第8場

(伯爵が劇場ホールから非常に元気よく入って来る)

伯爵
(感激して)
なんてすてきな出会いだ!彼女の魅力的なこと、たまらないよ!

伯爵令嬢
(彼をからかって)
》移ろいやすいものにだけ心惹かれる!《

伯爵
彼女は私の台詞回しを褒めてくれた、私の演技に感激したと言ってくれた。

伯爵令嬢
あなたは賛美されたと思い、虜になったのね。甘い葦笛はお追従の言葉。私たちは、賛美してくれる者を愛しがちだから、しばしば、自分が賛嘆すると、愛していると信じ込むのよ。


伯爵
明晰な理性は、万物の輪廻を認識し判断するということか。


伯爵令嬢
痛い目にあわないでね、お利口なお兄様!

伯爵
では君は、私が感情の戯れで正気を失うと思っているのか?


伯爵令嬢
恋をすると、判断するのは心よ!

伯爵
理性と美がそれほど燦然と輝いて支配していては、抗うのは愚行だな。

伯爵令嬢
それなら美に敬意を表してね、その価値はお分かりでしょう。私の立場はもっと深刻なの!考えてもみて、二人とも私に激しい愛の告白をしたのよ。

伯爵
実に面白くなってきた!きっかけは何だ?

伯爵令嬢
詩人の忠誠。

伯爵
あの劇中のソネットか?

伯爵令嬢
それを私の前で朗読したの。

伯爵
それが君の心を動かした?

伯爵令嬢
あんまり…

伯爵
では君は冷たいまま?

伯爵令嬢
でもない、聞いてよ、だって彼が…

伯爵
誰のこと?フラマン?

伯爵令嬢
彼が作曲してからというもの!

伯爵
何?彼がソネットを作曲した!

伯爵令嬢
詩人がぎょっとして。

伯爵
それでオリヴィエは何と言ってる?

伯爵令嬢
不機嫌そうだったわ、それからもの思いに沈んだの。見るからに動揺して、ともかく唖然としてた。

伯爵
(慇懃にあだっぽい声色で)
そして二人はひとつになり…

伯爵令嬢
(彼の口調に呼応して)
我が心に押し寄せる!

伯爵
それでどうなるんだ?

伯爵令嬢
多分何も…オペラがひとつとか!

伯爵
オペラがひとつ?素敵じゃないか!私の妹はミューズだ!

伯爵令嬢
冗談は勘弁して!じゃあお選びになって、お兄様なら!


伯爵
言葉か音楽か…私ならやっぱり言葉だね。

伯爵令嬢
クレロンとうまくやってね!

伯爵
(気取ってお辞儀して)
一人の中にヴィーナスがいて、ミネルヴァがいる。


第9場

(クレロン、支配人、詩人が劇場ホールから楽しそうに登場。それに続いて反対側から音楽家が登場)


支配人
ではサロンの世界に戻ろう…

オリヴィエ
稽古は終わった。

支配人
時代を変えて…

クレロン
伝説上の登場人物から、サロンの掟に従って役を演じる人間に変身よ。


伯爵
(クレロンに)
いつも有難い役ばかりじゃない!

クレロン
それは台詞次第じゃないかしら?

伯爵令嬢
お相手にはご満足で?

クレロン
機知と演劇の才をお示しになってよ。考えてもみて、プロンプターが寝てしまうんですもの。

支配人
あなたの劇に良からぬ前兆!

オリヴィエ
あなたのプロンプターはいつも寝てる!

クレロン
…なのに伯爵は、見事に役を落とすこともなく、朗誦を続けた。冷静沈着な、滅多にない例ですわ。


伯爵
(クレロンに)
今日の晩は我々とご一緒してくださるのを、期待してもいいでしょうかな?

クレロン
残念ですけどパリに戻らないと。明日リュクサンブール宮殿で大きな祝祭がありますの。私たちはヴォルテールの》タンクレッド《を上演するんです。私、まだ一生懸命覚えないと。ご覧になった通り、プロンプターも寝てしまうこともありますから。

(執事長が数人の召使いを連れて登場。伯爵令嬢の合図でココアを準備する)


伯爵令嬢
(クレロンに)
お出掛けになる前に、お飲物をいかがですか。

支配人
もう少しで韻文の大海原に飲み込まれてしまうところだった!一杯のココアですっきりだ。そこで、お嬢様、あなたの采配の下でこのココアを頂く間に、目と耳とにちょっとしたお楽しみを。踊り子が一人とイタリア人歌手が二人!



伯爵令嬢
喜んで楽しませていただきますわ。
(支配人の合図で劇場ホールから若い踊り子一人と三人の音楽家が登場。クラブサンが後方に移される。音楽家たちは譜面台を持ってその周りに集まる。伯爵令嬢は左手前方に腰掛ける。彼女の傍に音楽家が立っている。右手前方にはクレロン。詩人は即座に彼女と並んで席に就く。舞台上で、音楽家たちの音楽に合わせて、踊り子は優美な踊りを始める。踊りの間、召使いたちは目立つことなく飲物を配る)





Ⅰ.ダンス
パスピエ(注:17世紀にパリで流行したブルターニュ風ダンス)

支配人
(興味津々に踊り子を見つめている伯爵に、興奮して話し掛ける)
どう思います!まさに優美さの化身!最近の掘出物です!ピカデリー出身の小娘です。子爵の所に、いたんです。

(伯爵の耳にじかにその名前を囁く)
秘かに囲ってたんですよ。
(伯爵は改めて興味を持って、柄付きめがねで食い入るように踊り子を見る)
計略を練って、まさに彼女をおびき出す瞬間が来ました。今では私のバレエスクールで仕込んでいます。おお!天賦の才ですな!将来は国王のお傍近くでという大いなる未来を私は予言しますよ。明日はコンティ公の》四美神のサロン《で踊ります。見てください、何たる身のこなし!この若さ!夢だ!



Ⅱ. ダンス
ジーグ(注:急速度で軽快なダンス)

(次の会話は、他の人たちは聞いていない中でなされる。他の人たちは目の前で繰り広げられるダンスにすっかり注目している)

オリヴィエ
(クレロンの隣りに座って)
君が来てくれて、どう感謝したらいいかな?君が僕の詩を語ると、心が奪われる!

クレロン
私、あなたを決してこれ以上有頂天にさせまいと、固く決心してますの。結構です、お愛想は。


オリヴィエ
では僕たちの間ではこの先ずっと敵意のある沈黙が支配すると?


クレロン
実りある対話は二度と生れることはないでしょう。

オリヴィエ
代わりにありそうなのが、伯爵と君の間でもうすぐそういう対話が始まるということか。

クレロン
奇跡を夢見る鳥、哲学者。彼は自分の若さに仮面をつけている。仮面をした男たちを私は昔から信用してないの。


オリヴィエ
君の魔力は彼をも籠絡するだろうね。

クレロン
そんなに上手く未来が予言できるなら、私たちの仲は過去のことだってことも、お分かりでしょう。


オリヴィエ
とても美しい過去。

クレロン
(精気に満ちて)
大騒動して終わった。
(立ち上がって)
幕が下りたのね!
(彼女は彼を立たせ、自分は伯爵夫人の隣りに座る)

支配人
(二人が不和のうちに別れたのに気が付いて、詩人の方を向く)
まあ、君が彼女の思い出の中で目立った役をするようには、思えないな!


Ⅲ、ダンス
(ガヴォット)

伯爵
(踊り子に)
君の芸術は私を魅了し、熱狂させるよ。あたかも思考が我々の精神を身体から解き放して、我々をより高い世界に置くかのように、ダンスは地上の重力を克服してしまう。心を動かす音楽に伴われて、体が浮いているように見える。


(踊り子は膝を曲げて挨拶して劇場ホールに退場。支配人は彼女の後に続くが、すぐに戻って来る)
そしてここにいる我が友、フラマン君、正直に言わなくちゃいけないよ、君の芸術は支配者ではなくて、
(退場する三人の音楽家に感謝の合図をしながら)
ひとつの添え物だ、もちろん見事ではあるが。

フラマン
魅力的な見当違いですね!音楽がなければ、誰も脚を上げようなんて思いつきませんよ。

フーガ

オリヴィエ
舞踊と音楽はリズムに縛られ、太古の昔からリズムに隷属している。

フラマン
君の詩の韻律のほうが遥かに強い束縛だよ。

オリヴィエ
詩人の思考はその中で自由に振舞うのだ。形式と内容の境界に誰が線引きできよう?

フラマン
地上の形式の中で捉え難い高次元のもの、それは音楽だ!それは天空に上昇し、思想に押し入られることはない。

オリヴィエ
捉え難い響きではなく、明晰な言葉で僕は思想を形にする。これは音楽には永遠に拒まれていることだ。


フラマン
僕の思想は旋律だ。旋律はより深いことを、言い表しがたいことを伝える。ひとつの和音の中で君はひとつの世界を体験するのだ。

支配人
あいつらは芸術の序列をめぐって言い争っている。無駄な骨折りだ!私の舞台という領域ではあらゆる芸術が奉仕するんだ。


伯爵
我々はもう、我らが時代の焦眉のテーマについての議論の、真最中にいるわけですな。

フラマン
音楽は高尚な芸術です!劇場という虚妄(まやかし)にしぶしぶ奉仕しているだけです。

伯爵令嬢
虚妄ではないわ!舞台というのは現実の中にある秘密を暴くのよ。魔法の鏡を見るように私たち自身の姿を認めるの。劇場は人生というものの、心を掴む表象なの。


支配人
その至高の女神は、想像力。あらゆる芸術はそれに隷属する。詩も絵画も彫刻も音楽も。君らの言語はどこにあるんだ、朗唱や歌唱がなければ君らの音楽は何だ?俳優を通しての、その人物の魔力を通しての上演がなければ、その衣裳がなければ?えっ、その仮面がなければ?


クレロン
そう、その通り!

支配人
君たちは自分のデスク仕事を買いかぶりすぎだ!

オリヴィエ
詩作の精神というのは世界の鏡。詩作品はあらゆる芸術の母なのです!

フラマン
音楽はすべてが湧き出る根源。自然の響きというのはあらゆる芸術の子守歌を歌っているのです。

オリヴィエ
人間の言語こそが、萌え出る大地だ。


フラマン
苦痛の叫びは言語以前にもうあった!

オリヴィエ
だが苦悩を意味することができるのは言語だけだ。悲劇の本当の深みを表現できるのは詩作だけだ。音楽では決して表わすことはできない!


伯爵令嬢
あなたは今それを言うの、ひとりの天才が私たちに、音楽による悲劇というものがあると教えてくれている、この瞬間に?

伯爵
待て!これ以上行くと目の前は奈落だ!もう我々はあの》オペラ《ってやつに向き合っているんだ。


伯爵令嬢
美しい見ものね、私に言わせれば。

クレロン
独特なものね、音楽と言葉からなるこの産物は。


伯爵
(大声で割り込む)
それにレチタティーヴォ!レチタティーヴォ!

オリヴィエ
作曲家と詩人は、それを世に出すまでには、互いにひどく邪魔しあい、言いようもないむだ骨を折っているのです。


伯爵
オペラというのは不条理なものだ。歌って命令が下され、二重唱で政治について論じられる。墓の周りで踊ったり、短剣で刺すのも旋律にのってだ。

クレロン
私は、オペラでアリアを歌いながら人が死ぬのには馴染めるけど。だけど何故いつも詩が音楽より劣るのかしらね?音楽のお陰で詩は初めてその表現の力を発揮できるってことね。


伯爵令嬢
グルックの場合は違うわ。彼が詩人を先導するの、グルックは私たちの心の情熱というものを知っていて、詩人の中に隠れている力を呼び起こすんです。

オリヴィエ
彼の場合も言葉はまだ、僕には指揮棒の継子みたいなものだ。


フラマン
彼の場合だけは、音楽はもはや下女ではありません!言葉と対等に、音楽が歌うのです。

伯爵
レチタティーヴォさえなければね!レチタティーヴォの、あの鉛のような退屈さが好きな奴がいるか?

オリヴィエ
際限なくだらだら続きますからね。

伯爵
あれには旋律の甘さも、力強い語りの魅力もないよ。


フラマン
あなたの批判してるのは古い様式のオペラです。我らが巨匠の》アコンパニャート《は古代のモノローグの力を持っています。その悲劇の中でオーケストラの豊かさがクライマックスを作ります。

クレロン
それでアリアは?なくなるの?

支配人
我らがオペラの不治の衰弱は耳を聾するほど喧しいオーケストラのせいだ。その唸りと騒ぎが声を飲み込んでしまい、歌手は叫び声を強いられる。


伯爵
台本がいいか悪いかなんて、重要じゃない。どうせ誰も理解できないんだから。

支配人
歌心はどこにあるんだ、神々の賜物は?人間の声、最古の楽器、それが迫害されて奴隷になっている。イタリア古来の歌の伝統はなくなってしまった!ベルカントは死に瀕している!



クレロン
劇的な最期ね!

オリヴィエ
彼のご宣託はひどく誇張されているように僕には思える。


伯爵令嬢
(皮肉っぽく)
その命が消えてしまう前に、ラ・ロシュさん、あなたの歌手を聞かせてください。私たちだってイタリアの歌唱芸術の生命力について知りたいと思っていますもの。


(支配人が合図すると、イタリア人のソプラノとテノールが入って来る)

フラマン
(皮肉っぽく)
あなたの》奉仕する《芸術を試しに聞かせてください!

