第1幕

(皇帝の庭園上の平らなバルコニーの上)
(その横には各部屋への入口が弱く照らし出されている)

<乳母>
(闇の中でうずくまりながら)
光が湖に・・・
輝きながら消えて行く・・・
鳥のように早く・・・!
夜の頂(いただき)が
上から明るくなっていく・・・
火の手が
あたしを捕まえに来る・・・
さては、ご主人さまですか?
御覧下さい!
私はお嬢様の面倒を見ております!
こんな心労と苦痛の夜中でも。

<使者>
(暗闇から現れて、鎧をまとい、青い光に取り巻かれながら)

主ではないぞ。
カイコバート様ではない。
ただの使者だ!
これまでも11人の使者が
お前を訪れただろう。
月が替わるごと新たな使者が来たはずだ。
もはや12番目の月も落ちた・・・
だから12番目の使者が来たのだ。

<乳母>
(不安げに)
あんたなんか見たことないわ。

<使者>
(厳しい口調で)
よかろう。
来たからには、尋ねるぞ。
お嬢さまは、影をつくったか?
なにっ、何てやつだ!
我々全員にとっても災いだ!

<乳母>
(勝ち誇ったように、しかしくぐもった声で)
影なんぞ!神々の名にかけて!
影なんぞ!影なんぞ!
お嬢さまの体は
光が通り抜けて行く。
まるで、ガラスのようにね。

<使者>
(陰鬱に)
お前を取り巻く孤独は、
あの子を守るためのもの。
黒い水が
小島を取り巻くように。
七つの月の峰が
湖畔を取り巻いている・・・
この雌犬め!それなのに、
宝を盗まれたままにしておくとは!

<乳母>
母親譲りよ!
あの子の
人間になりたいという
激しい欲求は!
大失敗よ!
父親があの子に
変身する力をあげたのは!
あたしが鳥を追って
飛べるわけ無いじゃない?
あたしが、あのガゼルを
手で捕まえられるはずないじゃない!?

<使者>
お嬢さまに会わせてくれ!

<乳母>
(小声で)
独り身じゃないのよ・・・
あの男が、傍にいるわ。
この12か月の間、
あの男が、お嬢様を求めない日は
一夜たりと無かった!
あの男は、狩人よ。
そして、恋に狂った男。
それ以外の何者だというの!?
最初の晩は、
恥ずかしそうに忍び出てきた。
でも、星がまたたく頃になると、
なんてこと!また戻って来たわ!
あの男の夜が、お嬢様の昼で、
あの男の昼が、お嬢様の夜になったのよ・・・

<使者>
(きわめて、きっぱりと)
12か月間、
あの男のものだったのだろう!
だが、それもあと
たった3日の話だ!
3日過ぎれば・・・
父親の腕に
戻るほかない。

<乳母>
(嬉しさを押し隠すように)
私も一緒にまいります!
ああ、きっといい日になるわ!
でも、あの男はどうなるの?

<使者>
石にされるのさ!

<乳母>
石になる!
さすがは、カイコバート様。
おおせに従います!

<使者>
(姿を消しながら)
お嬢さまを守るのだ!
あと3日だ!忘れるな!

<皇帝>
(部屋の扉に入りながら)
乳母よ!起きておるか?

<乳母>
起きて、控えておりまする。
雌犬のごとく、
お部屋の入口に!

<皇帝>
(部屋に入って来る。若い美男子。狩の衣裳で)
(舞台はやや明るくなってくる)
そのまま見張れ!
私が呼ぶまで!
姫は寝ている。
私は狩りに行く。
私が行くのは、
あの月の峰。
犬を放つぞ、
あの黒い水面に。
昔、私が、姫を見つけた所だ。
あの時、姫は、
白いガゼルのなりをして、
影もないのに、
私の心に火をつけた。
全ては神の思し召しだ・・・
今日、私の赤い鷹を見つけられるかは!
あの時、私のために愛する姫を捕まえてくれたのは
あの鷹なのだ!
あの時、姫は風のように、
私のもとから走り去り、
私を嘲り笑い、
私の愛馬も
音を上げようという時だった。
その時、あの鷹が
白いガゼルへ飛んで行き、
その眼光をかいくぐり、
あの可愛い目を
翼で打ったのだ!
すると、ガゼルは、つんのめったので、
私は、槍をさっと抜き出し、
それを押さえた。
するとどうだ。恐怖に脅える
獣の体から千切れ出たかのように、
一人の女が
私の腕に絡みついてきた・・・!
ああ、あの鷹にもう一度会いたいものだ!
どんなに褒めてやりたいことか・・・!
あの赤い鷹!
それというのも、私は、あの鷹に罪深いことをした。
あの最初の陶酔のときだった。
ガゼルが妻になった時、
鷹への怒りが
私をとらえた。
あの鷹は、
姫の額に止まろうとし、
あの可愛い光る眼を
打とうとしたではないか!
激怒に駆られ、
私は短刀をつかむと
あの鳥に放り投げた。
刀が当たると、
血が下にこぼれ落ちたのだ。
あの鷹の眼差し・・・忘れられない!

<乳母>
(様子をうかがいながら)
殿。さような狩りに
行かれるのなら・・・
さぞ、幾晩もご不在なのでしょうね?

<皇帝>
そうさな。
3日は戻って来ないかも知れぬ!
お前は、姫をお守りし、
姫に伝えるがいい。私が狩りに出たことを・・・
姫のためなのだ。
そう、姫のための狩りなのだ!
犬と鷹を駆って
私が捕えるもの・・・
槍と弓矢により
私が手に入れるもの・・・
みんな姫のための獲物なのだ!
そう・・・私の心にとって、
目にとって、
手にとって、
胸にとって、
私の狩の獲物は、
あの姫その人なのだ!
永遠に変わることなく!

(急いで退場)

(朝の薄明かりが次第に強まっていき、
鳥の歌声が聞こえて来る)

<乳母>
(それまでの間少しずつ皇帝の周りに集まって来ていた数名の侍従たちに)
出て行きなさい!
私は姫様と話すのです!
お前たちが姫様の目に触れてはなりません!

(侍従たちは立ち上がり、音も無く退場)

<皇妃>
(自分の部屋から出て来て)
あなた・・・行ってしまうなら、
なぜ私をこんなに早く起こすのですか?
まだ寝かせておいていただければ!
もしかしたなら、
昔に帰る夢を見て、
小鳥の軽い体の中や、
若くて白いガゼルの気持ちに
なっていたかもしれません!
ああ!もう変身できないとは!
ああ!お守りを失ってしまったとは・・・
あの最初の陶酔の瞬間に!
よほど、あの時の
かりそめの獣の姿でいたかったわ。
でも、あの人の鷹の群れが
襲いかかって・・・ああ!
頭上に群れて・・・ああ!
そのうちの
一羽の鷹が
ああ・・・飛び去って行ったわ!
おお・・・見てよ。
あの赤い鷹・・・
昔、私を
翼で打ったわ・・・
そうよ・・・あの鷹よ!
おお、歓喜の昼間・・・
あの人と
あたしのための昼間!
あたしたちの
おともだちの鷹。
ようこそ、
きれいな鳥・・・
勇敢な狩人!
あたしたちを許したなら、
戻っておいで。
ほら、御覧なさい、
あんなに胸をはって!
あの枝の上にいるわ・・・
そんな目であたしを見つめて・・・
翼からは
血のしずく。
目からは
涙がこぼれ出て!
鷹よ!鷹よ!
なんでそんなに泣いてるの?

<鷹の声>
(嘆くように)
どうして泣かずにおれましょう?
どうして泣かずにおれましょう?
女は、影を地に投げず、
ミカドは、石にされるとは!

<皇妃>
最初の陶酔の時に、
あたしが失くした
あのお守り。
そこには呪いが
刻まれていた・・・
昔は解読できたのに、
今では忘れられている。
ああ、あの呪いが戻って来たのね・・・

<鷹の声>
女は、影を地に投げず、
ミカドは、石にされるとは!
どうして泣かずにおれましょう?

<乳母>
(声をくぐもらせながら繰り返す)
女は、影を地に投げず・・・!

<皇妃>
ミカドは、石にされるとは!
(感情を爆発させて)
乳母よ。いったい
どこで影を探せばいいの?

