前奏曲

第一幕

(グラールの森。影が多く、厳粛な雰囲気だが、陰気ではない。舞台の真ん中は森の空き地となっている。左手に行くにつれ道は上り坂になり、グラール城へと続いている。中央後方では下り坂になり、はるか下にある湖へとつながっている。夜明け。グルネマンツ ― 白髪だが元気いっぱいの老人 ― と二人の小姓 ― 可愛らしい少年たち ― が一本の木の下で眠っている。グラール城と思われる左手のほうから、厳粛な朝を告げるトロンボーンが聞こえてくる。)



グルネマンツ
(目を覚まし、少年たちを揺り起こして)
ほら、ほら!見張りを頼んでいたのに。
眠ってしまってどうするんだ。
せめて朝くらいは起きていなさい。
(二人の小姓は跳ね起きる。)
あの響きが聞こえるかね?さあ、あれを
聴ける身であることを感謝しなさい。
(彼は小姓たちとともにひざまずき、一緒に無言で朝の祈祷を捧げる。やがてトロンボーンの音が消え、彼らはゆっくりと立ちあがる。)

さあ、一日の始まりだよ。入浴の支度をしなさい。
王様を湖のところでお迎えするんだ。
(左手のほうをうかがって)
あの方を乗せた担架が近づいてくるようだ。いや、
そのまえに使いがやってきたな。
(城から来た二人の騎士が現れる。)
おはよう!アンフォルタスの今日の加減はどうかな?
ずいぶんと早い時間に入浴するようだが。
ガーヴァンが勇気を出し、知恵を絞って
手に入れてきた薬草は
痛みを緩和させるのに役立っただろうね?

第二の騎士
何でも知っているだろうに。
効いていたのは少しの間だけで、すぐに
焼けつくような痛みが戻ってきたようだ。
痛くて痛くて、一睡もできなかったらしい。
それで大急ぎで入浴を望まれたのだ。

グルネマンツ
(悲しそうにうなだれて)
やれやれ、痛みが和らぐことばかり願っても
愚かなことなのだろうね・・・。
薬草は何でも試してみたし、飲み薬だって
世界中から集めてきたのに。
彼を救うのはただ一つ、
ただ一人の男だけ。

第二の騎士
いったい誰なのか教えてくれ!

グルネマンツ
(ごまかすように)
そんなことより水浴の準備をしてやりなさい!

(小姓たちは後方を振り返り、右手に目をやる。)


第二の小姓
おや、あの乱暴な人がやってくるよ!

第一の小姓
わあ!
変てこりんの馬がすごいたてがみ揺らしてる!

第二の騎士
ああ!クンドリーか?

第一の騎士
何か重要な知らせでもあるんだろうか。

第二の小姓
年寄り馬はよろよろ。

第一の小姓
あれって天空を駆けてきたのかな。

第二の小姓
今は地を這うようだよ。

第一の小姓
馬がコケの上で足を引きずってる。

(皆は勢いよく右手を見に行く。)

第二の騎士
ああ、乱暴に馬から跳び下りたぞ!

(クンドリーがよろめきそうになりながらも、せかせかとした足取りで入ってくる。服の裾はめくれあがり、蛇の皮でできたベルトが垂れ下がって、とんでもない格好である。黒い髪は緩くおさげに編んで、赤茶けた顔のまわりでゆらゆらと揺れている。刺すような黒い目は、時々荒々しいひらめきを見せるが、たいていは死人のようにこわばって、覇気がない。― 彼女はグルネマンツのほうに急ぎ、小さなクリスタルの瓶を押しつける。)

クンドリー
ここよね?さ、あんたがお取り!バルサムよ・・・。

グルネマンツ
どこから持ってきたのだ?

クンドリー
あんたの知らない遠いところからよ。
このバルサムが利かないんじゃ、
もうアラビアには
あの人の役に立つものなんかないわよ。
質問攻めはやめて!あたし、疲れてんだから。

(彼女は地面に倒れこむ。騎士や小姓の列が、アンフォルタスが横たわる輿を担いで左から登場し、舞台に到着する。グルネマンツはクンドリーから目を離し、彼らのほうを向く。)



グルネマンツ
ああ、来たぞ。皆に担がれて・・・
見るもつらい!何と痛ましいのだろう、
まだまだお若いのに、
栄光に満ちた輝かしい種族の主だというのに。
それが下僕にこんな哀れな姿をさらすとは!
(小姓たちに)
もっと気を遣わないか。うめいているじゃないか。

(小姓たちは立ち止まり、ベッドを地面に下ろす。)

アンフォルタス
(少し身を起こして)
それでいい。ありがとう。少し休もう。
一晩中ひどい痛みに苦しめられたが、
森の朝を見ると気持ちがいい。
聖なる湖の波に浸れば、
気分も良くなるだろう。
痛みは引いて、
つらかった夜は明けた。
ねえ、ガーヴァン。

第二の騎士
陛下、ただいまガーヴァンはおりません。
彼がさんざん苦労してやっと
手に入れた薬草が
まったく効きませんでしたので、
新たな薬草を探しに出て行きました。

アンフォルタス
許しもなしにか?グラールの掟を破ったりして
もしものことがなければいいが!
彼は勇敢だが、万が一クリングゾールの罠に
かかりでもしたらどんなことになるか!
頼むから、私を心配させるようなことはやめてほしい!
私はお告げのあった者をちゃんと待つから。
「共感から知恵を得た・・・」
こんな文句だったかな?

グルネマンツ
ああ、そう話してくれた。

アンフォルタス
「清らかな愚か者」・・・。
分かるような気がするな。
それが死を指しているといいが!

グルネマンツ
(クンドリーからもらった瓶を差し出しながら)
まあそう言わず、またこれを試してみたまえよ!

アンフォルタス
この秘密めいた瓶は?

グルネマンツ
きみのためにアラビアから届けられたものさ。

アンフォルタス
誰が持ってきたのだ?

グルネマンツ
あそこに寝ている、例の乱暴な娘さんだ。
ほら、クンドリー!おいで!

(クンドリーは拒んで、地面にうずくまったまま。)

アンフォルタス
ああ、クンドリー。おまえだったのか。
また恩に着ることになったようだね、
いつも動き回っているはにかみ屋のお嬢さん。
よし、わかった。
このバルサムを試してみるよ。
おまえの忠誠心に感謝したいから。

クンドリー
(落ちつかなげにそわそわと身もだえしながら)
感謝なんかいらないわよ!ハ、ハ!感謝したからって何よ?
お礼はいらない!さっさと水浴しといで!

(アンフォルタスは出発の合図をする。一行は後方の湖のほうへと遠ざかっていく。重苦しい気分で見送るグルネマンツとzっと横になったままのクンドリーが舞台に残る。小姓たちは行ったり来たりする。)


第三の小姓
おい!そこの女!
何だって獣みたいにだらっとしてんだ?

クンドリー
獣だってここじゃ神聖なはずでしょ?

第三の小姓
まあ、確かにな!だけどあんたが
神聖かどうかわからねえよ。

第四の小姓
この女の魔法のせいでさ、もしかしたら
王様は伸びちゃうかもよ。

グルネマンツ
ふん!何だ、彼女から被害を被ったわけでもないのに!
遠く離れた異国で戦っている兄弟と
どうやって連絡を取るか
途方にくれた時のことを思い出したまえ。
おまえたちはどこへ行ったらいいかすらわからなかった。
おまえたちがぐずぐずしてる間に
嵐のように駆け巡って往来し、忠誠込めて
使者の役を果たしたのは彼女ではなかったか。
おまえたちは彼女の面倒は見てないし、彼女も近づかない。
おまえたちと彼女の間に共通点はない。
だが、何か困ったことが起きて助けが必要となると、
必死になって空中を駆けめぐり、
尽くしてくれたあげくお礼など一つも期待しないのだ。
これが被害だというなら
まったくありがたい被害と言うべきだな。

第三の小姓
でも、彼女は我々を憎んでますぜ。
見てくださいよ、あの目。いかにも悪意に満ち満ちてる。

第四の小姓
異教徒だしね。変な魔法も使うし。

グルネマンツ
まあ、呪われた存在なのかもしれないがね。
いま彼女がここにいるのも、
もしかしたら、
過去に、ここに来る前に犯した罪を
償うためなのかもしれない。
償いのためにこうしたことをしているなら、
我々騎士団にもありがたいことだし、
彼女にとってもいいことだろう。
我々に仕えて、自らをも救うわけだ。

第三の小姓
となると、今までの様々な不幸も
彼女の罪と言っていいでしょうね。

グルネマンツ
(考え込んで)
そうだな・・・。彼女が遠く離れている時は
よく不運に巻き込まれるのも事実だ。
私はずいぶん長いこと彼女を知ってるが、
ティトゥレルはもっと長くからだ。
彼はこの城を建てた時に彼女を見つけたのだ。
彼女はこの森の茂みで眠っていたそうだよ。
硬直し、生気もなく、まるで死人のようだったらしい。
私自身もそのとおりの彼女を見たことがあるが、
それはあの不幸があってすぐだった。
山の向こうに住むあの悪者が、
破廉恥にも我々を傷つけたあの事件の直後だ。
(クンドリーに)
おい、おまえさん!ちょっと話してくれ。
アンフォルタスが槍をなくしたあの時、
どこにいたんだね?
(クンドリーは暗い面持ちで黙っている。)
なぜ助けてくれなかった?

