第2幕

第1場

(聖ユストの修道院の回廊 右手には灯りがともされた礼拝堂 シャルル五世の廟が黄金の門越しに見える 左手には外に通じる扉 奥には高い糸杉がそびえる庭 夜明け)



情景と祈り

(修道士たちの詠唱が礼拝堂に響いている
舞台の上には一人の修道士が墓の前に跪いて祈っている)

【修道士たちの合唱】
シャルル五世 かの偉大な皇帝も
今や灰に 塵になりぬ
そして今、その驕れる魂も
主の足元に震えるのだ!

【修道士】
この世を支配しようと望み
主の御手を忘れていた
星たちにその道を示される御手を
その誇りが巨大だったゆえ 過ちも深かったのだ!

【修道士たちの合唱】
シャルル五世 かの偉大な皇帝も
今や灰に 塵になりぬ
御身の怒りの矛先を
彼に向け給うな 主よ!

【修道士】
偉大なるはただ神のみ!
その炎の矢は
天と地を揺るがす!
ああ!慈悲深き主よ
罪人をご覧になられ その魂に与えたまえ
天から下る平和と赦しを
偉大なるはただ神のみ!

【修道士たちの合唱】
シャルル五世 かの偉大な皇帝も
今や灰に 塵になりぬ
主よ 御身の怒りを
彼から背けたまえ
偉大なるはただ神のみ!

(鐘が鳴る 礼拝堂からは修道士たちが
回廊を横切って消えてゆく ドン·カルロスが現れる
回廊のアーチの下)

【ドン・カルロス】
この聖ユストの修道院で人生を終えられたのだ
祖父シャルル五世は 御みずからの権力に疲れ果てて
私は平和と過去の忘却を求めてここに来たが無駄だった
私に喜びをくれたあの人の
面影はこの冷たい回廊の中でも私と一緒にさまよっている!

【修道士】
(立ち上がってドン・カルロスに近づき)
息子よ この世の苦しみは
この場所にまでも追って来る
そなたの望んでおる平安は
神によってのみ与えられるのだ!

(修道士は歩き始める)

【ドン・カルロス】
この声に私は身震いする!
私は見たように思えたのだ おお恐ろしい
皇帝の亡霊を!
僧服の下に隠して 王冠と
そして彼の金の鎧を
ここに現れることがあると 人々は噂していたが!

【修道士】
(さらに遠ざかって行きながら)
平安は神によってのみ与えられるのだ!

【ドン・カルロス】
あの声だ!私は身震いする...
おお恐ろしい!おお恐ろしい!

情景とデュエット

【ロドリーグ】
(ひとりの信士によって導かれて入ってくる)
ここにおられる!ここに王子が!

【ドン・カルロス】
(彼の腕の中に身を投げようとして)
おお ロドリーグか!

【ロドリーグ】
(その動きを止めて)
私は王の御子息にお願いあって参ったのです!

【ドン・カルロス】
(冷静に)
よう参った ポーサ侯爵!

(カルロスの合図で信士は去って行く)

【ドン・カルロス】
(ロドリーグの腕の中に身を投げ出して)
お前なのだな!ロドリーグよ!
お前なのだ この腕で抱くのは!
苦しみのうちにある私のもとに天がお前を寄こしてくれたのだ
慰めの天使を!

【ロドリーグ】
ああ!親愛なるわが王子!
カルロス様 ああ!わが敬愛する王子
私はフランドルにおりました 軍を率いて!
ちょうどカルロス王子にお取り成し頂くため戻ったところです
血を流しているこの高貴な国のことを!
フランドルの虐げられた民をお救いください!
悲しみと恐怖の中で民衆はひざまずいております
殉教者の国はその腕を上げ
この国の民衆はあなたに腕を上げています!

(語りかける)

だが私は何を見ているのでしょう!何と蒼ざめて!
悲しみの光があなた様の目に光っている!
黙っておられる!ため息をつき!泣いておられる!
わがカルロス様、あなたの苦しみを私にもお分けください

【ドン・カルロス】
私の同志よ 私の友よ 私の兄弟よ
お前の腕の中で泣かせてくれ!
私の父の帝国では
私はこの心を持つことさえも禁じられているのだ!

【ロドリーグ】
私はずっと親友でございました
過ぎし日 幸せな日々より!
あなたの心をお開きください カルロス様!

【ドン・カルロス】
お前は望むのか?ならばわが惨めさを知るがいい
恐ろしい運命の矢が
私の胸を傷付けた!
私は愚かな愛を抱いているのだ エリザベートへ

【ロドリーグ】
あなたの母君に! 何と!

【ドン・カルロス】
青ざめたな!お前の目を私からそらして!
不幸なことだ!ロドリーグ お前までが
ロドリーグ 私を恐れて離れて行くのか!

【ロドリーグ】
いいえカルロス様 ロドリーグはあなたを敬愛しております
キリストへの信仰にかけても だがあなたはお苦しみに!
私にとってそれはこの世が無になること!
ああカルロス様 私の友 私の兄弟
私はこの心とこの腕をあなたに捧げましょう
父君の黄金の笏のために
私の心は おおカルロス様 変わりは致しません!

【ドン・カルロス】
私の同志よ 私の友よ 私の兄弟よ
お前の腕の中で泣かせてくれ!
私の父の帝国では
私はこの心を持つことさえも禁じられているのだ!

【ロドリーグ】
この秘密はまだ王には知られてはおりませんな?

【ドン・カルロス】
まだだ!

【ロドリーグ】
ではフランドルに向かうお許しを王より得てください
あなた様自身のご努力で
あなたの心を砕いて...来て そしてお学びください
虐げられた人々の中で 王となることの厳しさを!

【ドン・カルロス】
お前の言うことに従おう 兄弟よ!

(鐘が鳴る)

【ロドリーグ】
お聞きを!

(修道士たちが回廊を通ってくる)

修道院の扉が開きます!
あれはおそらく、フィリップ王とお妃さまです!

【ドン・カルロス】
(震えて)
エリザベート!

【ロドリーグ】
カルロスさま
私の傍に 揺れるそのお心をしっかりお持ちください!
あなたの運命はまだご立派で美しいものなのです...
神にお求めください 英雄の強さを!

【ドン・カルロス ロドリーグ】
神よ われらの魂に灯されるお方よ
同じ炎の輝きを
同じ高貴な愛
自由への愛を!
神よ われらの誠実な心を
二人の兄弟の心となし給うたお方よ
われらの誓いを受け入れ給え!
われらは死にましょう 愛に生きて!
神よ われらの魂に灯されるお方よ...

(フィリップ王がエリザベートを導き 修道士たちに先導されて現れる)

【ロドリーグ】
王様たちがおいでになりました!