<乳母>
(声をくぐもらせて)
あの殿は、不遜にも、
姫君を
ご自分の同類にしようとしたのです・・・
ですが、それまでの
期限は切られておりました。
姫の心の結び目を
あの方は、ほどくことができなかった。
ゆえに、姫君は、「まだ生まれぬ命」を
お腹に宿さず、
影を投げることもありませんでした。
あの殿には当然の報いでございます!

<皇妃>
ひどいわ!お父さま!
お父様の手は
子供の私に重たくのしかかる。
でも、他の子供よりも
あたし、よっぽど強い女よ!

乳母よ。きっと
お前は知ってるわよね。
そのための手段を。
お前が知らないことは何もなく、
何一つとして、困難は無い。
影をあたしに与えてよ!
かわいい我が子に手を貸して!
(乳母の前にひざまずく)

<乳母>
(厳しい口調で)
呪文がかけられ、
誓いはなされたのです。
いくら全能の者達の名を
証人に呼ぼうが、
それに従うのが
あなたのつとめ!
(皇妃の力強い視線に負けて、どもりながら)
影をつくるためには・・・

あるいは、ひょっとして、

影を付けることはできるかも・・・。
ご自分で、
取りに行かねばなりませんが。
それがどこであっても、知りたいのですか?

<皇妃>
どこであろうが、
そこへ行く道を教えなさい。
そして、お前も一緒に来なさい!

<乳母>
(小声で、身の毛もよだつように)
人間達のところですよ!
ぞっとしませんか?
人いきれなんて、
あたしたちには、
死の空気ですよ。
この清浄な家でさえ、あたし達には、
さびた鉄のにおい、
こごった血のにおい、
古い死体のにおいがいたします!
たとえ、この家が、
星座に向かってそびえ、
はじける噴水を吹き上げ、
天国のように豊かな
清浄さに包まれていようとも!
なのに、ここから、
さらに深く下りて行くなんて!
あいつらと交わり、
いっしょに住み、
いっしょに働き、
会話をかわし、
息と息をからめ、
その意に沿って動き、
あいつらの悪さを身につけ、
バカな奴らにぺこぺこし、
仕えたりしなけりゃならないなんて!
ぞっとしないんですか?

<皇妃>
(きわめてきっぱりと、大声で)
影がほしいわ!
(大きく跳躍して)
一日がはじまる!
連れてって・・・
行きたいの!

(ぼんやりとした明け方の光)

<乳母>
一日がはじまるわ・・・。
人間の一日が。
におってきませんか?
もう震えてるんじゃないですか?
あれが太陽・・・
あいつらは、あれで影を投げる!
風は、裏切り者・・・
忍び足でやってきて、
あいつらの住みかへと
吹き寄せる。
あいつらの髪の毛を
逆立てながら!

(徐々に、曙光が射し込む)

(嘲りと軽蔑に満ちて)
これが一日。
人間の一日・・・
ひどい大混乱、
がつがつと、意味も無く、
歓びも知らずに
永久に探し求めてばかり!
(憎しみに満ちて、粗野に)
顔はたくさんあれど、
いい表情なんて、一つも無い・・・
目は見えているけれど、
いい眼差しなんて、どこにもない・・・
バカづらをした、体の曲がった奴ら。
カエルみたいだわ。クモかしら・・・
あたしたちから見れば、
笑うべき生き物よ!

あんな奴らのことを
どうやって理解しろって言うんです?
あいつらの家に入って、
その家の中で
あいつらに悪さをする・・・
そんなことが、あたしの仕事でしょうか!
あいつらの心は、泥棒の心よ・・・
ならば、あたしだって、
人の心を売ってやる!
詐欺師の中でも一番の
女詐欺師になってやるわ!
おばちゃんとも、母ちゃんとも、
勝手に呼ぶがいい!
息子と娘を
養子にいっぱいもらってやる。
害虫みたいに、あたしに群がるがいいさ!
さあ、お待ちあれ!楽しいものを見せるから!

<皇妃>
(乳母には気を留めずに)
ああ、いやだわ。
何て気持ち悪い!
どんな運命に
引きずり落とされていくの?

<乳母>
(体をぴったりと寄せて)
震えてるんですか?
願ったことを悔いてるんですか?
やっぱりここにいようと言うんですか?
影なんかほうっておきましょうか?

<皇妃>
もちろん、身の毛もよだつほどよ。
それでも、
私の心では、
気持ちが、私に命ずるの。
心に恐れていることをなせ!と。
いまや、
そのほかのことは、
する価値のあることとは
思えない!
一緒に行くのよ!

(曙の光が舞台全面を赤々と照らし出す)

<乳母>
それではご一緒に!
よくぞ、案内人に私を
お選びいただきました。
お嬢さま・・・可愛い方、
お待ちあれ、お待ちを!
あいつらの屋根目がけ、
羽ばたく術を心得ておりますから。
煙突をくぐっていく道を
存じておりまする。
そして、あいつらの
曲がりくねった心の小道も、
桟道も、谷間も、
十分存じておりまする。

(二人は、人間界の深淵へと身を沈め、オーケストラがその地上への旅を描写する)
(舞台のセカンドカーテンがさっと閉じられる)


(舞台転換)

(染物屋の家の中。がらんとした一室に、作業場と住まいがある。舞台左手後方にはベッドがあり、右手後方には出入り口のドアが一つだけある。舞台前方には、東洋風のみすぼらしいかまどがある。あちこちに、染められた布が竿に干されてぶらさがっている。長方形の水槽、大きな桶、鎖でぶらさがっているヤカン、大きな柄杓、攪拌用の竿、すりつぶし用の乳鉢、手回しのすりつぶし器が置いてある。
乾燥した草花は、束になってぶらさがっているかと思うと、別の所では壁に沿って積みあげられたりしている。黄褐色の地べたには、染料が水たまりのようになっており、部屋のあちらこちらに、濃い青や濃い黄色のしみがついている。)

(幕が上がると、「片目の男」が「片腕の男」の首を絞めている。若い「腰の曲がった男」が「片目の男」を引き離そうとしている。染物屋バラクの妻が後ろからやって来て、全員に水をぶっかけようと大桶の方へと向かう)


<片目の男>
(組み伏せた男を殴りながら)
泥棒め!これでもくらえ!
満足するまで、くらいやがれ!

<片腕の男>
(下から、ぜいぜい言いながら)
誰かこいつを引き離してくれ!
犬っころめ!人殺し野郎!

<腰の曲がった男>
助けてくれ!誰か!
絞め殺しあっている!

<バラクの妻>
(水をバシャッと振りかけて)
恥知らず達め!
犬ころみたいに野垂れ死ぬがいい!

(三人兄弟は、バラクの妻の行動により、起き上がって離れ離れになる。そのあと地べたにしゃがみながら、バラクの妻をののしる)

<片目の男>
バカにするんじゃねえ!よそもの女め!
物乞いの娘め!何様だと言うんだ?
俺たちゃ13人兄弟の子供だったが、
やって来た貧乏人に出す料理は、
いつも脂が乗って、湯気を立てていたぜ!

<腰の曲がった男>
美人さんよ、何だって俺らに手出しするんだ。
それぐらいなら、もっと兄貴にいいことをしてやれよ!

<片腕の男>
ほっとけ、みんな、女ごときに!

(ちょうどその時、染物師バラクがドアから入って来る)

<バラクの妻>
こいつらを、この家から追い出して!
ねえ、追い出してよ!
さもなきゃ、あんたのとこなんか、もういられない!

<バラク>
(落ち着いて)
お前ら、出て行ってくれ!
すすがねばならない布が
10個のかごに一杯なんだ。
ここに何の用があるんだ?