クンドリー
あたし、人助けはしない。

第四の小姓
そら、見ろ。白状したぞ。

第三の小姓
この女がそんなに忠実で勇敢なら、
なくなった槍を取りもどさせろよ!

グルネマンツ
(暗い声で)
それは話が別だ。
誰に対しても禁じられている。
(非常に感動したようすで)
ああ、奇跡に満ちた素晴らしい
聖なる槍!
私はあの槍が汚らわしき者の手に
渡る現場を見たのだ!
(思い出に深く入り込んで)
血気盛んなアンフォルタスは、あの槍の力で
例の魔法使いを屈服させるのだ、と
言って聞かなかった。
城まで行くと、我らが英雄は足を止めた。
恐ろしいほど美しい女性に魅惑されたのだ。
その女の腕に抱かれて彼は陶酔し、
槍は彼の手から滑り落ちた。
すると、断末魔の叫びが上がり、私は急いで賭けつけた。
クリングゾールは高笑いして去るところだった、
奪い取った槍をしっかり携えて。
私は敵と戦いながら何とか王を逃がしたが・・・
だが、わき腹に受けた傷はひどく傷んで彼を苦しめた。
そして、その傷は未だに閉じようとしないのだ・・・。

(第一の小姓と第二の小姓が湖から戻ってくる。)


第三の小姓
(グルネマンツに)
クリングゾールのこと、そんなにご存じなんですか?

グルネマンツ
(戻ってきた小姓たちに)
王の加減はどうだね?

第一の小姓
水浴で元気になられました。

第二の小姓
バルサムで痛みが引いたようですよ。

グルネマンツ
(独白)
だが、あの傷はぜったいに閉じないのだ!

(第三の小姓と第四の小姓はすでにグルネマンツの足元に座りこんでいたが、あと二人の小姓もいま大きな木の下に集まり、仲間入りをする。)


第三の小姓
ねえ、詳しく話してくださいよ。
どうやってクリングゾールを知ったんですか?

グルネマンツ
それはね、敬虔な英雄のティトゥレルが
ご存じだったからさ。
いつか野蛮人が策略と権力を用いて
聖なる信頼の国を脅してきたことがあった。
すると、ある厳かな夜に
救世主の使いが天から舞い降りてきた。
あのお方が最後の晩餐で
ブドウ酒を飲まれ、十字架にかけられた時に
その神々しい血を受けた聖なる杯と
その血を流した柄の長い槍・・・。
この二つを素晴らしい王国の証として、
その使いは我らが王に渡されたのだ。
聖なるもののために彼は聖城を建てた。
それを罪人の手から守るために
おまえたちはここに仕えているのだ。
知ってのとおり、心正しき者だけしか
グラールの素晴らしい力にあやかれない。
兄弟の絆を結んで騎士たちが果たす務めは
グラールの力を維持することなのだ。
今おまえたちはクリングゾールのことを尋ねているが、
彼がどんなに骨を折ろうとも聖杯に近づくことは禁じられた。
あの向こうの谷間で彼は隠者のように暮らしていた。
その奥には贅沢三昧をする異教徒の国がある。
彼がどんな罪を犯したのか私は知らないのだが、
ともかく彼は聖者となって償おうとしたのだ。
しかし自分の罪を消そうにも消せず、
彼は自分を痛めつけ、その汚れた手を
グラールに伸ばしたので、
ティトゥレルは軽蔑を込めて拒絶された。
クリングゾールは激怒して、
自分の受けた恥辱の復讐をしようと
魔法の助けを借りた。
そして見事に実行したのだ。
荒れ野をまぶしいほどの花園に変え、
一見優しそうな悪女を集めて、
グラールの騎士たちをおびき寄せては
罠にかけて地獄に引きずり落とすのだ。
罠にかかった者は必ずやつに捕まってしまう。
今までどれほどの騎士が犠牲になったことか。
ティトゥレルは高齢になると、
息子に王位を譲られた。
アンフォルタスはさっそく、
クリングゾールの魔法をやめさせようとした。
それがどういう結果になったかは知ってるね。
槍はもうあいつの手中にあるのだ。
あの槍を使って聖域をどんどん犯してまわっている。
グラールだって奪い取ったつもりでいるのだ!

(クンドリーはずっと落ちつかなげにそわそわ身をよじっている。)

第四の小姓
何はともあれ槍を取り返したいな。

第三の小姓
取り返したやつにはご褒美があるかもよ。

グルネマンツ
(ちょっと沈黙してから)
人気のない聖地で
アンフォルタスは熱心に祈りを捧げ、
救いをもたらしてくれるように必死で願った。
すると、やわらかな光がグラールに注ぎ込み、
聖なる天使が現れて、
はっきりとお告げがあった。
澄んだ声で言われたのは、
「共感によって知を得る
清らかな愚か者。
私が選び出す
その男を待て。」

四人の小姓
「共感によって知を得る
清らかな愚か者」か・・・。

(湖のほうから悲鳴が上がり、騎士や小姓たちの声が聞こえてくる。グルネマンツと四人の小姓は飛び上がり、びっくりしてあたりを見まわす。)

騎士たちと小姓たち
何てことだ!かわいそうに!おお!
さあ、犯人を捜せ!

グルネマンツ
何事だ?

(野生の白鳥が弱々しく湖のほうから飛んでくる。小姓と騎士たちは白鳥を追って舞台に出てくる。)


第四の小姓
あそこに!

第三の小姓
こっちに来るぞ!

第二の小姓
白鳥だ!

第四の小姓
ほんとうだ、白鳥だ!

騎士たちと小姓たち全員
傷を負ってる。
ああ、何と痛ましきことか!

グルネマンツ
誰が白鳥を打ったのだ?

(白鳥はよろよろと飛行したあげく、地面に落ちてしまう。第二の騎士が白鳥の胸から矢を抜いてやる。)


第一の騎士
白鳥が湖の上をぐるりと一周したから、
王はよい兆しだと喜ばれていたのに。
そうしたら矢が飛んできて・・・

小姓たちと騎士たち
(パルジファルを引きずってきて)
こいつだ!こいつがやったんだ!
(パルジファルの弓を指して)
この弓でやったんだ!

第二の騎士
(矢を指し示して)
この矢とやつの矢は同じものだ。

グルネマンツ
白鳥を仕留めたのはおまえかね?

パルジファル
もちろん!飛んでるものなら何でも討ってやるよ!

グルネマンツ
おまえがやったのか。それでけろりとしてるのか?

小姓たちと騎士たち
こんなやつ、罰してやれ!

グルネマンツ
とんでもないことだ!
殺しをやったのか?ここは聖なる森で、
静かな平和に満ちてるのにか?
茂みの動物は皆飼いならされているのに。
動物たちは甘えるように寄って来ただろう?
小鳥たちは枝に止まっておまえに歌いかけなかったかね?
この忠実な白鳥がおまえに何をした?
この子は妻に会いに飛んでいき、
二羽で湖のまわりを一周して、
水浴を清めてくれていたのに。
その様子に感動しなかったのか?ただ、子どもじみた
暴行に駆られただけとは情けないじゃないか!
我々にはかわいい子だった。おまえにとっては知らんがね!
ここだ!ここを見なさい!おまえが撃ったところだ。
まだ血が流れ、翼はだらりと垂れている。
雪のように白い羽毛が血で汚れているだろう?
目にもう光はない。この眼差しを見てみろ。
(パルジファルは次第に感動を募らせながらグルネマンツの話に聞き入っていたが、ここで自分の弓を折り、持っていた矢をすべて放り投げる。)
自分の罪はわかったか?
(パルジファルは両手で目を覆う。)
どうだ、絶対にしてはいけないことだと分かったかね?
どうして殺したりしたのだ?

パルジファル
悪いことだって知らなかったもん。

グルネマンツ
おまえはどこから来たんだね?

パルジファル
わかんない。

グルネマンツ
お父さんは誰かね?

パルジファル
知らない。

グルネマンツ
誰がこの道を教えたんだね?

