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"エイシスとガラティア"border="0"

目次

訳者より

  • この作品、「エイシスとガラテア(Acis and Galatea)」はもちろんオペラではありません。聖書を題材としているわけではないので、オラトリオともいえず、専門家の方でも分類に苦慮するというような作品ですが、一応「ギリシャ神話による音楽劇」ということになっているようです。音楽劇とはいうものの、初演時の舞台装置は簡単な背景幕のみで、演技はなかった、とされています(三澤寿喜著「作曲家◎人と作品・ヘンデル」音楽之友社2007)。
  • 羊飼いの若者エイシスとニンフの娘ガラテアは相思相愛の仲なのに、怪物ポリフェーマスがガラテアに横恋慕し、エイシスに岩を投げつけて殺してしまいますが、エイシスはニンフ・ガラテアの力により涸れない泉となって永遠の命を得ます。
  • この物語は「牧歌的な」とか「パストラル」とか呼ばれるような雰囲気の場所でお話が進行します。登場人物が活動するこのような環境は日本人にはちょっとイメージしにくいように思います。翻訳するにあたって、背景の具体的なイメージが描けるように西洋の(ルネサンス、バロックなどの)絵画をさがして見てみました。ウェブ・ギャラリー・オブ・アートというサイトのトップページで、「TEXT」欄に例えば「nymph and shepherd」などと打ち込み検索して出てくる絵画(プッサン、ティツィアーノ他)を見ると、このようなところが舞台なのね、とだいたいわかります。
    「なだらかな起伏がある野原で、ところどころに木立があり、小川があってその源にきれいな泉がある。近くには大きな岩山があったりして、遠くに山なみが霞んでいる。羊の群が野原の草を求めてゆっくりと移動している。」というような感じでしょうか。
  • 冒頭のコーラスで「冬は雨をもたらして・・・」という語句がありますが、これはこの舞台が「地中海性気候」の土地である、ということを示しています。この気候は温暖なものですが、秋から冬にかけて多少雨が降る以外はかなり乾燥しているのです。このため、水の湧き出る泉というものが、人々にとって非常に大切なのでしょう。エイシスが最後に永遠に涸れない泉となって水を湧き出させるのは、その大切さの象徴であるように思えます。
  • この理想郷的、桃源郷的で、平和なはずの土地に出現するポリフェーマスという怪物は何なのでしょうか。わたしは、地震とか落雷などの恐ろしい自然現象の象徴のような気がしています。それでは、頼みもしないのにシャシャリ出てきて、忠告めいたことを言って世話焼きをするデイモンとは何か?これは道徳とか倫理、あるいは世間常識などの象徴なのかもしれません。
  • この作品にはオペラと違って、レチタティーヴォで、会話が行われたりストーリーが進行したりするようなところはありません。それで日本語に訳された文にもリズムを付けるように試みました。日本語でリズムがあるようにするにはやはり、五七調、七五調、七七調などにするのがいいと思われましたので、できるだけそのような調子で表現してみました。なかには字余りになってしまったところもありますが。
    本当は訳文を文語体にすると締まったいい調子になります。しかし戦後教育を受けた者としては文語体を書くことは難しく、旧仮名を使うこともおぼつかないのです。で、この訳文はわたしたちが日常的に書き、話しているような言葉使いとしました。

Creative Commons License
この日本語テキストは、
クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
の下でライセンスされています。
@ KOH

監修者より

  • 「エイシスとガラテア」は、初演以降たびたび改訂や時には拡張の手を加えながら、再演され続けたヘンデルの人気作品です。ヘンデルの劇的作品としては比較的短く、分かりやすい物語とソロ・合唱のバランスの良さ、しかも英語台本・・・と、「メサイア」と並ぶ定番曲でもおかしくないと思うのですが、まだ日本ではヘンデルファン意外には知られざる作品かもしれません。ヨーロッパではオペラ仕立てにして、演技や踊りをつける上演も行われています。音楽だけでも不足はなく舞台にかけても楽しめる、つぶしのきくヘンデル作品として、今後も人気は上昇するでしょう。今回の対訳公開を機会に、少しでも多くの方に親しんでただけたらと願っている次第です。
  • エイシスのような「羊飼いの青年」が恋に悩み苦しむ物語は、ヘンデルがイタリア時代に多く作曲した伊語カンタータの「アルカディア的世界」と通じるものがあります。台本中の自然物に関わる表現の美しさや、泉となって永遠の命を得る・・・という結末は、無機的な環境で生きる現代人にとって、ヘンデルの慈愛に満ちた音楽と共に、大いなる癒しを与えてくれるのではないでしょうか。
  • 今回私はアドバイザー的役割で対訳に関わりました。訳文自体は、全てKOH様の手になるものです。リズムを生かした柔らかな言い回しの日本語で、美しい自然を舞台に展開する恋物語の世界に浸ってみてください。
  • なおKOH様もお書きになっているように、本来は原詩に準じて文語訳にするべきものと私も思います。しかし「汝~」と始めるのはできても、その後が続かない(笑)のが戦後教育を受けた者の悲しさで、母国語であっても文語表現には全く自信がありません。文語訳で読んでみたい気持ちは大いにあっても、自力では無理なんですね。
  • もし文語が得意で「エイシス~」の文語対訳バージョンを作りたい方がいらっしゃいましたら、どうぞ遠慮なく対訳プロジェクトに御参加下さい。英語の方に不安がある方でも、チーム・ヘンデルに声をかけていただければ、できる限りヘルプいたしますので。

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@ REIKO
Handel,George Frideric/Acis and Galatea







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