【ドン・カルロス】
私は震えるぞ!彼女を見たら死んでしまうだろう!

【ロドリーグ】
しっかりなさいませ!

(ロドリーグはドン・カルロスから離れる カルロスはフィリップの不審そうな視線の前で一礼し感情を抑えようとする エリザベートはドン・カルロスを見て震える 王と王妃は礼拝堂へと向かう)

【修道士たちの合唱】
シャルル五世 かの偉大な皇帝も...

【ドン・カルロス】
彼女は父のものだ おお神よ!私は彼女を失ったのだ!

【修道士】
ああ!平和よ 赦しよ 天より降り来たれ
偉大なるはただ神のみ!

【ロドリーグ】
こちらへ 私の傍であなたの心も強くなりましょう!

【ドン・カルロス ロドリーグ】
共に果たそう 生も死も​​!
神はわれらの誓いを受け入れ給うた
愛に生き そして死ぬとの!
共に果たそう 生も死も​​!

第2場

(聖ユスト修道院の門前の庭園 噴水 ベンチ 芝生 オレンジの木や松や麝香の木の茂み 地平線上にエストレマドラの青き山々 奥には修道院の扉が数段の石段の上にある)



合唱と情景

(女官たちは噴水の回りの芝生の上に座っている
小姓のひとりが彼のマンドリンを調弦している)

【女官たち】
これらの巨大な木々の葉の下で
陰と静けさとが
この聖なる建物を取り巻いています
この松の木の下 私たちを誘う木陰は
灼熱の暑さから逃れさせてくれますわ
そして燃え立つ日差しからも!

【ティボー】
(エボリと共に登場)
花たちはこの大地を覆い尽し
松の木もその傘を開いて
木陰では皆さん方を喜ばせようと
ナイチンゲールが目覚めるのです

【ティボー 女官たち】
(噴水近くの木陰に座って)
何て素敵なことでしょう 木々の下に座って
耳を傾けるのは 大理石の上ですすり泣く
噴水の涙の歌に!
何て素敵なことでしょう この焼けつくような時間に
太陽のゆっくりした歩みを魅惑するのは
この陰の中で この花の中で!

【エボリ】
この修道院の中にはスペインの王妃さまの他は
入ることはできません いかがですか 皆さま方
日差しが少し弱くなるまで
何かして楽しみませんこと?

【ティボー 女官たち】
そのすてきな思いつきに従いましょう
素敵なエボリ公女さま!

【エボリ】
(ティボーに)
マンドリンを持ってきて
そして歌いましょうよ 順番に
サラセンの歌を歌いましょう
あのヴェールの愛の歌を
歌いましょう!

【ティボー 女官たち】
歌いましょう!

ヴェールの歌

【エボリ】
おとぎ話の宮殿
グラナダの王さまの
スイレンの池のほとり
美しい庭園の中
ヴェールをかぶった
ひとりの娘が ある夜
美しい星空の下
静かに座っていました
アクメット ムーア人の王さまが
通りがかって彼女を見ました
ヴェールに包まれてはいたけれど
彼女に王さまは惚れたのです
「さあ わが妃よ
 わが後宮を治めるが良いぞ」
王さまは言ったのです: 「今の妃を
わしはもはや愛しておらぬのじゃ」と
ああ!

【エボリ ティボー】
ああ!娘さんたち ヴェールを織りましょう!
まだ空に太陽が輝いている間に
星の輝く時に
そのヴェールは
恋のためには大切なのだから!

【女官たち】
おお娘さんたち ヴェールを織りましょう!
まだ空に太陽が輝いている間に
星の輝く時に
そのヴェールは
恋のためには大切なのだから!

【エボリ ティボー】
ああ!そのヴェールは
恋のためには大切なのだから!

【エボリ】
「わしには見えぬ
こう暗い庭では
そなたの黒檀の髪も
そなたの子供のような足も
おお魅力的な娘よ!
王はそなたを気に入ったぞ
生きた花となるのじゃ
わがアルハンブラ宮殿を飾る
だがまずは そのヴェールを取れ
美しく魅力的な星よ
あの星と同じになれ
青空の下の」
「私はたやすく従いましょう
さあ 私をご覧ください」
「アッラー! そなたはお妃ではないか!」
王さまは叫びましたとさ!
ああ!

【エボリ ティボー】
ああ!娘さんたち ヴェールを織りましょう!...

【女官たち】
おお娘さんたち ヴェールを織りましょう!...

情景 対話と三重唱 ロマンス

(エリザベートが修道院から出てくる)

【女官たち】
お妃さま!

【エボリ】
(独白)
悲しい思いが
いつもこの方の心を苛んでおられる

【エリザベート】
(噴水のそばに座って)
あなた方は歌ってらしたのね 悩みなき歌を

(独白)

ああ!
昔は私もこんな風に幸せだったのに!

(ロドリーグが現れる ティボーが彼に向かって進み出て
短い会話を交わした後 王妃のところに戻って)

【ティボー】
(ロドリーグと共に)
ポーサ侯爵 スペインの大公です!

【ロドリーグ】
(王妃にお辞儀して)
マダム、
妃殿下に パリにおわします母君より
お手紙をこの手に託されて参りました

(彼は王妃に手紙を渡す そのときに
手紙にもう一枚別の紙片を潜りこませる)

お読みください あなた様の魂の救済の名の下に!

(手紙を女官たちに見せて)

これぞ王室の印章 王冠と百合ですぞ!

(エリザベートは身動きもせず困惑して 何か言おうとする
訴えかけるような表情のロドリーグがそれをなだめる)

【エボリ】
(ロドリーグに)
何がフランスの宮廷では行われていますの
あのエレガントな美しい国では?

【ロドリーグ】
(エボリに)
槍試合のことが話題です
何でも王様もご出場なさるとか

【エリザベート】
(紙片を手に独白)
ああ!開けるべきではないわ!そう私には思えるの
きっと名誉に関わることだから!
どうしてなの!私は震える!

【エボリ】
(ロドリーグに)
フランスの女性にはだれも敵わないと
言われてるようですけど 才気や優美さでは

【ロドリーグ】
(エボリに)
あなたならお持ちですよ 他の場所でも
彼女たちの素晴らしくも優美な魅力を!

【エボリ】
(ロドリーグに)
本当なのですか ルーヴル宮でのパーティーでは
女神たちが 明るく合唱しながら
開いた天から降りてくるというのは?

【エリザベート】
(独白)
けれど私の魂は潔白です
神様は私の心をお読みですわ

【ロドリーグ】
(エボリに)
でもそこには最上の人がいない...

【エボリ】
(ロドリーグに)
舞踏会では 私思うのですけど皆さん
シルクや金をお召しになるのでしょうね...

