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第1節 ブラジル人学校の場合 ‐岐阜県HIRO学園‐

 日系ブラジル人人口の増加に伴い、各地でブラジル人学校も増えてきている。現在、ブラジル政府教育省が認可をしている日本のブラジル人学校は東海地方を中心に51校である。(2008年11月現在)そのほかにもブラジル教育省が認可していないブラジル人学校も存在する。ブラジル人学校に通うメリットとしては、ブラジル人のアイデンティティを保持できること、来日後の適応がスムーズになること、かつ帰国後の本国の学校生活に適応でき、教育の継続性が保たれることが挙げられる。一方、ブラジル人学校に通うデメリットとしては、公立学校に通えば不要の授業料が必要であること、公立学校と比較して通学時間が長いことが挙げられる。また、本国への帰国が主眼であるために、実際は学校内で日本社会への適応や日本語教育は重視されない。授業料が必要なために、最初はブラジル人学校へ入学してもやめてしまう児童生徒も少なくない。そのため経営状況が不安定な学校も多い。また体育館など教育施設の不備や教育の質の悪さが懸念されている学校もある。旧文部省が昭和25年に定めた認可基準は、校地や校舎の原則自己所有など、経営が苦しい学校にはハードルが高い。それゆえ大多数の学校の法的位置づけは私塾、有限会社といったものである。
 ブラジル人学校の1つに岐阜県大垣市のHIRO学園がある。同学園は2000年ブラジル教育省から認可を受け、開校した。本来日本にブラジルへ帰った際にテストを受けその結果で所属する学年が決まるが、同学園に通った場合そのテストが免除され、所属していた学年に入ることが出来る。また、2006年には各種学校・学校法人として岐阜県から認可を受け、学割などのサービスが受けられるようになった。さらに2004年には高等科卒業後、1年間の日本語学校への通学を条件に日本の大学受験資格も得ることができるようになった。
 同学園は幼児科・初等科・中等科・高等科に約300名の児童・生徒が在籍している。スクールバスを有しているため、岐阜県だけではなく隣の滋賀県から通学している児童・生徒もいる。カリキュラムは本国ブラジルに帰ったときに適応しやすいよう設定されたものであり、卒業生はブラジルの大学へ進学する傾向がある。そのため授業はブラジルの母国語であるポルトガル語で行われているが、日本語の授業(40~80時間)や学年によっては日本の社会、ブラジルの学校にはない「音楽」や「芸術」の授業もカリキュラムに含まれる。また地域の小中学校との交流も盛んに行われている。授業料は同学園の場合月額34000円~45000円となっている。