支配人
メタスタージオの台本によるイタリアオペラの二重唱をお聞きください。

伯爵令嬢
論争はうまく終りね。
(歌手は二重唱を始める。伯爵は愛想よくクレロンにもう一杯ココアを持ってきて、隣に座る)


イタリア人歌手の二重唱

テノール
サラバ、我ガ生命ノ君ヨ、サラバ、
我ガ運命ヲ泣キ給ウナ、
我ハ不幸ニアラズ、
君ノ真心アルヲ知レバナリ。
ミモトニテ死ヌニアラズバ、
我ガ胸ノ偶像ノ人ヨ、
我ガ愛スル美シキ御名ヲ
口ズサミツツ我ハ死ナン。

ソプラノ
運命ノ君ヲ遠ザクルナラバ、
我ガ胸ノ偶像ノ人ヨ、
我ガ愛スル美シキ御名ヲ
口ズサミツツ我ハ死ナン。

テノール
サラバ、我ガ生命ノ君ヨ、サラバ、

ソプラノ
サラバ、
我ガ瞳ノ光ヨ。

伯爵令嬢
とても明るい》アディーオ《ね。そう思わない、フラマン?台本が音楽にあまり合っていないみたいね。


伯爵
ブラヴォー!ブラヴォー!美しいカンティレーナ(小歌曲)の中では言葉なんて全くどうでもよくなる。

フラマン
やっぱり芸術ですよ、明るい旋律であのように大きな苦悩を表現できるのは。

オリヴィエ
この芸術の美点だね、つまり残酷な出来事にもかかわらず心地よく慰めを感じるのだ。

テノール
モシ君ニ真心アラバ、
ホカニ何ヲ欲スベケンヤ?

ソプラノ
モシ佳キ人ウセナバ、
ホカニ何ノ望ミアランヤ?

テノール
暗キ満足ノ思イ、
ワガ感ズルゴトキモノヲ、
カツテ体験セシコトナシ!

ソプラノ
荒キ責苦ノ思イ、
ワガ感ズルゴトキモノヲ、
カツテ体験セシコトナシ!

テノール
サラバ、我ガ生命ノ君ヨ、サラバ、

ソプラノ
サラバ我ガ瞳ノ光ヨ。
(四方八方から温かい拍手。伯爵令嬢は二人を招いて、飲物を勧める。伯爵とクレロンは前の方に座ったままでいる)


伯爵
あなたをパリにお送りして、そこでもう少しお付き合いいただけますでしょうか?

クレロン
私は明日に備えて役をさらえないといけないの。それをお聞きになるおつもり?

伯爵
万事あなたの思し召しのままに!

クレロン
そんふうに言ってはだめですよ。

伯爵
何故せめて言ってはだめというのは?

クレロン
あなたが実際に思っていることを口に出すことは滅多にないって、私、確信してましてよ。

伯爵
それではあなたは私の考えていることを言い当てられるとでも?

クレロン
それを難しいことだとお思いですの?

伯爵
あなたの下さる台詞は、いつも答えやすいという訳ではありません。

クレロン
あなたの世界観をぐらつかせることがないのでしたら、ついて来ても構いませんわ。

伯爵
あなたは僕を幸せにしてくれる!

クレロン
とても聡明なお方ね。他の常套句もお上手なことは、間違いないわね。


伯爵令嬢
(支配人と一緒に再び前方に来て)
ナポリの歌手のお二人も私の誕生祝いに興を添えて頂けるかしら?

支配人
勿論ですとも、しかしあの二人は私の大掛かりなプログラムの中ではごく一部にすぎませんけど。

オリヴィエ
何日も前からあなたが秘密の計画を披露してくれるのを虚しく待ってるんです。

フラマン
僕たちは、そろそろ教えてもらえるんじゃないかと待ち焦がれてるんです。

伯爵令嬢
ではそろそろあなたの壮大なプログラムというのを発表しなさいな!

支配人
奉献祝祭劇、つまり我が一座総出演の大》活劇《は二部構成です。まず最初に崇高なる寓意劇の上演、》女神アテネの誕生《、アテネがゼウスの頭部から生まれる!



伯爵
何だって?

支配人
と伝説は伝えています。ゼウスはメティスとの間に子供をこしらえた後、この母親を吞み込んだ…

伯爵
どうやって?丸吞みしたのか?

フラマン・オリヴィエ
丸吞みした?

伯爵令嬢・クレロン
丸吞みした?

オリヴィエ
カワカマスのように吞み込んだのです、優しい恋人を…


クレロン
愛情から?

伯爵
愛情から?なんて優しい!

伯爵令嬢
愛情から?

伯爵
空腹から!

フラマン
ジュノーを恐れて!

支配人
(話を続ける)
ゼウスの体内で娘は成長した。

オリヴィエ
恋人を嫉妬深い妻から隠したんだ!

クレロン
浮気を隠す、奇妙な手段だこと!は!は!


支配人
父の精神を宿す子として、彼女は神ゼウスの頭から不意に跳び出す!

オリヴィエ
それでゼウスは?

支配人
鎧兜に身を固め、コーラスに迎えらる。

フラマン
は!は!

オリヴィエ
そんな出産でもゼウスはご機嫌!

支配人
大地は揺れ…

フラマン
ものすごい頭痛がして…

支配人
太陽は動かない!

クレロン
それで母親は?

フラマン
…疑問の余地なし!

クレロン
どこにいるの?

支配人
ティンパニーとシンバルが…

フラマン
跡形もなく消えたままだ!

支配人
…宇宙の興奮を描写する!

オリヴィエ
彼女は彼の胃の中!

伯爵
滑稽な思いつきだ!

八重唱
第Ⅰ部

笑いのアンサンブル

伯爵令嬢
みんなは彼を嘲笑するけど、彼は大真面目。威張って愉快ね。は!は!根はいい人、年はとっても若々しい情熱を持っている!彼の想像力は奇跡の花を咲かせる。彼の無邪気さは本当に魅力的だわ!


クレロン
彼はいつもながら思いつきが独創的。大胆な改革者ね!は!は!詩的な思いが、自然のまま表現される!は!は!ゼウスを運命的な状況に置くなんて!は!は!特殊な父の喜び!は!は!とっぴな考えね!は!は!


伯爵
は!は!彼は全く大真面目だ!劇場の奴らは全くばかだ!は!は!奴らは自分らの凝り固まった考えの月光の中で生きている。は!は!笑っちゃうね!鎧兜に身を固めて彼の頭から飛び出すだって。は!は!滑稽な思いつきだ!私の妹の誕生日の余興にぴったりだ!は!は!


テノール
みんな彼を嘲笑する、彼は不機嫌になる、どうすりゃいいんだ?

ソプラノ
このケーキすばらしいわ!ひとつどうぞ、ガエターノ!

テノール
思うに、今日はもうギャラは貰えないね。


ソプラノ
言ったじゃない、この宮殿に来る前に、今日早めに請求するようにって。

テノール
彼ひとりじゃなかったんだ、どうしてそんなことができる‼

ソプラノ
このケーキすばらしいわ!舌でとろけそう!ひとつどうぞ、ガエターノ!

テノール
彼女ときたら食べて、食べて、飲んで、食べて!

ソプラノ
怒鳴らないで、ガエターノ、このケーキすばらしいわ!ひとつどうぞ、あんた。ここにはオレンジ!シチリアの果物よ、全部、種がとってある。大満足!


テノール
(彼女を叱りつける)
スペインのワインをそんなに飲むな!

フラマン
僕らの目の前であの神の巨大な頭からすべり出るだって!は!は!楯と槍を手に、鎧兜に身を固めて‼ 》不意に彼女は跳び出て来る《 シンバルとティンパニーの音と共に!チン!チン!ブム!ブム!チン!チン!ブム!ブム!太陽は動かない!


オリヴィエ
は!は!彼の演出の奇跡がもう分かったよ。ヘパイトスが、あのでかい鍛冶屋が登場する!は!は!奴はハンマーを振り回す。は!は!激しく殴りつける…は!は!奴はかち割る、ゼウスの頭蓋骨を、あの神の子が、出られるように…は!は!この世の光の中へと!愛の結晶だ!は!は!頭がうずき、彼は救済される!は!は!そして合唱は神の出産を賛美して歌う。



支配人
思うに、あの二人は私を嘲笑してる!伯爵もすっかりご機嫌だ!上っ面だけの俗人たち!奴らは神話を笑いものにする。今の若い者には、畏敬の念がない。神聖なものが何もない。無神論者のやからめ。本当に、奴らは笑っている!私のインスピレーションを理解しない!無神論者のやからめ。暗澹たる未来に奴らは向かっている!無分別に、笑いながら!



伯爵令嬢
まあ!私たちの笑いで侮辱されたと感じているのが、分かるわ。不満をぶちまけそう、私が慰めてあげないと。(彼女は支配人の方を向く)あなたの想像力に私たちがびっくりしているのがお分かりでしょう。あなたの大胆な構想が劇場で表現されるか、私たち心配ですのよ。私たちの悲観論をあまり本気になさらないでね。大目に見てください。だって私たちは素人なんです。あなたの演出術は私たちにもっといいことを教えてくれますわ。それであなたの祝典の第二部は何を扱いますの?


支配人
英雄を扱った非常に劇的な》カルタゴの滅亡《です。舞台セットも背景画も見事に描いてありますぞ。素早く動く装置と群衆!町は炎上し、火の海、息もつけないほどです!あの透ける装飾は、ボヘミアンガラスで作った棒を、後ろから照らすと、燃え上る赤!火の鏡は、ガラスのプリズム!四千本の蝋燭、百個の燭台!瀝青の輪、あらゆる大きさの松明!大揺れするガレー船は私が設計しました。稲妻と落雷が舞台を覆い、炎に包まれたいくつもの帆船、燃えさかる難破船!港には潮が満ちる!宮殿が崩れ落ちる…




フラマン
やめてくれ!結末は分かってる!

オリヴィエ
最後に廃墟で壮大なバレエ!


八重唱
第Ⅱ部

(喧嘩のアンサンブル)

支配人
だがまあ聞いてくれよ!全く別の終わり方だ。

フラマン
時代遅れのがらくた…

オリヴィエ
機械仕掛け!

フラマン
入場行進曲…

オリヴィエ
水の音楽!

フラマン
無意味な行列…

オリヴィエ
不毛の豪華さ!

フラマン
洪水に神格!エキストラに松明!


オリヴィエ
大昔の古道具!

伯爵令嬢
あらまあ!今あの二人が攻撃しまくってる。私の助け舟は根本的に失敗ね。この状態は彼にとって羨ましくはないわね!羨ましいのは誰かしら?彼らの論拠は惨憺たるもの!本当にそう思っているの?彼が気の毒!あの二人は実際やり過ぎよ。オリヴィエ!フラマン!二人は残忍になってる。争いというのはいつだって激しく燃え上がる!彼は負けそう!どうして二人はあんなに激しく彼を脅すのかしら?どうするつもり?この争いが本当に気まずく終わるのではないかと、心配だわ。


伯爵
今や真剣だ!…陽気な口喧嘩だって!…あの二人ときたら奴をすり鉢ですり潰すかのようだ…もう何もなくなる…奴に残るものは!
は!は!は!高尚な芸術がつかみ合いの喧嘩をしている。芸術の使徒が争っている、仲間うちで、歯をむき出し、殴り合いを始める!奴らがすべてを重要視してるなら、何て滑稽だ!は!は!二人は奴をさんざんにこきおろしてる。奴がスペクタクルなバレエで楽しませようとしたからだ。何たる不公平!窮地のラ・ロシュ!大した見ものだ!は!は!は!奴はびっくり仰天して、言葉を失っている。評判の奴の機転はどこへいった?どうやってここを切る抜けるかだ?


フラマン
舞台装置が主役を演じる、大スペクタルだ!


オリヴィエ
役者なしの展示品!

フラマン
あなたの芝居は、百年前の亡霊が僕たちの時代を覗いているようなもの!

オリヴィエ
詩人なしで済まそうと…何のための韻文か?

フラマン
音楽はそもそも話題にもならなかった!

二人
言葉か音楽かだって?は!何て質問だ?》宙乗りかセリか《と言わなくちゃ!もういい!黙れ!とっくに終わった時代の空虚な、陳腐な演劇!無意味で、有害で、滑稽だ!


オリヴィエ
透ける舞台装置だって?何故本物の花火でないのか?


フラマン
何のためのオーケストラ?雷鳴装置のほうがいい仕事をする!


オリヴィエ
歌はどこにある?

フラマン
いやはや、君は勘違いしている。全部イタリア式に歌われるんだ。トリル、ルラド(注:意味のないコロラに対する蔑称)!カデンツ!カデンツ!

二人
》拒否!《》拒否!《僕たちはあなたの芸術とは絶交だ!あなたの時代は過ぎ去った!終わった!終わったんだ!

クレロン
心配いらないわ!男同士の喧嘩はいつも誰かが勝って終わるの!二人の罵倒がおさまったら、彼は返答する。ご安心を、彼は臆病じゃない。私は彼をよく知ってるわ。彼の抵抗力は簡単には破られない。彼の》弁舌《は今までに何人もを打ち負かしてきたわ。彼は庇護を必要としていないの、自分で切り抜けるの!騙されないように!ものすごい復讐が始まるわ。力を貯めておいて、それから戦闘開始。見て、見て、いよいよ始まる。準備完了!おぉ、稲妻を投げつけるわ!見て、見て、戦闘開始よ!




支配人
だが私にも少し発言させてくれよ!
君らの批判は早急すぎるよ!私はまだ言い終わっていない!
しかし…
何のためこんな非難を?君らは間違っている!
君らの罵詈雑言は何だ?
ばかげた闘争心だ!まあ説明させてくれ!
批判する前に、最後まで聞いてくれ!
頼む…しかし、しかし…

テノール
今や真剣に言い争ってる…今日のところはギャラはもうダメだ!


