
Ich die Braut?
Im Kirchenraum wir gar getraut?
Ja, wahrhaftig! ‘s geht:
wer weiss,
dass ich die Meist'rin bald heiss'!

SACHS
zu den übrigen sich wendend
Jetzt all' am Fleck!
zu Eva
Den Vater grüss'!
Auf nach der Wies', schnell auf die Füss'!
Eva und Magdalene gehen
zu Walther
Nun, Junker, kommt! Habt frohen Mut! -
David, Gesell! Schliess' den Laden gut!

Als Sachs und Walther ebenfalls auf die Strasse gehen und David über das Schliessen der Ladentür sich hermacht, wird ein Vorhang von beiden Seiten zusammengezogen, so dass im Proszenium er die Szene gänzlich verschliesst


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最終更新:2017年10月07日 11:03