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第3幕

(岩山の頂。モミの木の森が舞台右手を区切っている。左手には洞窟への入口があるが、この洞窟は天然の大広間となっており、その上が岩山の頂上となっている。舞台後方は視界が完全に開け、大小さまざまの岩石が斜面の壁となってそびえる。そのさらに後方は、見えないながらも急な絶壁となっているようである。ちぎれ雲が嵐に飛ばされるように激しく、岩山のへりを通り過ぎていく)



前奏曲と第1場
(ゲルヒルデ、オルトリンデ、ヴァルトラウテ、シュヴェルトライテ。あとから、ヘルムヴィーゲ、ジークルーネ、グリムゲルデ、ロスヴァイセ、ブリュンヒルデとジークリンデ)
(ゲルヒルデ、オルトリンデ、ヴァルトラウテ、シュヴェルトライテは、岩山の頂きにある洞窟の脇やその上に陣取り、鎧兜に身を包んでいる)
<ゲルヒルデ>
(もっとも高いところに陣取って、後ろからやってくる厚い雲に呼びかける)
ホヨッホー!ホヨッホー!ハヤッハー!ハヤッハー!
ヘルムヴィーゲだわ!こっちよ!馬と一緒に来なさいよ!

<ヘルムヴィーゲの声>
(舞台後方から)
ホヨッホー!ホヨッホー!ハヤッハー!

(雲の中で稲妻がぱっとひらめくと、戦死者を鞍にくくりつけた騎乗のヴァルキューレが現れる。そのヴァルキューレはこちらに近づくと、岩山のへりを左から右へと舐めるように通り過ぎる)

<ゲルヒルデ、ヴァルトラウテ、シュヴェルトライテ>
(近づいてくるヴァルキューレに呼びかける)
ハヤッハー!ハヤッハー!

(さきほどの雲は、舞台右手のモミの森の中に消える)


<オルトリンデ>
(森へと呼びかける)
あなたの馬を、私の馬と一緒につなげばいいわ。
あなたのブラウナー(鹿毛)なら、私のグラウエ(葦毛)と、仲良く草を食むでしょうから!

<ヴァルトラウテ>
(森へと呼びかける)
鞍にぶらさがっているのは誰?

<ヘルムヴィーゲ>
(森から出てきて)
これは、ヘーゲリンク族のジントルト!

<シュヴェルトライテ>
だとしたら、二人の馬を近づけてはダメだわ!
オルトリンデの馬は、イルミング族のヴィティヒを運んできたんだから!
<ゲルヒルデ>
(頂から下りて近づきながら)
たしかに、ジントルトとヴィティヒは仇どうしの間柄!

<オルトリンデ>
(飛び起きて)
やだ!あたしの馬に体当たりしてきたわ!
(オルトリンデは森に駆けていく)

(シュヴェルトライテ、ゲルヒルデ、ヘルムヴィーゲは大声で笑う)
<ゲルヒルデ>
戦士の仲の悪さが、馬にのりうつったのね!

<ヘルムヴィーゲ>
(森にいる馬に振り返って呼びかける)
こら!おとなしくして!!
場を乱してはだめよ!

<ヴァルトラウテ>
(ゲルヒルデに代わって高い地点に立って見張っていたが、右手後方へと呼びかける)
ホイホー!ホイホー!
ジークルーネね!何をぐずぐずしていたの?
(右側に向け耳を澄ます)

<ジークルーネの声>
(左手後方から)
仕事がたっぷりあったのよ!
もうみんなそろっているの?

<シュヴェルトライテ、ヴァルトラウテ>
(右手後方に呼びかける)
ホヨッホー!ホヨッホー!
ハヤッハー!

<ゲルヒルデ>
ハヤッハー!

(ヴァルキューレ達の身ぶりと、モミの森から出てくる輝きで、ジークルーネが森に着地したことがわかる。そのとき奥から、二つの声がいっぺんに響く)

<ゲルヒルデとロスヴァイセ>
(左後ろから)
ホヨッホー!ホヨッホー!ハヤッハー!ハヤッハー!
ハヤッハー!

<ヴァルトラウテ>
(左に向いて)
あれはグリムゲルデとロスヴァイセ!

<ゲルヒルデ>
(同じく左に向いて)
二人で馬首をそろえて騎行してくる。

(稲妻光る雷雲が左からたなびき、その中に騎乗のグリムゲルデとロスヴァイセの姿が現れる。二人の鞍にはそれぞれ一人ずつ戦死者がつながれている。ヘルムヴィーゲ、オルトリンデ、ジークルーネは森から出て、岩山のへりから二人に手を振る)



<ヘルムヴィーゲ、オルトリンデ、ジークルーネ>
ようこそ!騎乗の女武者!
ロスヴァイセとグリムゲルデ!

<ロスヴァイセとグリムゲルデの声>
ホヨッホー!ホヨッホー!
ハヤッハー!

(ロスヴァイセとグリムゲルデの姿は森の中へと消える)

<その他6人のヴァルキューレ>
ホヨッホー!ホヨッホー!ハヤッハー!ハヤッハー!

<ゲルヒルデ>
(森の二人に呼びかける)
森の中で馬を休ませてあげないと!

<オルトリンデ>
(同じく森の二人に呼びかける)
でも、馬は一緒につながないほうがいいわ・・・
勇士たちの憎しみが収まるまでは!

(ヴァルキューレはみんな大笑いする)

<ヘルムヴィーゲ>
(みんなの笑い声の中で)
もう私の勇士は怒って、オルトリンデの葦毛に復讐しちゃったけど!
(ヴァルキューレはまたみんな大笑いする)

<ロスヴァイセとグリムゲルデ>
(森から出てきて)
ホヨッホー!ホヨッホー!

<その他6人のヴァルキューレ>
ようこそ!ようこそ!

<シュヴェルトライテ>
あんたらは一緒に出かけたの?

<グリムゲルデ>
初めは別々だったけど、今日合流したの。

<ロスヴァイセ>
さあ!みんな集合ね!ぐずぐずせずに、
早くヴァルハラに戻って、
ヴォータンに戦死者を差しだしましょう。

<ヘルムヴィーゲ>
まだ8人よ。ひとりだけ足りない。

<ゲルヒルデ>
ブリュンヒルデは、きっとまだ、
あの褐色のヴェルズングのところにいるのね。

<ヴァルトラウテ>
じゃあ、もう少しここで待たないと・・・。
ブリュンヒルデを待たずに私たちだけで行くと、
きっとお父さまは機嫌が悪いから!

<ジークルーネ>
(岩の上から、遠くを見張りながら)
ホヨッホー!ホヨッホー!
(後方に向かって呼びかける)
こっちよ!こっち!
(他のヴァルキューレ達に)
すごい勢いで、
ブリュンヒルデが向かってくるわ。

<8人のヴァルキューレ>
(全員、岩山の上の見張り台に急ぐ)
ホヨッホー!ホヨッホー!
ブリュンヒルデ!こっちよ!

(全員、いぶかしそうに眺める)

<ヴァルトラウテ>
よろめく馬を、なんとか森に向かわせている。

<グリムゲルデ>
速く走らせすぎよ!グラーネったら、ひどい鼻息!

<ロスヴァイセ>
こんなに速く飛ぶヴァルキューレは初めて!

<オルトリンデ>
鞍の上には?

<ヘルムヴィーゲ>
戦士じゃないわ!

<ジークルーネ>
女よ!

<ゲルヒルデ>
女なんか?どうして?

<シュヴェルトライテ>
こっちに挨拶もしない!

<ヴァルトラウテ>
(下に向いて呼びかける)
ハヤッハー!ブリュンヒルデ!聞こえないの?

<オルトリンデ>
お姉さまが
馬から降りるのを手伝わないと!

(ゲルヒルデとヘルムヴィーゲは全速力で森に駆けていく。ジークルーネとロスヴァイセもそれにつづく)

<ヘルムヴィーゲ、ゲルヒルデ、ジークルーネ、ロスヴァイセ>

ホヨッホー!ホヨッホー!

<オルトリンデ、ヴァルトラウテ、グリムゲルデ、シュヴェルトライテ>
ハヤッハー!

<ヴァルトラウテ>
(森を見つめながら)
あの屈強なグラーネが倒れるなんて!

<グリムゲルデ>
急いで女を鞍から降ろしている!

<オルトリンデ、ヴァルトラウテ、グリムゲルデ、シュヴェルトライテ>
(ヴァルキューレは、全員、森に駆けていきながら)
お姉さま!お姉さま!どうしたの?

(全員で舞台に戻ってきたヴァルキューレの中には、ジークリンデを脇にかかえて引っぱってくるブリュンヒルデがいる)


<ブリュンヒルデ>
(息せききって)
私をまもって!この窮地から救って!

<8人のヴァルキューレ>
ひどく急いでたけど、どこから飛ばしてきたの?
いったい誰から逃げようとしていたの?

<ブリュンヒルデ>
追われる身となったのは、生まれて初めて。
私、お父さまに追われているのよ!

<8人のヴァルキューレ>
(激しい衝撃を受けて)
ねえ!正気?教えて!どういうこと?
お父さまに追われている?
逃げているのはお姉さまですって?

<ブリュンヒルデ>
(不安そうに体をそらし、辺りを見回し、また向きなおる)

ああ・・・みんな・・・岩の頂きから見下ろして!
北を見て!お父さまが近づいてこない!?
(オルトリンデとヴァルトラウテは、岩の頂きに飛びあがり、そこから見張りをする)
早く!何か見えて?

