「標準的な医療から著しく逸脱した医療に起因する死亡（C)」の編集履歴（バックアップ）一覧はこちら
追加された行は緑色になります。
削除された行は赤色になります。
[[医療事故書類送検報道>http://www.yabelab.net/blog/2008/09/18-194930.php]]
No.88 モトケン さん
-実は第３次試案がどういう場合を想定しているのかよくわからないのですが、私としては、上記の分類に従い、「標準的な医療から著しく逸脱した」かどうかが問題になる場合というのは、医療の不確実性が問題になる場合についてではないかと思います。&br() 血管内に空気を混入させたということを問題にした場合、いったい誰のどの行為を問題にすべきかが問題になります。&br() そして、その行為のとらえ方と医療行為の定義如何によっては、そもそも医療行為ではないという評価もあり得ると思います。&br() 大野病院事件の場合は、まさしく医師の裁量の当否が問われました。&br() そして裁判所は、「標準的な医療から著しく逸脱した」かどうかを問題にして、そうとは言えないと判断したように読めます。&br() つまり、医師の裁量が問題になる場面についての過失の有無を問題にしたと考えることができます。&br() しかし、脳血管に空気を混入させることについては、医師の裁量の当否の問題になりうるのでしょうか？&br() いかなる術式であってもそういうことはあってはならないというのであれば、医師の裁量は問題にならず、空気の混入が不可抗力でないかぎり誰かの過失があるということになります。&br() 当然に「標準的な医療から著しく逸脱した医療」と言うべきであるということになりそうです。&br() そもそも「標準的な医療から著しく逸脱した医療」という判断基準で評価すべき場合ではないと言うべきだろうと思います。&br() そうすると、過失はあるということを前提にして、過失犯処罰の当否という問題に行き当たります。&br() 繰り返しになりますが、大野病院事件は、過失犯を処罰すべきという現行法を前提にして、医師の裁量の問題として過失はないと判断されて無罪になりました。&br() これに対し、空気混入事例においては、裁量が問題になる場面ではなく、誰かの過失の存在を前提にして、誰の過失か、過失があるものを処罰すべきかの問題になると思います。
