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DESSERT ~MELTYKISS外伝~


4.「 HAPPY BAKING (後編) 」





 炎の塊が、〝爆炎〟の魔女の分身が放った炎とは明らかに火力の違う炎が周囲を焼き払う。
 異端警察隊員である十字弩(クロスボウ)担当員5名の全身に引火し、槍担当員の2名は半身を焼かれて地面に倒れた。息絶えるまで、炎に悶え苦しむ。
「本体か」
 モルト・ブレンデッド男爵は自分自身が想像していたよりも冷静であれた。目の前の〝死〟を見据える。
「私は慢心が過ぎるのかもしれませんね。こうして、自らが姿を現す事になるなんて。つい先日も似たような事がありまして」
 そう言う〝爆炎〟の顔には台詞とはかけ離れた余裕があった。慢心などではない、本物の余裕だ。
 勝てない。モルトは認めた。そもそも魔女と人間ではレベルが違う相手だとは言え、この〝爆炎〟の実力はそれにつけても高い。
 気付けば、悶え苦しんでいた部下が死体となって静かに燃えていた。
「降伏を一応お奨めしますよ?」
「降伏した所で貴様の実験道具になるだけだろう」
「あら、気付いていたの? 残念ですわ。落ち着いて実験できると思ったのですが」
 〝爆炎〟の目が細まり、その瞳が赤く染まる。その左右に残る十字弩兵7名が展開し、武器を構えた。
「私が命ず、炎よ走れ!」
「撃て!」
 呪文と号令が互いの声を掻き消さんばかりに交わされる。十字弩から放たれた7本の矢が〝爆炎〟へと向かうが、左に展開した4名の十字弩兵へ向けて炎が一直線に走った。まるで炎の柱が滑るように彼らへと迫り、彼らから放たれた4本の矢を焼き、十字弩兵4名を焼く。放たれた残る3本の矢を〝爆炎〟は身を翻して躱す。
「私が命ず、」
 十字弩兵3名が新たな矢の装填作業に入る。だが、呪文の方が確実に早い。
「炎よ焼き上げろ!」
 十字弩兵3名の真下から炎が噴出し、火柱を生み出した。天へ噴き上がる炎に焼かれ、3名が焼け落ちる。僅かな一瞬で7名の十字弩兵を失い、流石にモルトは驚きを禁じえなかった。〝爆炎〟が満足そうな目でモルトを見る。
「これであなたの兵は居なくなった。せめて、あなただけでも無駄な抵抗をせずに大人しくしてくださらない?」
「それは出来ない相談だ。何故なら、」
 雑多な足音が聞こえてくる。〝爆炎〟の顔がはっと右側面へ向けられた。
「まだ、俺に兵は残っている」
「私が命ず、」
 左手に持った歯車錠短銃を水平に跳ね上げる。
「炎よ彼の者を焼き尽くせ!」



◆◇◆



「モルト!」
 コン=バボンは10名の槍担当員と共に駆けていた。当初の予定通りに〝爆炎〟の魔女の側面を突ける位置から突撃を開始出来たのは良いが、モルト率いる囮班が予想外に早く崩れている事に気付く。そして、〝爆炎〟と対峙しているのはモルト独りなのだ。槍をきつく握り、コン=バボンは部下と共に全力で走る。
 モルトの左腕が跳ね上がり、愛用の短銃を〝爆炎〟へ向ける。黒色火薬特有の盛大な煙を撒き散らしながら、弾丸を〝爆炎〟へ放つ。それと同時にモルトの身体が炎に包まれた。
「足を休めるな! このまま全力でぶつかるぞ!」
 コン=バボンは苦々しく悪態をついた。ちくしょうめ。先に逝く気か。兵を置いて。親友を置いて。
 槍を握る手に自然と力がこもった。地面を蹴りぬかんばかりに駆ける。
 そして、彼らは〝死地〟へと突入した。



