管理人より

  • こちらに掲載している原語リブレットはどうやらホーフマンスタールの生台本だったようで、シュトラウスが音楽を付けてない部分や追加した詩句があるようです。生台本は話のつながりがスムーズな点もあるということで、wagnerianchanさまはそのまま訳出してくれました。管理人がシュトラウスがカットした原語部分をグレーにする処理を行っています。通常のリブレット日本語対訳はこちらをご覧ください。

(アデライーデが、ヴァルトナーがやって来る音に耳を澄ましながら、舞台左手から出て来る。すると同時にヴァルトナーも現れる。彼は上品な身なりをしており、都会風のコートにシルクハットをかぶり、ステッキを持ち、手袋をはめている。
彼は見たところエレガントだが、疲れきって、徹夜明けのように見え、誰も目にとまらないかのように部屋を横切ると、舞台右手前方の肘掛椅子に身を沈める)

ADELAIDE
二人とも。私達だけにしてくれない。
お父さんは、ずいぶんご心労のようだわ。

(アラベラは左手後方へ、ズデンカは右手後方へと退場)


WALDNER
(立ち上がり、屏風の陰で上着を脱ぐと、シルクハットをテーブルの上に置く。請求書入りの封筒の束を目にすると、機械的にそれを見つめた後、次々と封筒を引っ張り出す)

こんなのしかないのか?
これ以外、誰からも手紙は来なかったのか?

ADELAIDE
またギャンブルね?負けたんでしょ、テオドール?
(ヴァルトナーは黙り込む)
連隊の戦友に手紙を出されたんでしたね?

WALDNER
誰からも返事が来ない!冷たいものだ。
(肘掛椅子に身を投げる。独り言だが、半ばはアデライーデに向けて)
マンドリカという男がいた。
大金持ちで、そのうえ夢想癖のある男だった。
一度あの男は、ある女のために、ヴェローナの通りに3千もの桶に入った塩を撒き散らしたことがある。その女が、夏の盛りの8月なのに、橇遊びをしたいと言ったからだよ!
だから、わしは、あの男の豪儀さを当てに、
アラベラの写真を中に入れておいたんだ・・・
白鳥の縁どり付きの青い舞踏会用ドレスの写真を。
わしはこう思ったのだ・・・あの、いかれた男なら、ここに来て、あの子を嫁にしてくれないとも限らんとな!

ADELAIDE
ああ、美しいあの子が、そんなお爺さんと一緒になるなんて!

WALDNER
(激しい口調で)
誰か確実な求婚者が来なければいかんのだ!
終わりのない無益なご機嫌取りなどもう沢山だ!
我々が救われる道はそれしかないんだ!

(立ち上がって、部屋を行ったり来たりする)

ADELAIDE
(突然、霊感に打たれたように)
逃げましょう!ヤドヴィーガ叔母さんの所へ!
きっと城館に迎えてくれるわよ!
あなたは管理人になり、
私は、叔母さんの家を取り仕切ればいいんだわ。

WALDNER
そうしたら、娘たちは?

ADELAIDE
ズデンカは、ずっと給仕のままよ・・・
二人もの娘を
養えるはずがないわ!
でも、アラベラ・・・あの子には予言がある。
素晴らしい結婚で幸せをつかむはずよ!

WALDNER
(激怒しながら)
そんなことしていたら、
最後の頼みの五十男は死んでしまうぞ!

ADELAIDE
落ち着いて。テオドール。
夢の中に3つの数字が現れたの!
間違いのない、素晴らしい数字よ!

WALDNER
おお、もうたわごとはよすんだ!
エメラルド・ブローチを質に入れて、わしに金をよこせ!
何っ?もう持ってない?質に入れたのか?

ADELAIDE
もう先週にね。あれが最後の品だったわ。
ああ、このウィーンってところは!

WALDNER
今日こそツキがめぐってくるはず!
指が、その気配を感じているというのに!
なんと不運なわしだ!

ADELAIDE
でも、この深い恥辱の中から、美の力によって、
最高に高い所にまで
引き上げられるかもわからないわ!

WALDNER
もう財布には1グルデンも残ってないぞ!
(激しい身振りで妻に出て行くよう合図する)

ADELAIDE
(後ろに下がって行き、舞台前方左手のドアと蝶番の間で、恍惚として)
ひょっとして、いとも高貴な身分の方の家で
愛に満ちた結婚式が行われないこともないわ。
(退場する)

WALDNER
(再び請求書に目を通し、最初の文面を読み上げる)
「これ以上お待ちできる状況にはありません!」
(2つ目の請求書を手に取り)
「あるいは司法の手をわずらわせる事態にも・・・」
かわいそうな妻!娘たち!
(背後に手を伸ばし、呼び鈴の綱を引っ張って鳴らすと、ホテルの部屋係が入って来る)

WALDNER
コニャックを!

ZIMMERKELLNER<部屋係
8番様にはサービスできかねます!
すぐに、お支払いをいただかない限り!

WALDNER
出て行ってくれ。いらないから。
(部屋を行ったり来たりして)
今頃みんな集まって、また一勝負始めているだろうに。
それ以外のことは、時間の無駄だ!