ソプラノ
(ほろ酔い機嫌で二重唱のメロディを歌い始める)
サラバ我ガ優シキ分ケ前ヨ、
我ワノ運命ヲ泣キ給ウナ!

テノール
(替え歌で唱和して)
死ノ覚悟スデニアリ、
ワレ哀レナル不運ノ人ヨ!

二人
モシ我ラ分ケ前ヲ失ナワバ、
ホカニ何ノ望ミアランヤ?
モシ我ラ無一文ニナルナラバ、
オヨソ何ヲナスベケンヤ?
悲シキ不満ノ思イ、
ワガ感ズルゴトキモノヲ、
カツテ体験セヌヒトナシ!
サラバワガ愛シノ分ケ前ヨ、
我ライタズラニ望ミシモノ!

支配人
こら、アポロの威を借りて争う奴らよ!君たちは私の祝祭劇場を嘲笑し侮辱する。何の権利があって、それほど横柄な口をきいて私を罵るんだ、この物知りの専門家を?君たちは、劇場に何ひとつしたことがないじゃないか?(オリヴィエに)君の韻文には敬意を表する、クレロンが語ればだ!しかし君の戯曲のあの貧弱な筋立て、劇の構成はどうだ?私の演出の助けを大いに必要としている。(フラマンに)君の弦楽器のための小さなアンサンブル、優雅な室内楽だ!サロンを魅了したよ。私は今日は残念ながら寝てしまったが。哀愁的なロマンスなら君は多分歌うことができるだろう、だが舞台が要求している情熱の音楽では、今のところ君は成功していない!いや、いや、君たちの拒否くらいで慄いたりはしないぞ!君たち坊やは私の苦労の何が分かる?低級な芝居に目を向けてみろ、あれを首都の連中は楽しんでいるんだ。道化がその象徴、パロディーがその基本、中身は不道徳な厚顔無恥!愚鈍で粗野な駄洒落!なるほど仮面はなくなったが、人間の顔の代わりに見えるのはひょっとこ面!君たちはこういうドタバタを軽蔑する、だが、それを許容してる!君たちは黙っていることで責任を負うんだ。君たちの共同戦線を私に向けるな!私は劇場の永遠の法則に奉仕している。我々が持っている良きものを保持し、我らが祖先の芸術を尊重する。畏怖の念を持って古きものを守る、実りある新しいことを忍耐強く待ち焦がれ、我らが時代の天賦の才ある作品を心待ちにする!民衆の心に語り掛け、彼らの魂を映し出す作品は何処だ?何処にある?見つけられない、こんなに探しているのに。ただ蒼白い顔した審美家たちが私をじっと見るだけで、奴らは古きものを嘲笑するが、何も新しいものを生み出さない!奴らの戯曲でのさばっているのは薄っぺらな英雄で、刀をさっと抜き、我々がずっと以前から知っている長台詞を語る。





オペラに於いても同じだ。大昔の白髪の聖職者だのギリシャの王だの、ドルイド教徒だの予言者だのが幻影さながらに書き割りから現われる。私は舞台を人間でいっぱいにしたいんだ!我々と同じような、我々の言葉を話す人間を!彼らの悩みが我々の琴線に触れ、彼らの喜びが我々を深く感動させる!さあ!立ち上がって、私が求める作品を創り出せ!私はそれを力強く舞台にかけ誇り高く成功に導いてやるぞ。君たちの才覚を鋭敏にして、演劇に新しい法則を、新しい内容を与えてくれ!そうでないなら、君たちの批判で私を煩わさないでくれ。今日、栄光に満ちたの経歴の頂点で私は敢えて、自分のことを言わせてもらおう、偉大な才能の発見者であり、賢明なる教育者であり、霊感を与えるこの私について!私のような人がいなかったら、演劇はどうなったことだろう?私の思い切った大胆さ、結局のところ、私の惜しみなき援助がなかったら?まさに必要な時に前金を払うことで、どん底の状態から引き上げ、消え失せていた活力を再び呼び起こすことができるのだ。たくさんある中から一例を、あの有名なルカンは、以前は人生に疲れた端役の役者、今は》パレ・ロワイヤル《の支配人は、いわば我が作品、私を通じて自分の道を見つけたのだ。敗北を認めなさい、君たち熱狂者よ、君たち夢想家よ!我が舞台の尊厳に敬意を払い給え!私の目標は純粋で、私の功績は簡単には消えない!私は美と演劇の品位向上のために戦う。このモットーを心に抱いて私は演劇のために生き、そして演劇史の年代記の中で更に生き続けるだろう!》カクテ星ニ向カイテ行カン!《私の墓石に君たちはこの銘を読むだろう。》ここにラ・ロシュ眠る、忘れがたき、不滅の劇場支配人。晴れやかなミューズの友、真の芸術の支援者。舞台にとっては父、芸術家にとっては守護霊。神々は彼を愛し、人々は彼を賛嘆した!《アーメン。







(嵐のような拍手)

クレロン
(支配人に駆け寄り、感激して彼の頬にキスする)

ラ・ロシュ、あなたは偉大よ、あなたは記念碑のような人よ!

オリヴィエ・フラマン
アーメン、アーメン!

ソプラノ
(ポートワインを飲みすぎてほろ酔い機嫌で、大声ですすり泣く)
えーん!えーん!

テノール
如何ニセシヤ?イマダ死ニタルニアラズ!
(怒って)
ここで騒ぐんじゃない!
(彼は大声で泣いているソプラノ歌手を劇場ホールに連れ出す)

伯爵
ブラヴィッシモ!ブラヴィッシモ!

伯爵令嬢
(中央に入って来て)
皆様、私たちのお友だちの警告の声をお聞きでしょう!あの声を聞き流さないで、彼の言葉を肝に命じて。彼が望む課題を、それぞれ出してください、彼の芸術がそれに奉仕してくれるわ。私たちの祝祭のために、一緒に作品を創ってください!

伯爵
(クレロンに)
ぞくぞくするよ、妹がオペラを注文する!

伯爵令嬢
(続けて)
激しい論争の中であなた方は言い争い、反論しようとしましたが無駄でした。この思考の迷路は止めましょう!私と一緒に、すべての芸術の故郷は同じだということを感じてください。それは美を渇望する私たちの心です!ひとつの若い芽が今日、芽生えたのです、私には、それが成長して強い木になり、花びらの海を私たちに注ぐのが見えます!


クレロン
(詩人と音楽家を厳かに伯爵夫人の前に連れて行き、芝居がかって情熱的に)
調和の女神が我らのもとに降臨し給う。汝ら諸芸術よ、ひとつになりて、恭しくお迎えせよ!

伯爵令嬢
(音楽家に)
アポロがあなたをして鳴らせた甘い心の動きに、(オリヴィエを指して)詩人は高貴な思想を贈り給え!(詩人に)詩作の霊感が見事に始めたことを、(フラマンを指して)音楽の力で浄化せよ!(支配人を指して)かの舞台でそれは形をとり、優美さと気品で琴線に触れる。(三人に)この美しい盟約があらゆる芸術をひとつにし、芸術は互いに敬愛しあい、祝祭に向けて喜んで準備をする!



オリヴィエ
いかに清澄な響きで我らが耳を魅了するか。

フラマン
神のごと雲の高みから何が始まらん?

フラマン・オリヴィエ
調和の女神が、我らがもとへ降臨し給う!我ら恭しく出迎え、地上への行幸を歓喜に満ちて挨拶せん。


クレロン
いかに思いも寄らぬ幸運がこちらに歩みを向け給わん?貴き女神おん自ら争いを収めんと、骨折り給う!


支配人
誰が女神の神意を拒めよう?

フラマン・オリヴィエ
実りの無き争いは終わらん!

支配人
女神が我らの道を先行し給う。

クレロン
女神が汝らに伴いて、ゆめ汝らの輪から離れること勿れ!


フラマン・オリヴィエ・支配人
我ら不和を忘れ、和解して命ぜられし作品を始めん。


伯爵
これは和解どころか、陰謀だよ!そして私が犠牲者だ、私の予感した通りだ。


伯爵令嬢
新しいオペラが私たちに贈られるのよ、お兄様はその邪魔をできないわ。哲学者という運命に耐えてね!

伯爵
従う以外に、何が私に残されていよう!
避けられないことがどんどん進行して、オペラが私の頭上にに襲いかかる!

クレロン
(伯爵に)
あなたがいくらため息をついても、対して影響ないわね。


伯爵令嬢
(クレロンに)
兄はあまり音楽に興味がありませんの。兄が好きなのは入場行進曲だけで、オペラになると作曲家のことを》言葉の殺し屋《だと思っているんです。

クレロン
もしかしたら彼の言うとおりかも。

支配人
ではすぐ仕事にとりかかろう、時間を無駄にしたくない。(音楽家に)アリアはアリアらしく!歌手のことも考えて、オーケストラは大きすぎず!壮大なバレエの時に、思いっ切り鳴らすのだ!

オリヴィエ
(皮肉に)
またまた豊富な経験のご披露か。


支配人
(詩人に)プリマドンナのこの場面は作品の冒頭にはしない。分かりやすい歌詞でね、(音楽家に)繰り返しを何度もね、そしたら歌詞を分かってもらえる機会が増える。


フラマン
あなたのご立派な規則はさておき。僕たちは新たな道を探したいんです!

支配人
偉そうにするな!君たちの成功は結局私の腕にかかってるんだ。ともかく、仕事をきちんと分けよう。(詩人に)最初は君にかかっている、題材をよく考えろ!


オリヴィエ
(伯爵夫人に)》ナクソス島のアリアドネ《はいかが?


フラマン
もう何度も作曲されてるよ。

支配人
たくさんの、長ったらしい悲嘆のアリアがよく知られた聞かせどころ。

フラマン
僕は》ダフネ《のほうが興味があるなあ。

オリヴィエ
そそられる寓話だね、だけど上演するのは極めて難しい。ダフネが、神アポロの永遠の木に変身するところとか…


フラマン
音楽の奇跡はそれを表現することができる!

伯爵令嬢
美しい題材ね、私は特に大好きよ。

支配人
またまたニンフに、羊飼い、神々にギリシャ人か!君たち自身、神話には反対だったじゃないか。

伯爵
月並みな素材…足らないのはトロヤ戦争だけ!


支配人
エジプト人、ユダヤ人、ペルシャ人、ローマ人も我々のオペラではもう十分だ。我々の心をも動かすような葛藤を描く主題を選んでくれよ。

伯爵
私は極めて興味をひくテーマを知ってますよ!彼が望んでいることをオペラに書くんだよ。我々の心を動かす葛藤を描くんだ。君ら自身を描くんだ。今日の出来事を、我々みんなが経験したこと、それをオペラに作詞し、作曲するんだよ!


支配人
(言葉もなく)
は!

オリヴィエ
(大変驚いて)
呆れた思いつき…

フラマン
…否定はできない。

伯爵
我々にも面白そうなテーマといっていい!

伯爵令嬢
すばらしい提案ね!

クレロン
一難去ってまた一難。


支配人
実際、問題だぞ、そんなことを上演するのは。

オリヴィエ
(考え込んで)
ストーリーが乏しい…

伯爵
見せてくれよ、君らが何かユニークなものが創れることを。

フラマン
音楽は心配ありません。

伯爵
我々が君らのオペラの登場人物だ。我々みんなが君らの作品の中で一緒に演じるんだ。

伯爵令嬢
それで明るいオペラになるかしら?

支配人
(言葉を挟んで)
私はもう喜劇的バスとしてうろうろしているのが目に見えるようだ。

伯爵
(伯爵令嬢に答えて)
いずれにせよ》英雄《のいないオペラだ!

支配人
恋をするのは誰かな?

クレロン
しない人は、殆どいないと思うけど。


オリヴィエ
(音楽家に)
君は我々のうちの誰をテノールに選ぶつもり?

伯爵
仕事場の秘密をあんまり早くばらさないように。

クレロン
見事にかわしましたね!おめでとう、伯爵様。あなたは三人に難しい課題を課されるのね!

伯爵令嬢
ちょっと意地悪な提案だけど。

オリヴィエ
その思いつきは素敵だ、如何です、ラ・ロシュさん?
そこでまた目の見えない鶏が…

支配人
卵をひとつ産んだ!

オリヴィエ
まさか?

支配人
いや本当だ!

伯爵令嬢
すっかり当惑しているようね、ラ・ロシュさん!

支配人
こんな提案が出るとは全然思ってもみなかった!

伯爵令嬢
悪い提案だとお思いになって?

支配人
いや、いや、しかし考えてもみてください、お嬢様、全体がただのウラ話にならないかと心配で!

伯爵令嬢
それを品よく舞台にかけるのは、あなた方のセンス次第ですわ。

クレロン
ウラのある作品だけが成功する!

オリヴィエ
僕はこの思いつきをすごくいいと思います、だからすぐにでも台本を書きますよ。

クレロン
遅くなったわ、パリに戻らないと。

支配人
我々も出発しないと
(詩人と音楽家に)
君たちも一緒に行くんだろう?

伯爵令嬢
(クレロンに)
長くお引き止めしてしまいましたわ。

クレロン
あら、あなたのサロンでは、時が旧(ふ)ることなく、時間が過ぎて行きますわ。では!

伯爵令嬢
マドモアゼル・クレロン!ラ・ロシュさん、ごきげんよう!私の役を上手く書いてね、オリヴィエ!ではまた、フラマン!