【エリザベート】
(読みながら独白)
「私たちを結ぶ思い出のために
あなたの安らぎと 私の命の名にかけて
この者をご信頼くださいますよう
カルロス」

【ロドリーグ】
(エボリに)
どんなものを着られても似合いますよ
公女さま あなたのような美しさに恵まれていれば!

【エリザベート】
(ロドリーグに)
いいわ!ありがとう!
王妃への望みを

【ロドリーグ】
お受け致します ただ私のためではなく!

【エリザベート】
(独白)
立っているのがやっとだわ!

【エボリ】
(ロドリーグに)
あなたよりも価値があるというのはどなたなのでしょう
お妃さまがその望みを満たすことの?

【エリザベート】
(独白)
ああ!私は震えてしまう!

【エボリ】
説明してください!

【エリザベート】
お話しなさい!

【ロドリーグ】
王子カルロスさま われらの希望
悲しみと涙のうちに生きておられます
誰もその苦しみを知ってはおりません
彼の青春の花を枯れさせている!
あなたさまなら母君として あの優しい心に
力と安らぎを取り戻せるでしょう...
お会いになって 彼の言葉をお聞きください!
王子をお救いください!カルロス様をお救いください!

【エボリ】
(独白)
ある日、私がお妃さまと一緒だったとき
私は目の前であの王子さまが震えるのを見たわ
青ざめて!...もしかして私が好きなのかしら?

【エリザベート】
(独白)
おお苦い運命よ
お会いするなんて...私は震えます!

【エボリ】
(独白)
どうして告白してくださらないのかしら?

【ロドリーグ】
ああ! カルロス王子は 王である父君に
いつも心を開いて頂けないとお感じなのです
ですがこの世でいったい誰が
あの方以上に愛されるに値するでしょうか?
優しい心からの愛の一言で
力と安らぎを取り戻せるでしょう...
お会いになって 彼の言葉をお聞きください!
王子をお救いください!カルロス様をお救いください!

【エボリ】
(独白)
私は目の前であの王子さまが震えるのを見たわ
青ざめて!...もしかして私が好きなのかしら?
どうして告白してくださらないのかしら?

【エリザベート】
(独白)
ああ!立っているのがやっとだわ!
神さま!また会うなんて!私は震えてしまいます!

(ティボーに)

行きなさい!私は息子に会う準備はできています!

【エボリ】
(独白)
ああ!もし私を愛して下さっているなら!....
私にその愛する心を開いて下さるならば!...

(ロドリーグはエボリの手を取って小声で話しながら出て行く 王妃の女官たち 小姓たちも退場する)

大きな情景とデュエット

(ドン·カルロスが現れ ゆっくりとエリザベートに近づいて顔を見上げずにお辞儀する エリザベートは、かろうじて心の動揺を抑え ドン·カルロスに近くに寄るよう命じる アランベール伯爵夫人は最後まで残っていたが エリザベートの合図で退出する)

【ドン・カルロス】
お妃さまのお恵みを求めてやって参りました
王の御心の中でただお一人
最高の位置を占めていらっしゃる方だけが
私のこの望みを叶えて頂けるでしょう!
スペインの空気は私を殺します...それは重く 私を押しつぶす
罪の重たい思いのように
得てください...お許しを 私が今日のうちにも
フランドルへ発つことの!

【エリザベート】
わが息子よ!

【ドン・カルロス】
その呼び名ではなく!...
かつて呼んで下さった名前で!

(エリザベートは去って行こうとするが ドン·カルロスが懇願して引き止める)

ああ、私は気が変になっている!お慈悲を!
こんなに苦しんでいるのです!お慈悲を!けちな天は一日だけを私に与えた その日はとても速く逃げ去ったのです!

【エリザベート】
王子よ もし王様が聞き入れてくださるなら
私の願いを...フランドルは
あなたの手へと委ねられ
あなたは明日にも出発できるでしょう!

(エリザベートはドン·カルロスに別れの仕草をして去って
行こうとする)

【ドン・カルロス】
何と!ただ一言も 慰めも
涙もないのですか 去りゆく者に!
ああ!せめて聖なるお慈悲を
あなたの目から私に語りかけてくれたなら!
ああ!私の魂は引き裂かれる...
私は死にそうだ...この愚か者は!
私は虚妄のうちに懇願してしまったのか
心のない冷たい大理石の像に!

【エリザベート】
カルロス 私の心が動かないことを非難しないでください
私の誇りを理解して...この沈黙は
義務なのです その聖なる松明が私の目の前にあり
そして私はそれに導かれて進むのです
天国での希望を希いながら!

【ドン・カルロス】
おお失われた幸せ...かけがえのない宝物!
人生で私に与えられたたったひとつの幸福!
話して 話してください 幸せに酔いしれて
私の魂はあなたの声に楽園の夢を見る!

【エリザベート】
おお慈悲深い神さま、かけがえないこの方の心が
慰められ 忘れることができますように!
さようなら カルロス この人生の中で
ああ!あなたと一緒に過ごした時 それは天国でした!

【ドン・カルロス】
おお不思議だ!私の引き裂かれた心に慰めが!
鋭い痛みが消えて行く!
天が私の涙にお慈悲を下さったのか...
あなたの足元に 優しさの絶望に私は死にます!

(彼は芝生の上で気を失う)

【エリザベート】
(ドン·カルロスの上に屈みこみ)
全能の神よ 彼の命が消えようとしています
涙のヴェールに包まれたこの瞳から!
安らぎを戻してあげてください おお聖なるお恵みで!
この悲しみに満ちた崇高な心へと!
ああ!彼の苦しみは私をも苛むのです
私の腕の中で 青ざめて冷たく
愛の苦しみの中 この方は死んでしまうのでしょう
私の婚約者だったこの方は!

【ドン・カルロス】
(うわ言で)
何とやさしい声だ 私の魂はよみがえるのか?
エリザベート あなたなのか 私の最愛の人よ
昔のように 私の隣に座っているのは?
ああ!春が森を再び緑にしたのだ!

【エリザベート】
おおうわ言を!ああ恐しい!
彼が死んでしまう!おおお恵みを!

【ドン・カルロス】
私の閉ざされた墓から

(意識が戻ってくる)

永遠の眠りから
なぜ私を引きずり出すのです 残酷な神よ!

【エリザベート】
カルロス!

【ドン・カルロス】
私の足の下で大地よ引き裂かれよ!
私の額に雷よ落ちろ
愛してる エリザベート!この世のことなど忘れてしまおう!

(彼は腕の中に彼女を抱こうとする)

【エリザベート】
(恐れて振りほどき)
ええ!そうしたいならまずあなたの父君を倒しなさい!
それから父を殺した汚れた手で
祭壇にあなたの母を導くのです!

