"ゲイシャ"

対訳


あらすじ

  • 舞台はジャパンのとある港町、謎のチャイナマン、ウン-ハイの経営するティーハウス「テンサウザンド・ジョイ」に集まった客たちや従業員たちが歌いさざめいている。その合間にはこの店で客たちの相手をし歌い踊るプリンシパルゲイシャたちがコーラスの間に自己アピールをしている。コーラスの後に二人のゲイシャがこの店の看板ゲイシャ オ ミモザさんの噂をしていたところにこの店の上得意様であるイギリス海軍の士官たちがやってくる。その中のひとりレジー・フェアファックスがこのオ ミモザさんに熱を上げていてここに通いつめ、今日は仲間のカニンガムやグリムストンらを連れて来たのである。

訳者より

  • 日本を題材にしたオペラやオペレッタは19世紀の終わりから20世紀の初めにかけて結構書かれておりますが、その中でもこれはかなりおバカな作品でしょう。こういう作品が20世紀の初めにイギリスで作られ、そしてヨーロッパ圏で当時広く上演されたという事実はぜひ多くの方に知って頂きたく思い切って訳してみることとしました(そのタイトルの強烈さから今までにも日本語訳詞上演はいくつかあったようですが、リブレットの対訳としてはもしかしなくても多分本邦初訳ではないかと思います)。
  • フランスの海軍士官として世界を旅したピエール・ロティ(1850-1923)が日本を訪れたのは1885年、その経験を小説にしたのが「マダム・クリサンセマム(お菊夫人)」(フランスの作曲家アンドレ・メサジェに同名のオペレッタがあります)、この小説を下敷きにして色々な作品が当時ヨーロッパでは生まれましたがこれもそんなひとつです。ロティの小説は長崎での暮らしを淡々と描いておりますが、同じ下敷きということでアメリカの作家ジョン・ロングの書いた「蝶々夫人」が舞台劇化を経てプッチーニの手になる同名のオペラになった方は救いのない悲劇に、そしてこちらはもちろんオペレッタですからハッピーエンドになっています。

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最終更新:2015年04月29日 10:40