医療の民営化?

医療を市場経済に組み入れた場合、医療費は確実に値上げします。それはアメリカですでに実証されています。
医療は現在国の根幹を成す事業として国が行っております。従って国が値段を決め、出来る範囲を定め、毎年信じられないような赤字を垂れ流しながら医療を監督しているわけです。良い意味でも悪い意味でも国が(建前上は)保護・管理しているから医師は毎日のしごきのような業務に耐え、値段も安く提供できるわけです。よく言われるように赤字だからといって日本が特別医療費が高いわけでなく、むしろ先進国ではイギリスと並んでダントツに安いくらいです。
ところが商業になるとまず企業という位置づけになります。企業は儲からないと意味を成しません。勿論社会的な義務も発生しますが、まず採算が取れないといけないわけです。民間保険の不払いが問題になっていますが、これが日常茶飯事になったら患者から暴動が起きるでしょう。しかも、現在の国民保険よりも特権が無いと保険に入りませんよね。つまり、安かろう悪かろう民間保険か、保証はしっかりしているけどメチャクチャ高い民間保険の二種類になると考えられないでしょうか?これでしたらあまり民間保険に入るメリットは少ないと言えます。
ちなみにアメリカでは保険の種類によって適応治療法が違っていたりします。従って治療に対しては日本以上にシビアだし、各病院には保険の種類によって医師に治療法を指導する職種まであると聞きます。そして皆様が危惧しておられるように、貧乏人は治療を受けることが出来ないという事態が発生しています。
最終更新:2008年07月20日 22:59