◆◇◆



 木が揺れ、グレーンが地面に着地したかと思うと、歯車錠銃を片手に音も無く駆け出した。
「おい! グレーンが勝手に!」
 ライ・ホプキンスの言葉にカナディアは頷いた。
「当然の行動だと思うよ。グレーンからすれば」
「何、落ち着いてるんだ! だからって、追跡班がすべき行動じゃないだろう!」
 ライとカナディアが視線を向けると、モルトが炎に包まれたところであった。ライの目が見開かれる。
「モルト」
 カナディアは掠れた声で呟いた。何時かこうなる日が来る事は解っていた。だから、カナディアは異端警察の仕事にあまり同行してこなかったのだ。直面する事を恐れた。しかし、今回行く気になったのは、どうしてだろう。女の勘と言ってしまえば片付く問題のように感じながら、カナディアは炎を見つめた。
「ライ。後、よろしく」
 前へと歩を進めたカナディアの肩をライが掴んだ。
「待てよ! お前言ってたよな。追跡組がミスったら今までの死が無駄になるって」
「うん。そうだね。言った」
「なら……!」
「悪いけど」
 カナディアはライの手を払った。
「僕にとってモルトの死の方が大事なんだ。グレーンもそうなんだと思う。それに、」
 悪戯っぽく。この場面では一番不釣合いな表情でカナディアはライを睨んだ。〝爆炎〟の居る〝死地〟を指差す。
「君、行ける? あそこに。君が勧誘したっていう部下を連れて」
 ライが〝死地〟へと目を向けた。モルトの、親友が焼かれている場所。部下を連れて。戦えと、死ねと暗に命令して。
「僕は無理だよ。君達を連れて、とても行けない。独りなら、自分の恐怖だけでいいから。でも、君達の分までの恐怖を抱える自信は無いよ」
 それは指揮官としての資質の問題である。
「君や僕を後方に置いたモルトの人を見る目は正しいと思う。とても前線じゃ無理だよ。潰れる。でも、不意打ちなら? 安全圏からなら?」
 カナディアは歩くのを再開した。
「それが君の出来るせめてもの戦い方だよ」
 駆け出す。ライと火縄錠銃担当員14名、そして銃士9名を背を向けて、モルトの下へと駆け出した。



◆◇◆



 頼もしい足音。友軍の足音。
 炎で耳の鼓膜と軟骨が焼けて音が聞こえずとも、その音は脳に木霊する。
 熱さ。痛さ。苦しさ。
 炎で空気を焼かれ呼吸も難しい。
 それでも、モルトは焼けた眼球を〝爆炎〟の居るであろう方へ向け続けた。脳裏にはハッキリと異端者の姿。
 叫びたい衝動が込み上げた。悲鳴がせり上がる。しかし、モルトは口を決して開けようとはしなかった。開けてしまえば、止められない。
 友軍が。部下が。友が見ているのだ。
 そんな彼らへ突撃を命じてきたのだ。
 死ね、と。
 だというのに、自分だけが死に背を向ける訳にはいかない。敵前逃亡は許されなかった。
 この魔女は危険だ。自分の領民だけでなく、帝国、引いてはこの大陸の民に害をもたらす。
 仕留めなければならなかった。ここで。必ずや。
 剣を握った右手をゆるりと上げる。
 指揮官には責任が伴う。死を命じる特権の代償。自らも突撃する覚悟。死へ突撃する覚悟。
 自ら先陣を切って突撃できぬ指揮官に、部下が突撃できる筈もない。
 モルトは心の中で深く謝罪した。部下に領民に、そして友に。無責任にここで死して指揮を放棄する事に。
 指揮官には責任が伴う。部下を最後まで統率する義務。生きて返す責務。死しても返す責務。
 指揮官の死は部下にとって迷惑この上無い。何せ、指揮官の命に従うように無理矢理訓練させられて。なのに、指揮官が居なくなる。
 そんな迷惑は無かった。
 モルトは、指揮官であるのに今、居なくなろうとしている。
 ここまで引き連れて来ておいて。
 だからこそ、モルトは最期に執り得る指揮官の責任をとった。

