対訳
登場人物
- ダフネ(ソプラノ)
- ペナイオス:漁師、ダフネの父(バス)
- ゲーア:ダフネの母(アルト)
- ロイキッポス:羊飼い(テノール)
- アポロ:太陽神(テノール)
- 第一の羊飼い(バリトン)
- 第二の羊飼い(テノール)
- 第三の羊飼い(バス)
- 第四の羊飼い(バス)
- 第一の侍女(ソプラノ)
- 第二の侍女(ソプラノ)
- 羊飼いたち、仮面をつけたディオニソスの従者たち、娘たち
あらすじ
- ダフネというのはギリシャ語で月桂樹のことで、アポロの求愛を断って、月桂樹に変身したニンフの物語で、台本は『平和の日』を書いたグレゴールです。
- オリンポスの山を望む漁師ペナイオス(実は川の神)の家の近く、夕暮れ時に羊飼いが群をなす中、ディオニソス(バッカス)の祭りを告げる角笛が聞こえてくる。それはあらゆる自然の結婚式の合図だという。
- 羊飼いたちが去ると、ダフネが出て来る。ダフネは美しいがまだ子供っぽく、太陽が沈むのを寂しく思い、樹や花を自分の姉妹のように感じ、人間には親しみが持てない。
- ダフネが樹に抱きつくと、そこからロイキッポスが出て来る。羊飼いのロイキッポスはダフネを愛しく思っているが、ダフネにとっては幼馴染でしかない。
- 母ゲーアがダフネに、祭りの準備をするようにと言う。そして侍女二人にドレスや装飾品持って来させるが、ダフネは興味を示さない。そこで侍女たちはロイキッポスに、これを着れば簡単にダフネに近づけると言ってドレスを着せる。
- ペナイオスはオリンポスの山を見上げ、太陽神アポロの存在を感じる。すると赤い光と共に牛飼いが現れる。ペナイオスは訝しみながらも、この客人をもてなすようにダフネを遣わす。
- この牛飼いは実はアポロで、ダフネを見てその美しさに魅了される。アポロは、ダフネが自分の双子の妹で月の女神のアルテミスに似ていると思い、ダフネを妹と呼んだので、ダフネも牛飼いを兄のように思ったのに、牛飼いがダフネに愛を囁くとダフネは拒絶する。
- 祭りは佳境となり、仮面をつけたディオニソスの従者たちや娘たちがダンスを踊り、ワインを飲む。ダフネにワインを供したのは、ダフネのドレスを着たロイキッポスで、ダフネについて来るように誘い、踊り始める。
- これを見て牛飼い(アポロ)は神に対する侮辱だと憤慨し、羊飼いたちはこの牛飼いに消え失せろと迫るので、アポロは雷鳴を起こす。羊たちは怯えて走り出し、羊飼いたちも逃げ出す。
- アポロとロイキッポス、ダフネだけが残る。ダフネは、変装したロイキッポスと偽物の牛飼いの二人に騙されたと嘆く。ロイキッポスは仮面を取れとアポロを非難し、アポロは自分が太陽神であることを示そうとする。が、ロイキッポスはアポロを嘘つきだと責めるので、思わずアポロはロイキッポスに矢を放ち、ロイキッポスは息絶える。
- ダフネは、自分がロイキッポスを守れなかったことを悔い、一方アポロは弟ディオニソスに、祭りの日にこんなことをしたことを謝る。そして父ゼウスに許しを請い、ダフネを月桂樹の樹にしてくれるように頼む。
- R.シュトラウスの真骨頂ともいえる変容の音楽の中、ダフネは月桂樹に変身していく。
訳者より
- リヒャルト・シュトラウスは『エジプトのヘレナ』や『ダナエの愛』などギリシャ神話を題材とするオペラをいくつか作曲していますが、『ダフネ』も太陽神アポロの愛を拒んで月桂樹となった若い娘の話が基になっています。
- このオペラは最初『平和の日』と一緒に上演するダブルビルとして作られ、指揮者カール・ベームに献呈されましたが、二つのオペラが同時に上演されたのはベームによる1回だけです。
- 『ダフネ』は、ディオニソスの祭りが舞台なのにディオニソスが登場せず、父のペナイオスは川の神といいながら神としての存在感がなかったり、またストーリーも他愛もないせいか、あまり上演されません。が、最後のダフネの変容の音楽の美しさはこの上もありません。
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ダフネとは
- ダフネの77%は睡眠薬で出来ています。
- ダフネの8%は理論で出来ています。
- ダフネの5%は根性で出来ています。
- ダフネの3%は鉛で出来ています。
- ダフネの2%はむなしさで出来ています。
- ダフネの2%は下心で出来ています。
- ダフネの1%は祝福で出来ています。
- ダフネの1%はハッタリで出来ています。
- ダフネの1%は苦労で出来ています。
最終更新:2023年03月21日 08:01