パルジファル
知らないよ。

グルネマンツ
じゃあ、おまえさんの名まえは?

パルジファル
いっぱいあったけど、
一つも思い出せないや。

グルネマンツ
おまえさんは何にも知らんのかね?
(独白)
ここまでの馬鹿者は
クンドリー以外見たことないぞ。
(どんどん集まってくる小姓たちに)

さあ、もう行きなさい。
王様をほったらかしにするな!世話してやりなさい。

(小姓たちは若枝で作った棺にうやうやしく死んだ白鳥を乗せ、それを持って湖のほうに遠ざかっていく。しまいには舞台に残ったのはグルネマンツとパルジファル、そして脇のほうにいるクンドリーだけになる。)


グルネマンツ
(またパルジファルのほうを向いて)
さて、わしの質問には何も答えられないようだから、
知っていることを話しなさい。
何かは知っとるだろう?

パルジファル
僕にはママが一人いるよ。ヘルツェライデっていうんだ。
森とね、開けた草原が僕らの故郷なんだ。

グルネマンツ
あの弓は誰からもらったんだね?

パルジファル
僕が自分で作った。
林からワシを追っ払うためさ。

グルネマンツ
だが、おまえは貴族に見えるのだがね。
何だっておまえのお母さんは
もっといい武器を与えなかったのだろう?

(パルジファルは黙り込む。)

クンドリー
(グルネマンツがアンフォルタスの運命について語っていた時は、しばしば落ちつかなげに身をよじっていたが、いまは相変わらず森の片隅に横たわりながらもパルジファルに鋭いまなざしを向け、パルジファルが黙り込んだ時、がさついた声で口をはさむ。)
この子の母さんはね、夫のないまま出産したのよ。
夫のガームレットは戦死したからね。
お父さんの二の舞して
息子が早死にしないように、
彼女は人気のないところで愚か者に育てたわけよ。
ばかみたいな話ね!

(彼女は笑う。)

パルジファル
(注意深く聞き入って)
まったくだね!いつだったか銀色に輝く
男たちがさ、きれいな動物に乗って、
森を通り抜けて行ったんだ。
同じようにまねをしようとしたらね、
みんな笑ってさっさと行っちゃったんだ。
僕は追っかけたけど、ぜんぜん追いつけなかった。
荒れ野を抜けて、山を越え、谷を越え、
しょっちゅう夜になって、また昼になった。
獣とか大きなおじさんには
僕の弓が役立ったよ。

クンドリー
(立ち上がって男たちのほうに歩いて行き、
熱心に)
そうなのよ!泥棒だろうと巨人だろうとひどい目に遭ったわ。
みんな、この自由気ままな子を恐れてんだから!

パルジファル
(ふしぎそうに)
誰が僕を恐れるの?ねえ!

クンドリー
悪い人たちよ。

パルジファル
へえ、僕を脅かしたやつが悪い人だったの?
(グルネマンツは笑いだす。)
いい人はだあれ?

グルネマンツ
(またまじめにもどって)
おまえの母さんさ。おまえが飛び出したりして、
そうとう悲しんでおられるんじゃないのかな?

クンドリー
悲しみもおしまいさ!死んじまったんだからね!

パルジファル
(驚き、ぞっとして)
死んだ?僕の母さんが!誰が言ったんだ!

クンドリー
馬に乗ってる時にお母さんが死ぬのを見たのよ。
愚かなあんたによろしくって言づけたわよ。

(パルジファルは怒ってクンドリーに飛びかかり、首を締め上げる。グルネマンツが彼を止める。)

グルネマンツ
気でも狂ったのか。また暴力を振るって!
(グルネマンツがクンドリーを放してやると、パルジファルは長い間ぼうぜんと立ち尽くす。)
彼女が何をした?本当のことを言っただけではないか。
クンドリーは嘘はつかない。ただ、多くを見ただけだ。

パルジファル
(ひどく震えだし)
死にそうだよ・・・。

(クンドリーはパルジファルの様子に気づくと、急いで森の泉にとんでいき、角杯に水を汲んできて、まずパルジファルに水をかけてやり、それから飲ませてやる。)


グルネマンツ
そうだ、そうだ。まさにグラールの恵みだ。
おまえの善行は悪を封じる力があるぞ。

クンドリー
(陰鬱な声で)
あたし、いいことなんかしたことない。
(悲しそうに向きを変え、グルネマンツが父親のようにパルジファルを気遣ってやっている間に、気づかれないうちに森の茂みに体を引きずっていく。)
ただ休みたいだけ。
安らぎたい・・・ああ、疲れた。
眠い。お願いだから起こさないでね!
(びくっとして)
いやよ!眠るもんか!怖いわ!
(がたがた震えだすが、やがて腕がだらりと垂れる。)

抵抗してもだめ!どうしようもないんだわ。
眠い・・・たまらなく眠い・・・もうだめ!

(彼女は茂みの後ろに倒れこみ、この後誰も注意を向けないがずっとそのままでいる。後方の湖のほうから人の気配があると思うと、騎士と小姓たちの列が輿を担いで城へ戻っていく。)



グルネマンツ
王が水浴から戻ったようだ。
もう昼に近い。
聖餐におまえを連れて行こうかな。
おまえは清らかだし、
グラールもおまえに食事をくださるにちがいない。

(グルネマンツはパルジファルの腕を優しく自分の首にまわし、彼の体を自分の腕で抱き寄せる。そうしながら非常にゆっくりと歩みを始める。このあたりから気づかないうちに舞台転換が始まっている。)


パルジファル
グラールってだあれ?

グルネマンツ
それは言えないね。
だが、おまえがグラールに選ばれた者なら、
そのお告げは伝わるはずだよ。
ほら、ごらん!
うむ、おまえのことが分かったような気がするぞ。
この国には誰も入れんし、
何者もこの領地を歩くことは許されんが、
グラールが選びだした者だけはむろん別だからな。

パルジファル
まだほとんど歩いてないけど、
ずいぶん遠い気がするな。

グルネマンツ
いいかね、ぼうや。
ここでは時間が空間になるのだよ。

(グルネマンツとパルジファルが歩いているように見えるうち、次第にはっきりと舞台が変わりはじめる。森は消え、岩壁の間に門につづく道が開き、二人はその空間に包まれる。)



グルネマンツ
さあ、よく気をつけて、わしに見せてくれ。
おまえさんは頭はよくないが、清らかそうだ。
さて、心の知恵はあるのかな。

(岩壁に挟まれた上り道を進んでいくうち、舞台は完全に転換を終える。いまやグルネマンツとパルジファルはグラール城の巨大な広間にたどり着いた。幾本もの柱とドームのような丸天井がこの聖餐の場を囲んでいる。後方の両脇にある二つの扉が開き、右側からグラールの騎士たちが入場し、聖餐の食卓を囲む。)



グラールの騎士たち
最後の愛餐へ向かおう。
来る日も来る日も
(小姓たちの列が次第に歩を速めながら舞台を横切り、後方に向かう。)
これを最後と思いつつ、
愛餐の準備をするのだ。
(第二の小姓のグループが広間を横切っていく。)
善行を施し喜ぶ者は
この食事でよみがえるのだ。
その者は癒され、
至上の恵みを受ける資格がある。
(騎士たちが集まり、食卓に着くと、若者たちの声が丸天井の真ん中あたりから聞こえてくる。)

罪深い世のために
激しい苦痛を耐え、
あの方がその血を流されたように、
私も救いの英雄には
喜んで、心から
自分の血を流そう。
償いのため我らに捧げられたあの御身、
彼は死によって我らの中に生き続ける。

少年の声
(丸天井の高み、かなり遠いところから)
信仰は生き、
聖なる国の使者である
優しいハトが舞う。
あなたがたのために注がれた
このワインを飲み、
生命のパンを取ろう。

(小姓たちと騎士たちの歌の間に、向かいの扉が開き、アンフォルタスが輿にのせられて運ばれてくる。彼に先立って四人の小姓が、覆いをかけたグラールの聖杯を持って進んでくる。この列は中央奥の丈高い長椅子のある場所に向かい、アンフォルタスは輿から下ろされ、この椅子の上に寝せられる。その手前には長い石のテーブルがあり、小姓たちはその上に聖杯を置く。 全員が持ち場につき、あたりが静まり返ると、アンフォルタスの長椅子の後ろにある覆われたくぼみから、老ティトゥレルの声が墓の中から話すように響いてくる。)







ティトゥレル
アンフォルタス、勤めの用意はできたか?
(長い沈黙)
今日もまたグラールを仰ぎ見て、命を長らえられるかな?
(長い沈黙)
それとも救い主に見放されて死なねばならぬのかな?

