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ごめん!まとめがレポートみたくなっちゃった・・・・・・・・・つん


● 第5章 ドイツにおける異文化教育の実践的展開 より(p.p.53-76)

ドイツには現在、おおよそ730万人の外国人が暮らしているという。この外国人数は、総人口の約9パーセントに及ぶ。その中でも、最も人数が多いのがトルコ人で、210万人強で、次に旧ユーゴスラビア出身の者が約120万人、イタリア人が約60万人そしてギリシア人が約36万人となっているという。外国人が人口に占める割合は、様々で旧東ドイツの地域では、.2~1.9パーセントとなっているのに対して、旧西ドイツは5.2~18パーセントとであり、地域によって割合の差が大きくなっていることがいえよう。外国人の半数以上がすでに10年以上ドイツで暮らしており、特に170万人いる18歳未満の外国人では、10年以上ドイツに暮らす人たちの三分の二以上をしめている数になっているという。
このように、「ドイツはアメリカと同様にしかしより不利益な状況下の下で、とうの昔に移住国になっている。アメリカとの違いは雨じか人が一つの構想を有しているのに対して、われわれドイツ人はそれを有していないことにある。・・・従ってわれわれが外国人と共生するかどうかがもはや問題ではなく、ただいかに共生するかが問題である。・・・」と政治家のハイナー・ガスラーは述べている。これらにみえるよう、ドイツにおける長い間の議論に終止符を打たれ、この国に住む外国人、この国で生まれた外国人に国籍を与え、「異なる文化の豊かで平和的な共存」を志向する国家としてのあり方を選択してきたという。
ドイツの異文化間教育研究者ヴォルフガンク・ニーケ(Wolfgang Nieke)は「多文化社会における異文化間教育」(Interkulturelle Erziehung in der Multikulturellen Gesellschaft)というものに関して、ドイツの近年における¥移住の発展と関連において捉えており、「そこでは、移住して来た少数派はいかなる文化変容の要求にも従わされるべきではなく、その生活様式は多数派によって妨げられることなく受け入れられて永続的に保持されることが目指されるべきであった」と多文化社会の生活について言及しており、また「教育文化社会の生活へ準備するという新たな課題が生じた。それは、したがって、当初からとりわけ多数派の子ども達に向けられており、景気の後退の中で生じている労働移住者に対する敵意を取り除き、できれば防止しなければならなかった」と、異文化教育の課題について述べている、ドイツでは1970年代に入り、労働者の指定に対する特別の教育として、「外国人教育」がてんかいされるようになるが、80年代になり外国人を特別な困窮状態にある気の毒な人たち、欠損を有する集団とみなす傾向が批判されるようになる。そこで、移住労働者ないし移住一般者の指定への教育的努力を「不利益の補償の教育」というようなより包括的な関連の中にいちづけることが生じていった。さらに、外国人の子どもや青少年における欠損を確認し、彼らを促進するというこうそうにみられる「統合」という観念が、実は「同化」、「文化変容」や「ドイツ化」ということが意図されているのではないかという批判もなされた。このような批判の下、前述した「多文化社会における異文化間教育」の概念が誕生した。大多数の人々は、今後将来においても外国出身の子どもたちや青年の促進のための必要性と、持続的な多文化社会における生活への準備という新たに認識された課題を区別し始められた。また少数への視野が、移住労働者だけではなくほかの民族少数派などの難民とされる人々や以前から住んでいる土着の少数派の人々へと広げられていった。

● バイエルン州における異文化間教育のとりくみ(p.p.77~82)