<オルトリンデ>
雷雲が北から近づいている。

<ヴァルトラウテ>
厚い雲が立ち昇っているわ!

<その他の6人のヴァルキューレ>
お父さまが神馬で駆けてくる!

<ブリュンヒルデ>
怒り狂う狩人が、私を追って、
北から近づく!・・・近づく!
みんな、私を守って!そして、この女性も!

<6人のヴァルキューレ>
この人は何なの?

<ブリュンヒルデ>
急いで聞いて・・・。
この人は、ジークムントの妹であり妻であるジークリンデ。
ヴォータンは、
このヴェルズング族の兄妹を呪い、
私に、
ジークムントの勝利を取り下げるよう命じられた。
でも、私はジークムントを盾で守ったわ・・・
神に逆らって!
神は自らの槍で介入し、
ジークムントは死んでしまった。
でも、私は、この女の人を助けるため、
あなたたちのところにやってきた・・・
ねえ!
この不安におびえる私を、
罰の一撃から守ってちょうだい!

<6人のヴァルキューレ>
(話を聞いて仰天して)
お姉さん?狂ったの?何てことをしたのよ!?
ああ!ブリュンヒルデ!何てことよ!
お父さまの神聖な命令に
そむくなんて!?

<ヴァルトラウテ>
(見張り台の上から)
暗闇が北から来るわ!

<オルトリンデ>
(同様に見張り台の上から)
怒りの嵐がこっちにくる!

<ロスヴァイセ、グリムゲルデ、シュヴェルトライテ>
(舞台後方に向かって)
お父さまの馬がけたたましくいなないている。

<ヘルムヴィーゲ、ゲルヒルデ、シュヴェルトライテ>
すごい鼻息がこちらにも響いてくる!

<ブリュンヒルデ>
この人が可哀想すぎる!もしもヴォータンにつかまったりしたら!ヴォータンはヴェルズング族を皆殺しにしようとしているのだもの!ねえ!誰でもいいわ!一番身軽な馬を貸してくれない?早く!この人を逃がすために!

<ジークルーネ>
あたしたちにまで、お父さまに逆らえというの?

<ブリュンヒルデ>
ロスヴァイセ!ねえ!
あなたの馬を貸して!

<ロスヴァイセ>
どんな速い馬だって、お父さまからは逃げられないわ。

<ブリュンヒルデ>
ヘルムヴィーゲ!お願いよ!

<ヘルムヴィーゲ>
あたしはお父さまに従うわ。

<ブリュンヒルデ>
グリムゲルデ!ゲルヒルデ!馬を貸して!
シュヴェルトライテ!ジークルーネ!私の気持ちをわかって!
私があなたがたにそうだったように、今は私に尽くして!
どうか、この可哀想な女の人を救ってあげて!

<ジークリンデ>
(ジークリンデはこの間ずっと凍ったように虚ろな目をしていたが、ブリュンヒルデが彼女を守るように強く抱きしめた途端に、突き放すような身振りで体を起こす)
もう私にかまわないで・・・
あたしなんか死んだほうがいいのよ!
どうしてあなたは、
私を敵から守って逃げたりしたの?
あの戦場の嵐の中で、私はいっそのこと
ジークムントが受けたのと同じ剣をこの身に受けたかった・・・そうすれば、
あの人と一緒に死ねたでしょうに!
もうジークムントはいない・・・ジークムント・・・あなたは!ああ!私の望みどおりにして!死なせて!
私を逃がしたことを
あなたに恨むことはできないけれど、
どうか私の願いを聞きいれて・・・
あなたの剣を私の胸に突き刺して!

<ブリュンヒルデ>
生きて!生きるのよ!愛のために!
ジークムントの愛の証しを救うのよ・・・
(力強い声で、ジークリンデを説得するように)
あなたの体の中には、もうひとりヴェルズングがいるのよ!

<ジークリンデ>
(はじめはただ驚いていただけだったが、いきなり、輝かしい歓びが顔からあふれ出す)
私を生かしてください!この子を助けてください!
ヴァルキューレの乙女たちも!どうか・・・どうか私の身を守ってください!

(ますます濃くなっていく雷雲が背景に立ち昇る。雷鳴が近づく)

<ヴァルトラウテ>
(見張り台の上から)
嵐が近づいてくるわ。

<オルトリンデ>
(見張り台の上から)
あの嵐が怖いなら逃げて!

<6人のヴァルキューレ>
その女の人を逃がして!危機が迫ってるわ・・・
ヴァルキューレでは誰もこの人を守れない!

<ジークリンデ>
(ブリュンヒルデの前にひざまずいて)
守ってください!どうか!母になる私を救って!

<ブリュンヒルデ>
(意を決し、きびきびと、ジークリンデを立ち上がらせながら)じゃあ早く逃げて!一人きりで行くのよ!
私はここに残り、ヴォータンの罰を受けます・・・
私がヴォータンの怒りを一手に引き受けている間に、
あなたは怒りの手を逃れるのよ。

<ジークリンデ>
一体どこに行ったらいいの?

<ブリュンヒルデ>
みんなのなかで、東へ行った人はいる?

<ジークルーネ>
東はずうっと森ばかりよ。
ファフナーがニーベルングの財宝を奪い取って隠しているわ。

<シュヴェルトライテ>
あの怪物は龍の姿をして、
洞窟にアルベリヒの宝を隠しているのよ!

<グリムゲルデ>
一人きりの女にはふさわしくないところよ。

<ブリュンヒルデ>
でも、その森ならば、ヴォータンの怒りからも守ってくれる・・・最強の神ですら、あの森は恐れて近づかない場所だわ。
<ヴァルトラウテ>
(見張り台の上から)
ヴォータンが凄い形相で
この岩山に向かってくる。

<6人のヴァルキューレ>
ブリュンヒルデ!あの音が聞こえないの!?

<ブリュンヒルデ>
(ジークリンデに手で方角を指し示しながら)
さあ急いで!東へ行くのよ!
歯を食いしばって耐えるのよ・・・どんな苦しみにも・・・
どんな飢えや乾きにも・・・どんな茨や岩場にあっても・・・
笑うのよ!どんな逆境や苦しみにあっても、笑うの!
でも、今から私が言うことだけは思い出して、それを心の支えにして!「この世で最もすぐれた男の子が
あなたの身には宿っています・・・!」
(ブリュンヒルデは、ジークムントの剣の破片を鎧の中から取り出すと、その厚い破片をジークリンデの手にゆだねる)
その子のために、この剣の破片を大切に持っていて!
その子の父の斃れた地から、私が何とか拾い集めた破片を・・・いつかきっとその子は、この剣を鍛え直して振り回すはず。その子の名前は私から授けましょう・・・
ジークフリート・・・勝利をことほぐ者・・・と!

<ジークリンデ>
(心の底から感動して)
ああ・・・なんて神聖な奇蹟!なんて素敵な女性!
あなたの誠実さに、私はほんとうに慰められ、救われました!
私たちが愛したあの人のためにも、私は可愛いこの子を守ります・・・いつか必ず、私の感謝の気持ちが、あなたに微笑みますように!さようなら!ジークリンデの悲しみをあなたの力に変えてください!
(ジークリンデは舞台の前方を右手へ走り去っていく。その時すでに岩山の頂きは黒い雷雲におおわれている。嵐の吹きすさぶ猛烈な音が舞台後方から聞こえてきて、舞台右手では炎がますます赤々と照り返す)

<ヴォータンの声>
逃げる気か!?ブリュンヒルデ!

(ブリュンヒルデはしばらくジークリンデを見送っていたが、舞台後方に向きを変えてモミの森を見つめた途端、再び恐怖にとらえられたような仕草を見せる)

<オルトリンデとヴァルトラウテ>
(見張り台から駆け降りながら)
お父さまの馬がこの岩山に着いたわ!

<8人のヴァルキューレ>
かわいそうに!ブリュンヒルデ!復讐の炎が燃えている!

<ブリュンヒルデ>
ああ!みんな助けて!心が折れてしまいそう!
みんながお父さまをなだめてくれないと、
お父さまの怒りで、私は砕け散ってしまうわ。

<8人のヴァルキューレ>
(ヴァルキューレ達はおびえながら岩の頂へと逃れる。皆に手を取られたブリュンヒルデも、その後ろに従う)
さあ、こっちよ!しょうがないお姉さん!見えないように隠れて!
あたしたちにぴったりくっついて、呼ばれても黙っていて!
(ブリュンヒルデを取り囲み、その姿を隠すと、おびえた目でモミの森を見つめる。森から炎のどぎつい光が赤々と輝く一方で、舞台後方は真っ暗闇となっている)
ああ!ヴォータンが馬から飛び降りた・・・!
仕返しをしようと、すごい勢いで向かってくる!


第2場
(ヴァルキューレ全員とヴォータン)

(ヴォータンは、憤怒の形相で興奮して森から姿を現す。ブリュンヒルデの姿を求めつつ、凄まじい勢いで岩山の頂きにいるヴァルキューレの群れのもとにやってくる)

<ヴォータン>
ブリュンヒルデはどこだ?掟を破った女は?
お前らは、あの悪人をかくまおうというのか?