フラマン
ではまた!
(伯爵令嬢去る。詩人と音楽家はドアまで彼女について行き、彼女を見送る)


第10場

支配人
(二人のイタリア人歌手を劇場ホールから連れて来て、後方左手の回廊を通って出口に連れて行く)

途中で風邪をひいたりしないように、ちゃんとマントは羽織ったね。
(テノールが彼に何か言おうとする)
そう、そう、君らのギャラ、明日用意しておくよ。

伯爵
(ひとりの召使に)
馬車の用意は?

召使
できております。四頭立てで。

クレロン
(伯爵の腕を取って)
少なくとも六頭立てだと思ってましたわ。
(二人は元気よく去る)

フラマン
(詩人に)
始メニ言葉アリキ、次ニ音楽。言葉が優位だ!


オリヴィエ
違う、音楽だ、…やっぱり言葉から生まれた。

フラマン
(半ば独り言)
始メニ音楽アリキ…
(詩人に、伯爵令嬢をほのめかして)
彼女が決めたんだ!
(去る。劇場支配人が登場)

支配人
さあ、さあ、私を待たせないで。

オリヴィエ
そう、言葉の方だ!始メニ言葉アリキ。

支配人
そろそろ今日とおさらばして!途中で我々のオペラについてまだいろいろ話ができるよ。

(詩人に)
君の台本で私の見せ場を忘れるなよ、つまり劇場ホールで私がどう稽古をつけてるかだ。舞台の元帥だぞ!この作品のクライマックスともなりうるのだ。特に、その役の退場の仕方に気を配って!分かってるね、印象に残る退場だよ、決定的な瞬間だ!



第11場

(八人の召使が登場。サロンを片づけ始める)


召使たち
かなり騒々しかったな、みんなごちゃごちゃ!

召使1
あのイタリア女の食欲旺盛なこと、ケーキはもう全然残ってない。

召使2
支配人はあの長ったらしい演説で何を言いたかったんだ?

召使3
しかもギリシャ語を話してたぞ!

召使4
何も分からなかった。

召使5
あれは芝居の改革の話だった、あの人が死ぬ前に取り入れるつもりだとか。

召使6
今度はオペラで奉公人も登場させるみたいだぞ。


全員
世の中みんなばかげている、誰も彼も芝居をうつ。俺らには何も見せてくれない、俺らは舞台裏で見るだけだ。そこでは物事が全然違って見える。伯爵は恋のアバンチュール探し、お嬢様はぞっこんだが相手が誰だか分かっていない。


召使1
もしかしたら二人とも…

召使2
それをはっきりさせるために、お嬢様はオペラを書かせるんだよ。

召使4
どうやったらオペラが理解できるんだ?

召使5
ややこしいもんな!

召使1
台本が分からんでもいいように、歌うんだよ。

召使4
それもまた必要だ、でないとややこしい内容で頭を悩ます。


召使5
でしゃばった無駄話はやめとけ!

召使3
俺は綱渡りやサーカスが好きだ。あの連中は王様も特別に許可している。ヴェルサイユ宮殿で見たことがある。


召使4
俺もだ!すばらしい、って言える。そしてその後にはあの身の毛のよだつ芝居、コリオラン、自分の娘を絞め殺すんだ!


召使2
俺は人形劇のほうが好きだ。

召使3
アルレッキーノのほうが面白いよ!

召使1
俺たちもお嬢様の誕生日に何か面白い芝居をやってみないか?仮面劇とか?俺は、イタリアの一座がやってるブリゲッラなら知ってる、きっと参考になる。


召使5
静かに、お頭(かしら)が来る。

執事長
(入って来る)
早くここを片づけろ、それから夕食の用意を全部するんだ!そしたら終わりだ。

召使全員
なんと楽しい、お客のいない晩!さあ、厨房へ、何があるか見に行こう。あとは夕食だけ、そしたら終り!ゴキゲン!ゴキゲン!なんと楽しい、お客のいない晩!伯爵は恋のアバンチュール探し、お嬢様はぞっこんだが相手が誰だか分かっていない。



(召使たちは陽気に退場する。いつしか暗くなっている。執事長がもくもくと燭台に火をつけている。彼が出て行こうとした時、劇場ホールから激しい物音と不安そうな声が聞こえる。》先生!先生!《と呼んでいる)




第12場

ムッシュ・トープ(プロンプター)
(大声で呼びながら)
先生…

執事長
どこから来られたのですか?あなたはどなたで?

ムッシュ・トープ
びっくりしないで!私をご存知のはずはないでしょうね?滅多に地表を動きませんから。

執事長
何を言いたいのですか?

ムッシュ・トープ
私は…地下に潜んで暮らしてるんです。見えない所で…

執事長
私にはあなたがよく見えますが。

ムッシュ・トープ
私は魔術的世界の、目に見えない支配者なのです。

執事長
どうしてこの真っ暗なホールからここに出ておいでで?

ムッシュ・トープ
眠ってしまったんです。みんな私をそこに置いてきぼりにしたんです。

執事長
あなたがどなたか、言っていただけませんかな?

ムッシュ・トープ
プロンプターですよ、ムッシュ・トープ(モグラ)と呼ばれています。

執事長
初めまして、この現実の世界でご挨拶できて光栄です、ムッシュ・トープ。


ムッシュ・トープ
(疲れて)
ちょっと見に来ただけ、あなた、ちょっと見に来ただけです。お構いなく。

執事長
奇妙な方だが、お見受けするところ、何か重要なことをされている方のようで。

ムッシュ・トープ
そうです、そうです。あなたのおっしゃる通りです。私がプロンプターボックスに座って初めて、舞台という歯車が回り始めるのです!

執事長
いわばあなたが動かし始めるということで?

ムッシュ・トープ
詩人の深淵な思想を、私が小声でささやくと、すべてが生き始めるのです。不気味に、影のように現実が私の前に映し出される。私は自分の囁き声で眠ってしまうのです。

(意味深長に)
私が眠ると、私が事件となる。役者はもう台詞が言えず、観客が目を覚ます!


執事長
は!は!うまい言い方ですな!

ムッシュ・トープ
眠りだけが私を忘却から救ってくれるんです。

執事長
しかし今回は忘れられた。

ムッシュ・トープ
なんてひどい扱いだ!

執事長
この運命はあなたも全ての支配者と同様で!

ムッシュ・トープ
あいつらは私を置き去りにして行ってしまった。どうやってパリに戻ったらいいんです?

執事長
歩いて行くには遠すぎますな。一緒に厨房に行って、少し精をつけましょう。その間に馬車の用意をさせておきます。


ムッシュ・トープ
何とも有難いことで!

執事長
ついて来なさい!

ムッシュ・トープ
これは全部夢なのか!それとももう目を覚ましているのか?

(彼は頭をふり、あくびをして、執事長について行く)



終場

(舞台はしばらく誰もいない。サロンは闇に包まれている。月光がテラスを照らす。伯爵令嬢が夜会服を着て登場、テラスに出る。オーケストラの間奏曲。少ししてから執事長が登場、サロンの灯りに火をつける。サロンはすぐに明るくなる)



伯爵令嬢
お兄様はどこかしら?

執事長
伯爵はマドモアゼル・クレロンをパリまで送って行かれました。今晩は失礼するとのことです。

伯爵令嬢
では夕食は私ひとりになるのね。羨ましい気質だこと!移ろいやすいものにだけ心惹かれる。今日、何て言っていたかしら?》明るく決めて、憂いなく所有する。一瞬の幸福、人生の叡智!《 あぁ!なんて簡単なの!
(執事長に)
他に何か?

執事長
オリヴィエ様が明日、朝食後に来られて、オペラの結末をお聞きしたいとのこと。


伯爵令嬢
オペラの結末?いつ来るのかしら?

執事長
図書室でお待ちになると。

伯爵令嬢
図書室で?いつ?

執事長
明日のお昼の11時。
(お辞儀をして退場)

伯爵令嬢
明日のお昼の11時!これは宿命だわ。あのソネット以来、二人はまるで一心同体。フラマンは、私の代わりにオリヴィエが図書室にいるのを見たら、ちょっとがっかりするわね。それで私は?オペラの結末を決める、私が選んで、決定を下す?私の心を動かすのは言葉か、それとも雄弁に語る音楽かしら…


(彼女はソネットを手に取り、ハープに向かって座り、自分で伴奏しながら、ソネットを歌い始める)

我が心にそれほど燃えるものは、他にない、
そう、美しい人よ、この地上にあっては、
たとえヴィーナスの申し出であっても、
あなた以外に我が欲するものは、他にない。

あなたの瞳は私に天上の甘い苦しみを伝える、
ひとたび見開けばあらゆる苦悩をいや増し、
ふたたび見開けば我に歓喜と愉悦を与え、
あなたの眼差しは生ともなり死ともなる。
(中断して)

ふたつを切り離すなんて、無駄な骨折りだわ。言葉と音楽はひとつに溶け合い、結びついて新しいものになる。時間の秘密。ひとつの芸術が別の芸術を通して救済される!


我、五十万年たりとも生きようが、
我を支配するは、すばらしきあなた、
あなた以外には何も存在しないのだ。

我は我が血を新たな血脈に注ごう、
我が血脈は、あなたに溢れかえり、
新たな愛には余地も支えもないのだ。

(彼女は立上り、情熱的に動かされて舞台の反対側に行く)


彼らの愛が、詩と響きで優しく織られて、私に向かって迫って来る。私はこの織物を引き裂くべきか?私自身もうその中に巻き込まれてはいないかしら?ひとりに決めるですって?美しい目をした大きな魂のフラマンに、強い精神の、情熱的な男性のオリヴィエに?

(突然、鏡で自分の姿を見る)
マドレーヌ、今、あなたの心は何て言ってるの?あなたは愛されているのに、自分を与えることができない。あなたは、か弱いものであることは甘美だと思っていた。今までは愛と協定を結びたがっていた、なのに今あなた自身が炎に包まれ、自分を救うことができない!ひとりを選べば、もうひとりを失う!手に入れたら、必ず失うのではないかしら?
(自分の鏡像に)
ちょっと皮肉に見返すのね?私の欲しいのは答え、あなたの試すような目は欲しくない!黙っているの?おぉ、マドレーヌ!マドレーヌ!あなたは二つの火の間で燃え尽きるつもり?あなた、鏡の中の恋するマドレーヌは、私に助言できるの、あのオペラの結末を見つけるために、私を助けてくれる?月並みでない結末なんてあるかしら?


執事長
夕食の支度ができております。

(伯爵令嬢は微笑みながら鏡を見て、深くお辞儀して優雅に別れを告げる。それから極めて陽気に、ソネットのメロディーを口ずさみながら、執事長の傍を通ってゆっくりとダイニングルームに行く)
ACHTE SZENE

Der Graf tritt aus dem Theatersaal sehr lebhaft ein

GRAF
begeistert
Welch' köstliche Begegnung! Sie ist reizend -, bezaubernd!

GRÄFIN
ihn verspottend
»Nur Flücht'ges gefällt mir!«

GRAF
Sie lobte meinen Vortrag, fand für mein Spiel begeisterte Worte.

GRÄFIN
Du fühlst dich bewundert und gibst dich gefangen. Eine süsse Schalmei sind die Worte der Schmeichler. Zu lieben geneigt, die uns bewundern, glauben oft wir zu lieben, die wir bewundern.

GRAF
Ein klarer Geist erkennt und beurteilt den Kreis aller Dinge.

GRÄFIN
Bezahl nicht zu teuer, gescheiter Bruder!

GRAF
So traust du mir zu im Spiel der Gefühle den Kopf zu verlieren?

GRÄFIN
Wenn man verliebt ist, so urteilt das Herz!

GRAF
Torheit wär' es zu widerstehen, wo Geist und Schönheit so strahlend regieren.

GRÄFIN
So huldige der Schönheit, du kennst ihren Wert. Meine Lage ist ernster! Denk nur, schon haben die beiden mir ihre heftige Liebe erklärt.

GRAF
Das wird ja lustig! Was gab den Anlass?

GRÄFIN
Die Huldigung des Dichters.

GRAF
Das Sonett aus dem Drama?

GRÄFIN
Er trug es mir vor.

GRAF
Es bewegte dein Herz?

GRÄFIN
Nicht sehr -

GRAF
So liess es dich kalt?

GRÄFIN
Nicht mehr, hör doch nur, seit er -

GRAF
Wer? Flamand?

GRÄFIN
Seit er's komponiert!

GRAF
Wie? Er hat das Sonett komponiert!

GRÄFIN
Zum Entsetzen des Dichters.

GRAF
Und was sagt Olivier?

GRÄFIN
Er schien verdriesslich, dann wurde er nachdenklich. Er war sichtlich bewegt, verblüfft jedenfalls.

GRAF
in höfisch galantem Ton
Und die beiden vereint -

GRÄFIN
auf seinen Ton eingehend
bestürmen mein Herz!

GRAF
Was soll daraus werden?

GRÄFIN
Vielleicht gar - eine Oper!

GRAF
Eine Oper? Charmant! Meine Schwester als Muse!

GRÄFIN
Erspar dir dein Spotten! Triff du, lieber Bruder, da eine Wahl!

GRAF
Wort oder Ton - Ich bleibe beim Wort.

GRÄFIN
Viel Glück bei Clairon!

GRAF
mit einer galanten Verbeugung
Venus - Minerva in einer Person.


NEUNTE SZENE

Clairon, Direktor und Dichter treten fröhlich gelaunt aus dem Theatersaal auf. - Der Musiker bald darauf von der anderen Seite

DIREKTOR
Wir kehren zurück in die Welt des Salons -

OLIVIER
Die Probe ist aus.