【ドン・カルロス】
(恐怖のあまり逃げだす)
ああ!私は呪われた息子なのだ!

【エリザベート】
私たちを主はご覧になられているのだわ!

(ひざまずいて)

主よ!主よ!

情景とロマンス

(ティボー、フィリップ王 アランベール伯爵夫人 ロドリーグ 合唱 小姓たちが次々登場)

【ティボー】
(修道院から急いで出て来て)
王さまです!

【フィリップ】
(エリザベートに)
なぜ 妃よ?
王妃のもとに女官がひとりもついておらぬのだ?
わが宮廷の規則を無視しようと言うのか?
今日のお付きの女官は誰だ?

(群衆の中からアランベール伯爵夫人が王の前に震えながら進み出る)

伯爵夫人 明日にはフランスに帰るのだ!

(伯爵夫人は涙をあふれさせて引き下がる 誰もが驚いて王妃を見つめる)

【合唱】
ああ!なんとひどいことを王妃さまに!

【エリザベート】
(アランベール伯爵夫人に)
おお私の大好きなお友だち
泣かないで 私の妹よ
あなたがスペインを追われても
私の心からは追われはしない
あなたのそばで 子供の頃は
幸せな日々を過ごしてきました!
あなたがフランスに戻るのなら
ああ!私のお別れの言葉を運んでくださいね!

(伯爵夫人に指輪を与える)

これを形見に受け取ってください
私の感謝の気持ちです
秘密にしてね どんな辱めを
私がここで受けたかなんて
私の苦しみのことは言わないで
目から涙をこぼしていたことなど
あなたがフランスに戻るのなら
ああ!私のお別れの言葉を運んでくださいね!

【合唱 ロドリーグ】
ああ!王妃さまの汚れのなさが
その目に輝いている

【フィリップ】
(独白)
何と衒いもなく
純真さを見せつけておるのだ!

【エリザベート】
あなたがフランスに戻るのなら
私のお別れの言葉を運んでくださいね!

(王妃は泣きながら伯爵夫人と別れて
退場 コー​​ラスも続く)

情景とデュエット

【フィリップ】
(出て行こうとするロドリーグに)
待て!

(ロドリーグは立ち止まり 王の前で一礼してからひざまずくと それから王に近づき 遠慮することもなく自分の帽子を取る)

わしへのじきじきの目通りを
なぜそなたは今まで求めてこなかったのだ?
わしは友人には報いることを好んでおる
そなたがわしに忠勤を尽くしておることは良く知っておるぞ

【ロドリーグ】
私がなぜわざわざご寵愛を求めようと思わねばなりませぬか
陛下?私は法に守られ 満ち足りております

【フィリップ】
わしはその誇り高き所が気に入っておる...その大胆さも許すぞ... たまにはな...そなたは軍務を退いたそうじゃな
だがそなた程の男が 高貴な身分の軍人が
決して安息を好むことはあるまい...

【ロドリーグ】
わが祖国がこの高貴な血を流すことを求める時には
わが剣は幾度でも鞘から出て輝きましょう
このスペインが命ずることあれば 私は剣を取りましょう
ですが今は 他の者が処刑人の斧なら担うべきです

【フィリップ】
侯爵よ!

【ロドリーグ】
(激しく)
私の申し上げることをお聞きください 陛下!偶然にも
神はこの日 望まれたのでしょうから
あなた様の前に私を連れてくることを
神の摂理が
私を無意味にあなた様の前に連れてくることはないでしょう
いつかは...あなた様も真実をお知りになりましょう

【フィリップ】
話せ!

【ロドリーグ】
陛下!私はフランドルから参りました
かつてとても美しかった国より!
今や一面 焼け野原です
恐怖の地 墓です!
そこでは孤児たちが食べ物を乞い
道の上で泣き叫びながら
火災を逃れ 転倒するのです
人間の骨につまずいて!
血が川の水を赤く染め
流れは死体を転がして行く...
空気は未亡人の叫びで満たされています
夫が殺害された!...
ああ!神の御手よ 祝福されよ
こうして私よりお聞かせ致しました
この苦しみの死の鐘の響きを
王の正義の御前に!

【フィリップ】
わしはその血の代償を払ったのだ この世の平和のため
わが誇りの稲妻が改革者共を撃ったのだ
あ奴らめ 民衆に偽りの夢を吹き込んでおった...
死も わしの手によって実り多きものにもなるのだ

【ロドリーグ】
違います!あなた様の雷は無駄に轟いているのです!
いかなる手が止めることができましょうか
人間の進歩を?

【フィリップ】
わが手ならば!

【ロドリーグ】
恐ろしき吐息がこの地上を吹き過ぎます!
それはこのヨーロッパ中を震撼させましょう!
神はあなた様に御意志を告げられましょう...
あなた様の子供たちに自由を与えよと!

【フィリップ】
何と聞きなれぬ言葉よ!これまで王位にあっては
誰もかように声を上げた者は居らぬ...人が!
わしはかくも奇妙なことを聞いたことはないぞ
「真実」などと名乗ってな!

【ロドリーグ】
(彼は王の足元に身を投げる)
陛下!陛下!

【フィリップ】
(ロドリーグに覆いかぶさるように)
言うでない...
立つが良い!そなたの頭の中はまだ青いな
そのために 偽りの亡霊を呼び出しおる
世界の半分を支配する王の前にな...
大審問官には用心するのだぞ!

(ロドリーグは一礼し退室しようとする 少し躊躇した後フィリップはここに留まるよう合図をする)

いや 留まれ!わしはそなたの誇り高き魂が気に入っておる
そなたにわしは心を開こう...
そなたはわしの王位を見て この宮廷のことを見てはおらぬ!
すべてが裏切りばかりの
王妃が...疑いがわしを苦しめる!それにわしの息子も...

【ロドリーグ】
彼の魂は純粋で高貴です!

【フィリップ】
この天の下でわしの何よりも大切なものを奴は奪ったのだ!

【ロドリーグ】
それはどういう意味でございますか?

【フィリップ】
友よ われらの裁判官となれ そなたの助言には従おうぞ
わしの導き手に わしの避難所となるのじゃ...
そなたのみが男の中の男なのだ
わしはそなたの忠義な手の中にわしの心を委ねたいのだ!

【ロドリーグ】
これは夢だ!これは夢だ!

【フィリップ】
若人よ!わしの心に取り戻してくれ
ずっと前から失われていた安息を
やっとこの祝福された時間を見いだせたぞ
このような男を長い間待っていたのだ!

【ロドリーグ】
(独白)
何という光が天より射しこんできたのであろうか
私に開いてくれたのだ 閉ざされた心を?
私は身震いする 恐ろしき運命が
カルロス様の上にすでに射しかかろうとしてのだ

【フィリップ】
(レルムに)
ポーサ侯爵は今より入ることができるのだ
わしの腹心としていかなる時も 宮殿へ!

