"オテロ"

対訳

第1幕/第2幕(動画対訳)

柳の歌(動画対訳)

オペラ配役プロジェクト

訳者より

  • オペラ仕掛かり中(他の方が途中まで訳して途中で止まっているもの)の中にこのヴェルディ晩年の大傑作があるのを見て、これはぜひ2013年、ヴェルディの生誕200年には訳し上げねばならぬと、正月頃より手をつけておりましたが、恐ろしく詩的で格調高いテキストに悪戦苦闘して、このたびようやく仕上げることができました。
  • 過去の方が訳された部分については、イアーゴーとカッシオが掛け合う酒の歌のところなど、たいへん斬新で楽しく訳されているところなどとても捨てがたいところが多々あったのですが、このオペラの登場人物のキャラ設定は統一しておかないとこの引き締まった台本が死んでしまいますので原型をとどめないほどに手を入れさせて頂き、私の感じているこのオペラの世界観に統一させて頂きました。
  • 管理人さんにお願いして、訳しかけのバージョンも残しておいて頂きますので、この酒の歌の場面のキャラ設定でのオテロ完訳にも、ぜひここを訳された方はチャレンジ頂けると有難いです。この軽いノリのイアーゴーがオテロをじわじわと嵌めるところなんかはとても怖いものになりそうな気がしますので。私の方のイアーゴーは慇懃無礼な割とオーソドックスな感じの喋り方をさせています。そうでないと私の力量では訳しきれない深い人物描写がなされておりますので。
  • もともとヴェルディのオペラでは、登場人物たちの畳みかけるような言葉のやり取りが見事な効果を上げているものが多いのですが、この「オテロ」と最後のオペラ「ファルスタッフ」ではその出来栄えが図抜けています。音楽もさることながら、ここで台本を手掛けた才人ボーイトの力も大変なものがあったのでしょう。短い言葉を次々と交わしながらドラマを盛り上げていくスタイルは「歌」劇が歌「劇」へと進化を遂げた良き事例と言えるでしょう。

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@ 藤井宏行

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最終更新:2023年07月21日 20:17