<8人のヴァルキューレ>
なんと凄まじい怒りよう!
ねえ、お父さま、あたしたちが、
お父さまをそんなに怒らせることをしましたでしょうか?

<ヴォータン>
馬鹿にするな!生意気な口を叩くな!
お前らがブリュンヒルデをかくまっていることなどお見通しだ。永劫の呪いを受けた女などと関わってはならん・・・
あの女は、自らの価値をおとしめ、放り投げたのだ!

<ロスヴァイセ>
お姉さまは追われて逃げてきたのです。

<8人のヴァルキューレ>
お姉さまは、あたしたちの庇護を求めてきたのです!
お父さまの怒りを怖れて、恐怖で胸をいっぱいにして・・・
どうかお願いです・・・可哀想なお姉さまのために。
怒りを抑えて落ち着いてください。
お姉さまへの優しさを取戻し、怒りを収めてください!

<ヴォータン>
軟弱な女たちめ!
そんな弱い心を私から受け継いだのか?
私は、お前たちを、戦場に耐えうるような
強く厳しい心の持ち主に
育てたはずなのに、
たかが不実な女ひとりを罰するからと言って、
そんなに泣きわめいたりするのか?
知っているのか?泣き虫ども。
臆病なお前たちが泣いてかばっているこの女のしたことを・・・。私の心に秘めた想いを、
この子ほど知っている者はいなかった。
私の本当の意志を
この子以上に知る者はなかった!
ましてや、私がこの世に望みをつないだ理由も、
この子がいたからこそだったのだ・・・
それなのに、この子は幸福な絆を断ち切り、
不実にも私の意志に逆らい、
私の命令を公然と嘲笑い、
私に武器を向けたのだ!
この子の幸せを願って、私が作った武器を・・・!
聴こえるか?ブリュンヒルデ!
お前に鎧を、兜と武器を、喜びと慈愛を、
名前と身体とを与えたのは、この私ではなかったか?
そんな私の嘆きの声を聴きながら、
お前はおびえて身を隠し、
卑怯千万にも罰をまぬがれようというのか?

<ブリュンヒルデ>
(ヴァルキューレの一団の中から歩み出ると、控えめではあるがしっかりした足取りで、山頂をくだり、ヴォータンのすぐ前に進み出る)
お父さま・・・私はここにいます。罰を下してください!

<ヴォータン>
私が罰するのではない・・・
お前自身がお前を罰すればよい。
お前は私の「意志」によってのみ存在していたはずなのに、
私に逆らう意志を持ったではないか。
私の「命令」を果たす立場だったのに、
私に逆らう命令を出したではないか。
お前は「望みの乙女」だったはずなのに、
私に逆らう望みを抱いたではないか。
私の「盾」となる女だったはずなのに、
その私に盾ついたではないか。
私の意にそって「運命を決める」女だったはずなのに、
私に逆らって運命を決めたではないか。
勇士の「心を動かす」立場だったのに、
私に逆らうよう勇士を動かしたではないか。
かつては、お前のあり方は、ヴォータンが決めていた。
だが、これからのお前のあり方は、お前自身が決めればよい!
もはやお前は「望みの乙女」ではない。
かつてはヴァルキューレだったかも知れないが、
これからは、どのようにでもなればいい!

<ブリュンヒルデ>
(激しい衝撃を受けて)
私を追放するの?本気でそんなことを?

<ヴォータン>
もうお前をヴァルハラから送り出すことはない・・・
お前に割り当てた戦死者を
ヴァルハラの広間に
連れてこさせることもないし、
神々の和やかな晩餐で、
私の盃に酒を注いでもらうこともない。
もう、お前の子供っぽい口もとを撫でることもない・・・
お前は神々の一族から追放され、
不死の種族ではなくなる。
もう二人の絆は絶たれた・・・
二度と私の前に姿を見せるな。

<8人のヴァルキューレ>
(興奮した身振りで、それまでの場所を離れて、少しずつ下のほうに降りて行きながら)
ひどいわ!ひどすぎる!
お姉さん!お姉さん!

<ブリュンヒルデ>
すべて奪うつもりなの?お父さまからいただいたものを!

<ヴォータン>
奪うのは、お前を手に入れる者だ!
私は、お前をこの山に置き去りにする・・・
無防備の眠りに、固く封じ込めるのだ・・・
そして、通りすがりの人間の男に見つけられ、起こされれば、
その男の餌食になるだけのことだ。

<8人のヴァルキューレ>
(ヴァルキューレ達は極度に興奮して岩山を駆け降りると、不安そうに群れ固まりブリュンヒルデを取り囲む。ブリュンヒルデはヴォータンの前で片膝を立ててひざまずいている)
やめてよ!お父様!そんな呪いは取り消して!
輝かしい乙女が、人間の男のために身を落としてしまうなんて?お願いですから聞いてください!おそろしい神!
そんな辱めをお姉さんに加えないでください!
そんなことをすれば、妹のあたしたちも一緒に汚されるのですよ!
<ヴォータン>
聴こえなかったのか?刑の宣告が?
約束を破ったこの女は、
お前らからは切り離され、
もはや馬に乗って空を駆け巡ることはない。
乙女の花は枯れてしまうのだ・・・。
夫に愛嬌を振りまき、ただの女となって、
その者に一生従順にしたがえばよい・・・。
台所に座って、糸を紡ぎ、
世の物笑いと嘲りを一身に受けるのだ。
(ブリュンヒルデは叫び声をあげて地にくずおれる。他のヴァルキューレは驚きのあまり大声で叫び立てながら、ブリュンヒルデのそばを離れる)
おそろしいか?この女の運命が?ならば去れ!この破滅した女から!去るがいい!遠くへ去れ!
あえてここにとどまり、
私に逆らって、
こんな哀れな女の味方をするならば、
そんなバカ者は、この女と同じ運命になるぞ!
そんな女には、まったく同じ運命を下してやる!
さっさと去れ!この岩山に近寄るな!
早くここから去らなければ、
お前らもとんでもないことになるぞ!

<8人のヴァルキューレ>
ひどいわ!なんてひどいことなの!

(ヴァルキューレ達は激しい叫び声を上げながら散り散りになり、急いでモミの森の中へと逃げ込む。岩山のへりのすぐ傍に黒雲があるが、森の中で物凄い音が聞こえると、その雲の中からぎらりと稲妻が光る。雲の中には、一団となってひしめき合いながら、馬の手綱を緩めて物凄い勢いで疾駆していくヴァルキューレ達の姿がある。しばらくすると嵐は治まり、雷雲は少しずつ遠ざかっていく。次の第3場では、ようやく回復した天候のもと、たそがれの光が広がり始め、幕切れでは夜となる)




第3場
(ヴォータン、ブリュンヒルデ)

(ヴォータンと、彼の足元にじっと横たわっていたブリュンヒルデだけが舞台に取り残される。長く重たい沈黙が続く。変わらぬ姿勢のままで)

<ブリュンヒルデ>
(ゆっくりとだが少しずつ頭をもたげ始める。初めはおずおずとしていたが、やがて声を高めて)
私の犯したことは、そんなにも恥ずべきことでしたか・・・?
そんなに恥ずかしい罰を下されるほど。
私のしたことは、そんなにも不品行なことでしたか・・・?
そんなに深く私の品位を傷つけるほど。
私は、そんなにも不名誉なことをしたというのですか・・・?
名誉を勝手に奪い去られてしまうほど。
(次第に身を起こし、ひざまずいて)
教えて!お父さま!私の目をよく見て・・・
どうか怒らないで、私に教えてください。
どんないかがわしい罪を私が犯したと言うの!
お父さまが、ご自身の意に逆らってまでも、
大切な我が子を追放せざるを得ないほどの!

<ヴォータン>
(身じろぎひとつせず、真剣で陰鬱な顔をして)
お前のしたことをよく考えてみろ。そうすれば、その罪が分かるはずだ!

<ブリュンヒルデ>
私はお父さまの命令を果たしただけです。

<ヴォータン>
お前に命じたか?ヴェルズングの側に立って戦えなどと・・・

<ブリュンヒルデ>
戦場を司る神として、お父さまはそうお命じになりました!

<ヴォータン>
だが、その指示は撤回したではないか!