【ロドリーグ】
(独白)
全能の神よ これは夢なのだ!
ああ!私はカルロス様のために身震いするぞ...

【フィリップ】
ああ!わしは祝福された時を見出だしたのだ...ずっと
探し求めていた男がここにいたのだからな!

(王はその手をロドリーグに差し出す ロドリーグは王の前にひざまずき そしてその手にくちづける)
ACTE II

Premier Tableau

(Le cloître du couvent Saint-Just. À droite, une chapelle éclairée, avec le tombeau de Charles V, qu'on aperçoit à travers des grilles dorées. À gauche, porte conduisant à l'extérieur. Au fond, un jardin avec de grands cyprès. L'aube)

Scène Et Prière

(Le choeur des Moines psalmodie dans la chapelle. Sur
la scène, un moine agenouillé prie devant le tombeau)

LE CHOEUR DES MOINES
Charles V, l'auguste Empereur,
N'est plus que cendre et que poussière.
Et maintenant, son âme altière
Est tremblante aux pieds du Seigneur!

LE MOINE
Il voulait régner sur le monde,
Oubliant celui dont la main
Aux astres montra leur chemin.
Son orgueil était grand, sa démence profonde!

LE CHOEUR DES MOINES
Charles V, l'auguste Empereur,
N'est plus que cendre et que poussière.
Que les traits de votre colère
Se détournent de lui, Seigneur!

LE MOINE
Dieu seul est grand!
Ses traits de flamme
Font trembler la terre et les cieux!
Ah! Maître miséricordieux,
Penché vers le pécheur, accordez à son âme
La paix et le pardon, qui descendent des cieux.
Dieu seul est grand!

LE CHOEUR DES MOINES
Charles V, l'auguste Empereur,
N'est plus que cendre et que poussière.
Seigneur, que votre colère
Se détourne de lui.
Dieu seul est grand!

(Une cloche sonne. Les Moines sortent de la chapelle,
traversent le cloître et disparaissent. Don Carlos paraît
sous les voûtes du cloître)

DON CARLOS
Au couvent de Saint-Just, où termina sa vie
Mon aïeul Charles V, de sa grandeur lassé,
Je cherche en vain la paix et l'oubli du passé:
De celle qui me fut ravie
L'image erre avec moi dans ce cloître glacé!

LE MOINE
(qui s'est levé, s'approche de Don Carlos)
Mon fils, les douleurs de la terre
Nous suivent encore en ce lieu.
La paix que votre coeur espère
Ne se trouve qu'auprès de Dieu!

(Il se remet en marche)

DON CARLOS
À cette voix, je frissonne!
J'ai cru voir, O terreur
L'ombre de l'Empereur!
Sous le froc cachant sa couronne
Et sa cuirasse d'or
Ici, dit-on, il apparaît! encor!

LE MOINE
(en s'éloignant toujours)
La paix ne se trouve qu'auprès de Dieu.

DON CARLOS
Cette voix! Je frissonne...
ô terreur! Ô terreur!

Scène et Duo

RODRIGUE
(entrant, introduit par un frère lai))
Le voilà! C'est l'Infant!

DON CARLOS
(prêt à se jeter dans ses bras)
Ô mon Rodrigue!

RODRIGUE
(l'arrêtant d'un geste)
Je demande audience au noble fils du roi!

DON CARLOS
(froidement)
Soyez le bienvenu, marquis de Posa!

(Sur un geste de Carlos, le frère lai s'éloigne)

DON CARLOS
(se jetant dans les bras de Rodrigue)
Toi! mon Rodrigue!
C'est toi que dans mes bras je presse!
Vers moi, dans ma douleur Dieu te conduit,
Ange consolateur!

RODRIGUE
Ah! cher prince!
Mon Carlos, ah! mon cher prince,
J'étais en Flandre, où je suivais l'armée!
Je viens intercéder près de l'infant Carlos
Pour ce noble pays où le sang coule à flots!
Secourez la Flandre opprimée!
Dans le deuil et l'effroi tout un peuple à genoux,
Un peuple de martyrs lève les bras,
Ce peuple lève les bras vers vous!

(parlé)

Mais qu'ai-je vu! quelle pâleur mortelle!
Un éclair douloureux dans vos yeux étincelle,
Vous vous taisez! vous soupirez! des pleurs!
Mon Carlos, donne-moi ma part de tes douleurs!

DON CARLOS
Mon compagnon, mon ami, mon frère
Laisse-moi pleurer dans tes bras.
Dans tout l'empire de mon père,
Je n'ai que ce coeur, ne m'en bannis pas!

RODRIGUE
Au nom d'une amitié chère,
Des jours passés, des jours heureux!
Ouvre-moi ton coeur, ô mon Carlos!

DON CARLOS
Tu le veux? Et bien donc, connais ma misère:
Frémis du trait fatal
Dont mon coeur est blessé!
J'aime d'un amour insensé Élisabeth...

RODRIGUE
Ta mère! Dieu puissant!

DON CARLOS
Tu pâlis! Ton regard malgré toi fuit le mien!
Malheureux! mon Rodrigue lui-même,
Rodrigue, avec horreur se détourne de moi!

RODRIGUE
Non, Carlos, ton Rodrigue t'aime,
Par ma foi chrétienne, tu souffres!
À mes yeux, l'univers n'est plus rien!
Ô Carlos, mon ami, mon frère,
Je t'ouvre encor mon coeur et mes bras:
Pour le sceptre d'or de ton père,
Mon coeur, ô Carlos, ne changerait pas!

DON CARLOS
Mon compagnon, mon ami, mon frère,
Laisse-moi pleurer dans tes bras:
Dans tout l'empire de mon père
Je n'ai que ce coeur, ne m'en bannis pas!

RODRIGUE
Ton secret par le Roi s'est-il laissé surprendre?

DON CARLOS
Non!

RODRIGUE
Obtiens donc de lui de partir pour la Flandre.
Par un effort digne de toi
Brise ton coeur... et viens apprendre,
Parmi des malheureux, ton dur métier de Roi!

DON CARLOS
Je te suivrai, mon frère!

(Une cloche sonne)

RODRIGUE
Écoute!

(Des moines traversent le couvent)

Les portes du couvent vont s'ouvrir!
C'est sans doute Philippe avec la Reine!

DON CARLOS
(tremblant)
Élisabeth!

RODRIGUE
Carlos,
Près de moi, fortifie une âme qui chancelle!
Ta destinée encor peut être utile et belle...
Demande Dieu la force d'un héros!