ZIMMERKELLNER
(トレーを持って入って来る)
ご来客が!

WALDNER
出かけたと言ってくれ。
そいつは、そこに置け!

(部屋係は、ヴァルトナーに言われた場所に名刺を置いて退場)


WALDNER
(眺めながら)
でも、あれは請求書じゃないな。
業者が名刺を使って挨拶回りしているのか?
(そのほうに行き、名刺を手に取ると、嬉しさのあまり飛び上がる)
マンドリカ!
(目を疑いながら)
大金持ち!連隊の大親友!

ZIMMERKELLNER
(扉の所に立って)
どうしてもお会いしたいとおっしゃるのですが。

WALDNER
お通しするように!
(入って来た男を、手を広げて出迎える)
ようこそ、戦友!

(大柄で、とても力が強そうだが、エレガントな姿をしたマンドリカが現れる。歳は、せいぜい35歳という所で、どことなく地方的な感じに見える。しかし、服装はとても立派で、かけらほどの田舎っぽさも無い。ヴェルコは、マンドリカの後ろから入場し、扉のところで立ち止まっている)

WALDNER
(当惑して、後じさりする)

MANDRYKA
騎兵隊長ヴァルトナー伯爵さまではありませんか?

WALDNER
いかにもヴァルトナーです。
もう騎兵隊長ではありませんがな。

(マンドリカは右手を後ろに突き出す。
ヴェルコは、頭を下げたまま、マンドリカの手に手紙を渡す)

MANDRYKA
(手紙を手に、ヴァルトナーに近寄って行く)
伯爵、この手紙の主はあなた様ですか?

(ヴァルトナーは、しわくちゃで血まみれになった手紙を受け取る)

MANDRYKA
(とても軽やかに、元気良く、きわめて丁重に)
少し血が付いていますが、読めないほどではありません。
この手紙が私に届いた時、私は、年寄りの熊をしとめようとしていたので、その熊に襲われて少し引っかかれたのです。
もう過ぎたことです。

WALDNER
(一瞥した後で、手紙を返しながら)

確かに、あなたと同名の男に手紙を書きました・・・
私の友人で、連隊の戦友であるその男に。

MANDRYKA
それは私の伯父です。伯父は死にました。
今、マンドリカといえば私だけです。
ですからお許しください。この手紙を、私が開封してしまったことを。ところで、お聞きしたいことが一つだけ・・・
ヴェルコ!あの写真を!

WELKO
(写真を手渡しながら)
万事順調ですぞ・・・大侯様。
このお顔をした美女は、確かにこの家に。

MANDRYKA
(写真を手にして)
伯爵さま・・・古い戦友として
私の伯父宛てに出されたこの手紙に、
あなた様は、このご婦人の写真を同封されましたな。

WALDNER
(ちらっと写真を見て、どうでもいいことのような口調で)
いかにも!私の娘である
アラベラの写真ですよ!

MANDRYKA
(目立って興奮するが、姿勢は崩さずに)

ご令嬢は結婚しておられないのですか・・・?

WALDNER
(うなずく)
まだです。

MANDRYKA
今のところ婚約もなされてないと?

WALDNER
今のところはまだです。

MANDRYKA
(きわめて真剣に、厳粛と言ってもいい態度で)
5分ほど、お話しさせていただきたいのです。

(ヴェルコは、2つの肘掛椅子を向い合せになるよう素早く動かし、後ろにずらす。ヴァルトナーとマンドリカは腰掛ける。マンドリカは当惑して、やや間を置き、ヴァルトナーは緊張している)

MANDRYKA
率直に質問させていただいて、よろしいでしょうか?

WALDNER
あなたは、あの大切な戦友の甥であり、相続人です。
なんなりと、どうぞ!

MANDRYKA
感謝いたします・・・
(にわかに考えをめぐらしながら)
死んだ伯父あての手紙に、
ご令嬢の魅力的な写真を
同封されたとき、
あるいは、そこに何か目的のようなものが
ありませんでしたか?・・・失礼ならばお許しを。

WALDNER
(慎重に)
これはしたり!あのご老人を
少しからかいたいと思っただけなのです!

MANDRYKA
(きわめて注意深く、ヴァルトナーの言う全ての言葉の意味を十分に受け止めようとしながら)
伯父をからかうですって?
ですが、こうなっていたかも知れませんよ・・・
伯父の体がまだ丈夫で、
男盛りの状態だったとしたら、
この肖像写真の美しさに参ってしまい、
あなたの前に現れて、
誰が見ても申し分のない貴族として、
こう宣言していたかも知れません・・・。
「あの顔を一目見て、求婚の名乗りを上げぬ男など、神のお計らいで、この地上に生まれた意味など無い!
私の妻として、妃として、この女性をいただきたい!」と。

どうでしょう?もしかしたら、
こう言ったかも知れないのですよ!

