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はじめに

日本とブラジルは、古くから良きパートナーとして関係を保ってきた。明治時代に遡る移民の交流は今年で100周年を迎え、小泉純一郎元首相とルーラ・ダ・シルヴァ大統領は2008年を「日伯交流年」と呼んでいる。それに合わせて文化・人材の相互交流が企画、運営されており、日本とブラジルの間の関係について再考する絶好の時期といえよう。

 現在、私たちの世界では経済のグローバル化が進み、それに伴う国境を越えた「人の移動」が盛んになりつつある。当然ながら我が国への移動も盛んに行われ、ブラジルとの関係においても、100年前ブラジルへ移民して行った日本人の子孫が日系ブラジル人として再び日本に移動して来ているなど、人の移動は活発である。しかし、日系ブラジル人の大量の流入は同時に大量の異文化の流入を指し、あらゆる場面で新たな問題を発生させている。その一つが教育である。私たちは、教育こそが彼らを取り巻く諸問題の解決の一手段になりうると考え、その環境や背景を整理し、問題を追及していきたいと考えている。

また、外国人政策が実施され、良くも悪くもある一定の評価の蓄積がある欧米諸国に比べ、日本においては移民政策や留学生政策などの他文化の受け入れについての視点をいくつか示しているが、未だにそれは初期段階であり、過渡期である。こういった状況の中、教育の場に限定しているが一つの視点を示すことは、今後の外国人問題のさらなる議論を促すためには必要であると考えている。

本稿での私たちの立場は以下のようなものである。今後日本においても多文化共生社会への対応は避けられない状態を鑑みて、その実現には文化を異にする人々との互恵関係が成り立つことが必須であろうと考える。彼ら、特に現在言語や文化の違いによって成功の機会が得られないことで日本において底辺労働者として働いている人々の学歴を高め、知識基盤社会に生きる力を育成することによって、日本社会において共生できる人材に育てる、それが彼らとの共生のあり方であろうという見解を持っている。そのために私たちがすべきことは、外国人児童・生徒を中等・高等教育に進学させ、単純労働を超えた人材に育てていくことである。具体的には言語教育が大きな比重を占めると考え、彼らに母語とともに日本語をわが国において共生を成すためのツールとして学習言語レベルで獲得できるような教育方法、制度が必要であろう。本稿では以上のような立場に則り、在日外国人、特にブラジル人子女についての教育政策を提案する。