"メフィストーフェレ"

対訳

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抜粋(動画対訳)

いつかの夜 暗い海の底に(動画対訳)

訳者より

  • ボーイトの書いたヴェルディの「オテロ」や「ファルスタッフ」の台本を訳していて、あまりにその素晴らしい言葉の洪水に、この才人アリーゴ・ボーイトのことに興味を持ちました。作曲家としての彼の唯一現代にまで残っているオペラ「メフィーストフェレ」もまた、ボーイト自身の台本なのです。
  • 1868年頃の作品と言いますから、ヴェルディでいうと「運命の力」の初演の頃、ワーグナーの影響を受けてイタリアの旧態依然としたオペラを批判するために筆を取った若き俊英の力作(現代に残っているのは後に大改訂されたものではありますが)。怒涛のように次々と見せ場が続く異色の作品となりました。
  • 原作はご存じのゲーテの大作「ファウスト」ですが、グノーの作品のように第1部のマルガレーテの悲劇に限定せず、冒頭の悪魔メフィストが神と勝負をするところから第2部終わり直前のファウストの死まで(ちなみにファウストの死の直後の最終場面、ファウストの昇天のシーンはマーラーが交響曲第8番の第2部で壮大な音楽としていますね)、あの膨大な原作をカバーしようとしていますので超ダイジェスト版となっています。そのため場面展開の飛躍が多くめくるめく展開となっていますが、さすが才人だけあってストーリーをうまくまとめています。このあたりのセンスがヴェルディのオテロやファルスタッフでも発揮されてあの見事なストーリー展開になったのかと思わず納得させられました。

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@ 藤井宏行

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最終更新:2018年11月04日 13:15