アンフォルタス
(絶望の発作に見舞われて半分体を起こし)

つらい!ああ、耐えられない!
お父さん、頼むから、
もう一度務めを果たしてくれよ!
父さんは生きて、私を死なせてくれ!

ティトゥレル
わしは神のお恵みで墓の中で生かされているが、
グラールに仕えるにはもう弱り果てておる。
おまえが仕えて罪を償うのじゃ!
グラールの覆いを取れ!

アンフォルタス
(小姓たちの前に立ちはだかって)
いやだ!開けないでおいてくれ!ああ!
誰も、誰一人私の苦しみをわかってくれない!
他人がうっとりする間、こっちはつらくてならないのに!
この傷がどれほど痛もうとまだましだ。
務めを果たさなくてはならない
地獄のような苦しみに比べれば何でもない!
この一族に生まれなければよかったのに。
皆の中でただ一人罪人である私が、
至上の聖域を養い、
清らかな者たちに祝福を願うとは!
何とひどい罰!処罰以外の何物でもない!
みじめにも汚されてしまった慈愛の国!
その国へ行き、そこで清めのあいさつを
受けられたらいいのに。
心から悔い改めるから、
あの国へたどり着かせてほしい。
その時が近づく・・・。
一筋の光があの聖杯に落ち、
覆いは取り払われる。
(こわばった眼差しで)
聖杯に満ちる神々しい液体が
まぶしいほどの光を発して燃えだす。
聖なる喜びの痛みに襲われ、
高貴な血潮の泉が
自分の心に流れ込んでくるように思われる。
すると、罪にまみれた私の血が
狂ったように流れだし、
私は再び引き戻されてしまうのだ。
罪にあふれた世界に飛び出していきたい。
ためらいながらもはっきりそう感じる。
新たに門を突き抜け、
そこからあの方と同じ傷を通して
流れだしていく。
救世主を傷つけた同じ槍が
私をも傷つけた。
あの方は血の涙を流し、
人間の恥のために神々しく悩んだあげく、
共に悩みたいと願われた。
同じ傷を得た私はといえば、聖なる地位で
神々しきものの守り手になり、
救いの癒やし手となりながら、
罪の血が熱心に流れつづける。
憧れの気持ちは日増しに強くなるばかりだ。
懺悔してみても、ぜったいに癒されはしない!
頼むから!少しは憐れんでくれ!
慈悲深い神様!どうかお憐れみを!
この地位から下ろしてください。
この傷を閉ざして、
幸せに死なせてください。
あなたのもとで清められるように!

(気を失ったように後ろに倒れる。)

少年たちと青年たち
(高みから、姿は見えず)
「共感によって知を得る
清らかな愚か者。
私が選び出す
その男を待て。」

騎士たち
(小声で)
そうお告げがあったでしょう。
それを慰めにして、
今日は務めを行ってください!

ティトゥレル
グラールを開け!

(アンフォルタスは疲れ切ったようにゆっくりと立ち上がる。小姓たちは黄金色の入れ物からアンティークなクリスタルの杯を取り出し、それに被せられているヴェールも取り去って、アンフォルタスの前に置く。)


高みからの声
私の体を取れ。
私の血を取れ。
我らの愛のために。

(アンフォルタスが聖杯の前にひざまずき、無言で敬虔な祈りを捧げるうちに、広間はだんだん闇が濃くなり、しまいには真っ暗になる。)


高みからの少年の声
我が血を飲め、
我が体を食せよ、
いつまでも我を忘れるな。

(一条の光がまぶしいほどに輝きながら、天井から聖杯に注がれる。聖杯は次第に紫色の光を放ち始め、すべてのものを優しく照らし出す。アンフォルタスは浄化されたような表情で、グラールを高々と持ち上げ、パンとワインに祝福を授けるため、そっとすべての方向に振る。全員ひざまずく。)


ティトゥレル
おお、聖なる太陽じゃ。
今日も神のあいさつが受けられたぞ!

(アンフォルタスがグラールを下ろすと、深い闇は徐々に明けていき、聖杯は光を失う。小姓たちはふたたび聖杯を元のようにしまい、覆いをかける。最初の頃のように昼の光が差し込んでくる。四人の小姓たちは続く歌の間に、二つずつある籠と壺の中からワインとパンを取りだす。)



少年の声
(高みから)
かつて最後の晩餐で、ワインとパンを
グラールの主は変えられた、
愛の共感から、
ワインを血に、
そしてパンを肉体に。

(四人の小姓は聖杯をしまいこむと、先ほどアンフォルタスが聖杯を振って祝福を与えた二つのワイン壺と二つのパン籠を祭壇のテーブルから運び出し、パンを騎士たちに配り、彼らの杯にワインをなみなみと注ぐ。 騎士たちは食卓に着き、グルネマンツは自分の隣の席を開けておいて、パルジファルに聖餐に加わるように手招きする。しかし、パルジファルは無言のままこわばったように脇に立ったまま動かない。)





青年たち
(丸天井の真ん中から)
血と肉体は聖なる贈り物。
愛の精神が至上の慰めとして、
それらを今日、
あなたがたが飲むワインへと、
あなたがたが食するパンへと変えられる。

騎士たち
(半数の人々)
パンを取れ。
それは勇敢に
肉体に力と強さを与える。
死にいたるまで忠実に、
疲れることなく、
聖域の務めを果たそう!
(第二の半数)
ワインを取れ。
それは新たに
人生の喜びに燃え、
喜ばしい同盟をもたらして、
兄弟の絆を結ぶ。
幸せな勇気もて戦おう!

騎士たち全員
信じる者は幸いかな。
愛に幸あれ!

(騎士たちは立ち上がり、両方から歩み寄り、続く間に厳粛な抱擁を交わし合う。)


青年たち
(丸天井の高み、中央から)
愛よ、幸せなるかな!

少年たち
(丸天井の最も高いところから)
信じる者は幸せなり!

(アンフォルタスは愛餐には加わらず、ただ感動を込めて見守っていたが、今や次第にまた沈んだ様子になってくる。彼はうなだれてしまい、手を傷に当てる。小姓たちが駆け寄り、彼らの様子からアンフォルタスの傷からまた出血したことが分かる。小姓たちは介抱してやり、再び輿に乗せて、 周りが出発の準備をするうちに来た時と同じように列を組み、アンフォルタスと聖杯を携えて、去っていく。騎士たちもやはり厳粛に列を組み、ゆっくりと広間を後にする。弱い太陽の光が差し込んでくる。小姓たちは足を速めて広間を横切っていく。最後まで残っていた騎士や小姓もいなくなった。扉はすべて閉められる。パルジファルはアンフォルタスの激しい嘆きを聞いている時、いきなり自分の心臓に手をやり、しばらく震えながらそのままの恰好だった。今も彼は依然として身動きもしないまま立ち尽くしている。グルネマンツがいらいらと寄ってきて、パルジファルの腕を揺さぶる。)






グルネマンツ
何だってまだ突っ立ってるんだ?
何を見たかわかってるんだろうな?

(パルジファルは震えながら心臓に手をやり、わずかに頭を振る。)

グルネマンツ
(ひどく腹を立て)
結局、おまえはただのばか者なのか!
(脇にある細い扉を開け)
さあ、出て行け。自分の道を行け!
だが、グルネマンツからひと言言っておこう。
この先白鳥には手を出すな。
おまえにふさわしい雌ガチョウでも見つけろ!


(彼はパルジファルを外に放り出し、不満そうにドアをバタンと閉じる。彼が騎士たちの後を追う間、最後のフェルマータで幕が下りる。)


あるアルトの声
(高みから)
「共感によって知を得る
清らかな愚か者」・・・。

丸天井中央からの声
信じる者は幸いかな!

丸天井の高みからの声
信じる者は幸いかな!
Vorspiel

ERSTER AUFZUG

Im Gebiet des Grales. – Wald, schattig und ernst, doch nicht düster. Eine Lichtung in der Mitte. Links aufsteigend wird der Weg zur Gralsburg angenommen. Der Mitte des Hintergrundes zu senkt sich der Boden zu einem tiefer gelegenen Waldsee hinab. – Tagesanbruch. – Gurnemanz (rüstig greisenhaft) und zwei Knappen (von zartem Jünglingsalter) sind schlafend unter einem Baume gelagert. – Von der linken Seite, wie von der Gralsburg her, ertönt der feierliche Morgenweckruf der Posaunen

GURNEMANZ
erwachend und die Knaben rüttelnd
He! Ho! Waldhüter ihr, –
Schlafhüter mitsammen, –
so wacht doch mindest am Morgen.
Die beiden Knappen springen auf
Hört ihr den Ruf? Nun danket Gott,
dass ihr berufen, ihn zu hören!
Er senkt sich mit den Knappen auf die Knie und verrichtet mit ihnen gemeinschaftlich stumm das Morgengebet; sobald die Posaunen schweigen, erheben sie sich langsam
Jetzt auf, ihr Knaben! Seht nach dem Bad.
Zeit ist's, des Königs dort zu harren.
Er blickt nach links in die Szene
Dem Siechbett, das ihn trägt, voraus
seh ich die Boten schon uns nahn.
Zwei Ritter treten, von der Burg her, auf
Heil euch! – Wie geht's Amfortas heut?
Wohl früh verlangt er nach dem Bade:
das Heilkraut, das Gawan
mit List und Kühnheit ihm gewann,
ich wähne, dass das Lind'rung schuf?

