応召義務


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医師法第19条「診療に従事する医師は、診察治療の求めがあった場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない。」


 この義務を医師の応招義務といいます。戦前、この応招義務違反には旧刑法、旧警察犯処罰令で罰金の定めがありましたが、現行医師法には罰則の規定はありません。 この応招義務の根拠は医師による医業独占(医師法17条)、業務の公共性にある、とされます。 憲法22条は職業選択の自由と同時に、職業遂行の自由も保障しています。医師の応招義務はこの職業遂行自由の例外ですが、上記二つの理由(医業独占、公共性)から応招義務を定めた医師法の規定は憲法違反ではない、といわれています(前田達明ほか「医事法」有斐閣144頁)。

 もっとも、この医師の応招義務も絶対的なものではありません。ドイツでは、医師が患者との間に信頼関係がないと確信した場合は救急の場合を除き、診療を拒否できる、とされています。ドイツ医師会「ドイツ医師の職業規則」1条9項 1993年・岡嶋道夫ホームページ D101参照


『正当な事由』について

 旧厚生省の昭和30年8月12日の通達があります。
「医師法第十九条にいう「正当な事由」のある場合とは、医師の不在又は病気等により事実上診療が不可能な場合に限られるのであって、患者の再三の求めにもかかわらず、単に軽度の疲労の程度をもってこれを拒絶することは、第十九条の義務違反を構成する。」
「医師が第十九条の義務違反を行った場合には罰則の適用はないが、医師法第七条にいう「医師としての品位を損するような行為のあったとき」にあたるから、義務違反を反覆するが如き場合において同条の規定により医師免許の取消又は停止を命ずる場合もありうる。」