DIREKTOR
Wir wechseln das Zeitalter -

CLAIRON
… verwandeln uns aus sagenhaften Gestalten in Menschen, die nach den Gesetzen des Salons ihre Rollen spielen.

GRAF
zu Clairon
Nicht immer dankbare Rollen!

CLAIRON
Hängt das nicht sehr von den Stichworten ab?

GRÄFIN
Waren Sie mit ihrem Partner zufrieden?

CLAIRON
Er zeigte Esprit und Theatertalent. Denken Sie: Der Souffleur war eingeschlafen -

DIREKTOR
Ein schlechtes Zeichen für dein Drama!

OLIVIER
Dein Souffleur schläft immer!

CLAIRON
… und der Graf deklamierte weiter, voll Bravour und ohne aus seiner Rolle zu fallen. Ein seltener Fall von Geistesgegenwart.

GRAF
zu Clairon
Dürfen wir hoffen, dass Sie den heutigen Abend mit uns verbringen?

CLAIRON
Leider muss ich zurück nach Paris. Morgen ist grosses Fest im Palais Luxemburg. Wir spielen den »Tancred« des Herrn Voltaire. Ich habe noch fleissig zu memorieren. Wie Sie gesehen haben, kann der Souffleur auch einschlafen.

Der Haushofmeister tritt auf mit einigen Dienern. Diese beginnen auf einen Wink der Gräfin Schokolade zu reichen

GRÄFIN
zu Clairon
Bevor Sie fahren, noch eine kleine Erfrischung.

DIREKTOR
Fast wären wie in einem Ozean von Versen ertrunken! Eine Tasse Schokolade wird uns erquicken. - Und nun, verehrte Frau Gräfin, während wir nach den Anordnungen Ihrer Regie diese Schokolade schlürfen, eine kleine Abwechslung für Auge und Ohr: Eine Tänzerin und zwei italienische Sänger!

GRÄFIN
Wir sind geneigt, uns daran zu erfreuen.
Auf einen Wink des Direktors treten aus dem Theatersaal eine junge Tänzerin und drei Musiker auf. Das Clavecin wird in den Hintergrund gerückt. Die Musiker gruppieren sich mit den Pulten um dasselbe. - Die Gräfin hat sich gesetzt - links vorne. In ihrer Nähe steh der Musiker. Rechts im Vordergrund Clairon. Der Dichter setzt sich alsbald zu ihr. - Die Tänzerin beginnt einen graziösen Tanz, von den Musikern auf der Bühne begleitet. - Während des Tanzes werden von den Dienern unauffällig Erfrischungen gereicht


I. TANZ
Passepied


DIREKTOR
spricht begeistert auf den Grafen ein, der mit grossem Interesse die Tänzerin beobachtet
Was sagt Ihr! Die personifizierte Grazie! Meine neueste Entdeckung! Ein kleines Mädchen aus der Picardie. Ich fand sie beim Vicomte
Er flüstert dem Grafen diskret den Namen ins Ohr
Er hielt sie bei sich verborgen!
Der Graf betrachtet die Tänzerin mit neuem Interesse eingehend durch seine Lorgnette
Im richtigen Moment gelang es mir mit List, sie zu entführen. Sie wird jetzt in meiner Ballettschule erzogen. Oh! eine bedeutende Begabung! Ich prophezeie ihr eine grosse Zukunft in der nächsten Nähe des Königs. Morgen tanzt sie beim Prinzen von Conti im »Salon des quatre Glaces«. Seht mir, welch eine Beherrschung des Körpers! Und diese Jugend! Ein Traum! -

II. TANZ
Gigue

Das folgende Gespräch wird so geführt, dass die anderen es nicht hören; sie folgen mit ihrer ganzen Aufmerksamkeit dem vorgeführten Tanz

OLIVIER
setzt sich zu Clairon
Wie soll ich dir danken, dass du gekommen bist? Du sprichst meine Verse hinreissend!

CLAIRON
Ich bin fest entschlossen, auf keinen Fall mehr dein Entzücken zu erregen. Behalt sie bei dir, deine Komplimente.

OLIVIER
Soll zwischen uns nun für alle Zeit feindseliges Schweigen herrschen?

CLAIRON
Ein erspriesslicher Dialog dürfte nicht mehr aufkommen.

OLIVIER
Um so wahrscheinlicher dürfte ein solcher sehr bald zwischen dem Grafen und dir beginnen.

CLAIRON
Ein Wundervogel - ein Philosoph. Er setzt seiner Jugend eine Maske auf. Gegen maskierte Männer bin ich von jeher misstrauisch.

OLIVIER
Der Zauber deines Wesens wird auch ihn bestricken.

CLAIRON
Wenn du so gut die Zukunft weissagen kannst, so wirst du auch wissen, dass es zwischen uns nur eine Vergangenheit gibt.

OLIVIER
Eine sehr schöne Vergangenheit.

CLAIRON
energisch
Die mit einem grossen Krach geschlossen hat.
Sie erhebt sich
Der Vorhang ist gefallen!
Sie lässt ihn stehen und setzt sich zur Gräfin

DIREKTOR
der bemerkt hat, dass die beiden sich in Unfrieden getrennt haben, wendet sich zum Dichter
Na, ich glaube nicht, dass du in ihren Memoiren eine ansehnliche Rolle spielen wirst!


III. TANZ
Gavotte

GRAF
zur Tänzerin
Eure Kunst entzückt und begeistert mich. So wie das Denken unseren Geist vom Körper loslöst und uns in eine höhere Welt versetzt, so überwindet der Tanz die Erdenschwere. Der Körper scheint zu schweben, begleitet von bewegenden Tönen.

Die Tänzerin mit einem Knix ab in den Theater-saal. Der Direktor begleitet sie und kommt sofort wieder zurück
Und hier, lieber Freund Flamand, müssen Sie gestehen, ist Ihre Kunst nicht die Herrscherin, sondern nur
mit einem Dankeswink an die drei abgehenden Musiker
eine - allerdings köstliche - Beigabe.

FLAMAND
Ein bezaubernder Irrtum! Ohne Musik würde es niemand sich einfallen lassen, auch nur ein Bein zu heben.

FUGE

OLIVIER
Tanz und Musik stehen im Bann des Rhythmus, ihm unterworfen seit ewiger Zeit.

FLAMAND
Deiner Verse Mass ist ein weit stärkerer Zwang.

OLIVIER
Frei schaltet in ihm des Dichters Gedanke! Wer zieht da die Grenze zwischen Form und Gehalt?

FLAMAND
In irdischer Form ein Unfassbar-Höheres: Musik! Sie erhebt sich in Sphären, in die der Gedanke nicht dringt.

OLIVIER
Nicht in unfassbaren Klängen, in klarer Sprache forme ich meine Gedanken. Dies ist der Musik für immer verwehrt.

FLAMAND
Mein Gedanke ist die Melodie. Sie kündet Tieferes, ein Unaussprechliches! In einem Akkord erlebst du eine Welt.

DIREKTOR
Sie streiten sich um eine Rangordnung ihrer Künste. Verlorene Mühe! Im Bereich meiner Bühne dienen sie alle.

GRAF
Schon sind wir inmitten der Diskussion über das Streit-Thema unserer Tage.

FLAMAND
Musik ist eine erhabene Kunst! Nur unwillig dient sie dem Trug des Theaters.

GRÄFIN
Nicht Trug! Die Bühne enthüllt uns das Geheimnis der Wirklichkeit. Wie in einem Zauberspiegel gewahren wir uns selbst. Das Theater ist das ergreifende Sinnbild des Lebens.

DIREKTOR
Seine oberste Göttin: Phantasie. Ihr untertan alle Künste: Poesie, Malerei, Skulptur und Musik. Und wo wär' eure Sprache, was sind eure Töne ohne Deklamation und Gesang? Ohne die Darstellung durch den Akteur, den Zauber seiner Persönlichkeit, ohne sein Kostüm? He? Ohne seine Maske?

CLAIRON
Jawohl, ganz recht!

DIREKTOR
Ihr überschätzt euren Schreibtisch!

OLIVIER
Der dichtende Geist ist der Spiegel der Welt. Poesie ist die Mutter aller Künste!

FLAMAND
Musik ist die Wurzel, der alles entquillt. Die Klänge der Natur singen das Wiegenlied allen Künsten!

OLIVIER
Die Sprache des Menschen allein ist der Boden, dem sie entspriessen.

FLAMAND
Der Schmerzensschrei ging der Sprache voraus!

OLIVIER
Doch das Leid zu deuten vermag sie allein. Der wirklichen Tiefe des Tragischen kann nur die Dichtkunst Ausdruck verleihen. Nie kann sie in Tönen sich offenbaren!

GRÄFIN
Das sagt Ihr jetzt, in dem Augenblick, wo ein Genie uns lehrt, dass es eine musikalische Tragödie gibt?

GRAF
Halt! Noch einen Schritt und wir stehen vor dem Abgrund! Schon stehen wir der »Oper« Aug in Aug gegenüber.

GRÄFIN
Ein schöner Anblick, ich wag' es zu sagen.

CLAIRON
Etwas absonderlich, dieses Geschöpf aus Tönen und Worten.

GRAF
dazwischen rufend
Und Rezitativen! Und Rezitativen!

OLIVIER
Komponist und Dichter, einer vom andern schrecklich behindert verschwenden unsägliche Mühen, um es zur Welt zu bringen.

GRAF
Eine Oper ist ein absurdes Ding. Befehle werden singend erteilt, über Politik im Duett verhandelt. Man tanzt um ein Grab, und Dolchstiche werden melodisch verabreicht.

CLAIRON
Ich könnte mich damit befreunden, dass man in der Oper mit einer Arie stirbt. Warum aber sind die Verse immer schlechter als die Musik? Dieser verdanken sie doch erst die Kraft ihres Ausdrucks.

GRÄFIN
Bei Gluck ist es anders. Er führt die Dichter, er kennt die Leidenschaft unserer Herzen und er erweckt in jenen verborgene Kräfte.

OLIVIER
Auch bei ihm ist das Wort mir ein Stiefkind des Taktstocks.

FLAMAND
Nur bei ihm ist die Musik nicht mehr Dienerin! - Dem Worte ebenbürtig, singt sie mit ihm.

GRAF
Wenn nur die Rezitative nicht wären! Wer widerstünde der bleiernen Langeweile, die sie verbreiten?

OLIVIER
Endlos schleppen sie sich dahin.

GRAF
Sie haben weder die Süsse der Melodie noch den Reiz der kraftvollen Rede.

FLAMAND
Eure Kritik trifft die Oper des alten Stils. Das »Accompagnato« unseres Meisters hat die Kraft des antiken Monologes. Der Reichtum des Orchesters macht es zu Höhepunkten in seinen Tragödien.

CLAIRON
Und die Arie? Soll sie verschwinden?

DIREKTOR
Das unheilbare Gebrechen unserer Opern ist der betäubende Lärm des Orchesters. Sein Brüllen und Toben verschlingt die Stimmen. Die Sänger werden gezwungen, zu schreien.

GRAF
Ob der Text gut oder schlecht, ist ohne Bedeutung. Niemand kann ihn verstehen.

DIREKTOR
Wo bleibt der Gesang, diese Gabe der Götter? Die menschliche Stimme, das Ur-Instrument, es wird vergewaltigt zu Sklavendiensten! Dahin die Tradition des alten italienischen Gesanges! Der Bel Canto liegt im Sterben!

CLAIRON
Ein dramatischer Tod!

OLIVIER
Seine prophetischen Worte scheinen mir stark übertrieben.

GRÄFIN
ironisch
Bevor sein Leben erloschen, lieber La Roche, lassen Sie uns Ihre Sänger hören! Wir wollen uns immerhin von der Lebenskraft der italienischen Gesangskunst ein Bild machen.

Der Direktor gibt ein Zeichen, worauf die italienische Sängerin und der italienische Tenor eintreten

FLAMAND
ironisch
Gib uns eine Probe deiner »dienenden« Kunst!

DIREKTOR
Sie hören ein Duett einer italienischen Oper nach einem Text des Metastasio.

GRÄFIN
Es wird die Debatte wohltuend beschliessen.
Die Sänger beginnen ihr Duett. - Der Graf bringt Clairon galant eine neue Tasse Schokolade und setzt sich zu ihr


DUETT DER ITALIENISCHEN SÄNGER

TENOR
Addio, mia vita, addio,
Non piangere il mio fato;
Misero non son'io:
Sei fida, ed io lo so.
Se non ti moro allato,
Idolo del cor mio,
Col tuo bel nome amato
Fra' labbri, io morirò.

SOPRAN
Se a me t'invola il fato,
Idolo del cor mio,
Col tuo bel nome amato
Fra' labbri, io morirò.

TENOR
Addio mia vita,

SOPRAN
addio.
Luce degli occhi miei.

GRÄFIN
Ein sehr heiteres »Addio«! Finden Sie nicht auch, Flamand? Der Text scheint nicht sehr zur Musik zu passen.

GRAF
Bravo! Bravo! Bei einer schönen Kantilene werden einem die Worte völlig gleichgültig.

FLAMAND
Es bleibt immerhin eine Kunst, auf eine heitere Melodie so grossen Schmerz auszudrücken.

OLIVIER
Diese Kunst hat einen Vorzug: Wir fühlen uns trotz des grausamen Vorgangs angenehm getröstet.

TENOR
Quando fedel mi sei,
Che più bramar dovrò?

SOPRAN
Quando il mio ben perdei,
Che più sperar potrò?

TENOR
Un tenero contento
Eguale a quel ch'io sento,
Numi, i mai provò!

SOPRAN
Un barbaro tormento
Eguale a quel ch'io sento,
Numi, chi mai, provò?