1996年7月に天野氏はバイエルン州立教育研究所より、バイエルン州の基礎学校(4年生の初等学校)および基幹学校(5年生の中等学校)における異文化間教育の導入実験に関する資料の提供を受けたものの中より、基幹学校教授プラン(日本の学習指導要領にあたるもの)の中に異文化教育の目的や性格がのべられている点があった。
  • 異文化間教育-
さまざまな出身文化と異なる母語を有する生徒が学校を訪れている中で、教員と学習者は、そこから学習の機会を発展させることによって、学校の異文化の出会いの場として形成することができる。異文化教育はすべての生徒に同じように適用される。他
の文化の洞察により、自文化対する文化的アイデンティティを強め、偏見を除去することが成功し得る。・・・その際、ただ寛容への教育だけが、あるいは異文化理解だけが問題であるのではなく、それを超えて他の文化的諸価値を体験し、そして理解し、消化・摂取することがもんだいなのである。生徒は異質なる物を、脅威として感じることなしに知覚し、相互に豊かに話し合うチャンスとして学習することができる。異なる物と、係わる能力の発展によって、敵対意識を取り除き、ポジティブな共生を可能にする、生涯にわたる学習のプロセスが導き入れられる。

「通常学級における外国人生徒の統合」という1990,91年以降にバイエルン州の基礎学校および基幹学校で実施された学校実験の概要の中には、
モデル実験には、目下13校が参加しており()1994,95学年からさらに8校が参加)、これらの学校では主にドイツ人教員と外国人の教員が一緒に週2時間から3時間の授業を行なっているものである。授業内容は異文化間教育の観点から共同で選出された。
モデル実験には次のような4つの目標が定められる。
①-異文化的アクセプト- 他の国籍を有するもののよりよき理解、偏見除去、および共同の学校生活の形成による、ドイツ人と外国人生徒たちの調和共生の改善
  ②-学校組織的アスペクト- 母語補完授業を午前中の時間に引き入れること
③-言語的アスペクト- 外国人児生徒のドイツ語知識の改善
④-協力的アクセプト- ドイツ人教員と外国人教員の間の協力可能性の発展

実験のこれまでの成果として教員・校長および学校監官史のこれまでのけいけんに基づく方向によると大きく4点が挙げられる。
① 異文化間的アクセプトに関して、学習目標の計画的に選択によって、ほとんどすべての教科領域で他の国籍を有する人々、他の言語、および他の文化に対する年齢相応の理解のための端緒を見出すことができたという。そして、目的をしっかりと意識して取り上げられた学習目標は、教員・校長および学校監督寛史の一致した見解によると、偏見が除去され学校生活においてよりとい高い程度の寛容と共生が生じてくることに貢献している。
② 学校組織のアスペクトについて
 これmでの経験により、従来午後の時間に行なわれていた外国人生徒に対する母語補完授業を午前中の授業の中に統合することが可能であると示されている。
③ 言語的アスペクトについて
実験のこれまでの経過により、外国人生徒のドイツ語知識の明白な改善が認められる。
  ④協力的アスペクトに関して
報告によると、ドイツ人教員と外国人教員の計画的にどうちょうさせられた強化面の共同活動がこのモデル実験の正否を握っている。この協力が円滑に進められている場合は、相互理解、寛容、共生がよりよく実現されているという。外国人教員の場合は、協力レディネス、教科面での専門性やドイツ語力がとりわけ要求される。


以上のような学校実験の成果をみると、異文化間教育の観点から全カリキュラムを見直し、ドイツ人教員と外国人教員の協力の下で、多面的(異文化間教育、母語教育、ドイツ語教育)などにとりくんでおり、バイエルン州当局の異文化間教育への強い熱意が感じられる。
ドイツでは、通常外国人生徒は、母語を学びたいと思えば、午後の時間に行なわれる母語補完授業に出席することが可能であるが、外国人生徒にとっては過重負担となっているという。彼らは、固有の文化的環境をあまりにも少ししか学級初回へ持ち込むことはできず、彼らの自己発見への道は困難で、また母語もなおざりにされている。その一方で、ドイツ人生徒が満足すべき授業におかれてはおらず、他の国籍の生徒たちの参加授業が、たぶんかへの認識を媒介するために、あるいは年齢に見合った理解により持続的に偏見をじょきょするために、目的的な学習の機会として利用されてはいないからである。よって、ドイツ人と外国人の生徒たちが、そのつど他の生徒集団がいることから、相互的により計画的で目的的に利益を引き出し得ることが重要となってくる。

天野正次『第5章 ドイツにおける異文化教育の実践的展開』