システムエラー

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-全ての保険医は医科診療報酬点数表(か診断群分類点数表)に基づいて診療を行っています。毎月、医療機関は各患者毎に行った医療の内訳を「レセプト」と呼ばれる紙にまとめて、かかったコストを保険者に請求します。レセプトはまず審査機関に送られ、請求ミスや過剰診療と思われる検査、投薬などが「減点」されます。減点された結果の数字で医療機関に保険者から診療報酬が支払われます。&br()近年の保険者、国、地方自治体の財政難から、点数表で規定されていない部分での審査がどんどん厳しくなってきています。以前では医師の裁量として認められていた部分も、減点されてしまうのです。実際、「過剰診療」とされる部分の多くは、一般の皆様が想像されるような「不正請求」的なものではありません。とくに公的医療機関においては。むしろ傍目には診療上不可欠と思えるものまで減点されていたりします。その一方で、判例は濃厚診療を要求しています。現場の医師としては、「あれをやると保険で削られるし、やらないと訴えられたときに負ける」というジレンマに陥っているのです。これはかなり士気を削がれる状況です。 -薬についてもわざとではないか、と思えるほど紛らわしい名前のものが多いです。 -劣悪な労働条件が集中力の低下をきたして過失が頻発している場合もあります。この場合、「劣悪な労働条件」という「システム上の問題点」を改善しない限り医療事故は減りません。  上記のように過失が生じてもその原因の一端には構造上のものがあることが指摘されています。このような場合に個人の責任を問うても意味はなく、むしろシステム上のミス修正を各機関(国、自治体、病院)に促すこと、エラーの改善がない場合は何らかのペナルティーを課すことが求められるのではないか、と言われています  一方、「システムエラー」こそ問題にすべしと言われても、どの範囲を対象にすればいいのか分からない上、あまり対象を広げすぎると、各当事者の言い分を確認するだけで大変な労力となるのではないか、との懸念が指摘されています。 -東京大学医療政策人材養成講座の研究班(筆頭研究者・神谷恵子弁護士)では、2000~06年に刑事判決の出された事件のうち、ほぼ9割18件の判決文を入手、医療提供者、政策立案者、患者支援者、ジャーナリストという立場を異にするメンバーの参加により、その妥当性を検討した。&br() 評価は、&br()①事件の非難可能性&br()②処罰の適切さ&br()③事件の原因分析&br()④再発防止の教育的効果&br()⑤医療人としての資質・組織としての体質&br()の5指標、12項目について4段階で評価・分析した。&br()結果は、18件のうち1/3ほどは刑事訴追が妥当でないか、妥当性が疑わしく、むしろ、医療安全システムに帰因するものであったという。研究班では・医療過誤における「民事」「行政」「刑事」各々の責任の目的・機能に応じた適用を提案、刑事事件を絞り込むこと、医療安全や再発防止を目的としながら、十分機能していない「行政」責任についての改善を提言書としてまとめた。  なお、民事責任については実質的な責任主体は医療機関であることに留意する必要があることや、患者の救済について誰が責任を負うべきか不明確になると言う指摘もあります [[システムエラー]]
-全ての保険医は医科診療報酬点数表(か診断群分類点数表)に基づいて診療を行っています。毎月、医療機関は各患者毎に行った医療の内訳を「レセプト」と呼ばれる紙にまとめて、かかったコストを保険者に請求します。レセプトはまず審査機関に送られ、請求ミスや過剰診療と思われる検査、投薬などが「減点」されます。減点された結果の数字で医療機関に保険者から診療報酬が支払われます。&br()近年の保険者、国、地方自治体の財政難から、点数表で規定されていない部分での審査がどんどん厳しくなってきています。以前では医師の裁量として認められていた部分も、減点されてしまうのです。実際、「過剰診療」とされる部分の多くは、一般の皆様が想像されるような「不正請求」的なものではありません。とくに公的医療機関においては。むしろ傍目には診療上不可欠と思えるものまで減点されていたりします。その一方で、判例は濃厚診療を要求しています。現場の医師としては、「あれをやると保険で削られるし、やらないと訴えられたときに負ける」というジレンマに陥っているのです。これはかなり士気を削がれる状況です。 -薬についてもわざとではないか、と思えるほど紛らわしい名前のものが多いです。 -劣悪な労働条件が集中力の低下をきたして過失が頻発している場合もあります。この場合、「劣悪な労働条件」という「システム上の問題点」を改善しない限り医療事故は減りません。  上記のように過失が生じてもその原因の一端には構造上のものがあることが指摘されています。このような場合に個人の責任を問うても意味はなく、むしろシステム上のミス修正を各機関(国、自治体、病院)に促すこと、エラーの改善がない場合は何らかのペナルティーを課すことが求められるのではないか、と言われています  一方、「システムエラー」こそ問題にすべしと言われても、どの範囲を対象にすればいいのか分からない上、あまり対象を広げすぎると、各当事者の言い分を確認するだけで大変な労力となるのではないか、との懸念が指摘されています。 -東京大学医療政策人材養成講座の研究班(筆頭研究者・神谷恵子弁護士)では、2000~06年に刑事判決の出された事件のうち、ほぼ9割18件の判決文を入手、医療提供者、政策立案者、患者支援者、ジャーナリストという立場を異にするメンバーの参加により、その妥当性を検討した。&br() 評価は、&br()①事件の非難可能性&br()②処罰の適切さ&br()③事件の原因分析&br()④再発防止の教育的効果&br()⑤医療人としての資質・組織としての体質&br()の5指標、12項目について4段階で評価・分析した。&br()結果は、18件のうち1/3ほどは刑事訴追が妥当でないか、妥当性が疑わしく、むしろ、医療安全システムに帰因するものであったという。研究班では・医療過誤における「民事」「行政」「刑事」各々の責任の目的・機能に応じた適用を提案、刑事事件を絞り込むこと、医療安全や再発防止を目的としながら、十分機能していない「行政」責任についての改善を提言書としてまとめた。  なお、民事責任については実質的な責任主体は医療機関であることに留意する必要があることや、患者の救済について誰が責任を負うべきか不明確になると言う指摘もあります [[システムエラー(C)]]

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