ZWEITER RITTER
Das wähnest du, der doch Alles weiss?
Ihm kehrten sehrender nur
die Schmerzen bald zurück: –
schlaflos von starken Bresten,
befahl er eifrig uns das Bad.

GURNEMANZ
das Haupt traurig senkend
Toren wir, auf Lind'rung da zu hoffen,
wo einzig Heilung lindert! –
Nach allen Kräutern, allen Tränken forscht
und jagt weit durch die Welt –:
ihm hilft nur Eines, –
nur der Eine!

ZWEITER RITTER
So nenn uns den!

GURNEMANZ
ausweichend
Sorgt für das Bad!

Die beiden Knappen haben sich dem Hintergrunde zugewendet und blicken nach rechts

ZWEITER KNAPPE
Seht dort die wilde Reiterin!

ERSTER KNAPPE
Hei!
Wie fliegen der Teufelsmähre die Mähnen!

ZWEITER RITTER
Ha! Kundry dort?

ERSTER RITTER
Die bringt wohl wicht'ge Kunde?

ZWEITER KNAPPE
Die Mähre taumelt.

ERSTER KNAPPE
Flog sie durch die Luft?

ZWEITER KNAPPE
Jetzt kriecht sie am Boden hin.

ERSTER KNAPPE
Mit den Mähnen fegt sie das Moos.

Alle blicken lebhaft nach der rechten Seite.

ZWEITER RITTER
Da schwingt sich die Wilde herab!

Kundry stürzt hastig, fast taumelnd, herein. Wilde Kleidung, hoch geschürzt; Gürtel von Schlangenhäuten lang herabhängend: schwarzes, in losen Zöpfen flatterndes Haar; tief braunrötliche Gesichtsfarbe; stechende schwarze Augen, zuweilen wild aufblitzend, öfters wie todesstarr und unbeweglich. – Sie eilt auf Gurnemanz zu und dringt ihm ein kleines Kristallgefäss auf

KUNDRY
Hier? Nimm du! – Balsam…

GURNEMANZ
Woher brachtest du dies?

KUNDRY
Von weiter her, als du denken kannst:
hilft der Balsam nicht,
Arabia birgt dann
nichts mehr zu seinem Heil. –
Frag nicht weiter! – Ich bin müde.

Sie wirft sich an den Boden. Ein Zug von Knappen und Rittern, die Sänfte tragend und geleitend, in welcher Amfortas ausgestreckt liegt, gelangt – von links her – auf die Bühne. – Gurnemanz hat sich, von Kundry ab, sogleich den Ankommenden zugewendet

GURNEMANZ
Er naht – sie bringen ihn getragen. –
O weh! Wie trag ich's im Gemüte,
in seiner Mannheit stolzer Blüte
des siegreichsten Geschlechtes Herrn
als seines Siechtums Knecht zu sehn!
zu den Knappen
Behutsam! Hört, der König stöhnt.

Die Knappen halten an und stellen das Siechbett nieder

AMFORTAS
der sich ein wenig erhoben
Recht so! Habt Dank! – Ein wenig Rast.
Nach wilder Schmerzensnacht –
nun Waldes Morgenpracht!
Im heil'gen See
wohl labt mich auch die Welle:
es staunt das Weh,
die Schmerzensnacht wird helle.
Gawan!

ZWEITER RITTER
Herr! Gawan weilte nicht;
da seines Heilkrauts Kraft,
wie schwer er's auch errungen,
doch deine Hoffnung trog,
hat er auf neue Sucht sich fortgeschwungen.

AMFORTAS
Ohn Urlaub! – Möge das er sühnen,
dass schlecht er Grals-Gebote hält!
O wehe ihm, dem trotzig Kühnen,
wenn er in Klingsors Schlingen fällt! –
So breche Keiner mir den Frieden!
Ich harre des, der mir beschieden:
»durch Mitleid wissend« –
war's nicht so? –

GURNEMANZ
Uns sagtest du es so.

AMFORTAS
– »der reine Tor –«
Mich dünkt ihn zu erkennen:
dürft ich den Tod ihn nennen!

GURNEMANZ
indem er Amfortas das Fläschchen Kundrys überreicht
Doch zuvor – versuch es noch mit diesem!

AMFORTAS
Woher dies heimliche Gefäss?

GURNEMANZ
Dir ward es aus Arabia hergeführt.

AMFORTAS
Und wer gewann es?

GURNEMANZ
Dort liegt's, das wilde Weib.
Auf, Kundry! Komm!

Kundry weigert sich und bleibt am Boden

AMFORTAS
Du – Kundry?
Muss ich dir nochmals danken,
du rastlos scheue Magd?
Wohlan,
den Balsam nun versuch ich noch:
es sei aus Dank für deine Treue.

KUNDRY
unruhig und heftig am Boden sich bewegend
Nicht Dank! – Ha ha! – was wird er helfen!
Nicht Dank! Fort, fort – in's Bad!

Amfortas gibt das Zeichen zum Aufbruch; der Zug entfernt sich nach dem tieferen Hintergrunde zu. – Gurnemanz, schwermütig nachblickend, und Kundry, fortwährend auf dem Boden gelagert, sind zurückgeblieben. – Knappen gehen ab und zu

DRITTER KNAPPE
He! Du da!
Was liegst du dort wie ein wildes Tier?

KUNDRY
Sind die Tiere hier nicht heilig?

DRITTER KNAPPE
Ja –! Doch ob heilig du,
das wissen wir grad noch nicht.

VIERTER KNAPPE
Mit ihrem Zaubersaft – wähn ich –
wird sie den Meister vollends verderben.

GURNEMANZ
Hm! Schuf sie euch Schaden je? –
Wann Alles ratlos steht,
wie kämpfenden Brüdern in fernste Länder
Kunde sei zu entsenden,
und kaum ihr nur wisst wohin, –
wer, ehe ihr euch nur besinnt,
stürmt und fliegt dahin und zurück,
der Botschaft pflegend mit Treu und Glück?
Ihr nährt sie nicht, – sie naht euch nie,
nichts hat sie mit euch gemein:
doch, wann's in Gefahr der Hilfe gilt,
der Eifer führt sie schier durch die Luft,
die nie euch dann zum Danke ruft.
Ich wähne, ist dies Schaden,
so tät er euch gut geraten.

DRITTER KNAPPE
Doch hasst sie uns;
sieh nur, wie hämisch dort nach uns sie blickt!

VIERTER KNAPPE
Eine Heidin ist's, ein Zauberweib.

GURNEMANZ
Ja, eine Verwünschte mag sie sein.
Hier lebt sie heut,
vielleicht erneut,
zu büssen Schuld aus früh'rem Leben,
die dorten ihr noch nicht vergeben.
Übt sie nun Buss in solchen Taten,
die uns Ritterschaft zum Heil geraten,
gut tut sie dann und recht sicherlich,
dienet uns – und hilft auch sich.

DRITTER KNAPPE
So ist's wohl auch jen' ihre Schuld,
die uns so manche Not gebracht?

GURNEMANZ
sich besinnend
Ja, – wann oft lange sie uns ferne blieb,
dann brach ein Unglück wohl herein.
Und lang schon kenn ich sie;
doch Titurel kennt sie noch länger.
Der fand, als er die Burg dort baute,
sie schlafend hier im Waldgestrüpp –
erstarrt, leblos, wie tot.
So fand ich selbst sie letztlich wieder,
als uns das Unheil kaum geschehn,
das jener Böse über den Bergen
so schmählich über uns gebracht.
zu Kundry
He! Du! Hör mich und sag:
wo schweiftest damals du umher,
als unser Herr den Speer verlor?
Kundry schweigt düster
Warum halfst du uns damals nicht?

KUNDRY
Ich helfe nie.

VIERTER KNAPPE
Sie sagt's da selbst.

DRITTER KNAPPE
Ist sie so treu, so kühn in Wehr,
so sende sie nach dem verlor'nen Speer!