<ブリュンヒルデ>
フリッカがお父さまの本来の意志を歪めたからです・・・
フリッカの考えに従ったとき、
お父さまは、あなたご自身の敵となったのです。

<ヴォータン>
(小声で、苦々しく)
お前なら私の思いを理解してくれる・・・私はそう思っていた。そうと知っていて叛いたからこそ、罰したのだ。
お前はこの私を・・・愚かで卑怯な男とみなしたのだ!
お前は、私が裏切りに罰を与えないとでも思っていたのか・・・?お前にとって、私の怒りは、そんなに軽いものだったのか?
<ブリュンヒルデ>
私は知恵の回らない娘です。ですが一つだけ知っていたことがあります・・・
それは・・・お父さまがヴェルズングのジークムントを愛していたこと。
そのことをすっかり忘れねばならないという
引き裂かれる気持ちが、私に伝わりました。
お父さまはご自身の意に反して、事を進めていたのです。
あまりにもつらすぎたのです・・・そうだと認めることは・・・お父さまがジークムントを守れないということは。
<ヴォータン>
そこまで分かっていたにもかかわらず、あの男を守ろうとしたのか?
<ブリュンヒルデ>
(ひそやかに語りはじめる)
私がそうした理由は、
「それ」を見たからです。
お父さまは、別のこととの板挟みになって、
「それ」に仕方なく目を背けざるを得なかったけれど!
いつも戦場でヴォータンの背中を追いかけていた娘は、
今初めて、お父さまが見なかったものを見たのです・・・
あの「ジークムント」を、私はこの目にしたのです。
私は、彼に死を宣告するために歩み出て、
その瞳を見つめ、声を聴きました。
心の底からの苦難の声を聴き、
比類なき勇者の嘆きを耳にしたのです。
ああ・・・最も自由な恋愛が直面した恐ろしい苦悩・・・
最も悲痛な心情が企てた力強き反抗!
そのとき、耳に残り、目に焼き付いたもの・・・
それは深く心に突き刺さり、
存在の底の底から、私を揺さぶったのです。
恥ずかしさのあまり呆然として、私は立ち尽くしました。
この人の役に立とうとしか考えられなかったのです・・・
勝利でも死でも、ジークムントと分かち合おう・・・
私が選び取るべき道はそれしかありませんでした!
この愛を・・・私の心に注ぎ込んだもの・・・
私をヴェルズングと共に戦わせたもの・・・それはお父さまご自身の想い。
その想いを胸に抱きしめ、私はお父さまの命令に逆らったのです。
<ヴォータン>
そうか・・・お前は私が望んで果たせなかったことをしたわけだな・・・苦しみに引き裂かれる私にはできなかったことを。
だが、心の歓びをそんなに簡単に手に入れられるとでも思ったのか?私はどうなる?・・・心を悲しみに焼き尽くされた私は・・・つらい苦しみが打ち続くあまり、
憎悪ばかりが膨れ上がって、
苦しみ病める心で
世界が「愛」へと向かうことを妨げている私は・・・。
自分自身の現実の姿に
死ぬほどあらがいつつ、
気が狂いそうな苦痛のために、
激昂して立ち上がり、
狂わんばかりの憧れに浸りながら、
この世界を木っ端微塵にすることによって、
永遠に続く悲哀を終わらせようという
恐ろしい願いをもてあそぶ私は・・・。
そんな私を横目に見つつ、お前は甘い歓びに浸るのか・・・。
歓びの到来に陶酔するあまり、
お前は笑って愛の薬を飲むというのか・・・?
私の身を神々の危機がむしばむこの時に。
お前はそんな軽薄な女だったのか・・・ならば勝手にやればよい・・・私との絆はもう断たれたのだから。
もうお前と一緒にいることはできない。
お前と二人で色々な思いをめぐらすことも、
もうできない。
これからは離れ離れになったまま、
何一つ共にはできないのだ・・・
この生が続く限り、この空が続く限り、
お前と私とが、再び出会うことはないのだ!

<ブリュンヒルデ>
ほんとに、こんな愚かな娘は何のお役にも立てませんでした・・・お父さまに何を教わっても
ただ驚くだけで、まるで学び取れなかったのですから。
でも、私が学んだことが、
たった一つだけあります。
それは「愛すること」です・・あなたが愛したものを・・。
私は追放され、もうお会いすることはできませんが、
お父さまのほうも、今まで体の一部だったものを捨て去り、
遠くに半身を置きざりにするようなものなのですよ。
かつてはお父さまの一部分だった私という存在を・・・
お父さま!神よ!それだけは忘れないで!
お父さまの永遠の半身である私を辱めないで!
お父さまご自身の屈辱を望まないで!
恥辱に沈む私を見れば、
お父さまの身も辱めることになるのですから!

<ヴォータン>
お前は、愛の力に屈したのだ・・・
ならば愛する定めの男には、誰であれ従うほかないのだ!

<ブリュンヒルデ>
私がヴァルハラを離れ、
もうお父さまとは行動を共にできず、
この先は人間の男に仕えねばならないとしても、
決して口先だけの卑怯な男には与えないでください!
私を手に入れる男が、無価値な男でないようにしてください。

<ヴォータン>
お前と私は縁を切るのだ・・・
だから、私が選ぶことはできない。

<ブリュンヒルデ>
(小声で、内緒ごとを相談するかのように)
お父さまは高貴な一族を創り出しました。
そこから弱い男が生まれるはずはありません。
最もすぐれた勇者は・・・そうです・・・
あのヴェルズング族から生まれてくるのです。

<ヴォータン>
なぜヴェルズング族の話などを!
お前と縁を切った時、私はヴェルズング族からも縁を切ったのだ・・妬みが、あの一族を滅ぼしたのだ!

<ブリュンヒルデ>
ヴェルズング族の命脈は、お父さまの手を逃れたあの女性がつないだのです。
(内緒ごとを言うかのように)
ジークリンデのお腹の中には清らかな赤ん坊がいます。
どんな女性も味わったことのないような苦しみの中で、
あの女の人は
お腹に宿ったその子を産むでしょう。

<ヴォータン>
あの女の庇護を私に求めようとでも言うのか!?
その腹の中の子供までもか!?

<ブリュンヒルデ>
(内緒ごとを言うかのように)
お父さまがジークムントのために作った剣は、今あの女性の手にあるのです。

<ヴォータン>
(声を荒らげて)
私はその剣を砕いたではないか!
小娘め・・・!なぜ私の意志をくじこうとする・・・!
お前は来たるべき運命を待つがいい。
もう私はお前の運命を決められないのだ!
ああ・・・行かねばならない・・・
ずいぶんここで時間を無駄にしてしまった。
これ以上、謀反人などと付き合っていられるか。
お前の願いを聞くことなどできない・・・
私は罰の執行を見届けるために、ここにいるだけだ!

<ブリュンヒルデ>
私が我慢できるような罰を・・・お考えになったのですか?

<ヴォータン>
お前を深い眠りに封じ込める・・・。
無防備な女の姿のお前を見つけ、眠りから覚ました者が、
お前を妻とするのだ!

<ブリュンヒルデ>
(祈るようにひざまずいて)
私が深い眠りに閉じ込められ、
弱い人間の男の手に入るとしても、
たった一つだけはお聞き届けください。
ほんとうに、ほんとうに、お願いです!
眠る女を護ってください!近寄りがたい何か恐ろしいもので!
そうすれば、恐れを知らない自由な勇者だけが、
いつか岩山の私を見い出すはずです!

<ヴォータン>
望みが過ぎるぞ!そんなに甘やかせるものか!

<ブリュンヒルデ>
(ヴォータンの足にすがりついて)
どうしてもお聞き届けください!
私・・・お父さまにすがりつくこの私を打ち殺し、
粉々に踏みにじってもいい・・・
跡形も残らないほど、槍で体を引きちぎってもいい・・・
ですが、お父さまがどんなに残酷な方でも、
恥辱だけは・・・ひどすぎる辱しめだけは私に与えないで!
(我を忘れたように激しく)
お父さまの命令で炎を燃やし、
燃え上がる火焔で岩山を取り巻いて!
ゆらめく炎で岩山を焦がして!
そうすれば、弱い男が私に近づいてきても、
その炎が飲み込んでくれるわ!

<ヴォータン>
(ヴォータンはブリュンヒルデの激しい願いに圧倒され、深く心を揺り動かされ、感情を取り戻して彼女のほうへ振り向く。ひざまずいていたブリュンヒルデを起き上がらせると、あふれる想いのままに、その眼に口づけする)
さらばだ・・・勇敢で立派な我が子よ!
我が心の清らかな誇りよ!
さらば・・・さらば・・・さらば!
(愛情をあふれさせて)
別れねばならない。
お前と、愛を込めて
目配せを交わすことはもうできない。
並んで馬を走らせることもできないし、
酒宴(うたげ)の酒を注いでもらうこともない。
愛するお前を失ってしまう・・・
我が眼の癒しそのものの、お前の笑顔を・・・
花嫁を守る炎よ!燃え盛れ!
乙女を求めるどんな若者も見たことがないほどに!
岩山を取り巻け・・・
焼き尽くし、燃やし尽くして、
弱い者が近づけないようにするのだ・・・!
弱き者は、ブリュンヒルデの岩山に近づいてはならない!
なぜなら、この花嫁を手に入れる者は、
神である私より、もっと「自由」でなくてはならないからだ!
(ブリュンヒルデは感極まってヴォータンの胸に顔を沈め、父と娘はずっと抱きしめ合ったままでいる。やがてブリュンヒルデは顔を起こし、なおもヴォータンを抱きしめながら、荘厳なまでの感動を込めてヴォータンの瞳を見つめる)
このきらめく両眼・・・
何度も、にこりと私に微笑んだ・・・
戦場でのお前の勇気を称えて、私が口づけしたとき・・・
ろれつの回らぬ舌で、可愛く唇をふるわせながら、
勇者を讃える歌をお前が歌ったとき・・・
このかがやく両眼で、
なんども戦場でまばたきし、
希望の憧れを心に燃やし、
不安に揺れる私の想いを、
現世の歓びへの願いに変えてくれたとき。
それも今日が最後なのか・・・。
お前の想いを伝えてくれ・・・
最期の別れの、この口づけで!
お前を手に入れる男には
幸せの星がまたたくだろうが、
不幸せで、不死な私には
別れの結末があるだけだ。
(ブリュンヒルデの顔を両手に包みながら)
お前から神は去っていく・・・
私の口づけが、お前から神性を奪うとき!
(ヴォータンは長い間、ブリュンヒルデの目に口づけする。ブリュンヒルデは目を閉じ、静かに体の力を抜きながら、ヴォータンの腕の中で仰向けに倒れていく。モミの木の太い枝が空を遮る苔むす丘の上に、ヴォータンはブリュンヒルデを横たえる。ヴォータンはブリュンヒルデを見つめながら、兜の目庇(まびさし)を閉じる。そうしながらも、ヴォータンは、ヴァルキューレの大きな鉄の盾にすっぽりと覆われながら眠っているブリュンヒルデの姿から目を逸らすことができない。ようやくゆっくりと目を逸らしたかと思うと、またもう一度、苦悩に満ちた眼差しで振り返る。だが、ついにヴォータンは意を決して、重々しく舞台の中央に進み出ると、手にした槍の穂先を巨大な岩へと向ける)
ローゲ!よく聴け!
はじめ私はお前を、燃え盛る「ほむら」(ローゲ)として見出だしたな!しかし、お前は、私から逃げてからは、
さまようだけの「ほのお」(ローエ)となってしまった!
私は今こそ、昔とらえたお前の姿を解き放つのだ!
来るのだ!燃えはじける炎よ!
燃えさかりながら、この岩山を取り囲め!
(ヴォータンは次の台詞とともに、岩の頂きを槍で三度突く)