WALDNER
だとすれば、私どもも
不意を突かれたかも知れませんなあ。

MANDRYKA
(とても興奮しつつも、気持ちを抑えながら立ち上がる)
伯父はあの世に行きました。
今は私が唯一のマンドリカです。
いくつもの森や村を、私は治めています。
4千人の領民が、私の幸せを念じています・・・。
そんな私が・・・もろ手をあげてお願いするのです・・・
お父君。この私に、
ご令嬢をいただけないでしょうか。
この14週もの間、胸の中で、
ひと時たりと想いが消えぬあの方を、
私の妻としていただきたいのです。

(ヴァルトナーは驚きのあまり絶句する)

ためらっておられますが、これは死の宣告ですか?
だめなのですか?
(ヴァルトナーは首を横に振る)
会えるのですね?
(ヴァルトナーはうなずく)
お許しを・・・
この手紙が届いたちょうどその時、
私は、年寄り熊の手につかまれ、
あばら骨が4本つぶれてしまったのです。
そのため、12週間、
ベッドで横になっていたのですが・・・
目の前には、この写真のお姿が・・・
この思いはますます強くなり、
ついには魂がかっさらわれてしまったのです!
(誇張するわけでもなく、とても素朴に)
資産の管理人達が見舞いに参りました。
「我らの殿様に何が?」
荘園の小作人達が参りました。
「我らの殿様に何が?」
牧場で働く者達が参りました。
「殿は、もう馬遊びができないのでは?」
森の番人達が参りました。
「殿は、もう狩りを楽しまれないのでは?」
私はそれには何も答えずに「ヴェルコ!」と叫び、
「あのユダヤ人を連れて来い!何と言う名だったかな?あのジシェクのユダヤ人は?あの男は、私の森を買うつもりだったな?あの樫の木の森を!
早く、あの男を連れて来て、
現金を持ってくるよう伝えろ。
なぜなら明朝、私は旅立ち、
首都ウィーンで皇帝に謁見するのだ。
1秒1秒、金が必要だ。
求婚の旅に障害があってはならんぞ!」
(マンドリカは、大きいがエレガントな札入れを取り出す。そこには無造作に投げ込まれた千グルデン紙幣の分厚い束が入っている)
森がこんなのになりました・・・
美しい森でした・・・
そこには隠者達が住んでいました。
ジプシーもいました。老いた鹿もいましたし、
いくつもの炭焼き窯が煙を上げていました。
みんな、こんな紙切れごときに変わってしまったのです!
ですが、樫の森など、
領地には、まだうなるほどあります。
子々孫々にいたるまで・・・神の御加護を!・・・
お願いですから、こんなことを話すのを
お許しください!
自分でもなぜかわからないのですが、
もう口にしてしまったことです!
(札入れをしまおうとする)

WALDNER
(思わず体が反応して、マンドリカが札入れをしまうのを止める)ああ!非常に興味深いお話です!
考えてみれば・・・一つの森が・・・隠者達と、
ジプシーと、老いた鹿の住まっていた森が、
一二の三で・・・こんな札入れに化けたのですな!
長い間、このようなものを見たことはありませんでした。

(札入れに心を奪われ、じっと見つめている)

MANDRYKA
(きわめて軽快に愛想良く、札入れを差し出す)
もしかしますと?あるいはご入り用ですか?
今すぐに?いいえ、
私のほうこそ、お情けにすがっているのです!
どうぞ、ご自由に!

WALDNER
(ややためらった後で、千グルデン紙幣を1枚つかむ)
実は、銀行の担当者が旅行で不在なのです!
遅くとも、今晩にはお返しいたします!

MANDRYKA
(あらためて札入れを差し出し、あたたかく)
もういいのですか?
何とぞお願いします!何としても!
ですから、どうぞ、ご自由に!

(ヴァルトナーは2枚目の紙幣をつかむと、1枚目の紙幣ともども無造作にチョッキのポケットにつっこむ)
(マンドリカは胸のポケットに札入れをしまう。困惑したような間を少し置いてから)

MANDRYKA
それでは、伯爵夫人どのを
いつご紹介いただけるのでしょうか・・・
そして、御令嬢は?

WALDNER
二人とも、隣の部屋にいますぞ。

(マンドリカは、驚きあわてて立ち上がる)

WALDNER
(同時に立ち上がる)
お会いになりたいんでしょう?今呼びます・・・
ご紹介いたします。

MANDRYKA
今ですって?そんな?
いや、まだです!今は決して!

WALDNER
伯父さまは、こんな内気な方でしたっけかねえ!

MANDRYKA
(きわめて真剣に)
それは別の話でしょう。
これは神聖な事柄なのですから。

WALDNER
ではお望みのままに。

MANDRYKA
(口調を変えて)
私はこのホテルに泊めていただき、
ご夫人がお命じになるまで待つつもりです。
私の自己紹介にふさわしい時間をご指定下さい。
午後でも、晩でも・・・いつでもかまいません。
(マンドリカは一礼して辞去する。ヴァルトナーは握手の手を差し出し、彼を扉まで送って行く)

WALDNER
(一人で)
これは夢か?いや、たしかにここにいたぞ。
マンドリカの甥が。
こんなことが起こった試しがあるだろうか!
(ヴァルトナーは、くしゃくしゃになった紙幣を1枚2枚と引き出し、しわをたたんでから、すっからかんの財布につっこむ)
夢か?いや、違う!夢じゃない!
(もう一度紙幣を1枚取り出し、何も考えずに、紙幣をひねって小さなじょうごのようにして手に持つ。軽やかなアクセントでマンドリカの口調をまねながら、かなり大声を出す)

でしたらどうぞ、ご自由に!