DON CARLOS, RODRIGUE
Dieu, tu semes dans nos âmes
Un rayon des mêmes flammes,
Le même amour exalté,
L'amour de la liberté!
Dieu, qui de nos coeurs sincères
As fait les coeurs de deux frères,
Accepte notre serment!
Nous mourrons en nous aimant!
Ah! Dieu, tu semes dans nos âmes etc.

(Philippe, conduisant Élisabeth, paraît, précédé par les Moines)

RODRIGUE
Les voilà!

DON CARLOS
Je frémis! Je me meurs à sa vue!

RODRIGUE
Courage!

(Rodrigue s'est écarté de Don Carlos qui s'incline sous le regard soupçonneux de Philippe et cherche à maîtriser son émotion. Élisabeth tressaille en voyant Don Carlos. Le Roi et la Reine vont la chapelle)

LE CHOEUR DES MOINES
Charles V, l'auguste Empereur, etc.

DON CARLOS
Elle est à lui, grand Dieu! Je l'ai perdue!

LE MOINE
Ah! La paix, le pardon qui descendent des cieux.
Dieu seul est grand!

RODRIGUE
Viens, près de moi ton coeur sera plus fort!

DON CARLOS, RODRIGUE
Soyons unis pour la vie et la mort!
Dieu accepte notre serment
De mourir en nous aimant!
Soyons unis pour la vie et la mort!

Deuxième Tableau

(Un site riant aux portes du couvent de Saint_Just Une fontaine, des bancs de gazon, massifs d'orangers, de pins et de lentisques. À l'horizon, les montagnes bleues de l'Estrémadure. Au fond, la porte du couvent avec un perron de quelques degrés)

Choeur et Scène

(Les Dames sont assises sur le gazon et autour de la
fontaine. Un page accorde sa mandoline)

LES DAMES
Sous ces bois au feuillage immense,
D'un rempart d'ombre et de silence
Entourant la maison de Dieu,
Sous ces pins, dont l'abri nous tente,
On peut fuir la chaleur ardente
Et l'éclat de ce ciel en feu!

THIBAULT
(entrant avec Eboli)
Les fleurs ici couvrent la terre,
Les pins ouvrent leurs parasols,
Et sous l'ombrage pour vous plaire,
Vont s'éveiller les rossignols.

THIBAULT, LES DAMES
(prenant place sous les arbres près de la fontaine)
Qu'il fait bon, assis sous ces arbres,
Écouter bruire sur les marbres
La chanson de la source en pleurs!
Qu'il fait bon, à l'heure brûlante,
Charmer du jour la marche lente
Parmi l'ombre et parmi les fleurs!

EBOLI
Puisque dans ce couvent la Reine des Espagnes
Peut seule entrer; voulez-vous, mes compagnes,
Chercher en attendant que le ciel ait pâli,
Quelque jeu qui nous divertisse?

THIBAULT, LES DAMES
Nous suivrons tous votre caprice,
Charmante Princesse Eboli!

EBOLI
(à Thibault)
Apportez une mandoline,
Et chantons tour... tour,
Chantons la chanson sarrasine,
Celle du voile indulgent l'amour!
Chantons!

THIBAULT, LES DAMES
Chantons!

Chanson Du Voile

EBOLI
Au palais des fées,
Des rois grenadins,
Devant les nymphées
De ces beaux jardins,
Couverte d'un voile
Une femme, un soir,
À la belle étoile
Seule vint s'asseoir.
Achmet, le roi maure,
En passant la vit,
Et voilée encore,
Elle le ravit.
"Viens, ma souveraine,
Régner à ma cour"
Lui dit-il:"La Reine
N'a plus mon amour"
Ah!

EBOLI, THIBAULT
Ah! Ô jeunes filles, tissez des voiles!
Quand le ciel brille des feux du jour,
Aux lueurs des étoiles,
Les voiles
Sont chers à l'amour!

LES DAMES
Ô jeunes filles, tissez des voiles!
Quand le ciel brille des feux du jour,
Aux lueurs des étoiles,
Les voiles
Sont chers l'amour!

EBOLI, THIBAULT
Ah! Les voiles
Sont chers à l'amour!

EBOLI
"J'entrevois à peine;
Dans l'obscur jardin,
Tes cheveux d'ébène,
Ton pied enfantin.
Ô fille charmante!
Un roi t'aimera
Sois la fleur vivante
De mon Alhambra.
Mais quitte ce voile,
Bel astre charmant,
Fais comme l'étoile
Du bleu firmament"
"J'obéis sans peine:
Tiens, regarde-moi"
"Allah! C'est la Reine!"
S'écria le roi!
Ah!

EBOLI, THIBAULT
Ah! Ô jeunes filles, tissez des voiles! etc...

LES DAMES
O jeunes filles, tissez des voiles! etc.

Scène, Terzettino Dialogué et Romance

(Élisabeth entre, sortant du couvent)

LES DAMES
La Reine!

EBOLI
(à part)
Une triste pensée
Tient toujours son âme oppressée.

ÉLISABETH
(s'asseyant près de la fontaine)
Vous chantiez, libres de souci.

(à part)

Hélas!
Aux jours passés, j'étais joyeuse aussi!)

(Rodrigue paraît, Thibault s'avance vers lui et lui
parle bas un moment, puis il revient vers la Reine)

THIBAULT
(présentant Rodrigue)
Le Marquis de Posa, Grand d'Espagne!

RODRIGUE
(s'inclinant devant la Reine)
Madame,
Pour Votre Majesté, par sa mère, à Paris,
Ce pli fut en mes mains remis.

(Il donne une lettre à la Reine, puis il ajoute très
bas en glissant un billet avec la lettre)

Lisez: au nom du salut de votre âme!

(montrant la lettre aux Dames)

Voilà le sceau royal, la couronne et les lis!

(Élisabeth reste immobile, interdite, prête à parler.
Un regard suppliant de Rodrigue le désarme)

EBOLI
(à Rodrigue)
Que fait-on à la cour de France,
Ce beau pays de l'élégance?

RODRIGUE
(à Eboli)
On s'occupe fort d'un tournoi,
Où, dit-on, paraîtra le Roi.

ÉLISABETH
(le billet à la main, à part)
Ah! Je n'ose ouvrir! Il me semble
Que je forfais à l'honneur!
Quoi! Je tremble!

EBOLI
(à Rodrigue)
Des Françaises rien ne surpasse,
Nous dit-on, l'esprit et la grâce.

RODRIGUE
(à Eboli)
Vous seule avez, sous d'autres cieux,
Leur charme exquis et gracieux!

EBOLI
(à Rodrigue)
Est-il vrai, qu'aux fêtes du Louvre
Les déesses, choeur éclatant,
Semblent quitter le ciel qui s'ouvre?

