無題            一×透華 透華視点      百合注意         ◆AjotIQkrmw氏


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無題 一×透華 透華視点 百合注意 ID:4tft4Nag氏
第1局>>211~>>216


   私、龍門渕透華はイラついていた。

   『この鎖がなくなったら、透華が少し遠くなっちゃうような気がするんだ』

   遠く。
   考えもしなかった言葉。
   これまでも、これからも、一は変わることなく自分の傍にいることが当たり前だと。
   この龍門渕透華にとって、国広一とは空気のようにある存在だと。
   自分から『3年間』と期限を区切ったことなんて完全に忘却の彼方に追いやって。


   一から放たれた言葉――
   それを聞いてからの、自分の中にある焦燥感。

   私は一から離れたくないのか?――

   「…違いますわね」

   私『が』一から『離れれられない』んだ――

   「…頭では判ってるのですわ。一に対して、そう言えばいいことも」

   だけど、この想いは一には伝えられない――
   私が龍門渕の跡取りだから――

   私は龍門渕の跡取りだから。
   龍門渕の血を繋いでいかなければならない定めだから。
   父がいつかは連れてくるであろう、血を繋ぐための婿と結婚しなければならない定めだから。


   それに対しての抵抗感なんてない。
   政略結婚が嫌で逃げ出すなんて、ただの甘えだから。
   身の回りの事を何一つ理解していない愚か者のすることだから。

   だけど、一から離れたくない、一を離したくない――

   「あーっ!もう!何で私がこんなに悩まなければいけませんの!?」
   「わあっ!?」
   「うわっ!?」

   振り返ると、そこには私の想い人。

   「ななな、何ですの!?ノックもなしに入るなんて失礼じゃありませんこと!?」
   「ノックしたよっ!したけど返事がないから、おかしいって思ったんだよっ!」
   「そ、そうなんですの?…それは失礼しましたわね。で、何の御用ですの?」
   「透華が言ったんじゃない。お茶を持ってきてって」

   そう言えば、先ほどそんな事を頼んだ覚えがある。

   「…そうでしたわね。それでは淹れて頂こうかしら」


   「うん、美味しいですわ。貴女もお茶を淹れるのが上手くなりましたわね」
   「そりゃあ毎日毎日淹れてたら上手くもなるよ」
   「そんなことはありませんわ。これならすぐにでもお店を出していいレベル。普通はここまで上達しませんもの」
   「…ありがと」

   照れてそっぽを向きながらお礼を言う一。
   思わず抱きしめたくなる…!

   「ご馳走様。今日はもうお休みなさいな」
   「うん、分かった」

   「ねぇ、透華」
   「何かしら」
   「何か悩み事があるんなら、私でよければ聞くよ?」

   貴女だから話せないのですわ…!!

   そう言いたいのをグッと堪えて。

   「…大丈夫ですわ。ありがとう」
   「そう…」

   すぐ傍にいるのに。
   手を伸ばせば触れられる距離にあるのに。

   「それじゃ、おやすみ」

   行かないで

   「とーか?」

   行かないで!

   「とーか?おーい、とーか?」

   感情と理性が私の中で鬩ぎあってる…!

   「透華!?ちょっと、聞いてる!?」

   私はどうすればいい?

   「ねぇってば!」

   私は龍門渕透華。

   「顔が赤いなぁ…熱があるのかな…」

   迷った時は、常に前進してきた。後ろを向いたり、立ち止まったりなんてしなかった。

   「体温計取ってこなきゃ…」

   そう、何も迷うことなんてない。迷うことなんかない!

   「はじめ!」

   「うひゃい!?」

   「ちょっとそこにお座りなさい」

   「あ、はい」

   椅子にちょこんと座らせた一の体を抱きしめた。
   細くて、柔らかくて、甘い香りがした――

   「ととと、とーか!?」

   「一度しか言いませんわ…はじめ、貴女が好きです」

   「ふぇっ!?」

   「もう、貴女なしでは生きていけない…!」

   「とーか…」

   「貴女の心も、躯も、全てがほしいの…!」

   「…」

   強く。より強く、一の体を抱きしめた。そこから伝わる微かな振動。
   一…怯えてる?

   「透華、落ち着いて」

   一が私を抱きしめ返す。赤子をあやすように。
   ――振動は、消えていた。

   震えていたのは私だった。
   一がゆっくりと私の手を解き、立ち上がって私の手を両手で包み込んだ。

   「全く…透華は何も分かってないんだから」

   「わ、私が何も分かってないですって!?」

   「そう。ボクは透華のもので居たいってことが」

   「え?」

   「ボクは透華の側に居られるなら何でもするよ」

   ゆっくりと、跪き。
   私の手の甲に――キス。

   そして私の手を愛おしく、頬ずりした――

   「ボクの指と口はね、透華に気持ちよくなってもらうためにあるんだよ」

   「ボクの胸も、お、おまんこも、お尻の穴だって、透華に楽しんでもらうためにあるんだよ」



   あっさりと理性を粉々にした本能が、一の唇を奪い。

   当然のごとく、一をベッドに押し倒していた――
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