GURNEMANZ
düster
Das ist ein And'res,
jedem ist's verwehrt. –
mit grosser Ergriffenheit
Oh, wundenwundervoller,
heiliger Speer!
Dich sah ich schwingen
von unheiligster Hand!
in Erinnerung sich verlierend
Mit ihm bewehrt, Amfortas, Allzukühner,
wer mochte dir es wehren
den Zaub'rer zu beheeren?
Schon nah dem Schloss – wird uns der Held entrückt:
ein furchtbar schönes Weib hat ihn entzückt;
in seinen Armen liegt er trunken,
der Speer – ist ihm entsunken.
Ein Todesschrei! – Ich stürm herbei:
von dannen Klingsor lachend schwand:
den heil'gen Speer hat' er entwandt.
Des Königs Flucht gab kämpfend ich Geleite;
doch – eine Wunde brannt ihm in der Seite,
die Wunde ist's, die nie sich schliessen will. –

Der erste und zweite Knappe kommen vom See her zurück

DRITTER KNAPPE
zu Gurnemanz
So kanntest du Klingsor?

GURNEMANZ
zu den zurückkommenden beiden Knappen
Wie geht's dem König?

ERSTER KNAPPE
Ihn frischt das Bad.

ZWEITER KNAPPE
Dem Balsam wich das Weh.

GURNEMANZ
für sich
Die Wunde ist's, die nie sich schliessen will! –

Der dritte und der vierte Knappe hatten sich zuletzt schon zu Gurnemanz' Füssen niedergesetzt; die beiden anderen gesellen sich jetzt in gleicher Weise zu ihnen unter dem grossen Baum

DRITTER KNAPPE
Doch, Väterchen, sag und lehr uns fein:
du kanntest Klingsor, – wie mag das sein?

GURNEMANZ
Titurel, der fromme Held,
der kannt ihn wohl.
Denn ihm, da wilder Feinde List und Macht
des reinen Glaubens Reich bedrohten,
ihm neigten sich, in heilig ernster Nacht,
dereinst des Heilands selige Boten:
daraus er trank beim letzten Liebesmahle,
das Weihgefäss, die heilig edle Schale,
darein am Kreuz sein göttlich Blut auch floss,
dazu den Lanzenspeer, der dies vergoss, –
der Zeugengüter höchstes Wundergut,
das gaben sie in unsres Königs Hut.
Dem Heiltum baute er das Heiligtum.
Die seinem Dienst ihr zugesindet
auf Pfaden, die kein Sünder findet, –
ihr wisst, dass nur dem Reinen
vergönnt ist sich zu einen
den Brüdern, die zu höchsten Rettungswerken
des Grales Wunderkräfte stärken. –
Drum blieb es dem, nach dem ihr fragt, verwehrt,
Klingsorn – wie hart ihn Müh auch drob beschwert.
Jenseits im Tale war er eingesiedelt;
darüber hin liegt üpp'ges Heidenland: –
unkund blieb mir, was dorten er gesündigt;
doch wollt er büssen nun, ja – heilig werden.
Ohnmächtig, in sich selbst die Sünde zu ertöten,
an sich legt er die Frevlerhand,
die nun, dem Grale zugewandt,
verachtungsvoll des Hüter von sich stiess.
Darob die Wut nun Klingsorn unterwies,
wie seines schmähl'chen Opfers Tat
ihm gäb zu bösem Zauber Rat: –
den fand er nun.
Die Wüste schuf er sich zum Wonnegarten;
drin wachsen teuflisch holde Frauen,
dort will des Grales Ritter er erwarten
zu böser Lust und Höllengrauen:
wen er verlockt, hat er erworben,
schon Viele hat er uns verdorben. –
Da Titurel, in hohen Alters Mühen,
dem Sohn die Herrschaft hier verliehen,
Amfortas liess es da nicht ruhn
der Zauberplag' Einhalt zu tun.
Das wisst ihr, wie es da sich fand:
der Speer ist nun in Klingsors Hand;
kann er selbst Heilige mit ihm verwunden,
den Gral auch wähnt er fest schon uns entwunden!

Kundry hat sich, in wütender Unruhe, oft heftig umgewendet

VIERTER KNAPPE
Vor Allem nun, der Speer kehr uns zurück!

DRITTER KNAPPE
Ha! wer ihn brächt, ihm wär's zu Ruhm und Glück?

GURNEMANZ
nach einem Schweigen
Vor dem verwaisten Heiligtum
in brünst'gem Beten lag Amfortas,
ein Rettungszeichen bang erflehend: –
ein sel'ger Schimmer da entfloss dem Grale;
ein heilig Traumgesicht
nun deutlich zu ihm spricht
durch hell erschauter Wortezeichen Male:
»durch Mitleid wissend,
der reine Tor,
harre sein,
den ich erkor!«

DIE VIER KNAPPEN
»Durch Mitleid wissend,
der reine Tor –«

Vom See her vernimmt man Geschrei und das Rufen der Ritter und Knappen. – Gurnemanz und die vier Knappen fahren auf und wenden sich erschreckt um

RITTER UND KNAPPEN
Weh! Weh! – Hoho!
Auf! – Wer ist der Frevler?

GURNEMANZ
Was gibt's?

Ein wilder Schwan flattert matten Fluges vom See daher: die Knappen und Ritter folgen ihm nach auf die Szene

VIERTER KNAPPE
Dort!

DRITTER KNAPPE
Hier!

ZWEITER KNAPPE
Ein Schwan!

VIERTER KNAPPE
Ein wilder Schwan!

ALLE RITTER UND KNAPPEN
Er ist verwundet.
Ha, wehe! Weh!

GURNEMANZ
Wer schoss den Schwan?

Der Schwan sinkt, nach mühsamem Fluge, matt zu Boden; der zweite Ritter zieht ihm den Pfeil aus der Brust

ERSTER RITTER
Der König grüsste ihn als gutes Zeichen,
als überm See kreiste der Schwan:
da flog ein Pfeil…

KNAPPEN UND RITTER
Parsifal hereinführend
Der war's! Der schoss!
auf Parsifals Bogen weisend
Dies der Bogen!

ZWEITER RITTER
den Pfeil aufweisend
Hier der Pfeil, dem seinen gleich.

GURNEMANZ
Bist du's, der diesen Schwan erlegte?

PARSIFAL
Gewiss! Im Fluge treff ich, was fliegt!

GURNEMANZ
Du tatest das? Und bangt es dich nicht vor der Tat?

DIE KNAPPEN UND RITTER
Strafe den Frevler!

GURNEMANZ
Unerhörtes Werk! –
Du konntest morden, – hier, im heil'gen Walde,
des stiller Frieden dich umfing?
Des Haines Tiere nahten dir nicht zahm?
Grüssten dich freundlich und fromm?
Aus den Zweigen was sangen die Vöglein dir?
Was tat dir der treue Schwan?
Sein Weibchen zu suchen flog der auf,
mit ihm zu kreisen über dem See,
den so er herrlich weihte zum Bad. –
Dem stauntest du nicht?… Dich lockt es nur
zu wild kindischem Bogengeschoss?
Er war uns hold: was ist er nun dir?
Hier, – schau her! – hier trafst du ihn; –
da starrt noch das Blut, matt hängen die Flügel; –
das Schneegefieder dunkel befleckt?
Gebrochen das Aug' – siehst du den Blick?
Parsifal hat Gurnemanz mit wachsender Ergriffenheit zugehört: jetzt zerbricht er seinen Bogen und schleudert die Pfeile von sich
Wirst deiner Sündentat du inne?
Parsifal führt die Hand über die Augen
Sag, Knab' – erkennst du deine grosse Schuld?
Wie konntest du sie begehn?

PARSIFAL
Ich wusste sie nicht.

GURNEMANZ
Wo bist du her?

PARSIFAL
Das weiss ich nicht.

GURNEMANZ
Wer ist dein Vater?

PARSIFAL
Das weiss ich nicht.

GURNEMANZ
Wer sandte dich dieses Weges?

PARSIFAL
Das weiss ich nicht.

GURNEMANZ
Dein Name denn?

PARSIFAL
Ich hatte viele,
doch weiss ich ihrer keinen mehr.

GURNEMANZ
Das weisst du Alles nicht?
für sich
So dumm wie den
erfand bisher ich Kundry nur!
zu den Knappen, deren sich immer mehre versammelt haben
Jetzt geht!
Versäumt den König im Bade nicht! – Helft! –

Die Knappen heben den toten Schwan ehrerbietig auf eine Bahre von frischen Zweigen, und entfernen sich mit ihm dann nach dem See zu. – Schliesslich bleiben Gurnemanz, Parsifal und – abseits – Kundry allein zurück

GURNEMANZ
wendet sich wieder zu Parsifal
Nun sag: nichts weisst du, was ich dich frage;
jetzt meld, was du weisst;
denn etwas musst du doch wissen.