TENOR
Addio, mia vita, addio!

SOPRAN
Addio luce degli occhi miei!
Freundlicher Beifall von allen Seiten. Die Gräfin lädt die beiden ein, einige Erfrischungen zu nehmen. - Graf und Clairon sind im Vordergrund sitzengeblieben

GRAF
Darf ich Sie nach Paris zurückbringen und dort noch ein wenig in Ihrer Gesellschaft sein?

CLAIRON
Ich muss meine Rolle für morgen studieren. Wollen Sie mich abhören?

GRAF
Ich will in allem Ihr Diener sein!

CLAIRON
Das sollten Sie nicht sagen.

GRAF
Warum nicht wenigstens sagen?

CLAIRON
Weil ich überzeugt bin, dass Sie selten das sagen, was Sie wirklich denken.

GRAF
So erraten Sie meine Gedanken?


CLAIRON
Halten Sie das für schwierig?

GRAF
Ihre Stichworte sind nicht immer leicht zu beantworten.


CLAIRON
Wenn es Ihre Weltanschauung nicht ins Wanken bringt, dürfen Sie mich begleiten.

GRAF
Sie machen mich glücklich!

CLAIRON
Sie haben einen schönen Geist. Ich bin nicht im Zweifel, dass Sie auch noch andere Gemeinplätze artig zu sagen vermögen.

GRÄFIN
kommt mit dem Direktor wieder nach vorne
Werden Ihre Neapolitaner auch bei meiner Geburtstagsfeier mitwirken?

DIREKTOR
Gewiss, gewiss, sie sind aber nur ein winziger Teil meines grossangelegten Programms.

OLIVIER
Vergeblich warten wir seit Tagen auf die Enthüllung deiner geheimnisvollen Pläne.

FLAMAND
Wir lechzen danach, endlich etwas zu erfahren.


GRÄFIN
So verraten Sie uns doch endlich Ihr grosses Programm!


DIREKTOR
Das Huldigungsfestspiel, die grandiose »azione teatrale« meiner gesamten Truppe, hat zwei Teile. Da ist zuerst die Darstellung einer erhabenen Allegorie: »Die Geburt der Pallas Athene.« Aus dem Kopf des Zeus wird sie geboren!

GRAF
Wie das?

DIREKTOR
So erzählt's die Legende: Nachdem er mit Metis das Kind gezeugt, verschlang er die Mutter…

GRAF
Wie? Er hat sie verschluckt?

FLAMAND und OLIVIER
Verschluckt?

GRÄFIN und CLAIRON
Verschluckt?

OLIVIER
Er schlingt sie hinunter wie ein Hecht, die zarte Geliebte …

CLAIRON
Aus Liebe?

GRAF
Aus Liebe? Wie zärtlich!

GRÄFIN
Aus Liebe?

GRAF
Aus Hunger!

FLAMAND
Aus Angst vor Juno!

DIREKTOR
fährt fort
In ihm wächst die Tochter.

OLIVIER
Die Geliebte versteckt vor der eifersüchtigen Gattin!

CLAIRON
Ein kurioses Mittel, seine Seitensprünge zu verbergen! Ha! Ha!

DIREKTOR
Und als Kind seines Geistes steigt sie jäh empor aus dem Haupt des Gottes!

OLIVIER
Und Zeus?

DIREKTOR
In voller Rüstung - von Chören begrüsst!

FLAMAND
Ha! Ha!

OLIVIER
Ihm ist wohl bei solcher Entbindung!

DIREKTOR
Die Erde erbebt…

FLAMAND
Ein quälender Kopfschmerz …

DIREKTOR
Die Sonne stelit still!

CLAIRON
Und die Mutter?

FLAMAND
… scheint ausser Frage!

CLAIRON
Wo bleibt sie?

DIREKTOR
Pauken und Zymbeln…

FLAMAND
Sie bleibt spurlos verschwunden!

DIREKTOR
… schildern die Erregung des Weltalls!

OLIVIER
Sie liegt ihm im Magen!

GRAF
Ein possierlicher Einfall!

OKTETT
I. Teil

Lach-Ensemble

GRÄFIN
Sie lachen ihn aus und er meint es so ernst. Seine Würde ist köstlich! Ha! Ha! Im Grunde ist er rührend, der alte Herr in seinem jugendlichen Feuer! Seine Phantasie treibt wundersame Blüten! Seine Naivität ist wirklich entzückend!

CLAIRON
Er ist wie immer originell in seinen Einfällen. Ein kühner Neuerer! Ha! Ha! Eine poetische Idee - in natura dargestellt! Ha! Ha! Er bringt Zeus in eine fatale Situation! Ha! Ha! Vaterfreuden besonderer Art! Ha! Ha! Bizarrer Gedanke! Ha! Ha!

GRAF
Ha! Ha! Er meint es ganz ernst! Diese Theaterleute sind ganze Narren! Ha! Ha! Sie leben im Mondlicht ihrer fixen Ideen! Ha! Ha! - Wie lächerlich! Sie fährt ihm in voller Rüstung aus dem Kopf. Hai Hai Ein possierlicher Einfall! - Als Geburtstagsüberraschung für meine Schwester! Ha! Ha!

DER ITALIENISCHE TENOR
Sie lachen ihn aus - er wird schlechter Laune. Was ist da zu tun?

DIE SÄNGERIN
Die Torte ist grossartig! Nimm, Gaetano!

DER TENOR
Ich glaube, wir kommen heute nicht mehr zu unserem Vorschuss.

DIE SÄNGERIN
Ich habe dir geraten, heute früh ihn zu fordern, vor unserer Fahrt hierher auf das Schloss.

DER ITALIENISCHE TENOR
Er war nie allein, wie sollt' ich es machen!!

DIE SÄNGERIN
Die Torte ist grossartig! Sie zerfliesst auf der Zunge! Nimm, Gaetano - - -

DER TENOR
Sie isst und isst und trinkt und isst!

DIE SÄNGERIN
Brüll nicht auf mich, Gatano! Die Torte ist grossartig! Nimm, teurer Freund. - Und hier die Orangen! Sizilianische Früchte - ganz ohne Kerne. - Ein reines Vergnügen!

DER TENOR
brüllt sie an
Trink' nicht so viel vom spanischen Wein!

FLAMAND
Vor unseren Augen entschlüpft sie dem mächtigen Haupte Gottes! Ha! Ha! In voller Rüstung - mit Schild und Speer!! »Jäh steigt sie empor« - - mit Zymbeln und Pauken! Tschin! Tschin! - Bum! Bum! Tschin! Tschin! - Bum! Bum! »Die Sonne steht still!«

OLIVIER
Ha! Ha! Schon seh' ich die Wunder seiner Regie: Hephaistos tritt auf, der mächtige Schmied! Ha! Ha! Er schwingt den Hammer! Ha! Ha! Mit wuchtigen Schlägen … Ha! Ha! Er spaltet ihn auf, den Schädel des Zeus, damit es empor kann, das göttliche Kind. . . Ha! Ha! ans Licht der Welt! - Die Frucht seiner Liebe! Ha! Ha! Es brummt ihm der Schädel - Er wird erlöst! Ha! Ha! und Chöre besingen die göttliche Entbindung! Ha! Ha!

DIREKTOR
Ich glaube, die beiden lachen mich aus! Auch der Graf ist recht heiter! Oberflächliche Weltleute! Sie machen sich lustig über die Mythologie! Die heutige Jugend - sie hat keine Ehrfurcht! Nichts ist ihr heilig. Atheistengesindel! Wahrhaftig - sie lachen! Kein Verständnis für meine Inspiration! Atheistengesindel! Einer trostlosen Zukunft gehen sie entgegen! Lachend - in ihrem Unverstand!

GRÄFIN
Oho! Ich sehe, er fühlt sieh beleidigt durch unser Lachen. Er scheint zu grollen, ich muss ihn versöhnen. (Sie wendet sich an den Direktor) Sie sehen uns überrascht von Ihrer Phantasie. Wir zweifeln, ob ihr kühner Entwurf sich wird darstellen lassen auf dem Theater. Nehmen Sie unseren Pessimismus nicht gar zu ernst. Haben Sie Nachsicht -, wir sind ja Laien. Die Kunst Ihrer Regie wird uns eines Besseren belehren! - Und wovon handelt der zweite Teil Ihres Festspiels?

DIREKTOR
Er ist heroisch und hochdramatisch: » Der Untergang Karthagos.« Kulissen, Prospekte, herrlich gemalt; Maschinen und Massen in regster Bewegung! Die Stadt in Brand - ein Feuermeer - atembeklemmend! Die Dekoration transparent - geschliffene Stäbe aus böhmischem Glas, von rückwärts beleuchtet, in flammendem Rot! Feuerspiegel! -Glasprismen! Viertausend Kerzen - Hundert Flambeaus! Pechringe - Fackeln in allen Grössen! Eine schaukelnde Galeere, von mir konstruiert. - Blitz und Einschlag auf offener Szene - - - Die Segel in Flammen - ein brennendes Wrack! Springflut im Hafen! Der Palast stürzt ein - - -

FLAMAND
Hör auf, hör auf! Wir kennen das Ende!

OLIVIER
Zum Schluss auf den Trümmern grosses Ballett!


OKTETT
II. Teil

Streit-Ensemble

DIREKTOR
Aber so hört doch! Es kommt ja ganz anders.

FLAMAND
Veralteter Plunder -

OLIVIER
Maschinenzauber!

FLAMAND
Einzugsmärsche -

OLIVIER
Wassermusik!

FLAMAND
Sinnlose Aufzüge -

OLIVIER
Öder Pomp!

FLAMAND
Überschwemmung und Apotheose! Statisten und Fackeln!

OLIVIER
Altes Gerümpel!

GRÄFIN
Oh weh! Jetzt fallen sie über ihn her. Mein Rettungsversuch ist gründlich missglückt. Die Situation für ihn ist nicht beneidenswert! Wer wird es sein? Ihre Argumente sind niederschmetternd! Sie glauben? Er tut mir leid! Die beiden gehen wirklich zu weit. Olivier! Flamand! Sie werden brutal! Der Streit entbrennt immer heftiger! Er scheint verloren! Warum sie ihn nur so vehement bedrohen? Wa s haben sie vor? Ich fürchte, der Streit wird recht peinlich enden.

GRAF
Jetzt wird es ernst! … Ein heiterer Zank! … Sie zerstampfen ihn … wie in einem Mörser… bald wird nichts mehr .. von ihm übrig sein!
Ha! Ha! Ha! Die edlen Künste liegen sich in den Haaren, ihre Apostel streiten - untereinander - sie fletschen die Zähne und beginnen zu raufen! Wie lächerlich wichtig sie alles nehmen! Ha! Ha! Sie zerreissen ihn in der Luft, weil er uns mit einem Ausstattungsballett unterhalten wollte! Wie ungerecht! La Roche in der Klemme! - Ein köstlicher Anblick! Ha! Ha! Ha! Er ist äusserst bestürzt und kommt nicht zu Wort. Wo bleibt seine oft gepriesene Schlagfertigkeit? Wie wird er sich retten? -

FLAMAND
Ein Spektakel, bei dem die Dekorationen die Hauptrolle spielen!

OLIVIER
Ein Schaustück ohne Darsteller!

FLAMAND
Wie ein Gespenst aus einem vergangenen Jahrhundert blickt dein Stück in unsere Zeit!

OLIVIER
Er erspart sich den Dichter - Wozu auch Verse?

FLAMAND
Von Musik war überhaupt nicht die Rede!

BEIDE
Wort oder Ton? Ha! Welch eine Frage? »Flugmaschinen oder Versenkungen« muss es heissen! Nicht weiter! Sei still! Inhaltloses, schales Theater aus einer längst verklungenen Zeit! Unsinnig-schädlich und lächerlich!

OLIVIER
Transparente Kulissen? Warum nicht ein ehrliches Feuerwerk?

FLAMAND
Wozu ein Orchester? Die Donnermaschine tut bessere Dienste!

OLIVIER
Wo bleibt der Gesang?

FLAMAND
Oho, du irrst: Zu all' dem wird italienisch gesungen. Triller-Rouladen! Kadenzen! Kadenzen!


BEIDE
»Veto!« »Veto!« Wir sagen uns los von deinen Künsten! Deine Zeit ist vorüber! Vorbei! Vorbei!

CLAIRON
Haben Sie keine Sorge! Ein Streit zwischen Männern endet immer mit einem Sieger! Wenn sie sich ausgetobt haben, wird er ihnen antworten. Seien Sie beruhigt, er ist nicht schüchtern. Ich kenn' ihn! Seine Widerstandskraft ist nicht leicht zu brechen! Seine »Suada« hat schon manchen niedergestreckt. Er braucht Ihren Schutz nicht, er hilft sich schon selbst! Lassen Sie sich nicht täuschen! Er wird sich furchtbar rächen! Er sammelt Kräfte, dann schlägt er los. Sehen Sie, sehen Sie, jetzt holt er aus. Sein Konzept ist fertig! O, er wird Blitze schleudern! Sehen Sie, sehen Sie, jetzt schlägt er los!

DIREKTOR
So lasst mich doch nur zu Worte kommen!
Vorschnell beurteilt ihr! Ich bin noch nicht fertig!
Aber …
Wozu diese Vorwürfe? Ihr irrt euch!
Was soll euer Schimpfen?
Alberne Streitsucht! So lasst euch erklären!
Hört doch zu Ende, bevor ihr beurteilt!
Ich bitt' euch … Aber - aber …

DER ITALIENISCHE TENOR
Nun streiten sie ernstlich … Aus ist's für heute mit unsrem Vorschuss!