(3人兄弟は出て行く)
(バラクは、色の付いた動物の皮を重ね合わせて、うず高く積み上げる)

<バラクの妻>
あの男達を出入り禁止にして!
永久によ。
さもなくば、私が出て行くわ。
それで分かるわ。
あんたにとってのあたしの価値が。

<バラク>
(作業し続けながら)
ここにある食べ物で
あいつらは飢えをいやしているんだ。
この父親ゆずりの家以外のどこに
泊まれると言うんだ?
(妻は、怒って、黙りこむ)
(バラクは、前と同じように目を上げずに)
あいつらにも子供の時代があったんだ・・・
かがやく両眼、まっすぐな両腕、
しゃんとした背骨をしてたっけ。
あいつらの成長を見続けてきたんだ。
この父親ゆずりの家でな。

<バラクの妻>
(バラクを嘲って)
13人の子がいても、
料理は脂が乗って、
湯気を立てている・・・
もう一人、物乞いが来たとしても、
誰でも受け入れてやる、ですって!
(両手で耳をふさいで)

<バラク>
(ロープを持ってきて、袋の口をしばると、作業を中断して妻を見る)
13人の食事とやらが
必要ならば、
この俺の手で
作ってやるよ!
(立ち上がり、妻にぴったり寄り添いながら)
俺に子供を授けてくれないか?
夕食の食卓を囲む子供たちを。
誰にもお腹を空かせたりはさせないよ。
むしろ、その子たちの食欲を褒めてやるのさ。
そして、子供たちの空腹を満たすために、
俺が食事の注文を受けたことに、
心の底から礼を言うのさ。
(近付いてきて、そっと妻の体に触る)
いつ、お前は、俺に
子供を産んでくれるんだい?

(妻は後ろを向いていたが、バラクに触れられると、その手を振り払う)

<バラク>
(気を悪くしたりはせず、穏やかに)
おい。ここにいるのは、お前の夫だぞ。
触れることすらできないのかい?

<バラクの妻>
(バラクのほうを見ずに)
ここにいるのは私の夫。そうよ、夫よ。
知っているわよ。どういうことか。
ここに売り払われたのも、それを思い知るためよ。
この家にかこわれて、
保護され、餌を与えられてるのも、
そのことを思い知るためよ。
でも、今日から、もうそんなこと思い知りたくない。
何にも言わないし、何にもしないわ!

<バラク>
おいおい!いつか親切な女達が、
素晴らしい預言をしただろう。
お前の体についての預言だった。
俺が、彼女らが祝福した食べ物を
7回食べ、
お前がいつもと違うおかしな行動を
するようになったら・・・と言っていたな。
だから、俺は、お前がおかしな様子になったら、
喜んで、地面に頭を
ぬかずくつもりさ。
その変化に感謝をするつもりさ!
ああ、何という幸せだ。
胸に広がる期待と
歓喜!
(仕事に戻ろうとしゃがみこむ)

<バラクの妻>
あの、ただれ目の女達は、預言をしたけれど、
それは、あたしの体には
何の関係も無いことよ。
あんたが、夕方に何を食べたって、
あたしの心を変えさせることはできない。
(小声で)
もう2年半、
あたしはあなたの妻だった・・・
だけど、あなたは、あたしから、
何の実りも得なかった。
あたしを
母にはできなかった。
そうなろうとすることを、
あたしの心は、
もう諦めたわ・・・
だから、あなたも、
そんな願いは持たないで。
そう思っていたいとしても・・・。

<バラク>
(心から厳粛さと敬虔さをあふれさせて)

お前の若い口から出て来るのは、
冷たい反抗的な
言葉ばかりだが、
祝福を受けさえすれば
取り消される言葉ばかりだ。
だから、俺は、怒らずに、
心楽しく、
待とう。
待っているよ。
いつかやって来る
素晴らしい子供たちを。

(バラクは巨大な袋の口を縛ると、それをいったんかまどの上に持ち上げる。そのあと、袋の上に屈み込んで、ひもの端っこを前に持ってくると、背中に背負い、そのまま立ち上がる)


<バラクの妻>
(陰鬱に独りごちる)
この家には、
誰一人新しい人間は来ないわ。
むしろ、この家からは、
さっさと出て行きたいぐらいよ。
(ほとんど声を出さずに)
どのみちそうするんだから、
明日と言わず、今日そうしたいわ。

<バラク>
(バラクは、最後の言葉は耳に入らず、善良そうに妻にうなずく。巨大な荷物を背負って、重たい足取りで進み、ドアに向かいながら独りごとを言う)
俺は、売り物を自分で市場に担いで行くのさ。
運んでくれるロバすらいやしない!
(出て行ってしまう)

(一人残された妻は、舞台前方の、包みのようなものの上に腰掛けている)

(空中に、ふわりとした雲のような、薄明かりのような、きらっとした輝きのようなものが現れる)
(乳母は白黒の継ぎはぎだらけの衣裳をし、皇妃は女中の身なりをして、その場に現れるが、二人ともドアから中には入ろうとしないでいる)


<バラクの妻>
(いきなり立ち上がって)
あんた方、何の用?
どこから来たの?

<乳母>
(へりくだって、バラクの妻の足にキスをする)
ああ!なんて類いなく美しい方!
稲妻が燃えているようなお方!
娘よ、ご覧!あたし達、どなた様の御前にいるんでしょうね?
この奥方はどなたなの?
お付きの女はどこにいるの?
いったいどうして、こんなあばら家に一人でいるの?
(うやうやしくバラクの妻の足下に屈んでいたが、身を起こす)質問してよろしゅうございますか?奥様?
あの男は、あなた様のしもべの一人、
使者たちの一人ででもありましょうか?
袋を背負った体の大きな
いかつい男。もう若くはなく、
ぱっくり開いた大きな口と下賤な額をした男ですよ。

<バラクの妻>
なによ、目をパチクリさせて。あんたなんか見たこともないし、どこから来たかもわからない・・・
でも、あたしはお見通しよ。ほんとは知っているくせに。
その染物師の男が、あたしの夫で、
あたしの住みかは、ここだということを。

<乳母>
(勢いよく立ち上がると、とてつもなく驚いたように)
ああ、娘や!驚いたわ!
このお方が、染物師バラクの妻なんて?
おいで、娘や!お許しが出ましたよ・・・
このお方の、まつ毛と頬をよくご覧なさい。
若々しい椰子の木のように
華奢な体を見れば、思わず叫んでしまうでしょう。
ああ、なんてこと!・・・って。

<皇妃>
この方の影に口づけさせてほしいわ!

<乳母>
あわれ!このお人は、あの男に子供を作る定めなのに!
ここで一人、朽ち果てる定めとは!
ああ、目に見えぬ運命よ!偶然の悪巧みよ!

<バラクの妻>
(不安げに乳母の前にやって来て)
ひどいわ!あたしをからかいに来たのね!
そんな話をして、じろじろ見つめて、
あたしを、神と人との目の前で
バカな女として扱おうという魂胆ね。
(泣きだす)

<乳母>
(皇妃を前のほうに連れて来て、わざと驚いたふりをしながら)
娘よ、残念ですけど、もう行きましょう!
この人はあたし達を追っ払うし、お仕えを受け入れてもくれないようだわ。きっと、もう秘密をご存知だから、相手にしてくれないのね。行きましょう!

<バラクの妻>
(急に立ち上がって)
いったい何の秘密よ?
とても不思議な人ね!
ねえ、口止めするなら、守るわ。
いったいどんな秘密があると言うの?

<乳母>
(深々と頭を垂れ)
あなたが買ったものの秘密ですわ。
あなたに与えられたご褒美の秘密ですわ。
そのおかげで全てを手にすることができるんだもの。

<バラクの妻>
誓って言うけど、昔も今も、そんな買い物したことないし、そんな褒美をもらったことも無いわ!

<乳母>
あらあら、奥方さま。信じられるとお思いですか?
あなたの影、この黒い「虚無」を、
あなたは背後の地面に投げている。
なのに、この名状しがたいものが、あなたの「売り」でないなんて・・・
ましてや、消え去ることの無い魅力、
際限の無い力を、
世の男達に対して発揮するものだというのに。

<バラクの妻>
(影を探して、ぐるりと振り返る)
ありふれた女の
曲がった影よ!
誰が、こんなものに
一円たりと出すと言うのよ?

<乳母>
欲しがりの買い物客は、何でも出すわ、何でもよ。
ねえ、うらやましい奥方さま。
例えようもないあなたが、
影を脱ぎ捨て、こちらに差し出すだけでいいのよ!
ほら!奴隷たちなら
お望み次第で何人でも。
錦と絹の着物もあるから、
1時間ごとに着替えて楽しんでいいのよ。
らばもあげるし、家もあげるわ。
噴水もあれば、お庭もあげる。
夜ごとに恋人たちが訪ねて来るわ。
華やかな若い時代がずっと続くの。
測り知れないほど長い時間・・・
これが、みんな、あなたのものになるのよ。
さあ、女主人さま、
影を差し出してくださいな!