PARSIFAL
Ich hab eine Mutter; Herzeleide sie heisst.
Im Wald und auf wilder Aue waren wir heim.

GURNEMANZ
Wer gab dir den Bogen?

PARSIFAL
Den schuf ich mir selbst
vom Forst die wilden Adler zu verscheuchen.

GURNEMANZ
Doch adelig scheinst du selbst und hochgeboren:
warum nicht liess deine Mutter
bessere Waffen dich lehren?

Parsifal schweigt

KUNDRY
welche während der Erzählung des Gurnemanz von Amfortas' Schicksal oft in wütender Unruhe heftig sich umgewendet hatte, nun aber, immer in der Waldecke gelagert, den Blick scharf auf Parsifal gerichtet hat, ruft jetzt, da Parsifal schweigt, mit rauher Stimme daher
Den Vaterlosen gebar die Mutter,
als im Kampf erschlagen Gamuret;
vor gleichem frühem Heldentod
den Sohn zu wahren, waffenfremd
in Öden erzog sie ihn zum Toren: –
die Törin!

Sie lacht

PARSIFAL
der mit jäher Aufmerksamkeit zugehört
Ja! Und einst am Waldessaume vorbei,
auf schönen Tieren sitzend,
kamen glänzende Männer;
ihnen wollt ich gleichen:
sie lachten und jagten davon.
Nun lief ich nach, doch konnte sie nicht erreichen. –
Durch Wildnisse kam ich, bergauf, talab;
oft ward es Nacht, dann wieder Tag:
mein Bogen musste mir frommen
gegen Wild und grosse Männer…

KUNDRY
hat sich erhoben und ist zu den Männern getreten; eifrig:
Ja! Schächer und Riesen traf seine Kraft;
den freislichen Knaben fürchten sie Alle.

PARSIFAL
verwundert
Wer fürchtet mich? Sag!

KUNDRY
Die Bösen.

PARSIFAL
Die mich bedrohten, waren sie bös?
Gurnemanz lacht
Wer ist gut?

GURNEMANZ
wieder ernst
Deine Mutter, – der du entlaufen,
und die um dich sich nun härmt und grämt.

KUNDRY
Zu End ihr Gram: seine Mutter ist tot.

PARSIFAL
in furchtbarem Schrecken
Tot? Meine Mutter? – Wer sagt's?

KUNDRY
Ich ritt vorbei, und sah sie sterben: –
dich Toren hiess sie mich grüssen.

Parsifal springt wütend auf Kundry zu und fasst sie bei der Kehle. – Gurnemanz hält ihn zurück

GURNEMANZ
Verrückter Knabe! Wieder Gewalt?
Nachdem Gurnemanz Kundry befreit, steht Parsifal lange wie erstarrt
Was tat dir das Weib? Es sagte wahr,
denn nie lügt Kundry – doch sah sie viel.

PARSIFAL
gerät in ein heftiges Zittern
Ich verschmachte!…

Kundry ist sogleich, als sie Parsifals Zustand gewahrte, nach einem Waldquell geeilt, bringt jetzt Wasser in einem Horne, besprengt damit zunächst Parsifal, und reicht ihm dann zu trinken

GURNEMANZ
So recht! So nach des Grales Gnade:
das Böse bannt, wer's mit Gutem vergilt.

KUNDRY
düster
Nie tu ich Gutes: –
Sie wendet sich traurig ab, und während Gurnemanz sich väterlich um Parsifal bemüht, schleppt sie sich, von Beiden unbeachtet, einem Waldgebüsche zu
nur Ruhe will ich,
nur Ruhe – ach! – der Müden.
Schlafen! – Oh, dass mich keiner wecke!
scheu auffahrend
Nein! – Nicht schlafen! – Grausen fasst mich!
Sie verfällt in heftiges Zittern; dann lässt sie die Arme matt sinken
Machtlose Wehr! Die Zeit ist da.
Schlafen – schlafen – ich muss! –

Sie sinkt hinter dem Gebüsch zusammen und bleibt von jetzt an unbemerkt. – Vom See her gewahrt man Bewegung und endlich den im Hintergrunde sich heimwendenden Zug der Ritter und Knappen mit der Sänfte

GURNEMANZ
Vom Bade kehrt der König heim;
hoch steht die Sonne:
nun lass zum frommen Mahle mich dich geleiten;
denn bist du rein,
wird nun der Gral dich tränken und speisen.

Gurnemanz hat Parsifals Arm sich sanft um den Nacken gelegt, und dessen Leib mit seinem eigenen Arme umschlungen; so geleitet er ihn bei sehr allmählichem Schreiten. – Hier hat die unmerkliche Verwandelung der Bühne bereits begonnen

PARSIFAL
Wer ist der Gral?

GURNEMANZ
Das sagt sich nicht;
doch, bist du selbst zu ihm erkoren,
bleibt dir die Kunde unverloren.
Und sieh! –
Mich dünkt, dass ich dich recht erkannt:
kein Weg führt zu ihm durch das Land,
und Niemand könnte ihn beschreiten,
den er nicht selber möcht geleiten.

PARSIFAL
Ich schreite kaum,
doch wähn ich mich schon weit.

GURNEMANZ
Du siehst, mein Sohn,
zum Raum wird hier die Zeit.

Allmählich, während Gurnemanz und Parsifal zu schreiten scheinen, hat sich die Szene bereits immer merklicher verwandelt; es verschwindet so der Wald, und in Felsenwänden öffnet sich ein Torweg, welcher die Beiden jetzt einschliesst

GURNEMANZ
Jetzt achte wohl, und lass mich sehn:
bist du ein Tor und rein,
welch Wissen dir auch mag beschieden sein. –

Durch aufsteigende gemauerte Gänge führend, hat die Szene sich vollständig verwandelt: Gurnemanz und Parsifal treten jetzt in den mächtigen Saal der Gralsburg ein. – Szene: Säulenhalle mit Kuppelgewölbe, den Speiseraum überdeckend. Auf beiden Seiten des Hintergrundes werden die Türen geöffnet: von rechts schreiten die Ritter des Grales herein und reihen sich um die Speisetafeln

DIE GRALSRITTER
Zum letzten Liebesmahle.
gerüstet Tag für Tag,
Ein Zug von Knappen durchschreitet schnelleren Schrittes die Szene nach hinten zu
gleich ob zum letzten Male
es heut ihn letzen mag.
Ein zweiter Zug von Knappen durchschreitet die Halle
Wer guter Tat sich freut:
ihm sei das Mahl erneut:
der Labung darf er nahn,
die hehrste Gab empfahn.
Die versammelten Ritter stellen sich an den Speisetafeln auf Stimmen der Jünglinge aus der mittleren Höhe der Kuppel vernehmbar
Den sündigen Welten
mit tausend Schmerzen
wie einst sein Blut geflossen,
dem Erlösungs-Helden
sei nun mit freudigem Herzen
mein Blut vergossen.
Der Leib, den er zur Sühn uns bot,
er leb in uns durch seinen Tod.

KNABENSTIMMEN
aus der äussersten Höhe der Kuppel
Der Glaube lebt;
die Taube schwebt,
des Heilands holder Bote.
Der für euch fliesst,
des Weins geniesst,
und nehmt vom Lebensbrode!

Während des Gesanges wird von Knappen und dienenden Brüdern durch die entgegengesetzte Türe Amfortas auf einer Sänfte hereingetragen: vor ihm schreiten die vier Knappen, welche den verhängten Schrein des Grales tragen. Dieser Zug begibt sich nach der Mitte des Hintergrundes, wo ein erhöhtes Ruhebett aufgerichtet steht, auf welches Amfortas von der Sänfte herab niedergelassen wird; hiervor steht ein länglicher Steintisch, auf welchen die Knaben den verhängten Gralsschrein hinstellen. – Nachdem alle ihre Stelle eingenommen und ein allgemeiner Stillstand eingetreten war, vernimmt man, vom tiefsten Hintergrunde her, aus einer gewölbten Nische hinter dem Ruhebette des Amfortas, die Stimme des alten Titurel wie aus einem Grabe heraufdringen

TITUREL
Mein Sohn Amfortas, bist du am Amt?
langes Schweigen
Soll ich den Gral heut noch erschaun und leben?
langes Schweigen
Muss ich sterben, vom Retter ungeleitet?

AMFORTAS
im Ausbruche qualvoller Verzweiflung sich halb aufrichtend
Wehe! Wehe mir der Qual!
Mein Vater, oh! noch einmal
verrichte du das Amt!
Lebe, leb – und lass mich sterben.