ローゲ!ローゲよ!来たれ!
(その岩からは火が溢れだし、次第に明るさを増す炎となって膨れ上がる。
突如、炎が勢いよく天を突いて赤々と揺らめく。その火焔は、ゆらゆらと揺れながら物凄い勢いでヴォータンを取り囲むが、ヴォータンはその火の海に対して、岩山のへりを取り巻いて流れるように槍で命じる。すると炎はすぐに舞台後方へと遠ざかっていき、山裾を取り巻いて燃え続ける)

我が槍の穂先を怖れる者よ!
絶対に・・・この火を越えてはならないぞ!

(ヴォータンは、禁令を発するかのように槍を伸ばすが、やがて苦悩に満ちて振り返り、ブリュンヒルデの姿を見つめる。もう一度だけ振り返り、ゆっくりと去って行こうとするが、またも振り返り、ブリュンヒルデをじっと見つめる。ヴォータンの姿は次第に炎に隠れて見えなくなっていく。幕が下りる)
DRITTER AUFZUG

Auf dem Gipfel eines Felsenberges. Rechts begrenzt ein Tannenwald die Szene. Links der Eingang einer Felshöhle, die einen natürlichen Saal bildet: darüber steigt der Fels zu seiner höchsten Spitze auf. Nach hinten ist die Aussicht gänzlich frei; höhere und niedere Felssteine bilden den Rand vor dem Abhange, der - wie anzunehmen ist - nach dem Hintergrund zu steil hinabführt. Einzelne Wolkenzüge jagen, wie vom Sturm getrieben, am Felsensaume vorbei

VORSPIEL UND ERSTE SZENE
Gerhilde, Ortlinde, Waltraute und Schwertleite, später Helmwige, Siegrune, Grimgerde, Rossweisse, Brünnhilde, Sieglinde, Gerhilde, Ortlinde, Waltraute und Schwertleite haben sich auf der Felsspitze, an und über der Höhle, gelagert, sie sind in voller Waffenrüstung

GERHILDE
zuhöchst gelagert und dem Hintergrunde zurufend, wo ein starkes Gewölk herzieht
Hojotoho! Hojotoho! Heiaha! Heiaha!
Helmwige! Hier! Hieher mit dem Ross!

HELMWIGES STIMME
im Hintergrunde
Hojotoho! Hojotoho! Heiaha!

In dem Gewölk bricht Blitzesglanz aus; eine Walküre zu Ross wird in ihm sichtbar: über ihrem Sattel hängt ein erschlagener Krieger. Die Erscheinung zieht, immer näher, am Felsensaume von links nach rechts vorbei

GERHILDE, WALTRAUTE UND SCHWERTLEITE
der Ankommenden entgegenrufend
Heiaha! Heiaha!

Die Wolke mit der Erscheinung ist rechts hinter dem Tann verschwunden

ORTLINDE
in den Tann hineinrufend
Zu Ortlindes Stute stell deinen Hengst:
mit meiner Grauen grast gern dein Brauner!


WALTRAUTE
hineinrufend
Wer hängt dir im Sattel?

HELMWIGE
aus dem Tann auftretend
Sintolt, der Hegeling!

SCHWERTLEITE
Führ' deinen Brauen fort von der Grauen:
Ortlindes Mähre trägt Wittig, den Irming!

GERHILDE
ist etwas näher herabgestiegen
Als Feinde nur sah ich Sintolt und Wittig!

ORTLINDE
springt auf
Heiaha! Die Stute stösst mir der Hengst!
Sie läuft in den Tann

Schwertleite, Gerhilde und Helmwige lachen laut auf

GERHILDE
Der Recken Zwist entzweit noch die Rosse!

HELMWIGE
in den Tann zurückrufend
Ruhig, Brauner!
Brich nicht den Frieden!

WALTRAUTE
auf der Höhe, wo sie für Gerhilde die Wacht übernommen, nach rechts in den Hintergrund rufend
Hoioho! Hoioho!
Siegrune, hier! Wo säumst du so lang?
Sie lauscht nach rechts

SIEGRUNES STIMME
von der rechten Seite des Hintergrundes her
Arbeit gab's!
Sind die andren schon da?

SCHWERTLEITE UND WALTRAUTE
nach rechts in den Hintergrund rufend
Hojotoho! Hojotoho!
Heiaha!

GERHILDE
Heiaha!

Ihre Gebärden sowie ein heller Glanz hinter dem Tann zeigen an, dass soeben Siegrune dort angelangt ist. Aus der Tiefe hört man zwei Stimmen zugleich

GRIMGERDE UND ROSSWEISSE
links im Hintergrunde
Hojotoho! Hojotoho!
Heiaha!

WALTRAUTE
nach links
Grimgerd' und Rossweisse!

GERHILDE
ebenso
Sie reiten zu zwei.

In einem blitzerglänzenden Wolkenzuge, der von links her vorbeizieht, erscheinen Grimgerde und Rossweisse, ebenfalls auf Rossen, jede einen Erschlagenen im Sattel führend. Helmwige, Ortlinde und Siegrune sind aus dem Tann getreten und winken vom Felsensaume den Ankommenden zu

HELMWIGE, ORTLINDE UND SIEGRUNE
Gegrüsst, ihr Reisige!
Rossweiss' und Grimgerde!

ROSSWEISSES UND GRIMGERDES STIMMEN
Hojotoho! Hojotoho!
Heiaha!

Die Erscheinung verschwindet hinter dem Tann

DIE SECHS ANDEREN WALKÜREN
Hojotoho! Hojotoho! Heiaha! Heiaha!

GERHILDE
in den Tann rufend
In Wald mit den Rossen zu Weid' und Rast!

ORTLINDE
ebenfalls in den Tann rufend
Führet die Mähren fern von einander,
bis unsrer Helden Hass sich gelegt!

Die Walküren lachen

HELMWIGE
während die anderen lachen
Der Helden Grimm büsste schon die Graue!

Die Walküren lachen

ROSSWEISSE UND GRIMGERDE
aus dem Tann tretend
Hojotoho! Hojotoho!

DIE SECHS ANDEREN WALKÜREN
Willkommen! Willkommen!

SCHWERTLEITE
Wart ihr Kühnen zu zwei?

GRIMGERDE
Getrennt ritten wir und trafen uns heut'.

ROSSWEISSE
Sind wir alle versammelt, so säumt nicht lange:
nach Walhall brechen wir auf,
Wotan zu bringen die Wal.

HELMWIGE
Acht sind wir erst: eine noch fehlt.

GERHILDE
Bei dem braunen Wälsung
weilt wohl noch Brünnhilde.

WALTRAUTE
Auf sie noch harren müssen wir hier:
Walvater gäb' uns grimmigen Gruss,
säh' ohne sie er uns nahn!

SIEGRUNE
auf der Felswarte, von wo sie hinausspäht
Hojotoho! Hojotoho!
in den Hintergrund rufend
Hieher! Hieher!
zu den anderen
In brünstigem Ritt
jagt Brünnhilde her.

DIE ACHT WALKÜREN
alle eilen auf die Warte
Hojotoho! Hojotoho!
Brünnhilde! Hei!

Sie spähen mit wachsender Verwunderung

WALTRAUTE
Nach dem Tann lenkt sie das taumelnde Ross.

GRIMGERDE
Wie schnaubt Grane vom schnellen Ritt!

ROSSWEISSE
So jach sah ich nie Walküren jagen!

ORTLINDE
Was hält sie im Sattel?

HELMWIGE
Das ist kein Held!

SIEGRUNE
Eine Frau führt sie!

GERHILDE
Wie fand sie die Frau?

SCHWERTLEITE
Mit keinem Gruss grüsst sie die Schwestern!

WALTRAUTE
hinabrufend
Heiaha! Brünnhilde! Hörst du uns nicht?

ORTLINDE
Helft der Schwester
vom Ross sich schwingen!

Gerhilde und Helmwige stürzen in den Tann. Siegrune und Rossweisse laufen ihnen nach

HELMWIGE, GERHILDE,
SIEGRUNE, ROSSWEISSE
Hojotoho! Hojotoho!