(その時、空がぴかっと光り、そちらに手を伸ばすと、バラクの妻に、真珠と宝石をあしらった高価なヘアバンドを手渡す)

<バラクの妻>
えっ、これをあたしの髪に?
いい人ね、あなたって!
だけど、あたしは貧しくて、
鏡を一つも持っていない!
あそこの水槽で
髪を整えて来るわ!

<乳母>
お許しいただければ、
あたしが、つけて差し上げますわ!

(乳母はバラクの妻の目に手をかざすと、そのままバラクの妻と一緒に姿を消してしまう。先ほどまで染物師の部屋があった所には壮麗な離宮が建ち、その中が見える。そこは貴族の婦人の居間である。
床には、綺麗な絨毯が敷きつめられており、色とりどりの服を着た女奴隷たちが控えている。彼女らは地べたから身をもたげると、ひざまずきながら後ろの方に耳を澄まし、鉄琴が響き交わすような甘い声で呼びかける)


<侍女たち>
ああ、奥さま、やさしい奥さま!ああ!

(乳母に連れられて舞台左手後方から部屋に入って来たバラクの妻は、マントに身を包んだ以外はほとんど何も身にまとわず、あたかも風呂上がりのような姿で、頭には真珠のヘアバンドを付けている。乳母とともに、ひざまずく女奴隷たちの間を通り抜け、舞台右手前方に置いてある楕円形の大きな金属製の鏡の前に進む。そこに腰を下ろすと、驚いて自分の姿を見つめる)


<皇妃の声>
この鏡像と引き換えよ。
うつろな影を手放さない?

<少年の声>
(まるでその声に答えるように)
この鏡像のためならば、
心も命も惜しくない!

<バラクの妻>
ああ、最高の世界!うつつに夢を見てるみたい!

(だがバラクの妻が口を開くとともに、全ては色褪せ、消え行き始める)

<侍女たち>
やだ!こんな早く!
奥さま!ああ、奥さま!

(染物師の家が再び建っていて、前と同じように乳母がいて、皇妃は傍に立っている。着飾っていたものは消えてしまい、貧しい服を着た染物師の妻は、よろめいて乳母にしがみつく)

(乳母と皇妃は目を見交わす)

<バラクの妻>
(とても興奮して)
あたし、すぐにも
そうしたいわ・・・
あたし、どうやったら脱ぎ捨てられる?
投げ捨てられる・・・?
地面にはりついている
あたしの影を。
ねえ、早く教えて!
善良な賢い人たち!
ねえ、教えてよ、今すぐに!

(乳母は周りを見渡し、あたかも証人を呼ぶかのように、皇妃に来るように合図する)
(バラクの妻は、もはや苛立ちを抑えることができない)

<乳母>
血の涙を流す価値なんてあるかしら?
あの横柄な男に、子供を作ってあげられなかったからって。
昼夜を問わず、渇望する意味なんぞあるかしら?
大勢の子ども染物師を、あなたの中から
この世に送り出すことなんて。
体を軍勢の行軍路にして、
細い体を踏み荒らさせることなんて?
両の乳房をしおれさせ、
今の綺麗さを、さっさと捨ててしまうことなんて?

<バラクの妻>
(小声で)
心の中では、もうあきあき。母親になるなんて・・・
一度もそんな経験はないけれど。
この家に住んではいるけれど、
夫は、私のなかにやって来ないわ!
だから、もう約束したの。
もう誓ったの。
心の中では。

<乳母>
ならば、母性を
捨て去りなさい!
あなたの体から
永遠に!
差し出しなさい、
軽蔑をからだ全体で
表しながら・・・
その重たい者たちを。
産まれていない者たちを!
世にも稀なるお方!
いと高き松明の光!
女主人さま!素晴らしい女性!
今はただ成り行きを見守るのです・・・
全能の者達の
名にかけて
盟約が結ばれ、
命令が下されたのです!
3日間、
我らはあなたにお仕えします。
この家の中で、
この娘と私は。
そう取り決めました!
3日が過ぎれば、
その報酬として、
口から口へ、
手から手へ、
知恵のある手と
誓いを果たす口で
あなたは影を
私達に差し出し、
歓喜に満ちた
生活を始めるのです!
男女の奴隷と
噴水と庭、
黄金のドームを楽しんでください・・・

<バラクの妻>
(急に話を遮って)
黙って、静かに・・・
夫が帰って来たみたい!
(暗い口調で)
あの人、夕食をほしがるわ。
まだ準備をしてないのに。
きっと夜の添い寝もほしがるわ。
(ほとんど声を出さずに)
でも、そんなことしたくない。

<乳母>
(急いで)
あなた様は、もう一人ではございません・・・
侍女がいるではないですか。
この子とあたしでございます。
朝から昼まで
お仕えします・・・
貧乏な親戚として
扱ってくれればいいのです。
ただし、あなたがお休みになる
真夜中だけは、
少しの間
ほっといてくださいませ。
それを知ることは、誰にも許されぬのです!
さあ、急ぎましょう!するべきことをしなければ!

(いきなり一陣の風が舞台に吹き込んで来て、舞台は次第に忍びよってくる薄暗がりの中に包まれていく)


<乳母>
(命令口調で)
桶から5匹の魚たち、
油の中へ飛んで行け。
フライパンよ、受け止めよ!
炎よ!起これ!
こっちに来い!染物師バラクのベッド!
客たちよ、帰れ!もと来た所へ!

(乳母は、命令するように、音も無く手を打ち鳴らす)

(5匹の魚が、きらきら光りながら空中を飛んできて、フライパンの中に収まる。下のかまどの火が燃える。夫婦のベッドが半分に割れると、舞台のかなり前方の地面には、一人分の細長いベッドが現れる。
一方、舞台後方のバラクの妻のベッドは、カーテンで覆われたように見える。こうしたことが起こっている間に、乳母と皇妃は音も無く空中に消えて行く。炎の明かりは、薄暗くなっていく空間にちらちらと燃えている。

バラクの妻は一人で立ち尽くし、驚きのあまり身動きせずにいる。その時、突然、空中から、フライパンの中の魚の声でもあるかのように、不安げな5人の子供たちの声が響き始める)

<子供たちの声>
お母さん、お母さん、ぼくらを家に入れてよ!
ドアに鍵がかかって、入れない。
真っ暗だよお!怖いよお!
ああ、お母さん!悲しいよお!

<バラクの妻>
(得体の知れないことへの恐怖にとらえられ、途方に暮れて、辺りを見渡す)
ぞおっとするわ、何なのよ?
炎の中からすすり泣く声は?

<子供たちの声>
(ますます迫るように)
真っ暗だよお!怖いよお!
お母さん、お母さん、ぼくらを家に入れてよ!
でなけりゃ、お父さんを呼んでおくれよ・・・
父さんなら、きっとドアを開けてくれるから!

<バラクの妻>
(激しく恐怖して)
ああ、水はないかしら?
こんな炎は消してやる!

(下のかまどの火の勢いは、みるみる弱くなっていく)

<子供たちの声>
(消え去って行くように)
お母さん、何てひどい!何て冷たい心なの!

(バラクの妻は舞台前方の包みに腰を下ろし、額から冷や汗をぬぐう)

<バラク>
(ぎゅうぎゅうづめの籠を担いで現れ、穏やかに独り言を言う)
俺は、売り物を自分で市場に担いで行くのさ。
運んでくれるロバすらいやしない!

(バラクの妻は大儀そうに立ち上がると、舞台後方のベッドへと向かい、カーテンを開け、一言も口を利かない)

<バラク>
(舞台前方にやって来て)
いいにおいだな。
油で魚を焼いてるな。
でも何で食べに来ないんだ?

<バラクの妻>
(後ろから)
あんたの食事はあるでしょ。
あたしは休みたいの。
今日からそれがあんたのベッドよ。

<バラク>
(ベッドに気付くと、穏やかだが、いやそうに)
これが俺のベッド?誰だ、こんなことしたのは?

