"魔笛"

対訳

訳者より

  • 『魔笛』のリブレットを読んで、すぐ気付くのは次のことです。まず第一に、比較的簡単なドイツ語で書かれていることです。使用単語数が少ないので、ドイツ語学習用にピッタリかも知れません。これは、「貴族」ではなく「民衆」を観客に想定したこのオペラにとっては必須のことだったと思います。モーツァルトの音楽の力も相まって、『魔笛』は1791年9月30日(死の66日前)の初演後、空前の大ヒットとなり、死の直前にその喜びを感じることができたのが、モーツァルトにとっては、せめてもの救いだったと思います。第二に、「歌芝居」(ドイツ語では「ジングシュピール」)であることです。ですから、ナンバーが付いている楽曲以外では、音楽なしのセリフのやり取りが多くなります。実際の上演では、セリフ部分はカットされることも多いのですが、話の筋をつかむ上で重要なことが書いてありますので、一度目を通してみると理解が深まって良いのではないでしょうか。

管理人より

  • 掲載している『魔笛』リブレットはシカネーダーの生台本である可能性があり(詳細は未確認です)、通常の『魔笛』上演で歌われている内容と完全に一致していません。生台本になぜか欠けている「俺は鳥刺し・3番」などを追記し、生台本との差異が分かるようにドイツ語をフォント色グレーで示しました。

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最終更新:2018年09月22日 08:54