ZIMMERKELLNER
(部屋に入って来て)
お呼びで?
(ヴァルトナーの手にある千グルデン紙幣に気付くと、ころっと口調を変えて)
ご下命ですか?

WALDNER
(静かに、やさしく、独り言で)
どうぞ、ご自由に!

ZIMMERKELLNER
両替をお命じですか?

WALDNER
ひょっとしたら後で頼むかもな。まだいいよ。

(部屋係は退場)

WALDNER
(独り言。優美に)
どうぞ、ご自由に!
(とろけんばかりの猫なで声で)
どうぞ、ご自由に!
(威厳をこめて)
どうぞ、ご自由に!
(コート、帽子、ステッキを手に取って)

ZDENKA
(右側のドアから出て来る)
お呼びですか?パパ?

WALDNER
(喜びのあまり大はしゃぎで)
どうぞ、ご自由に!

ZDENKA
誰と話してるの?何が起こったの?パパ?

WALDNER
(初めて、自分一人じゃないことに気付く)
何でもない。ちょっと出かけてくる。
人を待たせておるんでな。
何か欲しいものはあるかい?
(手に持った千グルデン紙幣を振って、ズデンカに合図する)

こいつを両替してくるのさ。
じゃあな。
(中央の扉から出て行く)

ZDENKA
(一人残されて)
パパ!行っちゃった。
あんなお父さん、初めて見た。
心配のあまり、おかしくなったのかも!
この街を出なけりゃいけない・・・明日にもすぐ・・・
マッテオに会えるのも今日が最後なのかも・・・
ああ、神様、弱いあたしに力をください!

(マッテオが素早く、人目につかないように中央扉から入って来るので、ズデンカはびっくりする)

MATTEO
父上には気付かれなかったよ。扉の横にぴったりくっついていたからね。

ZDENKA
(左後方のドアを指差して)
しいっ!中にお姉さんがいるよ!
(耳を澄ます)
ぼくを呼んでいる!

MATTEO
お会いすることはできないのかい?

ZDENKA
今はだめだ!お願いだ!今は!

MATTEO
じゃあ、手紙があるんだね?

ZDENKA
手紙?ああ!いや!今はだめだ。
お姉さんは言ってた。あなたへの手紙は・・・
今晩の・・・御者舞踏会で・・・
それまでは家にいて・・・
このホテルで・・・
もしかしたら、ぼくが君の部屋に手紙を・・・
そうでなければ、舞踏会の場で渡すよ!

MATTEO
見捨てる気じゃないだろうね?信じているよ!

(ズデンカは不安げに、アラべラのいる左手のドアを指差す。マッテオは急いで退場。すると、アラベラが新しいドレス、コート、帽子に着替えて、そこから現れる。ズデンカは、混乱と戸惑いを隠しきれずに立ち尽くしている。外からは橇の鈴の音が聞こえて来る)

ARABELLA
まだ準備してないなんて!
今まで何をしていたの?
早く着替えなさいよ!そりを曳く馬だって、
我慢できずに、いきり立っているわよ。

ZDENKA
馬だって?・・・もっと我慢できないでいるのは、
たぶん、あなたのエレメルだよ!
(舞台右手の隣室に駆け込む)

ARABELLA
あたしのエレメル!とてもおかしな響きね・・・
(腰を下ろす)
あたしのもの?あの人のもの?それって何なの。
不安な気持ちに襲われる・・・
そうじゃない・・・何かを想いこがれている。
でもいったい何を?マッテオを?
(立ち上がって)
私なしじゃ生きられないと繰り返し言いながら、
子供みたいな目をして、
あたしを見つめるマッテオを?
(心の声に耳を澄まして)
いいえ!マッテオへの想いなんか全くないわ!
(ややためらった後、急に想いを溢れさせて)
きっと私がもう一度会いたいのは、あの見知らぬ人!
一度でいいから、あの人の声を聴いてみたい!
でも、そうしたら、他の男の人と同じような存在にすぎなくなるかも知れないけれど・・・
ズデンカが言ってたわね・・・女は誰かに選ばれるまで待ち続けなきゃならないって。
そして、誰にも選ばれなけりゃ、
もうおしまいだって。
エレメルと結婚する?
(無意識のうちに、ぶるっと震える)
なぜか胸騒ぎがするの。まるで誰かのお墓の上をまたいでるみたい。
闇の中を私のほうへと向かって来るのは・・・口をきいたこともない、あの見知らぬ人?
ああ・・・きっと奥さんのいる人なんでしょうね。
会ってはならないし、もう二度と会うこともないわ!
今日は謝肉祭の火曜日。今夜の舞踏会は私が主役。
女王さまになるんだわ・・・そして・・・

ZDENKA
(丈の短いコートを着て、シルクハットを手にして部屋に入って来る)
さあ、支度ができたよ。

ARABELLA
一緒に行くのよ!