<バラクの妻>
(自分の居場所から)
明日から、親戚の女が二人ここで寝るわ。
だから、私は、その女達のために、
足もとに寝床を作ったの。
言った通りにするだけよ。
(カーテンを閉める)

<バラク>
(あきらめて服の中からパンを一切れ取り出して、それを食べると、地べたに腰を下ろす)
前に言われたっけなあ・・・
あいつの話がおかしくなって、
おかしな行動をするようになった時・・・と。
これが初めてのことだ。
だが、これを我慢するのもきついなあ。
飯が、まるで美味しくないぞ。

<番人たちの声>
この町に住む夫婦(めおと)たちよ。
そなたたち自身の命より、相手のことを愛し合え。
心せよ・・・そなたたちの命のために、
命の種を委ねられたのではないぞ。
さにあらず!そなたたちの愛のためなのだ!

<バラク>
(振り返りながら)
なあ、おまえには、番人たちの声は聴こえるかい?

(答えはない)

<番人たちの声>
愛の抱擁のうちに眠りにつく夫婦(めおと)たちよ。
そなたたちは、谷に掛けられた橋なのだ。
そこから死者が再び命に戻るためのかけ橋だ!
聖なるかな!そなたたちの愛の結晶よ!

<バラク>
(もう一度耳を澄まし、後ろを振り返るが、無駄である。深くため息をつくと、体を伸ばして眠りにつく)
そうあってくれれば!
ERSTER AUFZUG

Auf einem flachen Dach über den kaiserlichen Gärten.
Seitlich der Eingang in Gemächer matt erleuchtet

AMME
kauernd im Dunkel
Licht überm See –
ein fliessender Glanz –
schnell wie ein Vogel! –
Die Wipfel der Nacht
von oben erhellt –
eine Feuerhand
will fassen nach mir –
bist du es, Herr?
Siehe, ich wache
bei deinem Kinde,
nächtlich in Sorge und Pein!

BOTE
tritt aus der Finsternis hervor, geharnischt, von blauem Licht umflossen
Nicht der Gebieter,
Keikobad nicht,
aber sein Bote!
Ihrer elf
haben dich heimgesucht,
ein neuer mit jedem schwindenden Mond.
Der zwölfte Mond ist hinab:
der zwölfte Bote steht vor dir.

AMME
beklommen
Dich hab' ich nie gesehn.

BOTE
streng
Genug: ich kam
und frage dich:
wirft sie einen Schatten?
Dann wehe dir!
Weh uns allen!

AMME
triumphierend, aber gedämpft
Keinen! Bei den gewalt'gen Namen!
Keinen! Keinen!
Durch ihren Leib
wandelt das Licht,
als wäre sie gläsern.

BOTE
finster
Einsamkeit um dich,
das Kind zu schützen.
Vom schwarzen Wasser
die Insel umflossen,
Mondberge sieben
gelagert um den See –
und du liessest, du Hündin,
das Kleinod dir stehlen!

AMME
Von der Mutter her
war ihr ein Trieb
übermächtig
zu Menschen hin!
Wehe, dass der Vater
dem Kinde die Kraft gab,
sich zu verwandeln!
Konnt' ich einem Vogel
nach in die Luft?
Sollt' ich die Gazelle
mit Händen halten?

BOTE
Lass mich sie sehn!

AMME
leise
Sie ist nicht allein:
Er ist bei ihr.
Die Nacht war nicht
in zwölf Monden,
dass er ihrer nicht hätte begehrt!
Er ist ein Jäger
und ein Verliebter,
sonst ist er nichts!
Im ersten Dämmer
schleicht er von ihr,
wenn Sterne einfallen,
ist er wieder da!
Seine Nächte sind ihr Tag,
seine Tage sind ihre Nacht. –

BOTE
sehr bestimmt
Zwölf lange Monde
war sie sein!
Jetzt hat er sie noch
drei kurze Tage!
Sind die vorbei: –
sie kehrt zurück
in Vaters Arm.

AMME
mit gedämpftem Jubel
Und ich mit ihr!
O gesegneter Tag!
Doch er?

BOTE
Er wird zu Stein!

AMME
Er wird zu Stein!
Daran erkenn' ich Keikobad
und neige mich!

BOTE
verschwindend
Wahre sie du!
Drei Tage! Gedenk!

KAISER
tritt in die Tür des Gemaches
Amme! Wachst du?

AMME
Wache und liege
der Hündin gleich
auf deiner Schwelle!

KAISER
tritt hervor, schön, jung, im Jagdharnisch.
Es dämmert schwach.

Bleib und wache,
bis sie dich ruft!
Die Herrin schläft.
Ich geh' zur Jagd.
Heute streif' ich
bis an die Mondberge
und schicke meine Hunde
über das schwarze Wasser,
wo ich meine Herrin fand,
und sie hatte den Leib
einer weissen Gazelle
und warf keinen Schatten
und entzündete mir das Herz.
Wollte Gott, dass ich heute
meinen roten Falken wiederfände,
der mir damals
meine Liebste fing!
Denn als sie mir floh
und war wie der Wind
und höhnte meiner –
und zusammenbrechen
wollte mein Ross –,
da flog er
der weissen Gazelle
zwischen die Lichter –
und schlug mit den Schwingen
ihre süssen Augen!
Da stürzte sie hin
und ich auf sie
mit gezücktem Speer –
da riss sich's in Ängsten
aus dem Tierleib,
und in meinen Armen
rankte ein Weib! –
O dass ich ihn wiederfände!
Wie wollt' ich ihn ehren! –
Den roten Falken!
Denn ich habe mich versündigt gegen ihn
in der Trunkenheit der ersten Stunde:
denn als sie mein Weib geworden war,
da stieg Zorn in mir auf
gegen den Falken,
dass er es gewagt hatte,
auf ihrer Stirn zu sitzen
und zu schlagen
ihre süssen Lichter!
Und in der Wut
warf ich den Dolch
gegen den Vogel
und streifte ihn,
und sein Blut tropfte nieder. –
Seinen Blick vergesse ich nie!

AMME
lauernd
Herr, wenn du anstellst
ein solches Jagen –
leicht bleibst du dann fern über Nacht?

KAISER
Kann sein, drei Tage
komm' ich nicht heim!
Hüte du mir die Herrin
und sag ihr: wenn ich jage –
es ist um sie
und aber um sie!
Und was ich erjage,
mit Falke und Hund,
und was mir fällt
von Pfeil und Speer:
es ist anstatt ihrer!
Denn meiner Seele
und meinen Augen
und meinen Händen
und meinem Herzen
ist sie die Beute
aller Beuten
ohn' Ende!

schnell ab

Morgendämmerung stärker,
man hört Vogelstimmen

AMME
zu einigen Dienern, die sich allmählich um den Kaiser versammelt hatten
Fort mit euch!
Ich höre die Herrin!
ihr Blick darf euch nicht sehn!

die Diener auf und hinab, lautlos

KAISERIN
tritt aus dem Gemach
Ist mein Liebster dahin,
was weckst du mich früh?
Lass mich noch liegen!
Vielleicht träum' ich
mich zurück
in eines Vogels leichten Leib
oder einer jungen,
weissen Gazelle!
O dass ich mich nimmer verwandeln kann!
O dass ich den Talisman verlieren musste
in der Trunkenheit der ersten Stunde!
Und wäre so gern
das flüchtige Wild,
das seine Falken
schlagen – sieh! –
Da droben, sieh! –
Da hat sich einer
von seinen Falken –
sieh – verflogen!
Oh, sieh doch hin,
der rote Falke,
der einst mich
mit seinen Schwingen –
ja, er ist's!
O Tag der Freude
für meinen Liebsten
und für mich!
Unser Falke,
unser Freund!
Sei mir gegrüsst,
schöner Vogel,
kühner Jäger!
Er hat uns vergeben,
er kehrt uns zurück.
Oh, sieh hin,
er bäumt auf!
Dort auf dem Zweige –
wie er mich ansieht –
von seinem Fittich
tropft ja Blut,
aus seinen Augen
rinnen ja Tränen!
Falke! Falke!
Warum weinst du?

STIMME DES FALKEN
klagend
Wie soll ich denn nicht weinen?
Wie soll ich denn nicht weinen?
Die Frau wirft keinen Schatten,
der Kaiser muss versteinen!

KAISERIN
Dem Talisman,
den ich verlor
in der Trunkenheit der ersten Stunde,
ihm war ein Fluch
eingegraben –
gelesen einst,
vergessen, ach!
Nun kam es wieder: –

STIMME DES FALKEN
Die Frau wirft keinen Schatten,
der Kaiser muss versteinen!
Wie soll ich da nicht weinen?

