小説 パンツマンVSくいこみウーマン


※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

良い子の皆~これを読む時は・・・ パンツマンスタイル でPCから至近距離で見てね!!


西暦200×年日本、某札幌市は「無職マン」に支配れさつつあった!
カニは食い尽くされ、白い恋人は放置され、日本ハムは応援され、六花亭のマルセイバターサンドはバカ売れし、なぜか夕張町は滅んだ。
確実にハローワークを占拠しつつある「無職マン」
果たしてパンツマンは彼らの野望を阻止できるのか!?
(これはフィックションであり、物語に登場する団体、個人などは架空のものである。)




序章

 一面の炎。
撒き散らばれた炎の断片は、どこか入道雲を連想させる。
またここか・・・。
真紅の大蛇が蛇行する。多くの命を絡めながら。
また俺はここにいる・・・。
土は乾き、すべての動植物は干からび、人は死に・・・炎は蛇行を繰り返す。

ここは地獄だ。
一方的な暴力により生み出された、嘆き、苦悩、恐怖の溜り場だ。
命なんてものはここでは概念でしかない。
ただ燃えてるだけの殺戮場。あるがままのオレンジの世界。

俺はまだ歩けないままでいる。
俺はまた走れないままでいる。

どうして走れない?
どうして歩けない?

「足がないからだろう・・・?パンツマン。」



「俺!」
引き攣った嫁の言葉で目が覚める。
どうやら寝てしまったらしい。覚醒しきれない頭で状況を確認する。
「俺の番だよ。早くサイコロ回して。」
桃鉄の真っ最中に寝落ちか・・・どうも最近らしくない。
嫁がツンツンしながら俺に進行を急かす。
「わかってるよ・・・ふぁ・・・。」
「俺くん眠いの?」
姉が心配そうに聞いてくる。
時間は午前三時。確かにもう深夜と呼べる時間ではない。
「まぁ・・・もう少し付き合うよ。」
「あたりまえ。負けっぱなしじゃあ気がすまないもん。」
「妹~私も眠くなっちゃった。」
他愛のないいつも夜。
三人で過ごす楽しい日々。

でも・・・俺はここにいてもいいのだろうか?
煉獄の夢を見るといつも思う・・・。答えのない・・・

「もぅ!俺!!」
嫁の声に意識を戻す。
「ゴメン・・・やっぱり寝よう。」
「なんでさ。」
今はまともに彼女達を見れそうにない。
「そうだよ~寝ようよ~」
姉も気だるそうに言う。そういや22時からノンストップだったな。

二対一で就寝が決まった。
嫁はお決まり去り文句を言って退散し、俺も寝室に戻ることにした。
「俺くん・・・。」
不意に姉に呼び止められる。
「俺くん・・・なんかあった?」
「どうしたんだ・・・藪から棒に。」
「そんな感じがしたから・・・なんでもなかったらいいんだけど。」
女の勘ってやつだろうか。
どうもこの姉には隠し事が通用しないらしい。
「なんかあるわけないじゃん・・・。」
「そう・・・ならいいなだけど。」
自分でもばればれな嘘をつく。彼女になら打ち明けてもいいのだろうか?

俺の罪を・・・。

寝室に戻り、体を倒す。
布団からは太陽の匂いがする。そういや、この匂いってダニの死骸の匂いだったか・・・。
「何を考えてるんだ俺は・・・。」
大きなため息をついて自問する。
姉に話す?冗談じゃない。この関係を望んでいるのは自分じゃないか。
姉妹だって・・・そう思ってるに違いない。

それを壊したいのか?俺は・・・。
自己の崩壊を他者の崩壊へと結びつける愚行を犯せと?
笑い話にもならないな。

時刻は四時過ぎ。六月に入り、だいぶ陽も長くなってきた。
鳥のさえずりが聞こえてくる。異質で静かな足音と共に・・・。

「ああ・・・今日も雨か。」



序章・完