 右手の剣の切っ先を前へ。〝爆炎〟の魔女へ向けて。


 死を、命じた。




◆◇◆



「くそったれ」
 ライはモルトの最期を見取った。その指揮に従うべく、頭を巡らせる。
 絶対安全圏内から、〝爆炎〟を殺る。
 だが、異端警察隊員である14名の火縄錠銃担当員は皆新人だ。逆に、モルトの私兵である9名の銃士は本職が猟師である精鋭だ。
 この差は重要であろう。新人はまだ訓練不足だ。速射も満足に出来ない。
 だったら。
「よし。担砲を設置して狙いをつけろ。発射準備。火縄錠銃担当員は装填。銃士は別行動をとってもらう」
 最後の保険として。ライは決断した。失敗した時、自殺したくなるであろう重責を感じながら。



◆◇◆



「グレーン」
 静かに動く訓練をしたとは言え、静かに動く事で走る速度は低下している。魔力で身体強化されているカナディアは数分と経たずに先行したグレーンに追いついていた。肩を掴んで引き止める。
「何?」
 目尻から涙の後が見えた。モルトの最期の指揮を見たのだろう。カナディアも、グレーンと似たような顔をしていた。
「あなたは、あくまでも狙撃手。その本分を忘れないで。ただ、それだけ言いたかったの」
 肩を放すと、グレーンは荒い息を深呼吸で整えようとした。
「私、あいつを殺す」
 拙く短い言葉だが、その決意の程は知れる。カナディアは頷いた。
「お願い。僕じゃ多分殺せないから。というか、むしろ迷惑掛けると思う」
 そう。カナディアが行く必要は無い。コン=バボンとその部下10名が交戦状態に入ってしまったが、それが全滅するなり撤退するなりを待ってから〝爆炎〟に銃で奇襲をかければ良い。カナディアは完全に私怨で動いていた。
「モルトよりもあらゆる点で僕が勝ってるって自負してたけど。感情の制御という点では、やっぱりモルトの方が上みたい」
 しかし、カナディアは嬉しかった。復讐という行為は麻薬のような効果をもたらす。
「それじゃ、グレーン。よろしくね」
 グレーンを追い越し、カナディアは全力で、弾丸のように〝爆炎〟へと駆けて行った。



◆◇◆



 若くて体力のあるまだ子供程に若い部下が先に槍を突きだした。
「私が命ず、炎よ壁となれ」
 だが、その若い部下を包み込むように炎の壁が起立した。それを目くらましに〝爆炎〟は横へ槍の穂先を避ける。
「怯むな! 突き抜けろ!」
 果断にもコン=バボンは炎の壁を通り抜ける事を選択した。部下もそれに続く。炎の壁をサーカスの猛獣のように男達が突き破る。炎の壁の先に、〝爆炎〟の姿は無い。在るのは、先に炎の壁に突っ込んだ若い部下の焼死体のみ。服の裾を焦がす炎を互いに払い合いながら、コン=バボンは周囲に目を向けた。
「魔女はどこだ!?」
「私が命ず、」
 背後だ。コン=バボンは振り返る。炎の壁の向こうから。こちらが通り抜ける間に、廻りこまれたか。それとも、こちらと入れ違いに炎の壁を抜けたのか。疑問が頭を駆け巡りながらも、指示が口から飛び出す。