(ズデンカが扉を開けると、アラベラは外に出る。
ズデンカはシルクハットをかぶり、アラベラの後を追う。橇の鈴の音が響いてくる)

(幕が降りる)
Adelaide ist links herausgetreten, horchend: sie hat Waldner kommen gehört. Waldner kommt im gleichen Augenblick durch die Mitteltür, gut angezogen, Stadtpelz und Cylinder, Stock, Handschuhe.
Er sieht elegant, aber ermüdet und übernächtig aus, geht durchs Zimmer, als sehe er die andern nicht und lässt sich in einem Fauteuil vorne rechts nieder.

ADELAIDE
Lasst uns allein, meine Kinder.
Euer Vater hat Sorgen.

Arabella geht links rückwärts ab. Zdenka rechts rückwärts

WALDNER
steht auf, legt ab - hinter einem Paravent - legt den Cylinder auf den Tisch. Er sieht die Couverts mit den Rechnungen, betrachtet sie mechanisch, reisst ein Couvert auf, dann das nächste
Nichts als das Zeug da?
und von niemand sonst ein Brief?

ADELAIDE
Du hast gespielt? Du hast verloren, Theodor?
Waldner schweigt
Du hast an dein Regimentscameraden geschrieben?

WALDNER
Von keinem eine Antwort! das ist hart.
Wirft sich auf den Fauteuil; vor sich hin, halb zu Adelaide

Da war ein gewisser Mandryka
der war steinreich und ein Phantast dazu.
Für ein Mädel hat der einmal die Strassen von Verona
bestreuen lassen mit dreitausend Scheffeln Salz
weil sie hat Schlitten fahren wollen mitten im August!
Ich hab an seine Grossmut appelliert -
und hab von der Bella ein Bild hineingelegt -
in dem stahlblauen Ballkleid mit Schwanenbesatz
Ich hab mir gedacht: vielleicht kommt er daher,
ein Narr wie er ist, und heirath das Mädel!

ADELAIDE
O Gott mein schönes Kind mit einem alten Mann!

WALDNER
heftig
Es muss ein solider Bewerber daher
und ein End mit der ewigen Hofmacherei
die zu nichts führt! Ich weiss sonst keinen Ausweg!

Er ist aufgestanden - geht im Zimmer umher

ADELAIDE
mit plötzlicher Ekstase
Fort mit uns! Zur Tante Jadwiga!
Sie nimmt uns auf auf ihre Schlösser!
Du wirst Verwalter
ich führe der Tante das Haus.

WALDNER
Und die Mädeln?

ADELAIDE
Zdenka wird groom für ewige Zeiten -
wir sind nicht in der Lage
zwei Töchter zu erhalten!
Und Arabella - ihr ist prophezeit
sie macht ihr Glück durch eine grosse Heirath!

WALDNER
grimmig
Inzwischen ist
der letzte Fünfziger dahin!

ADELAIDE
Sei ruhig, Theodor, mir sind im Traum drei Nummern erschienen!
Unfehlbare herrliche Zahlen!

WALDNER
Ah, Geschwätz!
Versetz die Smaragdbrosch und gib mir das Geld!
Was? du hast sie nicht mehr? versetzt? verpfändet?

ADELAIDE
Schon vorige Woche. Sie war das Letzte.
O dieses Wien!

WALDNER
Und heut hätt ich Glück!
Ich spürs in jedem Finger!
Du unglückselige Person!

ADELAIDE
Aus tiefster Schmach hebt's uns einmal empor
zu höchster Höhe
durch die Hand der Schönheit!

WALDNER
Ich hab nicht einen Gulden mehr im Sack!
winkt ihr heftig ab

ADELAIDE
sich zurückziehend, links vorne, zwischen Tür und Angel in Ekstase
Hat's denn vielleicht im Allerhöchsten Erzhaus
noch keine Liebesheirathen gegeben?
Sie geht ab

WALDNER
wieder zu den Rechnungen zurück, liest die erste:
»Bin ich nicht in der Lage, länger zu warten!«
Nimmt die zweite
»Müsste ich die Gerichte in Anspruch nehmen ... «
Arme Frau! arme Mädeln!
Er läutet am Glockenzug indem er hinter sich greift. Zimmerkellner tritt ein

WALDNER
Cognac!

ZIMMERKELLNER
Auf Nummer 8 darf ich nichts mehr servieren!
Ausser wünschen sofort zu bezahlen!

WALDNER
Verschwinden Sie. Ich brauche nichts.
Auf und nieder
Jetzt setzen sie sich hin und fangen wieder an zu spielen, und alles Andre ist verlorene Zeit!

ZIMMERKELLNER
eintretend mit einem Tablett
Ein Herr!

WALDNER
Sie sagen: ich bin ausgegangen.
Das Zeug dorthin!

