イギリス

http://www.pubmedcentral.nih.gov/articlerender.fcgi?artid=1472712
 この文献に示されているようにイギリスでは医師の刑事罰を問うケースが増えたようです。この点について、当然のことながらイギリスでも問題になっています。
 そこで、警察との関係では
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/opinion/mric/200805/506603.html
によると 

まず始めに、医療機関であるNational Health Service (NHS)、警察当局Association of Chief PoliceOfficers、医療安全システムの政府部局Health and Safety Executive(HSE)の3者が話し合いをして、調査していきます。
 その際に、複数の臨床の専門医と医療安全の専門家が必ず調査チームに加わります。このチームは個々の事例ごとに召集されるので、参加するメンバーも違ってきます。
 そして、警察の介入の検討を要する症例とは、ガイドラインの文言を引用すると、
evidence or suspicion that the actions leading to harm were intended
(意図的に障害を起こす診療行為をした証拠あるいは疑いがあるもの)
evidence or suspicion that adverse consequences were intended
(意図的に有害な結果を起こした証拠あるいは疑いがあるもの)
evidence or suspicion of gross negligence and/or recklessness in aserious safety incident, including as a result of failure to follow safepractice or procedure or protocols.(安全な診療手技やプロトコールに従わなかった結果、重大な事故につながった怠慢あるいは無謀な治療である証拠あるいは疑いがあるもの)
 とされています。それ以外の診療行為における予期せぬ死亡はHSEの中で処理され、当然のごとく警察の介入の検討とはならず、有害事象報告者も免責されます。
 上記の3点が強く疑われた場合での警察の介入の検討は、あくまで医療側と医療安全の部局と警察の3者の話し合いで結論が下されます。患者の死亡または重大な障害の医学的判断は、警察当局も加わったチーム内の複数の臨床の専門医と医療安全の専門家が判定します。

とされています。

なお、イギリスの医療事情について
http://www.geocities.jp/jgill37jp/waiting_list.html
最終更新:2008年11月28日 20:56