ÉLISABETH
(à part)
Mais mon âme est sans tache,
et Dieu lit dans mon coeur.

RODRIGUE
(à Eboli)
La plus belle y manque pourtant...

EBOLI
(à Rodrigue)
Pour le bal, on porte, je pense,
La soie et l'or de préférence...

ÉLISABETH
(à part, lisant)
"Par le souvenir qui nous lie
Au nom de votre repos, de ma vie,
Comme à moi, fiez-vous à cet homme.
Carlos."

RODRIGUE
(à Eboli)
Tout sied bien quand on est doté,
Princesse, de votre beauté!

ÉLISABETH
(à Rodrigue)
Bien! Merci!
Demandez une grâce à la Reine.

RODRIGUE
J'accepte et non pour moi!

ÉLISABETH
(à part)
Je me soutiens peine!

EBOLI
(à Rodrigue)
Qui plus digne que vous peut voir
ses voeux comblés par la Reine?

ÉLISABETH
(à part)
Ah! Je tremble!

EBOLI
Expliquez-vous!

ÉLISABETH
Parlez!

RODRIGUE
L'Infant Carlos, notre espérance,
Vit dans le deuil et dans les pleurs,
Et nul ne sait quelle souffrance
De son printemps flétrit les fleurs!
vous, sa mère, à ce coeur tendre
Rendez la force et le repos...
Daignez le voir, daignez l'entendre!
Sauvez l'Infant! Sauvez Carlos!

EBOLI
(à part)
Un jour, j'étais aux côtés de sa mère,
J'ai vu l'Infant sous mes regards trembler,
Pâlir!... M'aimerait-il?

ÉLISABETH
(à part)
Ô destinée amère
Le revoir... je frémis!

EBOLI
(à part)
Que n'ose-t-il parler?

RODRIGUE
Ah! L'Infant Carlos, du Roi son père,
Trouva toujours le coeur fermé:
Et cependant, qui sur la terre
Serait plus digne d'être aimé ?
Un mot d'amour à ce coeur tendre
Rendrait la force et le repos.
Daignez le voir, daignez l'entendre,
Sauvez l'Infant! Sauvez Carlos!

EBOLI
(à part)
J'ai vu l'Infant sous mon regard trembler,
Pâlir! M'aimerait-il?
Que n'ose-t-il parler?

ÉLISABETH
(à part)
Hélas! Je me soutiens à peine!
Grand Dieu! Le revoir! Je frémis!

(à Thibault)

Va! Je suis prête à recevoir mon fils!

EBOLI
(à part)
Ah! S'il m'aimait!....
Et s'il osait m'ouvrir son coeur épris!...

(Rodrigue prend la main d'Eboli, ils s'éloignent en parlant bas. Les Dames de la Reine et les pages sortent)

Grande Scène et Duo

(Don Carlos paraît, s'approche lentement d'Élisabeth et s'incline sans lever les yeux. Élisabeth, maîtrisant peine son émotion, ordonne à Don Carlos d'approcher. La comtesse d'Aremberg, restée la dernière, s'éloigne aussi sur un geste d'Élisabeth)

DON CARLOS
Je viens solliciter de la Reine une grâce.
Celle qui dans le coeur du Roi
Occupe la première place
Seule peut obtenir cette grâce pour moi!
L'air d'Espagne me tue... il me pèse, il m'opprime
Comme le lourd penser d'un crime.
Obtenez... il le faut, que je parte aujourd'hui
Pour la Flandre!

ÉLISABETH
Mon fils!

DON CARLOS
Pas ce nom-là!...
Celui d'autrefois!

(Élisabeth veut s'éloigner, Don Carlos suppliant l'arrête)


Hélas, je m'égare!
Pitié! Je souffre tant! Pitié! Le ciel avare
Ne m'a donné qu'un jour, et si vite il a fui!

ÉLISABETH
Prince, si le Roi veut se rendre
À ma prière... pour la Flandre
Par lui remise entre vos mains
Vous pourrez partir dès demain!

(Élisabeth fait un geste d'adieu à Don Carlos et veut
s'éloigner)

DON CARLOS
Quoi! Pas un mot, une plainte,
Une larme pour l'exilé!
Ah! Que du moins la pitié sainte
Dans votre regard m'ait parlé!
Hélas! Mon âme se déchire...
Je me sens mourir... Insensé!
J'ai supplié dans mon délire
Un marbre insensible et glacé!

ÉLISABETH
Carlos, n'accusez pas mon coeur d'indifférence.
Comprenez mieux sa fierté... son silence.
Le devoir, saint flambeau, devant mes yeux a lui,
Et je marche, guidée par lui,
Mettant au ciel mon espérance!

DON CARLOS
Ô bien perdu... Trésor sans prix!
Ma part de bonheur dans la vie!
Parlez, parlez: enivrée et ravie,
Mon âme, à votre voix, rêve du paradis!

ÉLISABETH
O Dieu clément, ce coeur sans prix,
Qu'il soit consolé, qu'il oublie!
Adieu, Carlos, dans cette vie,
Ah! vivre auprès de vous c'était le paradis!

DON CARLOS
Ô prodige! Mon coeur déchiré se console!
Ma douleur poignante s'envole!
Le ciel a pitié de mes pleurs...
À vos pieds, éperdu de tendresse, je meurs!

(Il tombe évanoui sur le gazon)

ÉLISABETH
(se penchant sur Don Carlos)
Dieu puissant, la vie est éteinte
Dans son regard de pleurs voilé!
Rendez le calme, ô bonté sainte!
À ce noble coeur désolé!
Hélas! Sa douleur me déchire,
Entre mes bras, pâle et glacé,
D'amour, de douleur, il expire,
Celui qui fut mon fiancé!

DON CARLOS
(dans le délire)
Par quelle douce voix, mon âme est ranimée?
Élisabeth, c'est toi, ma bien-aimée,
Assise à mes côtés, comme aux jours d'autrefois?
Ah! Le printemps vermeil a reverdi les bois!

ÉLISABETH
Ô délire! Ô terreur!
Il expire! Ô bonté sainte!

DON CARLOS
À ma tombe fermée,

(revenant lui)

Au sommeil éternel
Pourquoi m'arracher, Dieu cruel!

ÉLISABETH
Carlos!

DON CARLOS
Que sous mes pieds se déchire la terre!
Que sur mon front éclate le tonnerre,
Je t'aime, Élisabeth! Le monde est oublié!

(Il la prend dans ses bras)

ÉLISABETH
(se dégageant avec effroi)
Eh bien! donc, frappez votre père!
Venez, de son meurtre souillé,
Traîner à l'autel votre mère!

DON CARLOS
(fuyant épouvanté)
Ah! Fils maudit!

ÉLISABETH
Sur nous le Seigneur a veillé!