ORTLINDE, WALTRAUTE,
GRIMGERDE, SCHWERTLEITE
Heiaha!

WALTRAUTE
in den Tann blickend
Zu Grunde stürzt Grane, der Starke!

GRIMGERDE
Aus dem Sattel hebt sie hastig das Weib!

ORTLINDE, WALTRAUTE,
GRIMGERDE, SCHWERTLEITE
alle in den Tann laufend
Schwester! Schwester! Was ist geschehn?

Alle Walküren kehren auf die Bühne zurück; mit ihnen kommt Brünnhilde, Sieglinde unterstützend und hereingeleitend

BRÜNNHILDE
atemlos
Schützt mich und helft in höchster Not!

DIE ACHT WALKÜREN
Wo rittest du her in rasender Hast?
So fliegt nur, wer auf der Flucht!

BRÜNNHILDE
Zum erstenmal flieh' ich und bin verfolgt:
Heervater hetzt mir nach!

DIE ACHT WALKÜREN
heftig erschreckend
Bist du von Sinnen? Sprich! Sage uns! Wie?
Verfolgt dich Heervater?
Fliehst du vor ihm?

BRÜNNHILDE
wendet sich ängstlich, um zu spähen, und kehrt wieder zurück
O Schwestern, späht von des Felsens Spitze!
Schaut nach Norden, ob Walvater naht!
Ortlinde und Waltraute springen auf die Felsenspitze zur Warte
Schnell! Seht ihr ihn schon?

ORTLINDE
Gewittersturm naht von Norden.

WALTRAUTE
Starkes Gewölk staut sich dort auf!

DIE WEITEREN SECHS WALKÜREN
Heervater reitet sein heiliges Ross!

BRÜNNHILDE
Der wilde Jäger, der wütend mich jagt,
er naht, er naht von Norden!
Schützt mich, Schwestern! Wahret dies Weib!

SECHS WALKÜREN
Was ist mit dem Weibe?

BRÜNNHILDE
Hört mich in Eile:
Sieglinde ist es, Siegmunds Schwester und Braut:
gegen die Wälsungen
wütet Wotan in Grimm;
dem Bruder sollte Brünnhilde heut'
entziehen den Sieg;
doch Siegmund schützt' ich mit meinem Schild,
trotzend dem Gott!
Der traf ihn da selbst mit dem Speer:
Siegmund fiel;
doch ich floh fern mit der Frau;
sie zu retten, eilt' ich zu euch -
ob mich Bange auch
kleinmütig
ihr berget vor dem strafenden Streich!

SECHS WALKÜREN
in grösster Bestürzung
Betörte Schwester, was tatest du?
Wehe! Brünnhilde, wehe!
Brach ungehorsam
Brünnhilde Heervaters heilig Gebot?

WALTRAUTE
von der Warte
Nächtig zieht es von Norden heran.

ORTLINDE
ebenso
Wütend steuert hieher der Sturm.

ROSSWEISSE, GRIMGERDE, SCHWERTLEITE
dem Hintergrunde zugewendet
Wild wiehert Walvaters Ross.

HELMWIGE, GERHILDE, SCHWERTLEITE
Schrecklich schnaubt es daher!

BRÜNNHILDE
Wehe der Armen, wenn Wotan sie trifft:
den Wälsungen allen droht er Verderben! -
Wer leiht mir von euch das leichteste Ross,
das flink die Frau ihm entführ'?

SIEGRUNE
Auch uns rätst du rasenden Trotz?

BRÜNNHILDE
Rossweisse, Schwester,
leih' mir deinen Renner!

ROSSWEISSE
Vor Walvater floh der fliegende nie.

BRÜNNHILDE
Helmwige, höre!

HELMWIGE
Dem Vater gehorch' ich.

BRÜNNHILDE
Grimgerde! Gerhilde! Gönnt mir eu'r Ross!
Schwertleite! Siegrune! Seht meine Angst!
Seid mir treu, wie traut ich euch war:
rettet dies traurige Weib!

SIEGLINDE
die bisher finster und kalt vor sich hingestarrt, fährt, als Brünnhilde sie lebhaft - wie zum Schutze - umfasst, mit einer abwehrenden Gebärde auf
Nicht sehre dich Sorge um mich:
einzig taugt mir der Tod!
Wer hiess dich Maid,
dem Harst mich entführen?
Im Sturm dort hätt' ich den Streich empfah'n
von derselben Waffe, der Siegmund fiel:
das Ende fand ich
vereint mit ihm!
Fern von Siegmund - Siegmund, von dir! -
O deckte mich Tod, dass ich's denke!
Soll um die Flucht
dir, Maid, ich nicht fluchen,
so erhöre heilig mein Flehen:
stosse dein Schwert mir ins Herz!

BRÜNNHILDE
Lebe, o Weib, um der Liebe willen!
Rette das Pfand, das von ihm du empfingst:
stark und drängend
ein Wälsung wächst dir im Schoss!

SIEGLINDE
erschrickt zunächst heftig; sogleich strahlt aber ihr Gesicht in erhabener Freude auf
Rette mich, Kühne! Rette mein Kind!
Schirmt mich, ihr Mädchen, mit mächtigstem Schutz!


Immer finstereres Gewitter steigt im Hintergrunde auf: nahender Donner

WALTRAUTE
auf der Warte
Der Sturm kommt heran.

ORTLINDE
ebenso
Flieh', wer ihn fürchtet!

DIE SECHS ANDEREN WALKÜREN
Fort mit dem Weibe, droht ihm Gefahr:
der Walküren keine wag' ihren Schutz!

SIEGLINDE
auf den Knien vor Brünnhilde
Rette mich, Maid! Rette die Mutter!

BRÜNNHILDE
mit lebhaftem Entschluss hebt sie Sieglinde auf
So fliehe denn eilig - und fliehe allein!
Ich bleibe zurück, biete mich Wotans Rache:
an mir zögr' ich den Zürnenden hier,
während du seinem Rasen entrinnst.

SIEGLINDE
Wohin soll ich mich wenden?

BRÜNNHILDE
Wer von euch Schwestern schweifte nach Osten?

SIEGRUNE
Nach Osten weithin dehnt sich ein Wald:
der Niblungen Hort entführte Fafner dorthin.

SCHWERTLEITE
Wurmesgestalt schuf sich der Wilde:
in einer Höhle hütet er Alberichs Reif!

GRIMGERDE
Nicht geheu'r ist's dort für ein hilflos' Weib.

BRÜNNHILDE
Und doch vor Wotans Wut schützt sie sicher der Wald:
ihn scheut der Mächt'ge und meidet den Ort.

WALTRAUTE
auf der Warte
Furchtbar fährt
dort Wotan zum Fels.

SECHS WALKÜREN
Brünnhilde, hör' seines Nahens Gebraus'!

BRÜNNHILDE
Sieglinde die Richtung weisend
Fort denn eile, nach Osten gewandt!
Mutigen Trotzes ertrag' alle Müh'n, -
Hunger und Durst, Dorn und Gestein;
lache, ob Not, ob Leiden dich nagt!
Denn eines wiss' und wahr' es immer:
den hehrsten Helden der Welt
hegst du, o Weib, im schirmenden Schoss! -
Sie zieht die Stücken von Siegmunds Schwert unter ihrem Panzer hervor und überreicht sie Sieglinde
Verwahr' ihm die starken Schwertesstücken;
seines Vaters Walstatt entführt' ich sie glücklich:
der neugefügt das Schwert einst schwingt,
den Namen nehm' er von mir -
"Siegfried" erfreu' sich des Siegs!

SIEGLINDE
in grösster Rührung
O hehrstes Wunder! Herrlichste Maid!
Dir Treuen dank' ich heiligen Trost!
Für ihn, den wir liebten, rett' ich das Liebste:
meines Dankes Lohn lache dir einst!
Lebe wohl! Dich segnet Sieglindes Weh'!

Sie eilt rechts im Vordergrunde von dannen. - Die Felsenhöhe ist von schwarzen Gewitterwolken umlagert; furchtbarer Sturm braust aus dem Hintergrunde daher, wachsender Feuerschein rechts daselbst

WOTANS STIMME
Steh'! Brünnhild'!

Brünnhilde, nachdem sie eine Weile Sieglinde nachgesehen, wendet sich in den Hintergrund, blickt in den Tann und kommt angstvoll wieder vor

ORTLINDE UND WALTRAUTE
von der Warte herabsteigend
Den Fels erreichten Ross und Reiter!

ALLE ACHT WALKÜREN
Weh', Brünnhild'! Rache entbrennt!

BRÜNNHILDE
Ach, Schwestern, helft! Mir schwankt das Herz!
Sein Zorn zerschellt mich,
wenn euer Schutz ihn nicht zähmt.

DIE ACHT WALKÜREN
flüchten ängstlich nach der Felsenspitze hinauf; Brünnhilde lässt sich von ihnen nachziehen
Hieher, Verlor'ne! Lass dich nicht sehn!
Schmiege dich an uns und schweige dem Ruf!
Sie verbergen Brünnhilde unter sich und blicken ängstlich nach dem Tann, der jetzt von grellem Feuerschein erhellt wird, während der Hintergrund ganz finster geworden ist
Weh'! Wütend schwingt sich Wotan vom Ross! -
Hieher rast sein rächender Schritt!