AMME
dumpf wiederholend
Die Frau wirft keinen Schatten!

KAISERIN
Der Kaiser muss versteinen!
ausbrechend
Amme, um alles,
wo find' ich den Schatten?

AMME
dumpf
Er hat sich vermessen,
dass er dich mache
zu seinesgleichen –
eine Frist ward gesetzt,
dass er es vollbringe.
Deines Herzens Knoten
hat er dir nicht gelöst,
ein Ungebornes
trägst du nicht im Schoss,
Schatten wirfst du keinen.
Des zahlt er den Preis!

KAISERIN
Weh, mein Vater!
Schwer liegt deine Hand
auf deinem Kind.
Doch stärker als andre
noch bin ich!
– – – – – – – –
Amme, um alles,
du weisst die Wege,
du kennst die Künste,
nichts ist dir verborgen
und nichts zu schwer.
Schaff mir den Schatten!
Hilf deinem Kind!
Sie fällt vor ihr nieder

AMME
streng
Ein Spruch ist getan
und ein Vertrag!
es sind angerufen
gewaltige Namen,
und es ist an dir,
dass du dich fügest!
unter der Gewalt ihres Blickes, stockend
Den Schatten zu schaffen
– – – – – – – –
wüsst' ich vielleicht,
– – – – – – – –
doch dass er dir haftet,
müsstest du selber
ihn dir holen.
Und weisst du auch wo?

KAISERIN
Sei es wo immer,
zeig mir den Weg,
und geh ihn mit mir!

AMME
leise und schauerlich
Bei den Menschen!
Graust's dich nicht?
Menschendunst
ist uns
Todesluft.
Uns riecht ihre Reinheit
nach rostigem Eisen
und gestocktem Blut
und nach alten Leichen!
Dies Haus, getürmt
den Sternen entgegen,
emporgetrieben spielende Wasser
buhlend um Reinheit
der himmlischen Reiche!
Und nun von hier
noch tiefer hinab!
Dich ihnen vermischen,
hausen mit ihnen,
handeln mit ihnen,
Rede um Rede,
Atem um Atem,
erspähn ihr Belieben,
ihrer Bosheit dich schmiegen,
ihrer Dummheit dich bücken,
ihnen dienen!
Graust's dich nicht?

KAISERIN
sehr bestimmt und gross
Ich will den Schatten!
mit grossem Schwung
Ein Tag bricht an!
Führ mich zu ihnen:
ich will!

fahles Morgenlicht

AMME
Ein Tag bricht an,
ein Menschentag.
Witterst du ihn?
Schaudert's dich schon?
Das ist ihre Sonne:
der werfen sie Schatten!
Ein Verräter Wind
schleicht sich heran,
an ihren Häusern
haucht er hin,
an ihren Haaren
reisst er sie auf!

allmählich Morgenrot
– – – – – – – –
voll Hohn und Geringschätzung
Der Tag ist da,
der Menschentag –
ein wildes Getümmel,
gierig – sinnlos,
ein ewiges Trachten
ohne Freude!
wild und hasserfüllt
Tausend Gesichter,
keine Mienen –
Augen, die schauen,
ohne zu blicken –
Kielkröpfe, die gaffen,
Lurche und Spinnen –
uns sind sie zu schauen
so lustig wie sie!
– – – – – – – –
Sie zu fassen
verstünde ich schon –
mich einzunisten –
ihnen Streiche zu spielen
im eigenen Haus –
ist mein Element!
Diebesseelen sind ihre Seelen –
so verkauf' ich
einen dem andern!
Eine Gaunerin bin ich
unter Gaunern,
Muhme nennen sie mich
und Mutter gar!
Ziehsöhne hab' ich
und Ziehtöchter viel,
hocken wie Ungeziefer auf mir!
Warte, du sollst was sehn!

KAISERIN
ohne auf die Amme zu achten
Weh, was fasst mich
grässlich an!
Zu welchem Geschick
reisst's mich hinab?

AMME
dicht an ihr
Zitterst du?
Reut dich dein Wünschen?
Heissest uns bleiben?
Lässest den Schatten dahin?

KAISERIN
Mich schaudert freilich,
aber ein Mut
ist in mir,
der heisst mich tun,
wovor mich schaudert!
Und kein Geschäfte
ausser diesem,
das wert mir schiene
besorgt zu werden!
Hinab mit uns!

Das Morgenrot flammt voll auf

AMME
Hinab denn mit uns!
Die Geleiterin hast du
dir gut gewählt,
Töchterchen, liebes,
warte nur, warte!
Um ihre Dächer
versteh' ich zu flattern,
durch den Rauchfang
weiss ich den Weg,
und ihrer Herzen
verschlungene Pfade,
Krümmen und Schlüfte,
die kenne ich gut.

Sie tauchen hinab in den Abgrund der Menschenwelt, das Orchester nimmt ihren Erdenflug auf.
Der Zwischenvorhang schliesst sich rasch.


Verwandlung

Im Hause des Färbers. Ein kahler Raum, Werkstatt und Wohnung in einem. Hinten links das Bett, hinten rechts die einzige Ein- und Ausgangstür. Vorne die Feuerstätte, alles orientalisch-dürftig. Gefärbte Tücher an Stangen zum Trocknen aufgehängt da und dort; Tröge, Eimer Zuber, an Ketten hängende Kessel, grosse Schöpflöffel, Rührstangen, Stampfmörser, Handmühlen; Büschel getrockneter Blumen und Kräuter aufgehängt, anderes dergleichen an den Mauern aufgeschichtet, Farbmassen in Pfützen auf dem Lehmboden; dunkelblaue, dunkelgelbe Flecke da und dort.

Beim Aufgehen des Vorhanges liegt der Einäugige auf dem Einarmigen, würgt ihn. Der Junge, Verwachsene sucht den Einäugigen wegzureissen. Die Färbersfrau kommt von rückwärts herzu, sucht nach einem Zuber, die Streitenden mit Wasser zu beschütten.

EINÄUGIGER
schlägt auf den unter ihm Liegenden
Dieb! Da nimm!
Unersättlicher Nehmer!

EINARMIGER
unten, röchelnd
Reiss ihn nach hinten!
Hund den! Mörder!

BUCKLIGER
Zu Hilfe, Bruder!
Sie würgen einander!

FRAU
beschüttet sie
Schamlose ihr!
Eines Hundes Geschick über euch!

Die drei Brüder, auf das Tun der Frau, auf und auseinander; fauchen, an der Erde hockend, gegen die Frau.

EINÄUGIGER
Willst du uns schmähen, Hergelaufene!
Du Tochter von Bettlern, wer bist denn du?
Unser waren dreizehn Kinder,
aber für jeden Armen, der kam,
standen die Schüsseln und dampften von Fett!

BUCKLIGER
Was hebst du die Hand gegen uns, du Schöne,
bist doch unserm Bruder mit Lust zu Willen!

EINARMIGER
Lass sie, Bruder, was ist ein Weib!

Barak, der Färber tritt eben in die Tür.

FRAU
Aus dem Haus mir mit diesen!
Du, schaff sie mir fort!
Oder es ist meines Bleibens nicht länger bei dir!

BARAK
gelassen
Hinaus mit euch!
Ist Zeug zum Schwemmen
zehn Körbe voll,
was lungert ihr hier?

Die drei Brüder gehen ab.
Barak schichtet gefärbte Tierhäute übereinander zu einem mächtigen Haufen.

FRAU
Sie aus dem Hause,
und das für immer,
oder ich.
Daran will ich erkennen,
was ich dir wert bin.

BARAK
weiter schaffend
Hier steht die Schüssel,
aus der sie sich stillen.
Wo sollten sie herbergen,
wenn nicht in Vaters Haus?
{Frau schweigt böse.
Barak wie vorher ohne aufzusehen}
Kinder waren sie einmal,
hatten blanke Augen, gerade Arme,
einen glatten Rücken.
Aufwachsen hab' ich sie sehn
in Vaters Haus.

FRAU
ihn höhnend
Für dreizehn Kinder
standen die Schüsseln
dampfend vor Fett –
kam noch ein Bettler,
Platz war für jeden!
Sie hält sich die Ohren zu.