Zimmerkellner legt an die von Waldner angegebene Stelle eine Karte und geht ab

WALDNER
sieht hin
Das ist ja keine Rechnung. Melden sich
die Lieferanten jetzt schon mit Visitenkarten an?
Er geht hin, nimmt die Karte in die Hand, freudig überrascht

Mandryka!
Traut seinen Augen nicht
Der reiche Kerl! mein bester Freund im Regiment!

ZIMMERKELLNER
an der Tür
Der Herr fragt dringend an.

WALDNER
Ich lasse bitten!
Dem Eintretenden mit offenen Armen entgegen
Tschau, Camerad!

Mandryka, grosser, sehr kräftiger, eleganter Mann von höchstens fünfunddreissig Jahren, etwas undefinierbar Ländliches in der Erscheinung: sehr gut angezogen, ohne jede provinzielle Eleganz. Welko, hinter Mandryka eintretend, bleibt in der Tür stehen

WALDNER
perplex, tritt zurück

MANDRYKA
Hab ich die Ehre mit dem Rittmeister Graf Waldner?

WALDNER
Waldner, so heiss ich.
Rittmeister nicht mehr.

Mandryka streckt seine rechte Hand nach hinten. Welko, unter Verneigung, gibt ihm einen Brief in die Hand

MANDRYKA
mit dem Brief auf Waldner zutretend
Sind Sie, Herr Graf, der Schreiber dieses Briefes?

Waldner nimmt den Brief, der zerknittert ist und voll Blutflecken

MANDRYKA
sehr leicht und munter und sehr artig
Er ist ein bissl blutig worden, und nicht mehr leserlich.
Ich bin den Tag, wo er mir zugekommen ist,
auf eine alte Bärin gegangen, sie hat mich angenommen
und ein bissl gekratzt - dabei ist das passiert.

WALDNER
indem er ihm den Brief zurückgibt, nachdem er einen Blick darauf geworfen hat
Geschrieben hab ich allerdings an einen Herren Ihres Namens - er war mein Freund und Regimentskamerad.

MANDRYKA
Das war mein Onkel. Er ist todt.
Ich bin der einzige Mandryka.
Somit verzeihen Sie, dass ich den Brief
zu öffnen mir gestattete. - jetzt kommt's auf eines an:
Welko, das Bild!

WELKO
indem er eine Photographie überreicht
Es ist in Ordnung, Gospodar.
Die schöne Fräulein mit dem Gesicht wohnt hier.

MANDRYKA
die Photographie in der Hand
Herr Graf, Sie haben Ihrem werten Brief,
der kameradschaftlich an meinen Onkel gerichtet war,
Sie haben dieses Damenbildnis beigelegt.

WALDNER
leicht hinsehend, ganz ohne Wichtigkeit
Ah ja! die Photographie meiner Tochter
Arabella!

MANDRYKA
mit merklicher Aufregung, aber ohne die Haltung zu verlieren
Die gnädige Tochter ist unvermählt - ?

WALDNER
nickt
Noch unvermählt.

MANDRYKA
 - und derzeit nicht verlobt?

WALDNER
Derzeit noch nicht.

MANDRYKA
sehr ernst, beinahe feierlich
Dann bitte ich um ein Gespräch von fünf Minuten.

Welko rückt schnell zwei Fauteuils einander gegenüber, zieht sich dann zurück. Waldner und Mandryka setzen sich. Eine kleine Pause der Verlegenheit bei Mandryka, der Spannung bei Waldner

MANDRYKA
Darf ich so unbescheiden sein und eine Frage stellen?

WALDNER
Du bist der Neffe - und Erbe meines teuren Cameraden.
Verfüge über mich!

MANDRYKA
Ich danke sehr. -
Er überlegt einen Moment
Als in dem Brief an meinen seligen Onkel
das reizende Porträt des Fräulein Tochter
hineingeschlossen wurde,
darf ich annehmen, dass da eine Absicht
im Spiele war? - Ich bitte um Vergebung.

WALDNER
vorsichtig
Mein Gott, ich hab mir halt gedacht ich mach dem Alten damit einen Spass!

MANDRYKA
sehr aufmerksam, bestrebt, jedes Wort Waldners nach seinem vollen Gewicht zu erfassen
Dem Onkel einen Spass? -
Wenn aber das die Folge wär gewesen:
dass mein Herr Onkel, der ein ganzer Mann war
und in den besten Jahren,
sich hätte in die Schönheit des Porträts verliebt
und wär getreten hier vor Ihnen, hochgeborner Herr,
so als ein offenherziger Edelmann vor einen andern,
und hätt gesagt:
»Wer das Gesicht gesehen hat und tritt nicht als Bewerber auf verdient nicht, dass ihn Gott auf dieser schönen Erden leben lasst: So gib das Mädel mir zur Frau und Herrin! «
Was wäre dann gewesen?
Gesetzt den Fall, er hätte so gesagt!

WALDNER
Dann hätten wir uns in einer unerwarteten Situation befunden.