ZWEITE SZENE
Die Vorigen, Wotan

Wotan tritt in höchster zorniger Aufgeregtheit aus dem Tann auf und schreitet vor der Gruppe der Walküren auf der Höhe, nach Brünnhilde spähend, heftig einher.

WOTAN
Wo ist Brünnhild', wo die Verbrecherin?
Wagt ihr, die Böse vor mir zu bergen?

DIE ACHT WALKÜREN
Schrecklich ertost dein Toben!
Was taten, Vater, die Töchter,
dass sie dich reizten zu rasender Wut?

WOTAN
Wollt ihr mich höhnen? Hütet euch, Freche!
Ich weiss: Brünnhilde bergt ihr vor mir.
Weichet von ihr, der ewig Verworfnen,
wie ihren Wert von sich sie warf!

ROSSWEISSE
Zu uns floh die Verfolgte.

DIE ACHT WALKÜREN
Unsern Schutz flehte sie an!
Mit Furcht und Zagen fasst sie dein Zorn:
für die bange Schwester bitten wir nun,
dass den ersten Zorn du bezähmst.
Lass dich erweichen für sie, zähm deinen Zorn!

WOTAN
Weichherziges Weibergezücht!
So matten Mut gewannt ihr von mir?
Erzog ich euch, kühn zum Kampfe zu zieh'n,
schuf ich die Herzen
euch hart und scharf,
dass ihr Wilden nun weint und greint,
wenn mein Grimm eine Treulose straft?
So wisst denn, Winselnde, was sie verbrach,
um die euch Zagen die Zähre entbrennt:
Keine wie sie
kannte mein innerstes Sinnen;
keine wie sie
wusste den Quell meines Willens!
Sie selbst war
meines Wunsches schaffender Schoss: -
und so nun brach sie den seligen Bund,
dass treulos sie meinem Willen getrotzt,
mein herrschend Gebot offen verhöhnt,
gegen mich die Waffe gewandt,
die mein Wunsch allein ihr schuf! -
Hörst du's, Brünnhilde? Du, der ich Brünne,
Helm und Wehr, Wonne und Huld,
Namen und Leben verlieh?
Hörst du mich Klage erheben,
und birgst dich bang dem Kläger,
dass feig du der Straf' entflöhst?

BRÜNNHILDE
tritt aus der Schar der Walküren hervor, schreitet demütigen, doch festen Schrittes von der Felsenspitze herab und tritt so in geringer Entfernung vor Wotan
Hier bin ich, Vater: gebiete die Strafe!

WOTAN
Nicht straf' ich dich erst:
deine Strafe schufst du dir selbst.
Durch meinen Willen warst du allein:
gegen ihn doch hast du gewollt;
meinen Befehl nur führtest du aus:
gegen ihn doch hast du befohlen;
Wunschmaid warst du mir:
gegen mich doch hast du gewünscht;
Schildmaid warst du mir:
gegen mich doch hobst du den Schild;
Loskieserin warst du mir:
gegen mich doch kiestest du Lose;
Heldenreizerin warst du mir:
gegen mich doch reiztest du Helden.
Was sonst du warst, sagte dir Wotan:
was jetzt du bist, das sage dir selbst!
Wunschmaid bist du nicht mehr;
Walküre bist du gewesen:
nun sei fortan, was so du noch bist!

BRÜNNHILDE
heftig erschreckend
Du verstössest mich? Versteh' ich den Sinn?

WOTAN
Nicht send' ich dich mehr aus Walhall;
nicht weis' ich dir mehr Helden zur Wal;
nicht führst du mehr Sieger
in meinen Saal:
bei der Götter trautem Mahle
das Trinkhorn nicht reichst du traulich mir mehr;
nicht kos' ich dir mehr den kindischen Mund;
von göttlicher Schar bist du geschieden,
ausgestossen aus der Ewigen Stamm;
gebrochen ist unser Bund;
aus meinem Angesicht bist du verbannt.

DIE ACHT WALKÜREN
verlassen, in aufgeregter Bewegung, ihre Stellung, indem sie sich etwas tiefer herabziehen
Wehe! Weh'!
Schwester, ach Schwester!

BRÜNNHILDE
Nimmst du mir alles, was einst du gabst?

WOTAN
Der dich zwingt, wird dir's entziehn!
Hieher auf den Berg banne ich dich;
in wehrlosen Schlaf schliess' ich dich fest:
der Mann dann fange die Maid,
der am Wege sie findet und weckt.

DIE ACHT WALKÜREN
kommen in höchster Aufregung von der Felsenspitze ganz herab und umgeben in ängstlichen Gruppen Brünnhilde, welche halb kniend vor Wotan liegt
Halt' ein, o Vater! Halt' ein den Fluch!
Soll die Maid verblühn und verbleichen dem Mann?
Hör unser Fleh'n! Schrecklicher Gott,
wende von ihr die schreiende Schmach!
Wie die Schwester träfe uns selber der Schimpf!

WOTAN
Hörtet ihr nicht, was ich verhängt?
Aus eurer Schar ist die treulose Schwester
geschieden; mit euch zu Ross durch die Lüfte nicht reitet sie länger;
die magdliche Blume verblüht der Maid;
ein Gatte gewinnt ihre weibliche Gunst;
dem herrischen Manne gehorcht sie fortan;
am Herde sitzt sie und spinnt,
aller Spottenden Ziel und Spiel.
Brünnhilde sinkt mit einem Schrei zu Boden; die Walküren weichen entsetzt mit heftigem Geräusch von ihrer Seite
Schreckt euch ihr Los? So flieht die Verlorne!
Weichet von ihr und haltet euch fern!
Wer von euch wagte bei ihr zu weilen,
wer mir zum Trotz
zu der Traurigen hielt' -
die Törin teilte ihr Los:
das künd' ich der Kühnen an!
Fort jetzt von hier; meidet den Felsen!
Hurtig jagt mir von hinnen,
sonst erharrt Jammer euch hier!

DIE ACHT WALKÜREN
Weh! Weh!

Die Walküren fahren mit wildem Wehschrei auseinander und stürzen in hastiger Flucht in den Tann. Schwarzes Gewölk lagert sich dicht am Felsenrande: man hört wildes Geräusch im Tann. Ein greller Blitzesglanz bricht in dem Gewölk aus; in ihm erblickt man die Walküren mit verhängtem Zügel, in eine Schar zusammengedrängt, wild davonjagen. Bald legt sich der Sturm; die Gewitterwolken verziehen sich allmählich. In der folgenden Szene bricht, bei endlich ruhigem Wetter, Abenddämmerung ein, der am Schlusse Nacht folgt


DRITTE SZENE
Wotan, Brünnhilde

Wotan und Brünnhilde, die noch zu seinen Füssen hingestreckt liegt, sind allein zurückgeblieben.
Langes, feierliches Schweigen: unveränderte Stellung

BRÜNNHILDE
beginnt das Haupt langsam ein wenig zu erheben. Schüchtern beginnend und steigernd.
War es so schmählich, was ich verbrach,
dass mein Verbrechen so schmählich du bestrafst?
War es so niedrig, was ich dir tat,
dass du so tief mir Erniedrigung schaffst?
War es so ehrlos, was ich beging,
dass mein Vergehn nun die Ehre mir raubt?
Sie erhebt sich allmählich bis zur knienden Stellung
O sag', Vater! Sieh mir ins Auge:
schweige den Zorn, zähme die Wut,
und deute mir hell die dunkle Schuld,
die mit starrem Trotze dich zwingt,
zu verstossen dein trautestes Kind!

WOTAN
in unveränderter Stellung, ernst und düster
Frag' deine Tat, sie deutet dir deine Schuld!


BRÜNNHILDE
Deinen Befehl führte ich aus.

WOTAN
Befahl ich dir, für den Wälsung zu fechten?

BRÜNNHILDE
So hiessest du mich als Herrscher der Wal!

WOTAN
Doch meine Weisung nahm ich wieder zurück!

BRÜNNHILDE
Als Fricka den eignen Sinn dir entfremdet;
da ihrem Sinn du dich fügtest,
warst du selber dir Feind.

WOTAN
leise und bitter
Dass du mich verstanden, wähnt' ich,
und strafte den wissenden Trotz:
doch feig und dumm dachtest du mich!
So hätt' ich Verrat nicht zu rächen;
zu gering wärst du meinem Grimm?

BRÜNNHILDE
Nicht weise bin ich, doch wusst' ich das eine,

dass den Wälsung du liebtest.
Ich wusste den Zwiespalt, der dich zwang,
dies eine ganz zu vergessen.
Das andre musstest einzig du sehn,
was zu schaun so herb schmerzte dein Herz:
dass Siegmund Schutz du versagtest.

WOTAN
Du wusstest es so, und wagtest dennoch den Schutz?

