『カプリッチョ』はオペラとされているが、厳密に言うと「音楽のための会話劇」(Konversationsstück für Musik)である。リヒャルト・シュトラウスの作品は『サロメ』が「音楽劇」(Musikdrama)、『エレクトラ』、『ダフネ』が「悲劇」(Tragödie)、『ばらの騎士』、『インテルメッツォ』、『アラベラ』が「喜劇」(Komödie)、『ナクソス島のアリアドネ』、『影のない女』、『エジプトのヘレナ』、『無口な女』が「オペラ」(Oper)と名付けられているが、『カプリッチョ』はそのどれでもなく、この「音楽のための会話劇」という表現は異彩を放っている。