同意書


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  • >例えば、同意書。あれは法的には「説明をして一応インフォームドコンセントをとりましたよ」というだけで裁判ではあまり根拠になりません。同意書をとっていても説明義務違反となりえると私は聞いております。
    どのような同意書がスタンダードなのか分かりませんが、基本的には、「何かを説明した」以上の意味は持ってないように思います。説明義務違反というのも、その「何か」が問われているものだと思います。
    この同意書で何が問題かというと、「合併症が起こったとき」にどうするのか、不明瞭だと言うことです。合併症が起こるのは分かった。でも、万一、合併症が起きたとき、どうすればいいのか。訴訟を起こしていいのか悪いのか。補償はどうなるのか、前もって患者が保険に入ることはできるのか、これだけではさっぱり分かりません。
    どうすればいいのか分からないので、訴訟というケースになることが多いのではないでしょうか。
    ある人は「合併症があるのを承知で手術を受け入れた以上、何もできない。責任は100%自分にある」と思うでしょうし、ある人は「これには、説明を受けた事に対しての同意しかしていない。合併症が起こったときどうするのか書いていない以上、訴訟を起こすほかない」と思うでしょう。
    つまり、同意書の位置づけが患者にとっては曖昧だと思うのです。そして、曖昧な事が、混乱と不信を招いていると思うのです。
    インフォームドコンセントを行い、同意書を書かせたのに医師に説明義務違反があるとする判例
    逆にインフォームドコンセントをした事が認められて、医師に説明義務違反はないとした判決。
    同意書の存在の有無ではなく、何を説明したかが問われているものだと解釈します。
  • 1 すべての合併症を説明することができない。
    それをすると一日かかっても説明できない。また、教科書に書いてあるような合併症なら説明できるけど、人の目に留まらないような論文に書いてあるような合併症まで説明することはできません。
    また、説明したとしても「聞いてなかった」と言ったり、たとえ「病状説明書」に書いてあったとしても「理解できなかった」と言い出し、それを裁判官が真に受けて、「きちんと理解させるまで説明しなかったのも説明責任を果たさなかった」として過失認定されているようにみえます。説明の最後に「何か疑問点はありませんか?」と聞いて「ありません」と答えているのに。
    2 そのような「契約書」を交わそうとすると患者さんに不快感を抱かせる。
    結構いるんですよね。「先生にお任せします」とか言う方。あるいは、「先生を信頼しているので、そんなの書かなくてもいいのでは?」「何かあっても文句は言いませんから」とかいう方が。無理にお願いすると怒り出す。しかし、そういう方に限って、何か不利益があったらこちらを攻め立て、危険性について「聞いていない」とか言うんです。
  • >そして同意書に契約書としての法的効力を持たせていただきたいと思います。法的効力のある同意書なら、裁判所でも有効に認められると思います。
  • 契約というのは、売買など当事者の意思の合致によって成立する法律行為であり、原則として当事者の合意だけで成立し書面の作成は必要ありません。契約書というのは、後日契約の内容について紛争になったときのために、契約の内容を証明する手段として作成されるものです。
    民事訴訟で、医師が説明義務を果たさなかったということが不法行為ないし債務不履行の理由とされている場合に、医師がその説明義務を果たしたということを立証するために、患者さんの署名のある同意書があれば、(同意書の内容にもよりますが)説明が行われたという証拠の一つになるということです。
    これに対して、原告側が説明がなかった説明が不十分だったと主張するのであれば、書面はないでしょうから、当事者や証人の尋問を行い証言を証拠とします。最終的に証拠の証明力の評価は裁判所の自由な裁量に委ねられますので(民事訴訟法247条)、同意書があっても説明義務を果たしていないと認定されることがあるのです。
    他方で、民事訴訟で、手術行為に過失があったことが不法行為ないし債務不履行の理由とされている場合は、同意書は手術の内容を理解して同意したことを証明するにすぎず、実際に手術行為に過失があったか否かが問題となります。手術の難易度等は過失の有無の判断にあたって考慮されます。
    また、以前別のエントリでコメントしましたが、同意書に「損害賠償請求権を放棄する」という文章が入っていても公序良俗(民法90条)に違反して無効になるでしょうし、消費者契約法施行後作成のものであれば同法によっても無効にされるでしょう。