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街から離れた暗い森の中は、夜の闇で静まり返っている。
動物達もみな眠っているのだろう。不自然さを感じるほど物音一つない。

「うぐっ、……!」

そんな静寂を破ったのは、女性の苦しそうな呻き声だった。
身体は地面へと倒れ、激しく身悶えている。
そして、そんな彼女の様子を静かに見下ろしている影が一つ。
まるで覆い隠すかのように顔と髪を黒い布で包んでいるその姿は、今にも森の闇へ溶けていきそうだった。

「無様ね」

黒い布の隙間から、冷たい声が響く。
「いくらもがいても、貴女はもう助からない。身体の精霊をほとんど抜いたもの。
……お陰で私はとても満ち足りているけれど」
唇が優雅な弧を描いたのが布の隙間から見て取れた。
即座に苦しんでいた女性の顔が、恐怖と驚愕の色で染まる。

「やはりアンタがっ…!?」
「その表情…もう知っているのね、さすがだわ」
「っは、文献から噂…まで、聞きまわった……甲斐があった」
顔色は無く、脂汗も浮かんでいたがそれでも誇らしげに彼女は微笑んだ。
その顔が気に入らなかったのだろうか、影の楽しそうだった声音は冷たいものへと戻る。

「…へぇ、そう。でももう喋るのは終わりよ…夜が明けてしまうもの。
苦しいでしょう?ちょっと待ってなさい、今
                                楽にしてあげるわ」