MANDRYKA
steht auf, sehr aufgeregt, aber beherrscht
Der Onkel ist dahin.
Heut bin ich der Mandryka, niemand sonst.
Mein sind die Wälder, meine sind die Dörfer.
Viertausend Untertanen beten dass ich glücklich sei -
und ich, mit aufgehobenen Händen bitte ich:
Herr Vater,
geben mir die gnädige Tochter,
geben mir sie zur Frau,
die jetzt seit vierzehn Wochen
jeden Gedanken hier in dieser Brust regiert.

Waldner schweigt vor Staunen

Ihr Zögern ist kein Todesurteil?
Nein?
Waldner schüttelt den Kopf
Ich darf sie sehn?
Waldner nickt
Bedenken: dieser Brief kommt an,
und in der gleichen Stunde
nimmt mich die alte Bärin in die Arme
und drückt mir vier von meinen Rippen ein.
Zwölf Wochen bin ich so
im Bett gelegen -
vor meinen Augen dieses Bild -
und ein Gedanken immer stärker
bis er die Seele mir herausgezogen hat!
Ganz naiv, ohne alle Prahlerei
Kommen meine Verwalter:
Was ists mit unserm Herrn?
Kommen die von den Meierhöfen:
Was ists mit unserm Herrn?
Kommen die von den Fohlenhöfen:
Freut unsern Herrn kein Pferd mehr?
Kommen meine Förster:
Freut unsern Herrn kein jagen?
Ich geb ihnen keine Antwort. Welko! ruf ich,
hol mir den Juden, na! wie heisst der Jud in Sissek,
der meinen Wald will kaufen?
dort den Eichwald!
Schnell her mit ihm,
und er soll Geld mitbringen
denn morgen fahr ich
in dem Kaiser seine Hauptstadt
da kostet Geld ein jeder Atemzug
und Hindernisse darfs nicht geben auf der Brautfahrt!
Er zieht ein grosses, aber elegantes Portefeuille hervor; es enthält, lose hineingelegt, einen dicken Pack Tausendguldennoten
Das ist der Wald. -
Es war ein schöner Wald:
Einsiedler waren drin,
Zigeuner waren drin und alte Hirschen
und Kohlenmeiler haben viele drin geraucht -
Hat sich alles in die paar Fetzen Papier verwandelt!
Aber es stehen Eichenwälder
genug noch auf meinem Boden
für Kinder und für Enkel - Gott erhalte! -
Verzeih'n um Gotteswillen dass ich da von solchen Sachen rede!
Ist ganz,
ich weiss nicht wie, gescheh'n!
Er will das Portefeuille einstecken

WALDNER
hindert ihn daran durch eine unwillkürliche Bewegung
Oho! ich find es ungeheuer interessant!
Wenn man bedenkt: ein Wald - Einsiedler waren drin
Zigeuner waren drin und alte Hirschen
und auf eins zwei - ein solches Portefeuille!
Ich hab seit vielen Jahren so was nicht gesehn!

Er starrt fasziniert auf das Portefeuille

MANDRYKA
hält ihm's hin, sehr leicht und liebenswürdig
Darf ich vielleicht? brauchst du vielleicht?
So für den Augenblick?
Du tust mir eine Gnad!
Teschek, bedien dich!

WALDNER
nach kurzem Zögern nimmt eine Tausendguldennote
Mein Bankier ist nur verreist!
Ich geb es dir heut abend spätestens zurück!

MANDRYKA
hält das Portefeuille nochmals hin, sehr herzlich
Nicht mehr?
Ich bitte vielmals! Aber doch!
Teschek, bedien dich!

Waldner nimmt eine zweite Note und steckt sie mit nonchalance zu der ersten in die Westentasche.
Mandryka lässt das Portefeuille in seine Brusttasche gleiten. Eine leichte Pause der Verlegenheit

MANDRYKA
Und wann wird's dir genehm sein
mich deiner Gräfin vorzustellen -
und dann der gnäd'gen Tochter?

WALDNER
Sie sind gleich da im Nebenzimmer.

Mandryka steht auf, wirklich erschrocken

WALDNER
steht gleichfalls auf
Willst du sie sehn? Ich ruf' -
ich stell dich vor.

MANDRYKA
Jetzt? so? Ich bitte:
nein! auf keinen Fall!

WALDNER
So schüchtern war der Onkel, nicht!

MANDRYKA
sehr ernst
Das ist ein Fall von anderer Art.
Es handelt sich für mich um etwas Heiliges.

WALDNER
Ganz wie du willst.

MANDRYKA
in verändertem Ton
Ich werd mich hier im Hause einlogieren
und den Befehl abwarten deiner Gräfin
wann ich mich präsentieren darf am Nachmittag
oder am Abend - oder wann es wird belieben.
Verneigt sich, Waldner reicht ihm die Hand und begleitet ihn dann zur Tür

WALDNER
allein
Hab ich geträumt? Dahier ist er gesessen
der Neffe vom Mandryka.
So was passiert einem doch nicht!
Er zieht den einen zerknitterten Tausender hervor, dann den zweiten, glättet beide, steckt sie in seine völlig leere Brieftasche
Hab ich geträumt? Nein! ich hab nicht geträumt!
Er nimmt den einen Tausender wieder heraus, dreht daraus, ganz gedankenlos, eine kleine Papiertüte und behält sie in der Hand. Mit leichtem Ausdruck, Mandrykas Ton copierend, ziemlich laut
Teschek, bedien dich!

