第1節 在日ブラジル人の増加の背景 10/26

在日ブラジル人の増加の発端は、1989年の出入国管理及び難民認定法(以下、入管法 翌1990年施行)改正である。この改正によって、日系人に対して「定住者」の枠が設けられ、日系三世まで「長期滞在査証(三年間の査証)」が与えられることになった。以降、ブラジル人外国人登録者数は年々増加し、1991年には11,933人(登録者全体の9.8%)であったが、2007年には316,967人(登録者全体の14.7%)へと16年間で3倍ほど増加している。とりわけ、「定住者」は148,528人と多く、中国、韓国・朝鮮をおさえてトップである。(図1)(法務省入国管理局 登録外国人統計)このことから1989年の入管法の改正は、日本へ来る日系人の増加を生み出した一因であると言えるだろう。(図2)

<ここに図が入る 添付ファイル参照>

また、来日したブラジル人の定住化、長期滞在化も多くなっている。嶺井(2001)は在日ブラジル人の定住化、長期滞在化について以下のように述べている。「1990年代に増大した日系ブラジル人やペルー人は、日本経済が先行き不透明の中で、そして日本国内でのブラジル人コミュニティーが様々な面で充実し環境整備されて来る中で、帰国の判断が難しくなり滞在年数が長期化して来ている」
最終更新:2008年10月26日 14:41