(tombant à genoux)

Seigneur! Seigneur!

Scène et Romance

(Thibault, Philippe, la comtesse d'Aremberg, Rodrigue,
le choeur, les pages entrant successivement)

THIBAULT
(sortant à la hâte du couvent)
Le Roi!

PHILIPPE
(à Élisabeth)
Pourquoi seule, Madame?
La Reine n'a pas même auprès d'elle une femme?
Ignorez-vous la règle de ma cour?
Quelle était aujourd'hui votre dame d'atour?

(La comtesse d'Aremberg sortant de la foule, tremblante se présente au Roi)

Comtesse, dès demain vous partez pour la France!

(La comtesse se retire en pleurant. Tout le monde regarde la Reine avec étonnement)

LE CHOEUR
Ah! Pour la Reine quelle offense!

ÉLISABETH
(à la comtesse d'Aremberg)
Ô ma chère compagne,
Ne pleure pas, ma soeur.
On te chasse d'Espagne,
Mais non pas de mon coeur.
Près de toi mon enfance
Passa ses jours joyeux!
Tu vas revoir la France,
Ah! porte-lui mes adieux!

(donnant une bague à la comtesse)

Reçois ce dernier gage
De toute ma faveur.
Cache bien quel outrage
Me couvre de rougeur.
Ne dis pas ma souffrance,
Les larmes de mes yeux.
Tu vas revoir la France,
Ah! porte-lui mes adieux!

LE CHOEUR, RODRIGUE
Ah! C'est son innocence
Qui brille dans ses yeux.

PHILIPPE
(à part)
Avec quelle assurance
Elle atteste les cieux!

ÉLISABETH
Tu vas revoir la France,
Porte-lui mes adieux!

(La reine se sépare en pleurant de la Comtesse, et
elle sort. Le choeur la suit)

Scène et Duo

PHILIPPE
(à Rodrigue qui va sortir)
Restez!

(Rodrigue s'arrête, incline un genou à terre devant le
Roi, puis s'approche de lui et se couvre sans aucune espèce d'embarras)

Auprès de ma personne
Pourquoi n'avoir jamais demandé d'être admis?
J'aime à récompenser ceux qui sont mes amis.
Vous avez je le sais, bien servi ma couronne.

RODRIGUE
Que pourrais-je envier de la faveur des rois,
Sire? Je vis content, protégé par nos lois.

PHILIPPE
J'aime fort la fierté... Je pardonne à l'audace...
Quelquefois... Vous avez délaissé mes drapeaux,
Et les gens comme vous, soldats de noble race,
N'ont jamais aimé le repos...

RODRIGUE
Pour mon pays d'un noble sang trempée
Mon épée à vingt fois brillé hors du fourreau.
Que l'Espagne commande et je reprends l'épée,
Mais d'autres porteront la hache du bourreau.

PHILIPPE
Marquis!

RODRIGUE
(avec véhémence)
Daignez m'écouter, Sire! puisque le hasard,
Puisque Dieu a voulu dans ce jour
Devant vous me conduire.
Les desseins de la providence
Ne m'auront pas en vain mis en votre présence,
Un jour...vous aurez su toute la vérité.

PHILIPPE
Parlez!

RODRIGUE
Roi! J'arrive de Flandre,
Ce pays jadis si beau!
Ce n'est plus qu'un désert de cendre,
Un lieu d'horreur, un tombeau!
Là, l'orphelin qui mendie
Et pleure par les chemins,
Tombe, en fuyant l'incendie
Sur des ossements humains!
Le sang rougit l'eau des fleuves,
Ils roulent, de morts chargés...
L'air est plein des cris des veuves
Sur les époux égorgés!...
Ah! La main de Dieu soit bénie,
Qui fait entendre par moi
Le glas de cette agonie
À la justice du Roi!

PHILIPPE
J'ai de ce prix sanglant payé la paix du monde;
Ma foudre a terrassé l'orgueil des novateurs
Qui vont, plongeant le peuple en des rêves menteurs...
La mort, entre mes mains, peut devenir féconde.

RODRIGUE
Non! en vain votre foudre gronde!
Quel bras a jamais arrêté
La marche de l'humanité?

PHILIPPE
Le mien!

RODRIGUE
Un souffle ardent a passé sur la terre!
Il a fait tressaillir l'Europe tout entière!
Dieu vous dicte sa volonté...
Donnez à vos enfants la Liberté!

PHILIPPE
Quel langage nouveau! Jamais, auprès du trône,
Personne n'éleva la voix si haut... personne!
Je n'avais jamais écouté cette inconnue
Ayant pour nom: la Vérité!

RODRIGUE
(il se jette aux genoux du roi)
Sire! Sire!

PHILIPPE
(relevant Rodrigue)
Plus un mot...
Levez-vous! Votre tête est bien blonde,
Pour que vous invoquiez le fantôme imposteur
Devant un vieillard, roi de la moitié du monde...
Allez et gardez-vous de mon inquisiteur!

(Rodrigue s'incline et va pour sortir. Après un peu d'hésitation, Philippe le rappelle vivement d'un geste)

Non, reste, enfant! J'aime ton âme fière,
La mienne à toi va s'ouvrir tout entière...
Tu m'as vu sur mon trône, et non dans ma maison!
Tout y parle de trahison.
La reine... un soupçon me torture! Mon fils...

RODRIGUE
Son âme est noble et pure!

PHILIPPE
Rien ne vaut sous le ciel le bien qu'il m'a ravi!

RODRIGUE
Qu'osez-vous dire?

PHILIPPE
Ami, sois notre juge, ton conseil sera suivi.
Sois mon guide, mon refuge...
Toi qui seul es un homme au milieu des humains
Je veux mettre mon coeur en tes loyales mains!

RODRIGUE
C'est un rêve! C'est un rêve!

PHILIPPE
Enfant! à mon coeur éperdu
Rend la paix dès longtemps bannie.
Je trouve à cette heure bénie
L'homme dès longtemps attendu!

RODRIGUE
(à part)
Quel rayon du ciel descendu
M'ouvre ce coeur impitoyable?
Je frémis du trait redoutable
Sur Carlos déjà suspendu.

PHILIPPE
(à Lerme)
Le marquis de Posa peut entrer désormais
Auprès de ma personne à toute heure, au palais!

RODRIGUE
(à part)
Dieu puissant c'est un rêve!
Ah! Je frémis pour Carlos...

PHILIPPE
Ah! Je trouve à cette heure bénie... L'homme dès
longtemps attendu. Le voilà!

(Le Roi tend la main à Rodrigue, Rodrigue s'agenouille devant le Roi, et lui baise la main)


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@ 藤井宏行


最終更新:2013年08月16日 22:29