TITUREL
Im Grabe leb ich durch des Heilands Huld:
zu schwach doch bin ich, ihm zu dienen.
Du büss im Dienste deine Schuld!
Enthüllet den Gral!

AMFORTAS
gegen die Knaben sich erhebend
Nein! Lasst ihn unenthüllt! – Oh!
dass keiner, keiner diese Qual ermisst,
die mir der Anblick weckt, der euch entzückt!
Was ist die Wunde, ihrer Schmerzen Wut,
gegen die Not, die Höllenpein,
zu diesem Amt – verdammt zu sein!
Wehvolles Erbe, dem ich verfallen,
ich – einz'ger Sünder unter Allen –
des höchsten Heiligtums zu pflegen,
auf Reine herabzuflehen seinen Segen! –
Oh, Strafe! Strafe ohne Gleichen
des, ach! – gekränkten Gnadenreichen! –
Nach ihm, nach seinem Weihegrusse
muss sehnlich mich's verlangen;
aus tiefster Seele Heilesbusse
zu ihm muss ich gelangen.
Die Stunde naht –
ein Lichtstrahl senkt sich auf das heilige Werk: –
die Hülle fällt.
vor sich hinstarrend
Des Weihgefässes göttlicher Gehalt
erglüht mit leuchtender Gewalt;
durchzückt von seligsten Genusses Schmerz,
des heiligsten Blutes Quell
fühl ich sich giessen in mein Herz:
des eig'nen sündigen Blutes Gewell
in wahnsinniger Flucht
muss mir zurück dann fliessen,
in die Welt der Sündensucht
mit wilder Scheu sich ergiessen;
von neuem sprengt es das Tor,
daraus es nun strömt hervor,
hier durch die Wunde, der Seinen gleich,
geschlagen von desselben Speeres Streich,
der dort dem Erlöser die Wunde stach,
aus der, mit blutigen Tränen,
der Göttliche weint ob der Menschheit Schmach
in Mitleids heiligem Sehnen,
und aus der nun mir, an heiligster Stelle,
dem Pfleger göttlichster Güter,
des Erlösungs-Balsams Hüter –
das heisse Sündenblut entquillt,
ewig erneut aus des Sehnens Quelle,
das – ach! – keine Büssung je mir stillt! –
Erbarmen! Erbarmen!
Du Allerbarmer! Ach, Erbarmen!
Nimm mir mein Erbe.
schliesse die Wunde,
dass heilig ich sterbe,
rein dir gesunde!

Er sinkt wie bewusstlos zurück

KNABEN UND JÜNGLINGE
aus der Höhe, unsichtbar
»Durch Mitleid wissend,
der reine Tor,
harre sein,
den ich erkor!«

DIE RITTER
leise
So ward es dir verhiessen:
harre getrost,
des Amtes walte heut!

TITUREL
Enthüllet den Gral!

Amfortas erhebt sich langsam und mühevoll. Die Knaben nehmen die Decke vom goldenen Schreine, entnehmen ihm eine antike Kristallschale, von welcher sie ebenfalls eine Verhüllung hinwegnehmen, und setzen diese vor Amfortas hin

STIMMEN AUS DER HÖHE
Nehmet hin meinen Leib,
nehmet hin mein Blut
um unsrer Liebe Willen!

Während Amfortas andachtvoll in stummem Gebete zu dem Kelche sich neigt, verbreitet sich eine immer dichtere Dämmerung über die Halle. – Eintritt vollster Dunkelheit

KNABEN AUS DER HÖHE
Nehmet hin mein Blut,
nehmet hin meinen Leib,
auf dass ihr mein gedenkt.

Ein blendender Lichtstrahl dringt von oben auf die Kristallschale herab; diese erglüht sodann immer stärker in leuchtender Purpurfarbe, alles sanft bestrahlend. Amfortas, mit verklärter Miene, erhebt den »Gral« hoch und schwenkt ihn sanft nach allen Seiten, worauf er damit Brot und Wein segnet. Alles ist auf den Knien

TITUREL
Oh, heilige Wonne,
wie hell grüsst uns heute der Herr!

Amfortas setzt den »Gral« wieder nieder, welcher nun, während die tiefe Dämmerung wieder entweicht, immer mehr erblasst: hierauf schliessen die Knaben das Gefäss wieder in den Schrein und bedecken diesen wie zuvor. – Die frühere Tageshelle tritt wieder ein. Die vier Knaben verteilen während des Folgenden aus den zwei Krügen und Körben Wein und Brot

KNABENSTIMMEN
aus der Höhe
Wein und Brod des letzten Mahles
wandelt' einst der Herr des Grales
durch des Mitleids Liebesmacht
in das Blut, das er vergoss
in den Leib, den dar er bracht. –

Die vier Knaben, nachdem sie den Schrein verschlossen, nehmen nun die zwei Weinkrüge sowie die zwei Brodkörbe, welche Amfortas zuvor, durch das Schwenken des Grals-Kelches über sie, gesegnet hatte, von dem Altartische, verteilen das Brod an die Ritter und füllen die vor ihnen stehenden Becher mit Wein. Die Ritter lassen sich zum Mahle nieder, so auch Gurnemanz, welcher einen Platz neben sich leer hält und Parsifal durch ein Zeichen zur Teilnehmung am Mahle einlädt: Parsifal bleibt aber starr und stumm, wie gänzlich entrückt, zur Seite stehen

JÜNGLINGE
aus der mittleren Höhe der Kuppel
Blut und Leib der heil'gen Gabe
wandelt heut zu eurer Labe
sel'ger Tröstung Liebesgeist
in den Wein, der euch nun floss,
in das Brod, das heut ihr speist.

DIE RITTER
erste Hälfte
Nehmet vom Brod,
wandelt es kühn
in Leibes Kraft und Stärke,
treu bis zum Tod,
fest jedem Müh'n,
zu wirken des Heilands Werke!
zweite Hälfte
Nehmet vom Wein,
wandelt ihn neu
zu Lebens feurigem Blute,
froh im Verein,
Brudergetreu
zu kämpfen mit seligem Mute!

ALLE RITTER
Selig im Glauben!
Selig in Liebe!

Die Ritter haben sich erhoben und schreiten von beiden Seiten auf sich zu, um während des Folgenden sich feierlich zu umarmen

JÜNGLINGE
mittlere Höhe der Kuppel
Selig in Liebe!

KNABEN
volle Höhe der Kuppel
Selig im Glauben!

Während des Mahles, an welchem er nicht teilnahm, ist Amfortas aus seiner begeisterungsvollen Erhebung allmählich wieder herabgesunken: er neigt das Haupt und hält die Hand auf die Wunde. Die Knaben nähern sich ihm; ihre Bewegungen deuten auf das erneute Bluten der Wunde: sie pflegen Amfortas, geleiten ihn wieder auf die Sänfte, und, während alle sich zum Aufbruch rüsten, tragen sie, in der Ordnung wie sie kamen, Amfortas und den heiligen Schrein wieder von dannen. Die Ritter ordnen sich ebenfalls wieder zum feierlichen Zuge und verlassen langsam den Saal. – Verminderte Tageshelle tritt ein. – Knappen ziehen wieder in schnellerem Schritte durch die Halle. – Die letzten Ritter und Knappen haben den Saal verlassen: die Türen werden geschlossen. – Parsifal hatte bei dem vorangehenden stärksten Klagerufe des Amfortas eine heftige Bewegung nach dem Herzen gemacht, welches er krampfhaft eine Zeitlang gefasst hielt; jetzt steht er noch, wie erstarrt, regungslos da. – Gurnemanz tritt missmutig an Parsifal heran und rüttelt ihn am Arme

GURNEMANZ
Was stehst du noch da?
Weisst du, was du sahst?

Parsifal fasst sich krampfhaft am Herzen – und schüttelt dann ein wenig mit dem Haupte

GURNEMANZ
sehr ärgerlich
Du bist doch eben nur ein Tor!
Er öffnet eine schmale Seitentüre
Dort hinaus, deinem Wege zu!
Doch rät dir Gurnemanz:
lass du hier künftig die Schwäne in Ruh,
und suche dir Gänser die Gans!


Er stösst Parsifal hinaus und schlägt, mürrisch, hinter ihm die Türe stark zu. Während er dann de Rittern folgt, schliesst sich, auf dem letzten Takte mit der Fermate, der Vorhang

EINE ALTSTIMME
aus der Höhe
»Durch Mitleid wissend,
der reine Tor…«

MITTLERE HÖHE
Selig im Glauben!

AUS DER HÖCHSTEN HÖHE
Selig im Glauben!


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© Maria Fujioka
最終更新:2019年01月26日 08:29