「全員、炎から離れ 「炎よ爆ぜろ!」

 炎の壁が爆発した。
 炎の粉が四散し、そのツブテを背中に受けた部下2名が倒れる。その炎が引火し、全身をゆっくりと焼き上げる。爆ぜた炎の壁の裏に、〝爆炎〟の姿。
「くそ……! 舐めやがって……っ!」
 コン=バボンは7名の部下に左手で散会を命じ、再び突撃を再開した。
「無駄ですよ」
 冷ややかな目で、〝爆炎〟は扇を描くように突撃してくる異端警察隊員を見つめ、呪文を口ずさむ。
「私が命ず、炎よ」
 二度爆ぜる火薬の音。そして、鉛の弾が〝爆炎〟の左肩を射ち抜いた。
「狙撃手!?」
 〝爆炎〟の対応は素早い。即座に呪文を変ずる。両腕を天へ突き出し、
「私が命ず、業炎よ戦の場を作れ」
 結界呪文。狙撃が及ばぬように。周囲を溶岩のような炎が囲う。コン=バボンと残る7名の部下。
 そして、結界が閉じる直前にその中へと飛び込んだ、カナディアが、〝爆炎〟の世界に招かれた。



◆◇◆



 カナディアは腰から小振りの手斧を二丁、両手に握りながら〝爆炎〟へと駆ける。コン=バボンの部下3名が〝爆炎〟へと槍を伸ばすが、その槍を焼かれ、慌てて槍を投げ捨てた。どうして良いか立ち止まる者1名。即座に剣を腰から引き抜こうとする者2名。「私が命ず、炎よ眼前を焼き払え!」等しく〝爆炎〟の炎に飲み込まれた。燃えて倒れる彼らを踏み台にするように、新たに2名が槍で突きかかる。今度は、〝爆炎〟は横へ逃れた。そして、「私が命ず、爆炎と閃光よ彼の者らを喰らいつくせ!」連鎖爆発がその2名を微塵に変える。一筋の線を描くように、爆発と閃光を撒き散らしながら連なり、結界の壁にぶち当たって消えた。1名が槍をがむしゃらに投げ、剣を抜いて〝爆炎〟の背後から襲いかかる。投げられた槍は〝爆炎〟の身体をかすりもしなかったが、牽制にはなった。剣の先が〝爆炎〟のローブを裂く。「私が命ず、」それに、感心したように目を細め、〝爆炎〟は囁いた。「炎よその者を内より焼き尽くせ」その異端警察隊員は身体中の穴という穴から炎を噴き出して燃え尽きた。残る1名は、怯えて尻餅をついた。「私が命ず、炎よ槍となりて…」その怖気づいた1人へと呪文を唱えている所に、コン=バボンが側面から突きかかった。年期の入った、鋭く重い、必殺の突きが〝爆炎〟の脇腹を裂く。だが、溢れ出る血量からは傷の浅さが見て取れた。コン=バボンの渋面に苦笑が浮かぶ。「その者を貫け!」炎の槍がコン=バボンを貫いた。強烈な炎に吹き飛ばされ、結界の壁に叩きつけられて灰と化して崩れ落ちた。
「私が命ず、」
 〝爆炎〟の目が、怖気づいた1人ではなく、カナディアの方へ向いた。カナディアは舌打ちをする。出来得る限りに死角を狙って移動していたと思ったのだが、コン=バボンと部下達が優秀に全方位から攻撃を加えた為に、視界に捉えられたらしい。
「炎よ槍となりてあの少女を貫け!」
 正面から飛んできた炎の槍を斜めに走って回避する。炎の熱が横を通り過ぎ、背後から熱風がカナディアの背中を押した。
 左の手斧を振りかぶる。
「私が命ず、」
 呪文を叩き割るように、手斧を投げつけた。縦に回転しながらカナディアの体格からは想像出来ない高速で飛来した手斧を〝爆炎〟は咄嗟に横へ跳んで回避した。呪文が一瞬、中断される。その僅かな時間もカナディアは死に物狂いで〝爆炎〟へ向けて全力疾走する。その予想外の体力と運動能力に〝爆炎〟は嫌なモノを思い出す。人狼。
「どんな魔法か能力かしりませんが」
 〝爆炎〟は獰猛な笑みを浮かべた。
「焼き殺してさしあげますわ!」
 カナディアが右の手斧を振りかぶる。
「私が命ず、」
 右手から手斧が放たれた。だが、先程の速度を見ていた〝爆炎〟は冷静だった。利き腕という事もあり、先程よりも一段早い速度だったが、横に跳んで避ける。カナディアの両手は空だ。〝爆炎〟は笑みを深くした。呪文に力を込める。
「爆炎よあの少女を焼き潰せ!」
 結界の上に小さな火の玉が出現した。だが、それは一瞬で、結界の炎を吸い込むようにしてその大きさを増やし、溶岩の塊のようになった。その炎の球体は小型の太陽と呼んでも大袈裟では無い代物である。炎が胎動するその小さな太陽は閃光を溢れさせ、周囲の空気を貪る。空気が渦を巻き、小さな太陽へと吸い込まれるように強く吹き荒れる中、小さな太陽が大地へと降下する。カナディアと〝爆炎〟の間へと。
 カナディアはその魔法に息を飲んだ。畏怖すら抱きながらも、その脳裏に身を焼かれながらも剣を〝爆炎〟へと刺し示すモルトの姿。
 その剣の刺す方へ、導かれる。
「これで終りですね」
 小さな太陽がカナディアの行く手を塞ぐように降りる。同時にその炎と熱がカナディアを襲った。小さな太陽が、地面に迫る。
 カナディアの口から叫び声が溢れ出した。小さな太陽と地面の隙間。四足をついて。獣の様な姿勢で。