ZIMMERKELLNER
eintretend
Ist hier gerufen?
Er gewahrt den Tausender in Waldners Hand und verändert sofort den Ton
Haben mich befohlen?

WALDNER
vor sich, leise, zart
Teschek, bedien dich!

ZIMMERKELLNER
Befehlen diesen Tausender zu wechseln?

WALDNER
Später vielleicht. jetzt nicht.

Zimmerkellner geht ab

WALDNER
vor sich hin, mit Grazie
Teschek, bedien dich!
Fast schmelzend zärtlich
Teschek, bedien dich!
Majestätisch
Teschek, bedien dich!
Er nimmt Mantel, Hut und Stock

ZDENKA
aus der Tür rechts heraus
Hast du gerufen, Papa?

WALDNER
mit turbulentem Jubel
Teschek, bedien dich!

ZDENKA
Mit wem spricht er? Ist dir etwas geschehn, Papa?

WALDNER
jetzt erst bemerkend, dass er nicht allein ist
Gar nichts. Ich geh jetzt aus.
Ich werd erwartet.
Brauchst du vielleicht?
Er winkt ihr mit dem Tausender, den er in der Hand behalten hat
Ich werd mir wechseln lassen.
Adieu.
Ab durch die Mitteltür

ZDENKA
allein
Papa! Er ist schon fort.
So hab ich ihn noch nie gesehn.
Die Sorgen haben ihn um den Verstand gebracht!
Wir müssen fort aus dieser Stadt - schon morgen
und den Matteo seh ich heut vielleicht zum letzten Mal -
O Gott im Himmel steh mir armem Mädel bei!

Matteo schnell und verstohlen zur Mitteltür herein. Zdenka erschrickt

MATTEO
Er hat mich nicht gesehn. Ich hab mich seitwärts in die Tür gedrückt.

ZDENKA
deutet auf die Tür links rückwärts
Pst! sie ist da!
Horcht
Sie ruft mich!

MATTEO
Kann ich sie nicht sehn?

ZDENKA
Jetzt nicht! Ich bitte dich! jetzt nicht!

MATTEO
Hast du den Brief?

ZDENKA
Den Brief? Ja! Nein! Sie will jetzt nicht.
Sie sagt, sie will ihn dir - heut abend - komm auf den Fiakerball -
und vorher sei zuhaus -
hier im Hotel -
vielleicht bring ich ihn dir
ins Zimmer - oder du bekommst ihn dort!

MATTEO
Du lasst mich nicht im Stich? Ich hab dein Wort!

Zdenka, ängstlich, deutet auf die Tür links. Matteo schnell ab. Arabella tritt aus der Tür links, in einem andern Kleid, einem Mantel, einem andern Hut. Zdenka steht verwirrt und verlegen da. Man hört die Schlittenglocken

ARABELLA
Bist du nicht fertig! ja, was hast du denn gemacht die ganze Zeit?
So zieh dich endlich an! Die Rappen sind schon voller Ungeduld.

ZDENKA
Die Rappen - und dein Elemer vielleicht noch mehr!

Läuft ins Nebenzimmer rechts

ARABELLA
Mein Elemer! - Das hat so einen sonderbaren Klang. .
Sie setzt sich
Er mein - ich sein. Was ist denn das,
mir ist ja, wie wenn eine Angst mich überfiele -
und eine Sehnsucht ja, nach was denn auf der Welt?
Nach dem Matteo?
Sie steht auf
Weil er immer sagt,
er kann nicht leben ohne mich, und mich so anschaut
mit Augen wie ein Kind?
Sie horcht in sich hinein
Nach dem Matteo sehnt sich nichts in mir!
Ein Zögern, dann ausbrechend
Ich möchte meinen fremden Mann noch einmal sehn!
Ich möchte einmal seine Stimme hören! -
Dann wäre er
wie die Anderen für mich. -
Wie sagt die Zdenka: dass wir warten müssen bis uns einer wählt,
und sonst
sind wir verloren.
Verheirat't mit dem Elemer?
Sie schaudert unwillkürlich
Was rührt mich denn so an, als trät ich einem übers Grab?
Ist das der fremde Mann mit dem ich nie ein Wort geredet hab zieht der im Dunkel so an mir?
Herr Gott, er ist ja sicher ein verheirateter Mann
und ich soll und ich werd ihn nicht mehr wiedersehn!
Und heut ist Faschingdienstag und am Abend ist mein Ball - Von dem bin ich die Königin - und dann…

ZDENKA
tritt heraus, in einem kurzen Pelz, einen Zylinder in der Hand
So ich bin fertig.

ARABELLA
Komm!

Zdenka öffnet ihr die Tür. Arabella geht hinaus. Zdenka setzt den Zylinder auf und folgt ihr. Die Schlittenglocken tönen herauf

Vorhang


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最終更新:2012年05月05日 09:54