DIE SÄNGERIN
beginnt weinselig die Melodie des Duetts zu singen
Addio mio dolce acconto,
Non piangere il nostro fato!

DER TENOR
stimmt parodierend ein
A morire io son pronto,
Io povero disgraziato!

BEIDE
Quando il nostro acconto perdiamo,
Che più sperare potrò?
Quando senza danari noi siamo,
Che cosa mai far io dovrò?
Un triste malcontento
Eguale a quel ch'io sento,
Numi, chi mai provò?
Addio mio acconto amato,
Invano abbiamo sperato!

DIREKTOR
Holà, ihr Streiter in Apoll! Ihr verhöhnt und beschimpft mein festliches Theater?! Was gibt euch ein Recht, so überheblich zu sprechen und mich zu schmähn, den wissenden Fachmann?! Euch, die ihr noch nichts für das Theater geleistet?! (zu Olivier) Deine Verse in Ehren, - wenn Clairon sie spricht! Aber die magere Handlung deiner Dramen - ihr dramatischer Aufbau? - Sehr bedürftig meiner szenischen Hilfe! (zu Flamand) Deine kleinen Ensembles für Streichinstrumente: - graziöse Kammermusik! Sie entzückt den Salon. Die heutige habe ich leider verschlafen. Elegische Romanzen kannst du wohl singen, aber Musik der Leidenschaften, wie die Bühne sie fordert, sie ist dir bisher noch nicht gelungen! - Nein, nein, euer Veto macht mich nicht erzittern! Was wisst ihr Knaben von meinen Sorgen? Seht hin auf die niederen Possen, an denen unsere Hauptstadt sich ergötzt. Die Grimasse ist ihr Wahrzeichen - die Parodie ihr Element - ihr Inhalt sittenlose Frechheit! Tölpisch und rüde sind ihre Spässe! Die Masken zwar sind gefallen, doch Fratzen seht ihr statt Menschenantlitze! Ihr verachtet dies Treiben, und doch, ihr duldet es! Ihr macht euch schuldig durch euer Schweigen. Nicht gegen mich richtet eure Phalanx! Ich diene den ewigen Gesetzen des Theaters. Ich bewahre das Gute, das wir besitzen, die Kunst unsrer Väter halte ich hoch. Voll Pietät hüte ich das Alte, harre geduldig des fruchtbaren Neuen, erwarte die genialischen Werke unserer Zeit! Wo sind die Werke, die zum Herzen des Volkes sprechen, die seine Seele widerspiegeln? Wo sind Sie? - Ich kann sie nicht finden, so sehr ich auch suche. Nur blasse Ästheten blicken mich an: sie verspotten das Alte und schaffen nichts Neues! In ihren Dramen stolzieren papierne Helden, zücken die Schwerter und schwingen Tiraden, die wir längst schon kennen.
In der Oper das gleiche: Greise Priester und griechische Könige aus grauer Vorzeit, Druiden, Propheten schreiten gleich Scheinen aus den Kulissen. - Ich will meine Bühne mit Menschen bevölkern! Mit Menschen, die uns gleichen, die unsere Sprache sprechen! Ihre Leiden sollen uns rühren und ihre Freuden uns tief bewegen! Auf! Erhebt euch und schafft die Werke, die ich suche! Kraftvoll führ auf meiner Bühne ich sie zum stolzen Erfolg. Schärft euren Witz, gebt dem Theater neue Gesetze -neuen Inhalt!! Wo nicht - so lasst mich in Frieden mit eurer Kritik. Heute im Zenith meiner ruhmreichen Laufbahn darf ich es wagen, von mir zu sprechen, - von mir, dem Entdecker grosser Talente - dem weisen Erzieher, dem Inspirator! Ohne meinesgleichen, wo wäre das Theater? Ohne meinen kühnen Wagemut und schliesslich - ohne meine hilfreiche Hand? Ein Vorschuss im richtigen Augenblick kann aus tiefster Depression erheben und die entschwundene Tatkraft wieder erwecken. Ein Beispiel für viele: der berühmte Lekain, einst ein lebensmüder Statist, heute ein Führer des »Palais Royal«, ist mein Werk, ging durch mich seinen Weg. Gebt euch geschlagen, ihr Schwärmer, ihr Träumer! Achtet die Würde meiner Bühne! Meine Ziele sind lauter, unauslöschlich meine Verdienste! Ich streite für die Schönheit und den edlen Anstand des Theaters. Mit dieser Parole im Herzen leb' ich mein Leben für das Theater, und ich werde weiterleben in den Annalen seiner Geschichte! »Sicitur ad astra!« Auf meinem Grabstein werdet Ihr die Inschrift lesen: »Hier ruht La Roche, der unvergessliche, der unsterbliche Theaterdirektor. Der Freund der heitren Muse, der Förderer der ernsten Kunst. Der Bühne ein Vater, den Künstlern ein Schutzgeist. Die Götter haben ihn geliebt, die Menschen haben ihn bewundert! « - Amen.
Stürmischer Applaus

CLAIRON
läuft auf den Direktor zu und drückt ihm begeistert einen Kuss auf die Wange
La Roche, du bist gross, du bist monumental!

OLIVIER und FLAMAND
A - men, A - men!

DIE ITALIENISCHE SÄNGERIN
leicht angeheitert vom vielen Portweintrinken, schluchzt laut auf
Hu! Hu!

DER TENOR
Che cosa c'è? Non è mica morto!
ärgerlich
Mach doch hier keine Szene!
Er führt die laut weinende Sängerin in den Theatersaal ab

GRAF
Bravissimo! Bravissimo!

GRÄFIN
tritt in die Mitte
Ihr hörtet die mahnende Stimme unseres Freundes! Sie soll nicht verklingen, beherzigt sein Wort. Stellt ihm die Aufgabe, die er verlangt, damit seine Kunst der euren dient. Schafft gemeinsam ein Werk für unser Fest!

GRAF
zu Clairon
Schauder erfasst mich, sie bestellt eine Oper!

GRÄFIN
fortfahrend
In scharfem Disput habt ihr euch bekämpft, vergeblich versucht, euch zu widerlegen. Verlasst die Irrwege des Denkens! Fühlt es mit mir, dass allen Künsten nur eine Heimat eigen ist: Unser nach Schönheit dürstendes Herz! Ein zarter Keim ist heute entsprossen - ich sehe ihn wachsen zum starken Baum, sein Blütenmeer Über uns ergiessend!

CLAIRON
fährt Dichter und Musiker feierlich vor die Gräfin. Mit theatralischem Pathos
Die Göttin Harmonie steigt zu uns hernieder. Einigt euch, ihr Künste, sie würdig zu empfangen!

GRÄFIN
zum Musiker
Der süssen Regung, die Apoll in Euch getragen, auf Olivier deutend schenke der Dichter den edlen Gedanken! (zum Dichter) Was herrlich begonnen der dichtende Geist, (auf Flamand deutend) die Macht der Töne soll es verklären! auf den Direktor deutend Auf seiner Bühne gewinn' es Gestalt, in Anmut und Würde die Herzen zu rühren. (zu allen dreien) Der schöne Bund vereint alle Künste, sie neigen sich liebend zueinander, bereiten sich freudig züi festlichem Spiel!

OLIVIER
Welch reine Melodien bezaubern unser Ohr.

FLAMAND
Was hebt sich göttergleich aus hohen Wolkengründen?

FLAMAND und OLIVIER
Die Göttin Harmonie, sie stieg zu uns hernieder! Wir wollen huldigend ihr entgegentreten und rauschend grüssen ihre Erdenfahrt.

CLAIRON
Welch ungeahntes Glück lenkt hierher ihren Schritt? Die hohe Göttin selbst bemüht sich, euren Streit zu schlichten!

DIREKTOR
Wer könnte ihrem Walten sich entziehen?

FLAMAND und OLIVIER
Zu Ende sei der unfruchtbare Kampf!

DIREKTOR
Sie schreite uns voran auf unsrem Weg.

CLAIRON
Sie soll euch begleiten auf euren Wegen und nimmer scheiden aus eurem Kreis!

FLAMAND, OLIVIER, DIREKTOR
Wir wollen vergessen, was uns entzweite, versöhnt beginnen das befohl'ne Werk.

GRAF
Das ist mehr als eine Versöhnung, das ist eine Verschwörung! Und ich bin das Opfer - meine Ahnung erfüllt sich.

GRÄFIN
Eine neue Oper wird uns geschenkt, du kannst es nicht hindern. Ertrag' dein Geschick als Philosoph!

GRAF
Was bleibt mir übrig, als mich zu fügen!
Das Unvermeidliche nimmt seinen Lauf, eine Oper bricht über mich herein!

CLAIRON
zum Grafen
Ihre Stossseufzer verhallen ohne jede merkliche Wirkung.

GRÄFIN
zur Clairon
Mein Bruder ist nicht sehr musikalisch. Er hat eine Vorliebe für Einzugsmärsche und betrachtet in der Oper die Komponisten als »Wortmörder«.

CLAIRON
Vielleicht hat er recht.

DIREKTOR
Nun gleich an die Arbeit, wir wollen keine Zeit verlieren. (zum Musiker) Der Arie ihr Recht! Auf die Sänger nimm Rücksicht -nicht zu laut das Orchester! Im grossen Ballett, da tobe dich aus.

OLIVIER
ironisch
Schon öffnet er wieder den Schrein seiner reichen Erfahrung.

DIREKTOR
zum Dichter Die Szene der Primadonna nicht zu Anfang des Stückes. Verständliche Verse, (zum Musiker) und oft wiederholt, dann hast du die Chance, dass man sie versteht.

FLAMAND
Lass deine ehrwürd'gen Regeln beiseite. Neue Wege wollen wir suchen!

DIREKTOR
Macht euch nicht wichtig! In meiner Hand ruht schliesslich euer Erfolg. Gleichviel - wir wollen die Arbeit redlich teilen.zum Dichter Bei dir liegt der Anfang, überlege den Stoff!

OLIVIER
zur Gräfin Wie würde Euch »Ariadne auf Naxos« gefallen?

FLAMAND
Schon zu oft komponiert.

DIREKTOR
Die bekannte Gelegenheit zu sehr vielen, langen Trauerarien.

FLAMAND
Mich würde »Daphne« weit mehr interessieren.

OLIVIER
Eine verlockende Fabel, doch äusserst schwierig darzustellen: Daphnes Verwandlung zum ewigen Baum des Gottes Apollo -

FLAMAND
Das Wunder der Töne kann sie gestalten!

GRÄFIN
Ein schöner Stoff, ich lieb' ihn ganz besonders.

DIREKTOR
Schon wieder Nymphen und Schäfer, Götter und Griechen! Ihr wart doch selbst gegen die Mythologie.

GRAF
Alltägliche Dinge - - - Es fehlte nur noch der Trojanische Krieg!

DIREKTOR
Auch Ägypter und Juden, Perser und Römer haben wir genug in unseren Opern. Wählt doch einen Vorwurf, der Konflikte schildert, die auch uns bewegen.

GRAF
Ich wüsste ein äusserst fesselndes Thema! Schreibt eine Oper, wie er sie sich wünscht. Schildert Konflikte, die uns bewegen. Schildert euch selbst! Die Ereignisse des heutigen Tages - was wir alle erlebt - dichtet und komponiert es als Oper!

DIREKTOR
sprachlos
Ha!

OLIVIER
sehr überrascht
Ein verblüffender Einfall -

FLAMAND
- das ist nicht zu leugnen.

GRAF
Das wäre ein Thema, das auch uns interessierte!

GRÄFIN
Ein entzückender Vorschlag!

CLAIRON
Wir fallen aus einer überraschenden Situation in die andere.

DIREKTOR
Ein wahres Problem, so etwas aufzuführen.

OLIVIER
Überlegend
Wenig Handlung…

GRAF
Zeigt uns, dass ihr etwas Apartes schaffen könnt.

FLAMAND
Für Musik ist gesorgt.

GRAF
Wir sind die Personen eurer Oper. Wir alle spielen mit in eurem Stück.

GRÄFIN
Wird das nun eine heitere Oper?

DIREKTOR
einwerfend
Ich sehe mich schon als Bassbuffo umherirren!


GRAF
der Gräfin antwortend
Jedenfalls eine Oper ohne »Helden«!

DIREKTOR
Wer ist der Liebhaber?

CLAIRON
Ich glaube, es gibt nur wenige Personen, die es nicht sind.

OLIVIER
zum Musiker
Und wen wählst du von uns zum Tenor?

GRAF
Verratet nicht zu früh die Geheimnisse eurer Werkstatt.

CLAIRON
Sehr fein pariert! Ich gratuliere, Herr Graf. Sie stellen den dreien eine schwierige Aufgabe!

GRÄFIN
Ein wenig boshaft ist dein Vorschlag.

OLIVIER
Der Einfall ist köstlich, was sagst du, La Roche?
Da hat wieder einmal ein blindes Huhn - -

DIREKTOR
ein Ei gelegt!

OLIVIER
Wieso?

DIREKTOR
Warum nicht!

GRÄFIN
Sie scheinen mir ganz bestürzt, La Roche!

DIREKTOR
Diesen Vorschlag hätte ich allerdings nicht erwartet!

GRÄFIN
Finden Sie ihn schlecht?

DIREKTOR
Nein, nein, aber bedenken Sie, Frau Gräfin - - Ich fürchte, das Ganze wird eine einzige grosse Indiskretion!

GRÄFIN
Es wird von eurem Geschmack abhängen, sie graziös auf die Bühne zu bringen.

CLAIRON
Nur indiskrete Theaterstücke haben Erfolg!