BARAK
holt ein Tau, den Pack zu schnüren; hält inne, sieht sie an
Speise für dreizehn,
wenn es not tut,
schaff' ich auch
mit diesen zwei Händen!
hat sich aufgerichtet, steht dicht bei ihr
Gib du mir Kinder, dass sie mir hocken
um die Schüsseln zu Abend,
es soll mir keines hungrig aufstehn.
Und ich will preisen ihre Begierde
und danksagen im Herzen,
dass ich bestellt ward,
damit ich sie stille.
Er tritt näher rührt sie leise an.
Wann gibst du mir
die Kinder dazu?

Die Frau hat sich abgekehrt; wie er sie anrührt, schüttelt sie's.

BARAK
arglos, behaglich
Ei du, 's ist dein Mann, der vor dir steht –
soll dich der nicht anrühren dürfen?

FRAU
ohne ihn anzusehen
Mein Mann steht vor mir! Ei ja, mein Mann,
ich weiss, ei ja, ich weiss, was das heisst!
Bin bezahlt und gekauft, es zu wissen,
und gehalten im Haus
und gehegt und gefüttert,
damit ich es weiss,
und will es von heut ab nicht wissen,
verschwöre das Wort und das Ding!

BARAK
Heia! Die guten Gevatterinnen,
haben sie nicht die schönen Sprüche
gesprochen über deinen Leib,
und ich hab' siebenmal gegessen
von dem, was sie gesegnet hatten,
und wenn du seltsam bist
und anders als sonst –
ich preise die Seltsamkeit
und neige mich
zur Erde
vor der Verwandlung!
O Glück über mir
und Erwartung
und Freude im Herzen!
Er kniet nieder zur Arbeit.

FRAU
Triefäugige Weiber, die Sprüche murmeln,
haben nichts zu schaffen
mit meinem Leib,
und was du gegessen hast vor Nacht,
hat keine Gewalt über meine Seele.
leise
Dritthalb Jahr
bin ich dein Weib –
und du hast keine Frucht
gewonnen aus mir
und mich nicht gemacht
zu einer Mutter.
Gelüsten danach
hab' ich abtun müssen
von meiner Seele:
Nun ist es an dir,
abzutun Gelüste,
die dir lieb sind.

BARAK
mit ungezwungener Feierlichkeit und Frömmigkeit des Herzens
Aus einem jungen Mund
gehen harte Worte
und trotzige Reden,
aber sie sind gesegnet
mit dem Segen der Widerruflichkeit.
Ich zürne dir nicht
und bin freudigen Herzens,
und ich harre
und erwarte
die Gepriesenen,
die da kommen.

Barak hat den gewaltigen Pack zusammengeschnürt, hebt ihn auf den Herd und lädt ihn von da, indem er sich bückt und das Ende des Strickes vornüberzieht, auf seinen Rücken, beladen richtet er sich auf.

FRAU
finster vor sich
Es kommen keine
in dieses Haus,
viel eher werden welche hinausgehn
und schütteln den Staub von ihren Sohlen.
fast tonlos
Also geschehe es,
lieber heute als morgen.

BARAK
nickt ihr gutmütig zu, ohne auf ihre letzten Worte zu hören; indem er unter der gewaltigen Last schwer gehend, den Weg zur Tür nimmt, für sich
Trag' ich die Ware mir selber zu Markt,
spar' ich den Esel, der sie mir schleppt!
er geht.

Die Frau, allein, hat sich auf ein Bündel oder einen Sack gesetzt, der vorne liegt.

Ein Heranschweben, ein Dämmern, ein Aufblitzen in der Luft.
Die Amme, in einem Gewand aus schwarzen und weissen Flicken, die Kaiserin, wie eine Magd gekleidet, stehen da, ohne dass sie zur Tür hereingekommen wären.

FRAU
ist jäh auf den Füssen
Was wollt ihr hier?
Wo kommt ihr her?

AMME
nähert sich demütig, ihr den Fuss zu küssen
Ach! Schönheit ohnegleichen!
Ein blitzendes Feuer!
Oh! Oh! Meine Tochter, vor wem stehen wir?
Wer ist diese Fürstin,
wo bleibt ihr Gefolge?
Wie kommt sie allein in diese Spelunke?
Sie hebt sich furchtsam aus der fussfälligen Lage.
Verstattest du die Frage, meine Herrin?
War dieser einer von deinen Bedienten
oder von deinen Botengängern,
der Grosse mit einem Pack auf dem Rücken,
solch ein Vierschrötiger, nicht mehr Junger,
mit gespaltenem Maul und niedriger Stirne?

FRAU
Du Zwinkernde, die ich nie gesehn
und weiss nicht, wo du hereingeschlüpft bist –
dich durchschaue ich so weit: Du weisst ganz wohl,
dass dieser der Färber und mein Mann ist,
und dass ich hier im Hause wohne.

AMME
springt auf die Füsse, wie in masslosem Erstaunen
O meine Tochter, starre und staune!
Die wäre das Weib des Färbers Barak?
Heran, meine Tochter, es wird dir verstattet:
betrachte dir diese Wimpern und Wangen,
betrachte dir diesen Leib in der Schlankheit
des ganz jungen Palmbaums und schreie:
Wehe!

KAISERIN
Ich will den Schatten küssen, den sie wirft!

AMME
Wehe! Und das soll ihm Kinder gebären!
Und das soll einsam hier verkümmern!
O des blinden Geschicks und der Tücke des Zufalls!

FRAU
geht ängstlich vor ihr zurück
Weh, dass du gekommen bist, meiner zu höhnen!
Was redest du da und was starrst du auf mich
und willst mich zu einer Närrin machen
vor Gott und den Menschen.
sie weint

AMME
mit gespieltem Erstaunen, indem sie die Kaiserin fortzieht
Wehe, mein Kind, und fort mit uns!
Diese weist uns von sich und will nicht unsere Dienste.
Sie kennt das Geheimnis und will unser spotten, fort mit uns!

FRAU
steht jäh auf
Welches Geheimnis,
du Unsagbare du!
Bei meiner Seele und deiner,
welches Geheimnis?

AMME
neigt sich tief
Das Geheimnis des Kaufs
und das Geheimnis des Preises,
um den du dir alles erkaufst.

FRAU
Bei meiner Seele und dem Jüngsten Tag,
ich weiss von keinem Kauf, ich weiss von keinem Preis!

AMME
O meine Herrin, soll ich dir glauben,
dass du deinen Schatten,
dies schwarze Nichts
hinter dir auf der Erde,
dass dir dies Ding ohne Namen nicht feil ist –
auch nicht um unvergänglichen Reiz
und um Macht ohne Schranken
über die Männer?

FRAU
dreht sich nach ihrem Schatten um
Der gekrümmte Schatten
eines Weibes, wie ich bin!
Wer gäbe dafür
auch nur den schmählichsten Preis?

AMME
Alles, du Benedeite, alles
zahlen begierige Käufer, du Herrin,
wenn eine Unnennbare deinesgleichen
abtut ihren Schatten und gibt ihn dahin!
Ei! Die Sklavinnen und die Sklaven,
so viele ihrer du verlangest,
und die Brokate und Seidengewänder,
in denen du stündlich wechselnd prangest,
und die Maultiere und die Häuser
und die Springbrunnen und die Gärten
und deiner Liebenden nächtlich Gedränge
und dauernde Jugendherrlichkeit
für ungemessene Zeit –
dies alles ist dein,
du Herrscherin,
gibst du den Schatten dahin!

Sie greift in die aufblitzende Luft und reicht der Frau ein köstliches Haarband aus Perlen und Edelsteinen.

FRAU
Dies in mein Haar?
Du Liebe, du! –
Doch ich armes Weib,
ich hab keinen Spiegel!
Dort überm Trog
mach' ich mein Haar!

AMME
Verstattest du,
ich schmücke dich!

Sie legt ihr die Hand auf die Augen; sogleich ist sie selbst samt der Frau verschwunden. An Stelle des Färbergemaches steht ein herrlicher Pavillon da, in dessen Inneres wir blicken: es ist das Wohngemach einer Fürstin. Der Boden scheint mit einem Teppich in den schönsten Farben bedeckt, doch sind es Sklavinnen in bunten Gewändern. Sie heben sich nun von der Erde, lauschen kniend nach rückwärts, rufen mit süssen, wie ein Glockenspiel ineinanderklingenden Stimmen:

DIENERINNEN
Ach, Herrin, süsse Herrin! Aah!

