"ミレイユ"

対訳

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ツバメの歌 / マガリの歌(動画対訳)

ツバメの歌(動画対訳)


訳者より

  • 南フランス プロヴァンス地方の穏やかな温かさを感じさせる素敵なオペラです。物語自体はけっこうダイナミックで、ヴァイオレンスもあればホラーもあり、荒野をひとりさまようヒロインありと鮮烈なのですが、グノーのつけたメロディが南フランスのローカル色を漂わせながら楚々として美しく、その多彩なシーンがひとつの牧歌的な情景に収斂して行くような不思議な情感を醸し出しています。ファランドールやミュゼットなどこの地ならではの音楽も絶妙に織り込まれ、争いのシーンや亡霊の出て来るシーンも何とも穏やかです。原作はこの南仏の地に生まれ育った詩人フレデリク・ミストレル(1830-1914)の長大な物語詩「プロヴァンスの少女(ミレイユ)」(1859)、これを登場人物はそのままにかなり自由に設定を変えてオペラの台本をミシェル・カレが書いて1864年の3月にオペラとして初演されています。
  • 原作の方は杉冨士雄氏の訳で1977年に岩波文庫から出ていて今でも読むことができるようです(2018年6月現在 岩波のサイトで在庫ありでした)。地名などの固有名詞はかなりこの本のお世話になりましたし、オペラでは触れられていない背景事情なども詳細に書かれて物語をより深く理解できますので、このオペラを気に入られた方はぜひお読み頂けると良いと思います。
  • なお杉氏の翻訳はこの詩が書かれたプロヴァンス語からの直接訳とのことです。訳者の力もかなり貢献してはいるのでしょうが、さすがのちに(1904)ノーベル文学賞を贈られただけのことはあるミストレルの情景描写力、読んでいて思わず引き込まれて行きます。特にミレイユとヴァンサンの恋の馴れ初めである第2の歌「桑摘み」(オペラ第1幕の下地)は実にすばらしいと思いました。
  • 以下、オペラのあらすじを原作との違いなども織り込みながらご紹介しようと思います。

あらすじ

  • 蚕の餌となる桑摘みの娘たちが仕事の合間に集まって恋バナなんぞをしています。時は4月の終わりから5月初めにかけてでしょうか。娘たちのコーラスが素朴で美しいです。歌詞も飄々として面白い。そんな中、貧しい籠職人の倅ヴァンサンとのなれそめをカミングアウトしたのはこのあたりの地主の一人娘ミレイユ。ですが他の娘たちにはもうとっくにばれていたようです。二人の恋を気にかけている女占い師(魔法使いに近い感じ)のタヴェンの心配をよそにミレイユはひたすらにポジティブです。皆が去って行ったあと一人残ったミレイユのそばを通り掛かるヴァンサン。二人は他愛のないおしゃべりを暫し楽しんだあと抱き合い そしてお別れします。第一幕の全編に渡って桑摘み娘たちのコーラスがリフレインします。

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@ 藤井宏行

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