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目次

ヘンデルの魔法オペラ

  • 「リナルド」は、ヘンデルの5つある魔法オペラの1つです。名アリア「私を泣かせてください」を含むことや、ヘンデルの略歴で必ず言及される(ロンドンで最初に上演した作品で、大ヒットした)ため、ヘンデル・オペラの中ではある意味一番「有名」かもしれません。しかし必ずしも「傑作」とは言えず、その難点はかなりの部分台本に見出すことができます。
  • 「魔法オペラ」とは歌と音楽に加えて、照明や背景に凝った幻想的なシーン、素早い&意表をつく舞台転換、宙乗りなどのスペクタクルを全面に押し出したオペラのことです。「リナルド」公演を企画したヘイマーケット女王劇場支配人ヒルは、イタリア語を解さないロンドンの観客にウケるべく、音楽だけでなく視覚効果にも頼ったわけです。「リナルド」台本の「一体これはどうやって再現したのか?」と思えるようなト書きの数々は、こうして物語の随所に巧みに「配置」されました。そして物語はそれらの間をぬうように展開、結果として人物の描き方や扱いにぎこちなさが残った感は否めません。
  • まずアルミレーナとリナルドのカップルは、おとぎ話的な「悪者に捕われたお姫様とそれを助けに行く勇者」から出ておらず、人間的存在感に欠けます。またエウスターツィオは不要な人物ですし(彼がいなくても話の展開に支障はない)、地獄を操り大見得を切っていたアルミーダが、最後に突然「キリスト教に改宗する」のも取ってつけたような終わり方。しかし「心理ドラマ」として比較的面白く読める第2幕では、男女の機微がうかがい知れる言葉のやりとりや、リナルドに思いを拒絶されたアルミーダの苦悩が印象的です。
  • この「人間に恋したが報われない魔女の苦悩」というテーマは、後の傑作魔法オペラ「アルチーナ」で最大限に描かれます。しかしこの「リナルド」ではまだまだ小粒で、素材を十分に生かし切っているとは言えません。また、タイトル役人物の心理の掘り下げと言う点でも、「リナルド」はやはり魔法オペラ「オルランド」の足元にも及ばず、表面的な勇者像に終始しています。
  • この作品は「十字軍のエルサレム奪還」という史実が背景にあるため、ともすると重厚な歴史ドラマ?と思われがちです。しかしそれはとんでもない誤解で、エンタメ重視の冒険ファンタジーと捉えた方が、台本の欠点が目立たず楽しめるでしょう。アドベンチャーゲーム的世界と言ってもいいでしょうか。第2幕、リナルドは怪しげな女の誘いにYESかNOか迷ったあげく、悪い方を選択してしまった・・・第3幕、ゴッフレードらは、アルミーダの魔法を解く「アイテム」なしに山に登ろうとしたので、怪物達の総攻撃に合った・・・アルミレーナと再会したリナルドは攻撃力がアップ、みごと戦いに勝利・・・などと考えるのも面白いと思います。

おことわり

  • この作品は再演の際、ヘンデル自身の手により何度か手が入れられています。従ってお手持ちのDVDやCD等と、台本の一部に食い違いが生じている場合があります。ご了承下さい。
  • 「リナルド」は言い回しに凝った表現が多く、「この形容詞句は何を修飾してるのか?」「この部分はどこにつながっているのか?」な部分が多々あり、私の力ではどうしても正確に構文が把握できないものもありました。一方、非常に短い語句の会話的やりとりでは、自然な日本語にするために意訳した箇所もあります。もし大きな間違い等ありましたら、遠慮なくお知らせ下さい。
  • 訳文中の「アジア」とは、現在の中近東地域を指しています。

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の下でライセンスされています。
@ REIKO
Handel,George Frideric/Rinaldo



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