過失がある場合にはすぐに示談するから訴訟にならない。医者が過失はない、と考えるものだけ訴訟になる、と言う考えについて(C)


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  • 医療機関が過失を認めればそれで示談等がすぐ成立すると考えられるでしょうし、それが当然ですが、必ずしも、あるいは、相当数の場合そうではないというのが、むしろ弁護士の感覚ではないでしょうか。まあ、その場合は、そもそも、医療機関側は、過失があるかどうかは言わず、示談の話し合い自体を拒否するということになるでしょうが。というのは、任意で示談したからと言って、保険会社が払うか、またその金額はというと、なかなか難しいという問題があります。これは、保険会社から見れば、払うべき場合かどうか、また、その金額が妥当なのかどうかというのがわからないからです。そこで、裁判所の判決・和解であれば、客観的にはっきりするから払うということになるのです。
    また、保険会社も経済的合理性を追求する以上、できるだけ支出を抑えようとします。たとえば、自動車事故の場合、被害者に最初に提示される金額は、一番低い自賠責(この点の制度の説明は省略します)程度の金額であることが多いです。これに対し、被害者が交渉すると、金額を上げ、さらに弁護士が交渉すると更にあげ、裁判の和解になると更にあげますが、判決で出される金額よりは、まだ少ないということになります。むしろ、保険会社の担当者から、会社の決済がおりないから、これ以上あげるためには訴訟を起こしてくれと言われることもあります。保険に掛けてなくて、地方自治体が払うという場合も、議会を通すために、裁判所の判決・和解が必要というケースもあります。前に出た府中市の例は、これかもしれません。

  • 統計的なデーターが見あたらないため、感覚の問題なってしまうので、あまり言いたくなかったのですが(他の弁護士の方に修正、補足をお願いしたいのですが)、弁護士の意識としては、医療過誤の場合、普通の事件よりはるかに示談交渉自体がすくないという感覚ではないでしょうか。弁護士が、カルテ等を、協力医の協力を得た後、一つのパターンとして、説明を求め、その説明後、示談交渉に入るというのがあります(むろん、患者自身が納得すれば示談に入らず終わりですが)。しかし、医療側の顧問弁護士の一定数の方は、前提の説明会等の要求があっても、これを受け付けないとの方針です(この対応自体は理由があるのですが)。ですから、そもそも、示談交渉に入りようがなく、この場合、訴訟となります。又、患者側の弁護士としても、示談はほとんど成立しないという感覚から、いきなり訴訟という方が多数いられると思います。

No.17 L.A.LAWさん
  • 患者側の弁護士に示談交渉しても、意味がないんだという意識がかなり濃厚にあるのではないかということです。それで、かなりの弁護士がいきなり訴訟というパターンを取っているような気がします。ただ、東京の場合、最近の迅速裁判との関係で、いきなり訴訟をすると持たないという背景もあり、また、意外と示談もできるのではないかということから、最近、説明会、示談交渉というパターンが徐々に有力になっているという認識です。ただ、医療法人の側で、実際に医療事件を取り扱う弁護士の先生と話をすると、説明会等は、受け入れないという先生も、結構、いらっしゃいます。これは、まず、患者との関係で、返って、事態をこじらす、ということが第一にあります。また、後の訴訟を考えた場合、どこまで、オープンにするかという訴訟戦術の関係もあります。また、保険会社の意向もあります。保険会社の習性として、数十万程度の支払については、かなり鷹揚というか、理由がはっきりしなくても出しますが、それ以上になると、極端にシビアになります。で、皆様が意識している件は、患者に弁護士がついていないいわばクレーム処理の案件のことが相対的には多いのに対し、私が意識しているのは、弁護士がついている案件という点でも、ギャップがあるのではないかと思います。

No.20 YUNYUNさん
  • 昔は医事紛争といえば、双方不信の固まりで、医療側はカルテを隠し込むので、遺棄改竄を防ぐために、患者からは何はさておきカルテ保全(裁判所の命令によりカルテのコピーを取る)、しかるのちに訴訟、という段取りでした。カルテを確保した上で、示談する方法も考えられなくはありませんが、実際問題として、一旦、法的な強制措置を発動してしまうと、病院も頑なになり、示談の機運が薄れて、訴訟に流れていってしまうと思います。
    さすがに今では医療側がカルテ内容を完全に隠すことはないにしても、カルテそのものを見せることを嫌がる風潮は依然としてあります。「カルテ要約書」という一種の説明文書を交付してくれる場合はありますが、患者にはもともと不信感がありますから、現物を見ない限り納得しません。
    かくて、患者は、示談の提案内容が妥当かどうか確証が持てない以上応諾できない、訴訟でトコトン追及するしかないと思い、医療側としても、そこまで言うならやってもらおうじゃないか、ということになってしまうのだと思います。

No.23 FFFさん
  • 病院側から、「保険がおりないので、過失の有無にかかわらず見舞金以上の額を出すつもりはないから、それ以上を望むなら訴訟をしてください」と言われることは結構あります。