BRÜNNHILDE
leise beginnend
Weil für dich im Auge das eine ich hielt,
dem, im Zwange des andren
schmerzlich entzweit,
ratlos den Rücken du wandtest!
Die im Kampfe Wotan den Rücken bewacht,
die sah nun das nur, was du nicht sahst: -
Siegmund musst' ich sehn.
Tod kündend trat ich vor ihn,
gewahrte sein Auge, hörte sein Wort;
ich vernahm des Helden heilige Not;
tönend erklang mir des Tapfersten Klage:
freiester Liebe furchtbares Leid,
traurigsten Mutes mächtigster Trotz!
Meinem Ohr erscholl, mein Aug' erschaute,
was tief im Busen das Herz
zu heilgem Beben mir traf.
Scheu und staunend stand ich in Scham.
Ihm nur zu dienen konnt' ich noch denken:
Sieg oder Tod mit Siegmund zu teilen:
dies nur erkannt' ich zu kiesen als Los! -
Der diese Liebe mir ins Herz gehaucht,
dem Willen, der dem Wälsung mich gesellt,

ihm innig vertraut, trotzt' ich deinem Gebot.

WOTAN
So tatest du, was so gern zu tun ich begehrt,
doch was nicht zu tun die Not zwiefach mich zwang?
So leicht wähntest du Wonne des Herzens erworben,
wo brennend Weh' in das Herz mir brach,
wo grässliche Not
den Grimm mir schuf,
einer Welt zuliebe der Liebe Quell
im gequälten Herzen zu hemmen?
Wo gegen mich selber
ich sehrend mich wandte,
aus Ohnmachtschmerzen
schäumend ich aufschoss,
wütender Sehnsucht sengender Wunsch
den schrecklichen Willen mir schuf,
in den Trümmern der eignen Welt
meine ew'ge Trauer zu enden: -
da labte süss dich selige Lust;
wonniger Rührung üppigen Rausch
enttrankst du lachend der Liebe Trank,
als mir göttlicher Not nagende Galle gemischt?
Deinen leichten Sinn lass dich denn leiten:
von mir sagtest du dich los.
Dich muss ich meiden,
gemeinsam mit dir
nicht darf ich Rat mehr raunen;
getrennt, nicht dürfen
traut wir mehr schaffen:
so weit Leben und Luft
darf der Gott dir nicht mehr begegnen!

BRÜNNHILDE
Wohl taugte dir nicht die tör'ge Maid,
die staunend im Rate
nicht dich verstand,
wie mein eigner Rat
nur das eine mir riet:
zu lieben, was du geliebt. -
Muss ich denn scheiden und scheu dich meiden,
musst du spalten, was einst sich umspannt,
die eigne Hälfte fern von dir halten,
dass sonst sie ganz dir gehörte,
du Gott, vergiss das nicht!
Dein ewig Teil nicht wirst du entehren,
Schande nicht wollen, die dich beschimpft:
dich selbst liessest du sinken,
sähst du dem Spott mich zum Spiel!

WOTAN
Du folgtest selig der Liebe Macht:
folge nun dem, den du lieben musst!

BRÜNNHILDE
Soll ich aus Walhall scheiden,
nicht mehr mit dir schaffen und walten,
dem herrischen Manne gehorchen fortan:
dem feigen Prahler gib mich nicht preis!
Nicht wertlos sei er, der mich gewinnt.

WOTAN
Von Walvater schiedest du -
nicht wählen darf er für dich.

BRÜNNHILDE
leise mit vertraulicher Heimlichkeit
Du zeugtest ein edles Geschlecht;
kein Zager kann je ihm entschlagen:
der weihlichste Held - ich weiss es -
entblüht dem Wälsungenstamm.

WOTAN
Schweig' von dem Wälsungenstamm!
Von dir geschieden, schied ich von ihm:
vernichten musst' ihn der Neid!

BRÜNNHILDE
Die von dir sich riss, rettete ihn.

heimlich
Sieglinde hegt die heiligste Frucht;
in Schmerz und Leid, wie kein Weib sie gelitten,
wird sie gebären,
was bang sie birgt.

WOTAN
Nie suche bei mir Schutz für die Frau,
noch für ihres Schosses Frucht!

BRÜNNHILDE
heimlich
Sie wahret das Schwert, das du Siegmund schufest.


WOTAN
heftig
Und das ich ihm in Stücken schlug!
Nicht streb', o Maid, den Mut mir zu stören;
erwarte dein Los, wie sich's dir wirft;
nicht kiesen kann ich es dir!
Doch fort muss ich jetzt, fern mich verziehn;
zuviel schon zögert' ich hier;
von der Abwendigen wend' ich mich ab;
nicht wissen darf ich, was sie sich wünscht:
die Strafe nur muss vollstreckt ich sehn!

BRÜNNHILDE
Was hast du erdacht, dass ich erdulde?

WOTAN
In festen Schlaf verschliess' ich dich:
wer so die Wehrlose weckt,
dem ward, erwacht, sie zum Weib!

BRÜNNHILDE
stürzt auf ihre Knie
Soll fesselnder Schlaf fest mich binden,
dem feigsten Manne zur leichten Beute:
dies eine muss du erhören,
was heil'ge Angst zu dir fleht!
Die Schlafende schütze mit scheuchenden Schrecken,
dass nur ein furchtlos freiester Held
hier auf dem Felsen einst mich fänd'!

WOTAN
Zu viel begehrst du, zu viel der Gunst!

BRÜNNHILDE
seine Knie umfassend
Dies eine musst du erhören!
Zerknicke dein Kind, das dein Knie umfasst;
zertritt die Traute, zertrümmre die Maid,
ihres Leibes Spur zerstöre dein Speer:
doch gib, Grausamer, nicht
der grässlichsten Schmach sie preis!
mit wilder Begeisterung
Auf dein Gebot entbrenne ein Feuer;
den Felsen umglühe lodernde Glut;
es leck' ihre Zung', es fresse ihr Zahn
den Zagen, der frech sich wagte,
dem freislichen Felsen zu nahn!

WOTAN
überwältigt und tief ergriffen, wendet sich lebhhaft zu Brünnhilde, erhebt sie von den Knien und blickt ihr gerührt in das Auge

Leb' wohl, du kühnes, herrliches Kind!
Du meines Herzens heiligster Stolz!
Leb' wohl! Leb' wohl! Leb' wohl!
sehr leidenschaftlich
Muss ich dich meiden,
und darf nicht minnig
mein Gruss dich mehr grüssen;
sollst du nun nicht mehr neben mir reiten,
noch Met beim Mahl mir reichen;
muss ich verlieren dich, die ich liebe,
du lachende Lust meines Auges:
ein bräutliches Feuer soll dir nun brennen,
wie nie einer Braut es gebrannt!
Flammende Glut umglühe den Fels;
mit zehrenden Schrecken
scheuch' es den Zagen;
der Feige fliehe Brünnhildes Fels! -
Denn einer nur freie die Braut,
der freier als ich, der Gott!
Brünnhilde sinkt, gerührt und begeistert, an Wotans Brust; er hält sie lange umfangen. Sie schlägt das Haupt wieder zurück und blickt, immer noch ihn umfassend, feierlich ergriffen Wotan in das Auge
Der Augen leuchtendes Paar,
das oft ich lächelnd gekost,
wenn Kampfeslust ein Kuss dir lohnte,
wenn kindisch lallend der Helden Lob
von holden Lippen dir floss:
dieser Augen strahlendes Paar,
das oft im Sturm mir geglänzt,
wenn Hoffnungssehnen das Herz mir sengte,
nach Weltenwonne mein Wunsch verlangte
aus wild webendem Bangen:
zum letztenmal
letz' es mich heut'
mit des Lebewohles letztem Kuss!
Dem glücklichen Manne
glänze sein Stern:
dem unseligen Ew'gen
muss es scheidend sich schliessen.
Er fasst ihr Haupt in beide Hände
Denn so kehrt der Gott sich dir ab,
so küsst er die Gottheit von dir!
Er küsst sie lange auf die Augen. Sie sinkt mit geschlossenen Augen, sanft ermattend, in seinen Armen zurück. Er geleitet sie zart auf einen niedrigen Mooshügel zu liegen, über den sich eine breitästige Tanne ausstreckt. Er betrachtet sie und schliesst ihr den Helm: sein Auge weilt dann auf der Gestalt der Schlafenden, die er mit dem grossen Stahlschilde der Walküre ganz zudeckt. Langsam kehrt er sich ab, mit einem schmerzlichen Blicke wendet er sich noch einmal um. Dann schreitet er mit feierlichem Entschlusse in die Mitte der Bühne und kehrt seines Speeres Spitze gegen einen mächtigen Felsstein
Loge, hör'! Lausche hieher!
Wie zuerst ich dich fand, als feurige Glut,
wie dann einst du mir schwandest,
als schweifende Lohe;
wie ich dich band, bann ich dich heut'!
Herauf, wabernde Lohe,
umlodre mir feurig den Fels!
Er stösst mit dem Folgenden dreimal mit dem Speer auf den Stein
Loge! Loge! Hieher!
Dem Stein entfährt ein Feuerstrahl, der zur allmählich immer helleren Flammenglut anschwillt. Lichte Flackerlohe bricht aus. Lichte Brunst umgibt Wotan mit wildem Flackern. Er weist mit dem Speere gebieterisch dem Feuermeere den Umkreis des Felsenrandes zur Strömung an; alsbald zieht es sich nach dem Hintergrunde, wo es nun fortwährend den Bergsaum umlodert
Wer meines Speeres Spitze fürchtet,
durchschreite das Feuer nie!

Er streckt den Speer wie zum Banne aus, dann blickt er schmerzlich auf Brünnhilde zurück, wendet sich langsam zum Gehen und blickt noch einmal zurück, ehe er durch das Feuer verschwindet. Der Vorhang fällt


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@ wagnerianchan



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