"アイーダ"

対訳

全曲(動画対訳)


訳者より

  • 第2幕の凱旋の場があまりに有名なグランドオペラと見なされてかあまり言及されないことですが、この曲もヴェルディお得意の人間関係のぶつかり合いの描写が見事で、その部分だけ取り出してもたいへん面白い作品です。
  • ヒロインとしてはちょっと健気で真面目すぎるアイーダや、空気がまるで読めずに困ったことばかり言ったりしたりしているラダメスよりも、私はこのオペラではアイーダの恋敵、エジプトの王女アムネリスが可愛くてしょうがないのです。
  • 王家の一人娘としてわがまま一杯に育っていてちょっと短気なところはありますが、真剣に男を愛している根はとてもいい娘さんですね。第4幕第1場のラダメスとの掛け合いなど、思わず抱きしめてしまいたくなる愛らしさです。
  • それもあって彼女が出てくる重唱の部分(第1幕・第2幕・第4幕のそれぞれ第1場)はすべて私が感情移入できる現代風の言葉づかいにしてみました。本当は「わらわは許さぬぞ」とかいう言葉づかいにしないとお許し頂けない方もおられるかとは思いますが、そこは訳者のわがままということでご勘弁ください。
  • しかしこのオペラ自身、古代エジプトを舞台とし、ピラミッドとか女神イシスとか出ては参りますけれども史実に基づく話ではありませんし、考証もめちゃくちゃですので(ストーリーのアイディアは古代エジプト学者オーギュスト・マリエットという人の手になるのだそうですけれど)ある意味好き勝手な訳をしても良いのかな、という気もしなくはありません。

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@ 藤井宏行

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最終更新:2023年03月24日 19:34