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5 これまでの奨学生より


1992年度奨学生 奥村 剛
留学先:アメリカ ニューヨーク市立大学
専攻;理論物理学       

6 年前より、お茶の水女子大学理学部にて研究・教育を行っております。現在、私の研究室には、ドクターの学生4 名、マスターの学生5 名、学部4 年生2 名、学部3 年生2 名が所属しています。ここ数年の間に研究室の学生が急増しました。この数の学生を一人で面倒を見て、なおかつ、世界のトップレベルの研究をしてもらいながら教育をするために、ずいぶん悩み、試行錯誤を重ねてきました。ただ、研究テーマが学生の趣味にはまってくると学生が日常生活においても生き生きしてくるのがはっきりと分かるので、かなりやりがいはあります(このような素直な学生さんたちに恵まれているともいえます)。ほぼ毎日、3 名程度の学生と頭脳をフル回転させて議論し、ときには一人につき3 時間近くもかかったりするため、最後の学生との議論が終わるのが午後8時を過ぎてしまうこともしばしば。それから、夕食もとらずに、ようやく大学の雑務をこなし、書きたまった論文を書き、何とか終電に間に合うように帰宅、、、という今日この頃ですが、あまりに健康に悪いので、改めようと努力しています(なお授業がない午前中はゆっくりです)。しかし、着任6 年目となり、学内で名が知られてきていろいろと役をつけられ会議も増え、なかなかままなりません。週末は、3 人の子供たちと遊ぶため滅多に大学にはいきませんが、それでも出かけないでうちにいるとつい机に向かってしまいます。この夏、フランスの恩師の先生(後述)をアルプスに訪ね、別荘に泊めていただき、ご家族と一緒に時を過ごしたのですが、家族仲良く、心底バカンスを楽しんでいていました。以来、見習おうと努力しているのですが、、、

「92-93年」。ずいぶん昔になってしまいましたが、この期間、私はロータリー財団の国際親善奨学生としてニューヨークのマンハッタンで過ごしました。当時は、理論物理学(素粒子)を志していましたが、その後、岡崎の国立研究所に職を得て、化学に近い分野で、レーザーを使って分子を調べる最先端の研究の理論を作るようになりました。その後、パリに半年滞在し、また新しい分野への挑戦をはじめました。

以来、ソフトマター物理学という分野で、印象派画家のように、詳細にあえて目をつぶり本質をあぶりだす「印象派物理学」の実践を目指しています。パリでは、この分野の先駆者としてノーベル賞を受賞したドゥジェンヌ先生と共同研究する機会に恵まれました。帰国後、お茶大に職を得た後も、共同研究のためにほぼ毎年パリに出かけています。物理の世界は、真に国際的です。論文は英語で書かなければ無意味ですし、外国の研究者と親しくなったり議論したりすることも極めて有意義です。若いときに国際親善奨学生として留学したことが、このような世界で渡り合うために非常に役立っています。この場を借り、私にかけがえのない機会を与えてくださったロータリーの方々すべてに深く感謝いたします。

これから留学する皆さん!ロータリーの奨学金を手にしたことには特別な価値があるということを一刻も早く理解してください。留学が実現するだけでなく、帰国後の学友会活動を通じて、自分が日常浸っている狭い専門世界とはまったく違う分野で活躍する人たちと知り合うことができるからです。こうして広い分野の文化的かつ知的な人々から刺激を受けることは、どんな分野においても大きなアドバンテージになるはずです。これが理解できないなら、あなたはすでに視野が狭くなっていて危険です!どんな分野においてもバランスの取れた総合力が大切なはずです。帰国後は、怖がらずに(?)、ぜひ、学友会での活動を思いっきり楽しんでください!帰国後、またお会いしましょう。

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