対訳
あらすじ
- 貴族たちがイレーネを誘拐し、各々自分のものにしようと争っている。コロンナの息子、アドリアーノが彼女を救い出すが、貴族に反感を持つ民衆も加わった騒ぎは収まらない。そこへリエンツィが登場、すぐに暴力をふるって平穏を乱す貴族たちを戒め、彼らが果し合いをしに市外に出たところで門を閉ざしてしまう。貴族の圧政に苦しむ民衆はリエンツィに助けを求め、彼は枢機卿の同意を得て、ローマの支配者になることを約束。アドリアーノは彼の妹イレーネを愛していることもあって、貴族ではただ一人リエンツィの戴冠式に加わり、忠誠を誓う。
訳者より
- 劇中ではやや高慢ながらも慈愛にあふれる高徳な政治家として描かれていますが、実際のリエンツォはここに見るイメージとはまったく違い、かなり横暴で自己中心的だったようです。はじめは劇中にもあるように貴族の独裁を批判し、民衆の支持を得てローマの政権を握りましたが、次第に誇大妄想的になり、気に入らない者を次々と処刑して、最後には反感を買って民衆に殺されました。独裁的な革命家「リエンツォ」を心優しい「リエンツィ」へと変化させたのはヴァーグナーのアイディアだったようです。
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最終更新:2017年07月22日 09:15