救急医療

  • 救急医療について相当の知識及び経験というのがどの程度のものなのか、今まで明示されたものもなく(多分)、現在ほとんど全ての救急病院がそうであるハリボテの状態こそ、医療関係者はすべからく当たり前と考えていたわけですから、責められるべき内容ではないと思います。
  • 救急には一次から三次まであります。一次に救急専門医(あるいは救命救急医)に担わせるのは、例えば松井秀喜にビニールボールとプラスチックばっとで野球をやらせるようなものです(ものの例えば少々悪いかもしれませんが・・・)。ただ、三次救急で救急医以外が対応するのであれば、それは明記した方が良いのかもしれません。但し、普通の医者でも救急対応能力に優れている人が沢山いる事実も付け加えておきます。一次の方が楽なんだと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実際には一次の患者の中にクレーマーが混じっていて帰宅を説得する、または必要な検査を今行う必要がないことを説明するのが困難だったり、複雑な内科的的判断が必要だったり、結構大変な場合が多いです。また、トリアージのところでも問題が出たように、一件軽症に見えても実は重症だったというケース、あるいは重症に急変するケースも少なくありません。私はむしろ、一次二次の方がプライマリーケアに対する能力、危機管理能力に長けている人が必要だと思います。かといって救命救急が仕事というわけではないですから、搬送までが仕事のうちであり、必ずしも救急医が必要なわけではありません。
  • 「救急専門医以外は専門外の救急処置に自信なし」の医師は救急に関わることを止めよとおっしゃっているのでしょうか。であれば、粛々として医師は止めるでしょう。
    「救急専門医以外は専門外の救急処置に自信なし」の医師でも「ないよりまし」でいいから続けろとおっしゃっているのでしょうか。であれば交換条件として、「救急専門医以外は専門外の救急処置に自信なし」の医師には救急専門医並の要求しないで下さいね とお願いしたいのですが。不当ですか?
  • しかしながら、一方の現実として、例えば日本には現在約4000の救急告示病院が存在するのに対し、日本救急医学会が認定する救急専門医は約2000人しかおりません。どう計算しても全ての施設で24時間365日専門医による対応を行うのは不可能です。この状況を放置したまま、全ての医師が自らの専門外には介入しないという姿勢をとれば、モトケンさまのご指摘のように「ほっとけば死ぬ」という現実だけが大量に残される事になります。
  • 我が国では年間約2千万人の救急患者が全国の病院を受診するのに対し,日本救急医学会によって認定された救急認定医は2千人程度(平成5年当時)にすぎず,救急認定医が全ての救急患者を診療することは現実には不可能であること,救急専門医(救急認定医と救急指導医)は,首都圏や阪神圏の大都市部,それも救命救急センターを中心とする3次救急医療施設に偏在しているのが実情であること,したがって,大都市圏以外の地方の救急医療は,救急専門医ではない外科や脳外科などの各診療科医師の手によって支えられているのが,我が国の救急医療の現実である
最終更新:2008年07月24日 23:39