OLIVIER
Ich finde den Einfall ganz ausgezeichnet und werde sogleich das Szenarium entwerfen.

CLAIRON
Es ist spät geworden, ich muss nach Paris.

DIREKTOR
Auch wir müssen aufbrechen
zum Dichter und Musiker
Ihr fahrt doch mit mir?

GRÄFIN
zu Clairon
Wir haben Sie hier allzu lange festgehalten.

CLAIRON
Oh - in Ihrem Salon vergehen die Stunden, ohne dass die Zeit älter wird. Frau Gräfin!

GRÄFIN
Mademoiselle Clairon! Adieu La Roche! Schreiben Sie mir eine gute Rolle, Olivier! Auf Wiedersehen, Flamand!

FLAMAND
Auf Wiedersehen!
Die Gräfin geht ab. Dichter und Musikerfolgen ihr bis zur Tür und blicken ihr nach


ZEHNTE SZENE

DIREKTOR
hat die beiden italienischen Sänger aus dem Theatersaal geholt und bringt sie zum Ausgang durch die Galerie im Hintergrunde links
Gut in eure Mäntel gehüllt, damit ihr euch auf der Fahrt nicht erkältet.
Der Sänger will ihm etwas sagen
Ja, ja, euer Vorschuss - er ist morgen bereit.

GRAF
zu einem Diener
Ist angespannt?

DIENER
Zu dienen. Vier Pferde.

CLAIRON
den Arm des Grafen nehmend
Ich hätte wenigstens sechs erwartet.
Beide gehen lebhaft ab

FLAMAND
zum Dichter
Prima le parole, dopo la musica. Dem Worte der Vorrang!

OLIVIER
Nein, der Musik, - doch geboren aus dem Wort.

FLAMAND
halb für sich
Prima la musica -
zum Dichter, mit Beziehung auf die Gräfin
Sie hat entschieden!
Geht ab. Der Theaterdirektor tritt auf

DIREKTOR
Kommt, kommt, lasst mich nicht warten.

OLIVIER
Ja - für das Wort! Prima le parole.

DIREKTOR
Trennt euch doch endlich vom heutigen Tag! Auf der Fahrt können wir noch manches für unsere Oper besprechen.
zum Dichter
Vergiss nicht meine Hauptszene in deinem Szenarium: wie ich im Theatersaal die Probe leite. Ein Marschall der Bühne! Sie kann zum Höhepunkt deines Stückes werden. Und vor allem: Sorge für gute Abgänge in meiner Rolle! Du weisst, der wirkungsvolle Abgang - ein entscheidendes Moment!


ELFTE SZENE

Acht Diener treten auf. Sie beginnen den Salon aufzuräumen

DIE DIENER
Das war ein schöner Lärm - und alle durcheinander!

1. DIENER
Die Italienerin hat einen gesunden Appetit, von der Torte ist nichts mehr übrig.

2. DIENER
Was wollte der Direktor mit seiner langen Rede?

3. DIENER
Er sprach sogar griechisch!

4. DIENER
Ich habe nichts verstanden.

5. DIENER
Es handelt sich um Reformen bei den Schaustücken, die er noch vor seinem Tod einführen will.

6. DIENER
Ich vermute, sie wollen jetzt auch Domestiken in den Opern auftreten lassen.

ALLE
Die ganze Welt ist närrisch, alles spielt Theater. Uns machen sie nichts vor, wir sehen hinter die Kulissen. Dort sieht die Sache ganz anders aus. Der Graf sucht ein zärtliches Abenteuer, die Gräfin ist verliebt und weiss nicht in wen.

1. DIENER
Vielleicht in alle beide …

2. DIENER
Um sich darüber klar zu werden, lässt sie sich eine Oper schreiben.

4. DIENER
Wie kann man aus einer Oper klug werden?

5. DIENER
Verworrenes Zeug!

1. DIENER
Man singt, damit man den Text nicht versteht.

4. DIENER
Das ist auch sehr notwendig, sonst zerbricht man sich über den verworrenen Inhalt den Kopf.

5. DIENER
Lass dein vorlautes Geschwätz!

3. DIENER
Ich lob' mir die Seiltänzer und ihre Spektakels. Ihre Truppe ist vom König privilegiert. Ich habe sie in Versailles gesehen.

4. DIENER
Ich auch! Grossartig, sage ich euch. Und nachher das grausige Stück: Coriolan, der die eigene Tochter ersticht!

2. DIENER
Mir sind die Marionetten lieber.

3. DIENER
Der Arlecchino ist noch lustiger!

1. DIENER
Wollen wir am Geburtstag unserer Gräfin nicht auch etwas Lustiges spielen? So eine Geschichte mit Masken? Ich kenne den Brighella von der italienischen Truppe, der hilft uns sicher.

5. DIENER
Seid still, der Maître kommt.

HAUSHOFMEISTER
tritt ein
Macht schnell hier fertig, dann richtet alles zum Souper! Nachher seid ihr frei.

ALLE DIENER
Welch Vergnügen, ein Abend ohne Gäste! Nun in die Küche, zu sehen, was es gibt. Das Souper steht bevor und nachher sind wir frei! Gloria! Gloria! Welch Vergnügen, ein Abend ohne Gäste! Der Graf sucht ein zärtliches Abenteuer, die Gräfin ist verliebt und weiss nicht in wen …

Die Diener sind in heiterer Stimmung abgegangen. Es ist dunkel geworden. Der Haushofmeister beschäftigt sich damit, einen Armleuchter anzuzünden. Als auch er abgehen will, hört man aus dem Theatersaal lebhaftes Gepolter und eine ängstliche Stimme » Herr Direktor! Herr Direktor!« rufen


ZWÖLFTE SZENE

MONSIEUR TAUPE
rufend
Herr Direktor …

HAUSHOFMEISTER
Wo kommen Sie her? Wer sind Sie?

MONSIEUR TAUPE
Erschrecken Sie nicht! Woher sollten Sie mich auch kennen? Ich bewege mich selten auf der Erdoberfläche.

HAUSHOFMEISTER
Was wollen Sie damit sagen?

MONSIEUR TAUPE
Ich verbringe -mein Leben unter der Erde. Unsichtbar -

HAUSHOFMEISTER
Für mich sind Sie aber sehr sichtbar.

MONSIEUR TAUPE
Ich bin der unsichtbare Herrscher einer magischen Welt.

HAUSHOFMEISTER
Wieso kommen Sie dort aus dem finsteren Saal ?

MONSIEUR TAUPE
Ich war eingeschlafen. Sie haben mich da drin vergessen.

HAUSHOFMEISTER
Wollen Sie mir nicht endlich sagen, wer Sie sind?

MONSIEUR TAUPE
Ich bin der Souffleur - man nennt mich Monsieur Taupe.


HAUSHOFMEISTER
Ich freue mich sehr, Sie kennenzulernen, Monsieur Taupe, und Sie in unserer wirklichen Welt begrüssen zu dürfen.

MONSIEUR TAUPE
müde
Nur ein Besuch, Herr, - ein kurzer Besuch. Machen Sie kein Aufhebens davon.

HAUSHOFMEISTER
Sie sind ein merkwürdiger Mann - und wie mir scheint, von einiger Wichtigkeit.

MONSIEUR TAUPE
Schon gut, schon gut. - Sie haben recht. Erst wenn ich in meinem Kasten sitze, beginnt das Weltenrad der Bühne sich zu drehen!

HAUSHOFMEISTER
Sie setzen also sozusagen - es in Bewegung?

MONSIEUR TAUPE
Die tiefen Gedanken unserer Dichter, ich flüstere sie leise vor mich hin - und alles beginnt zu leben. Unheimlich-schattenhaft spiegelt sich vor mir die Wirklichkeit. - Mein eigenes Flüstern schläfert mich ein.
bedeutungsvoll
Wenn ich schlafe, werde ich zum Ereignis! Die Schauspieler sprechen nicht weiter - das Publikum erwacht!

HAUSHOFMEISTER
Ha! Ha! Gut gesagt, gut gesagt!

MONSIEUR TAUPE
Nur mein Schlaf rettet mich vor Vergessenheit.

HAUSHOFMEISTER
Diesmal hat man sie aber doch vergessen.

MONSIEUR TAUPE
Wie schlecht man mich behandelt!

HAUSHOFMEISTER
Dies Los teilen Sie mit allen Herrschern!

MONSIEUR TAUPE
Sie liessen mich im Stich und sind davon gefahren. Wie soll ich jetzt nach Paris zurückkommen?

HAUSHOFMEISTER
Zu Fuss ist es zu weit. Kommen Sie mit in die Anrichte, stärken Sie sich ein wenig. Ich werde inzwischen einen Wagen anspannen lassen.

MONSIEUR TAUPE
Sie sind sehr gütig!

HAUSHOFIMEISTER
Folgen Sie mir!

MONSIEUR TAUPE
Ist das nun alles ein Traum! - Oder bin ich schon wach? …
Er schüttelt den Kopf, gähnt und folgt dem Haushofmeister nach


LETZTE SZENE

Die Bühne bleibt eine Zeit lang leer. Der Salon liegt im Dunkeln. Mondlicht auf der Terrasse. Die Gräfin tritt auf, in grosser Abendtoilette und tritt hinaus auf die Terrasse. Orchester-Zwischenspiel. Nach einiger Zeit tritt der Haushofmeister auf und entzündet die Lichter im Salon. Der Salon ist alsbald hell erleuchtet

GRÄFIN
Wo ist mein Bruder?

HAUSHOFMEISTER
Der Herr Graf hat Mademoiselle Clairon nach Paris begleitet. Er lässt sich für heute abend entschuldigen.

GRÄFIN
So werde ich allein soupieren. - Ein beneidenswertes Naturell! Das Flüchtige lockt ihn. Wie sagte er heute? »Heiter entscheiden - sorglos besitzen. Glück des Augenblicks - Weisheit des Lebens!« Ach! Wie einfach!
zum Haushofmeister
Was noch?

HAUSHOFMEISTER
Herr Olivier wird morgen nach dem Frühstück seine Aufwartung machen, um von Frau Gräfin den Schluss der Oper zu erfahren.

GRÄFIN
Den Schluss der Oper? Wann will er kommen?

HAUSHOFMEISTER
Er wird in der Bibliothek warten.

GRÄFIN
In der Bibliothek? Wann?

HAUSHOFMEISTER
Morgen mittag um elf.
geht mit einer Verbeugung ab

GRÄFIN
Morgen mittag um elf! Es ist ein Verhängnis. Seit dem Sonett sind sie unzertrennlich. Flamand wird ein wenig enttäuscht sein, statt meiner Herrn Olivier in der Bibliothek zu finden. Und ich? Den Schluss der Oper soll ich bestimmen, soll -wählen - entscheiden? Sind es die Worte, die mein Herz bewegen, oder sind es die Töne, die stärker sprechen -
Sie nimmt das Sonett zur Hand, setzt sich an die Harfe und beginnt, sich selbst begleitend, das Sonett zu singen

Kein andres, das mir so im Herzen loht,
Nein Schöne, nichts auf dieser ganzen Erde,
Kein andres, das ich so wie dich begehrte,
Und käm' von Venus mir ein Angebot.

Dein Auge beut mir himmlisch-süsse Not,
Und wenn ein Aufschlag alle Qual vermehrte,
Ein andrer Wonne mir und Lust gewährte,
Zwei Schläge sind dann Leben oder Tod.
sich unterbrechend

Vergebliches Müh'n, die beiden zu trennen. In eins verschmolzen sind Worte und Töne - zu einem Neuen verbunden. Geheimnis der Stunde. Eine Kunst durch die andere erlöst!

Und trüg' ich's fünfmalhunderttausend Jahre,
Erhielte ausser dir, du Wunderbare,
Kein andres Wesen über mich Gewalt.

Durch neue Adern müsst' mein Blut ich giessen,
In meinen, voll von dir zum Überfliessen,
Fänd' neue Liebe weder Raum noch Halt.

Sie erhebt sich und geht leidenschaftlich bewegt auf die andere Seite der Bühne

Ihre Liebe schlägt mir entgegen, zart gewoben aus Versen und Klängen. Soll ich dieses Gewebe zerreissen? Bin ich nicht selbst in ihm schon verschlungen? Entscheiden für einen? Für Flamand, die grosse Seele mit den schönen Augen - Für Olivier, den starken Geist, den leidenschaftlichen Mann? -
Sie sieht sich plötzlich im Spiegel
Nun, liebe Madeleine, was sagt dein Herz? Du wirst geliebt und kannst dich nicht schenken. Du fandest es süss, schwach zu sein, - Du wolltest mit der Liebe paktieren, nun stehst du selbst in Flammen und kannst dich nicht retten! Wählst du den einen - verlierst du den andern! Verliert man nicht immer, wenn man gewinnt?
zu ihrem Spiegelbild
Ein wenig ironisch blickst du zurück? Ich will eine Antwort und nicht deinen prüfenden Blick! Du schweigst? - O, Madeleine! Madeleine! Willst du zwischen zwei Feuern verbrennen? Du Spiegelbild der verliebten Madeleine, kannst du mir raten, kannst du mir helfen den Schluss zu finden für ihre Oper? Gibt es einen, der nicht trivial ist? -

HAUSHOFMEISTER
Frau Gräfin, das Souper ist serviert.

Die Gräfin blickt lächelnd ihr Spiegelbild an und verabschiedet sich von diesem graziös mit einem tiefen Knix. - Dann geht sie in heiterster Laune, die Melodie des Sonetts summend, an dem Haushofmeister vorbei langsam in den Speisesaal


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@ Aiko Oshio
最終更新:2021年07月02日 21:12