Durch eine kleine Tür rückwärts, links, tritt die Frau, geführt von der Amme, in das Gemach. Sie ist fast nackt, in einen Mantel gehüllt, gleichsam aus dem Bade kommend, sie trägt das Perlenband ins Haar gewunden. Sie geht mit der Amme durch die knienden Sklavinnen quer durch, an einen grossen, ovalen Metallspiegel, der rechts vorne steht Dort setzt sie sich und sieht sich mit Staunen.

STIMME DER KAISERIN
Willst du um dies Spiegelbild
nicht den hohlen Schatten geben?

STIMME DES JÜNGLINGS
gleichsam antwortend
Gäb ich um dies Spiegelbild
doch die Seele und mein Leben!

FRAU
O Welt in der Welt! O Traum im Wachen!

Wie die Frau den Mund auftut, verbleicht alles und beginnt zu entschwinden.

DIENERINNEN
Weh! Zu früh!
Herrin! Ach Herrin!

Das Färberhaus steht wieder da, die Amme wie früher, die Kaiserin seitlich; die Färberin in ihrem ärmlichen Gewand – der Schmuck ist verschwunden – klammert sich taumelnd an die Amme.
Die Amme und die Kaiserin wechseln einen Blick.

FRAU
sehr aufgeregt
Und hätt' ich gleich
den Willen dazu –
wie tät' ich ihn ab
und gäb' ihn dahin –
den an der Erde,
ihn, meinen Schatten?
Nein, sag doch schnell!
du Kluge, du Gute!
Jetzt sag es, schnell!

Die Amme sieht sich um, winkt die Kaiserin heran, gleichsam als Zeugin.
Die Frau kann ihre Ungeduld kaum bemeistern.

AMME
Hat es dich blutige Tränen gekostet,
dass du dem Breitspurigen keine Kinder geboren hast?
Und lechzt dein Herz darnach bei Tag und Nacht,
dass viele kleine Färber durch dich eingehen
sollen in diese Welt?
Soll dein Leib eine Heerstrasse werden
und deine Schlankheit ein zerstampfter Weg?
Und sollen deine Brüste welken
und ihre Herrlichkeit schnell dahin sein?

FRAU
leise
Meine Seele ist satt worden der Mutterschaft,
eh' sie davon verkostet hat.
Ich lebe hier im Haus,
und der Mann kommt mir nicht nah!
So ist es gesprochen
und geschworen
in meinem Innern.

AMME
Abzutun
Mutterschaft
auf ewige Zeiten
von deinem Leibe!
Dahinzugeben
mit der Gebärde
der Verachtung
die Lästigen,
die da nicht geboren sind!
Du Seltene du!
Du erhobene Fackel!
O du Herrscherin, o du Gepriesene unter den Frauen,
nun sollst du es sehn und es erleben:
angerufen werden
gewaltige Namen
und ein Bund geschlossen
und gesetzt ein Bann!
Tage drei
dienen wir dir
hier im Haus,
diese und ich,
dies ist gesetzt!
Sind die vorbei,
dem Dienst zum Lohn
von Mund zu Mund,
von Hand zu Hand
mit wissender Hand
und willigem Mund
gibst du den Schatten
uns dahin
und gehest ein
in der Freuden Beginn!
Und die Sklavinnen und die Sklaven
und die Springbrunnen und die Gärten
und Gewölbe voll Tonnen Goldes –

FRAU
unterbricht sie jäh
Still und verschwiegen:
ich höre meinen Mann, der wiederkommt!
finster
Nun wird er verlangen nach seinem Nachtmahl,
das nicht bereit ist,
und nach seinem Lager,
fast tonlos
das ich ihm nicht gewähren will.

AMME
hastig
Du bist nicht allein:
Dienerinnen hast du,
diese und mich.
Morgen zu Mittag
stehn wir dir in Dienst:
als arme Muhmen
musst du uns grüssen,
nach Mitternacht nur,
indessen du ruhest,
entlässest du uns
für kurze Frist,
das braucht niemand zu wissen!
jetzt schnell, was nottut!

Ein Windstoss durchfährt plötzlich den Raum, den die allmählich einsetzende Dämmerung in Halbdunkel getaucht hat.

AMME
befehlend
Fischlein fünf aus Fischers Zuber,
wandert ins Öl,
und Pfanne empfang' sie!
Feuer, rühr dich!
Hierher, du Bette des Färbers Barak!
Und fort mit den Gästen, von wo sie kamen!

Die Amme hat befehlend in die Hände geschlagen, lautlos.
– Die Fischlein fliegen blinkend durch die Luft herein und landen in der Pfanne, das Feuer unteren Herd flammt auf, die Hälfte des ehelichen Lagers hat sich abgetrennt, und es ist ganz im Vordergrund eine schmälere Lagerstatt für einen einzelnen erschienen, indessen hinten das Lager der Frau durch einen Vorhang verhängt erscheint – und indes dies alles geschah, sind die Amme selbst und die Kaiserin lautlos durch die Luft verschwunden. Der Feuerschein flackert durch den dämmernden Raum. Die Frau steht allein und starr vor Staunen. Plötzlich ertönen aus der Luft, als wären es die Fischlein in der Pfanne, ängstlich fünf Kinderstimmen.

KINDERSTIMMEN
Mutter, Mutter, lass uns nach Hause!
Die Tür ist verriegelt, wir finden nicht ein,
wir sind im Dunkel und in der Furcht!
Mutter, o weh!

FRAU
in höchster Angst über das Unbegreifliche, ratlos um sich blickend
Was winselt so grässlich
aus diesem Feuer?

KINDERSTIMMEN
dringender
Wir sind im Dunkel und in der Furcht!
Mutter, Mutter, lass uns ein!
Oder ruf den lieben Vater,
dass er uns die Tür auftu'!

FRAU
in grosser Angst
O fänd' ich Wasser,
dies Feuer zu schweigen!

Die Flamme unteren Herd wird zusehends schwächer.

KINDERSTIMMEN
verhauchend
Mutter, o weh! Dein hartes Herz!

Die Frau sinkt vorne auf ein Bündel, wischt sich den Angstschweiss von der Stirne.

BARAK
erscheint in der Tür mit einem vollgepackten Korb beladen; für sich, behaglich
Trag' ich die Ware mir selber zu Markt,
spar' ich den Esel, der sie mir schleppt.

Die Frau hebt sich mühsam, geht nach hinten an ihr Lager, hebt den Vorhang und sagt nichts.

BARAK
kommt nach vorne
Ein gepriesener Duft
von Fischen und Öl.
Was kommst du nicht essen?

FRAU
von rückwärts
Hier ist dein Essen.
Ich geh' zur Ruh'.
Hier ist jetzt dein Lager.

BARAK
wird's gewahr, gemässigt unwillig
Mein Bette hier? Wer hat das getan?

FRAU
von ihrer Stelle
Von morgen ab schlafen zwei Muhmen hier,
denen richt' ich das Lager zu meinen Füssen
als meinen Mägden. So ist es gesprochen,
und so geschieht es.
Sie zieht den Vorhang vor.

BARAK
indem er resigniert ein Stück Brot aus dem Gewand zieht, und, dieses essend, sich auf die Erde setzt
Sie haben mir gesagt,
dass ihre Rede seltsam sein wird
und ihr Tun befremdlich
die erste Zeit.
Aber ich trage es hart,
und das Essen will mir nicht schmecken.

STIMMEN DER WÄCHTER
Ihr Gatten in den Häusern dieser Stadt,
liebet einander mehr als euer Leben
und wisset: nicht um eures Lebens willen
ist euch die Saat des Lebens anvertraut,
sondern allein um eurer Liebe willen!

BARAK
indem er sich umwendet
Hörst du die Wächter, Kind, und ihren Ruf?

Keine Antwort

STIMMEN DER WÄCHTER
Ihr Gatten, die ihr liebend euch in Armen liegt,
ihr seid die Brücke, überm Abgrund ausgespannt,
auf der die Toten wiederum ins Leben gehn!
Geheiligt sei eurer Liebe Werk!

BARAK
horcht abermals, nach rückwärts gewendet, vergeblich; er seufzt tief auf und streckt sich zum Schlaf hin
Sei's denn!


Creative Commons License
この日本語テキストは、
クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
の下でライセンスされています。
@wagnerianchan
最終更新:2022年08月11日 11:17