集約化


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  • 1.アクセス制限の問題
    病院数を減らす=1病院あたりの患者受診数が増える、と言うことです。現在でも3時間待ちの3分診療などと言われている状況ですのに、残った病院に患者が殺到することになれば、状況はさらに悪化することが予想されます。外来診察数を増やせばいいだけのことですが、ハードの問題がありますのでことはそう簡単ではありません。ハードの問題を解決するには改・増築しかありませんが、9割以上の病院が民間病院である今の実情で誰がその費用を負担するのか、と言う問題もあります。また、改・増築を行わずに医師数のみ増やした場合、窓口の物理的受診制限の問題から、病院経営は給与コストが増加し、収入は微増に止まると思われます。とすれば、今でさえ赤字の各病院は経営負荷のため赤字額はさらに膨大になると思われます。
    僻地の病院ではもっと深刻です。僻地では中小病院が一次~二次救急も担っております。これを人口割りなどで集約化した場合、交通事情によっては致死性疾患でも受診までに1時間以上かかるという事態が生じかねません。北海道、東北、北陸など一部の地方では現にこの状況に近い事態がすでに生じています。産科救急では集約化の問題で実際この状況がすでに問題視されています。
    2.既得権の問題
    集約化するには今ある病院・診療所を潰さねばなりません。ここで問題になるのは日本の医療機関の9割以上が民間経営であると言うことです。これらの病院を国策によって一部潰すとなるとその補償はどうするのか、潰す医療機関の選定は誰がどのように行うのか、と言う問題が生じます。
  • 医師にとって数千床規模の病院に勤めることはメリットが多いことです。
1 多様な症例に出会える。多様な指導者にめぐりあえる。
2 院内で他科のコンサルトが容易になる。各分野の専門性が高まる。
3 休暇をとりやすい。緊急時に自分の代わりをみつけやすい。
4 身分が安定する。福利厚生が期待できる。
5 トラブル発生時の対処が容易である。
6 行政に対して圧力をかけやすい。卸に対して強くなれる。
  • 集約化するにあたり、医師の労働条件を改善することが必須です。また、医師・看護師以外に、事務方が多く公立病院には勤務していますが、この方々のコストをいかに圧縮するかが大きな問題になるでしょう。
    もし新たな集約化された地域中核病院ができたとしても、今と何ら医師を取り巻く環境が変わらなければ、oregonianさまがあげておられた医師側のメリット(>3 休暇をとりやすい。緊急時に自分の代わりをみつけやすい。>4 身分が安定する。福利厚生が期待できる。>5 トラブル発生時の対処が容易である。)が実現するとは考え難いと思います。今の状態のままただメガ病院になっただけで、医師の疲弊は変わらず・医師の数も増やされることなく、また人が逃げていくことになると予想されます。トラブルが発生しても、医師側の立場が今と同じでは、今まで異常に容易に医師個人に責任が押し付けられてトカゲの尻尾切りの状態になるのではないでしょうか。
  • 産科の緊急事態は、時間が勝負となるものが多いですよ。たとえば全妊娠の0.44?1.33%程度に発生する常位胎盤早期剥離。まったくいつ起こるのか予測ができません。母体死亡率は4?10%、児死亡率は30?50%。これは典型的な時間が勝負の疾患です。発症後、1時間以内に対応の出来る医療機関にたどり着けるかどうかが予後に大きく影響します。集約化で産科の医療事故はたしかに起こりにくくなります。しかし常位胎盤早期剥離のような疾患で、医療を受ける前に死亡する胎児・妊婦は確実に増えます。医療事故は少なくなるかもしれませんが、場合によっては周産期死亡率はかえって上がる可能性が大きいのが産科集約化です。広く薄く配置して医療アクセスを優先する事は、日本の周産期死亡率を低くする事に大きなメリットがありました。
    産科の配置を広く薄くするか、集約化するのか。これは本来は究極の選択でした。
  • 1.住民が納得しない。「おらが村にも病院はひつようだぁ。死ねというだか。」
    2.経営母体(公的・公立)や事務方が納得しない(というか理解しようとしないで「なぜそういうことになるのかがわからない」といい続ける)
    3.労働組合が納得しない。「経営責任をとれぇ。雇用をまもれぇ。」
    4.医師は思ったほど自由な行動をしない。(勤務医の圧力団体でめぼしいものは存在しないでしょ。殆どの勤務医が自分の意見を代表してくれる組織が欲しいと思っている
    けど。スポークスマンらしい人も見当たりません。私もマスコミに出るとえらい目にあいそうだと思っているの黙ってます。)
  • 病院の集約化について深い考えがあるわけではありませんが、少なくとも
心臓血管外科と脳外科については賛成します。これは確かにその通りだと思います.心臓外科の場合最低でも週2例程度(年間100例)は施行していないと基本的技術が保てないですし,ましてや向上も望めないでしょう.心臓外科医も脳外科医も執刀医が多過ぎるのです.腕のよい執刀だけに患者を集中させる方が,医療のクオリティが向上しますし合併症も減るでしょうから医療経済的にもよいと思います.それ以外の外科医についても今のような認定医ではなく,少なくとも技術面でcirtifiedする機関が必要だと思います.いくら患者説明がうまくて合併症が生じても訴訟にならないようでも腕の悪い外科医はやはり問題でしょう.病院の集約化についてはいろいろ問題はあるでしょうが,現在のような勤務医の過剰労働を緩和させるためには必須であると思います.特に産婦人科,小児科,麻酔科etc.各病院に2-3名程度しか医師がいないような科は集約化によるメリットは大です.そうでなければ現在の2倍以上の医師数で24時間をカバーする(病院の24時間稼働が要求されるなら)必要があるわけです.当直開けに休める体制を作るにはそれだけの医師数が必要になるわけです.医師の過剰労働を緩和しつつ,フルタイムの医療を提供するには医師数が不足であるのは明白です.