 潜り抜けた。

「私が命ず、」
 驚愕に目を開けた〝爆炎〟の顔が小さな太陽の光に照らされて映えた。
 正に獣そのものの動きで、カナディアは〝爆炎〟へと跳びかかった。その喉を右手で掴み、発声を封じる。
小さな太陽を潜る時に焼けた赤い髪が即座に伸びて、宙に広がった。
 そのまま、両肩に足を乗せるようにして、体重で引き摺り倒す。
「はは、やった。残念、〝爆炎〟の魔女。アレス。僕が殺してあげる。異端者め」
 両手で喉を締める。〝爆炎〟の顔が苦痛に歪む。カナディアの顔が愉悦で歪んだ。
 だからこそ、〝爆炎〟がナイフを突き刺した事に気付かなかった。カナディアの愉悦が苦痛に変わる。
 脇腹に2回。3回。
「っぅぁあああああああ!!」
 全力でカナディアは両手に力を込め、身体を捻り、〝爆炎〟を結界の炎の壁へと向けて投げ飛ばした。
「化け、物じみて……っ!」
 人狼を彷彿とさせる怪力だ。しかし、人狼程ではない。能力も持っていないようだ。それとも、能動的な能力では無いらしい。
「けど、今はそれよりも」
 迫る結界の壁。〝爆炎〟は結界を消した。そのまま、転がって停止する。
 ゆらり。カナディアが脇腹を押さえながら立ち上がっている。
「私が命ず、」
 呪文が早口になり、突っ返そうになる。焦れる。地に伏したまま、呪文の完成を急いだ。
「爆炎と閃光よあの化け物を喰らいつくせ!」
 連鎖爆発。カナディアは咄嗟に横へ跳んだが、爆発もそれを追う。至近距離で爆発が通り過ぎた。
 カナディアが爆発に弾かれて、吹き飛ばされた。地面を転がり、民家の壁にぶつかって停止する。そのまま、起き上がる気配は無かった。
「勝った…みたいですね」
 勝利を確かめて小さく微笑む。身を起こし、〝爆炎〟は周囲へ警戒の視線を巡らせた。
狙撃手が居た事を思い出したのだ。
「面倒、ですわね」
 息が荒い。魔力を使い過ぎている。
 受けた弾丸は1発。狙撃手は1人だろうか。
 ならば。


「狙撃手ごと、この村全てを焼き尽くせばいいんですわ」


 村を、炎が包む。
 〝爆炎〟は微笑んだ。
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