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甘い衣2/3 京太郎×衣 衣の人
第2局>>146~>>175


   「はぁ~やれやれ、わいわいと楽しむ麻雀か・・・・俺には言えないな」
   「私も・・・」
    椅子に腰掛けて羊羹を頬張りながら感心する純と智樹。
   「お茶のおかわりです」
   「おっ、サンキュー、しかしあれだけ衣の心を簡単につかまれると、少し嫉妬しちまうな」
    歩から受け取ったお茶を飲みながら苦笑する純。
   「純様が、嫉妬ですか?」
   「ああ、俺達が時間をかけてようやく本音を聞かせてくれたのに、それがあいつは簡単に衣の心に入りこんじまったからな・・・」
   「でも、衣が幸せそうだから」
   「そうだよ、だから文句言うわけにもいかないからな・・・・さてと、俺は帰るよ」
   「あら、もうお帰りに?」
   「ああ、どんな奴か心配だったけど、あいつなら変に衣を傷つけることもなさそうだし、それにこれ以上いると嫉妬が爆発しそうだしな」
   「私も帰る」
   「あっ、では私がお送りします、ハギヨシ様」
   「はい、後はおまかせを」
    ハギヨシに見送られて、純と智樹は龍門渕家を後にした。

   「かぁぁぁぁ、やっぱりだめだったか」
   「あと一歩及びませんでしたらわ」
   「う~ん、ボクはあんまりだったな」
   「衣の勝ちだな・・・」
    結果は上から衣、透過、一、そしてやはり最下位は京太郎になった。
   「でもそれを抜きにしても今日の麻雀は楽しかったぞ、京太郎また衣と麻雀を打ってくれるか?」
   「うん、ああ、弱くてよければだけど」
   「強い相手と打つ麻雀も好きだが、衣は京太郎と打つ麻雀も大好きだ」
   「うっ・・・そ、そうか、ならいいけど」
    麻雀のことだが、華やかな笑顔で大好きという衣の言葉に、再び胸の高鳴りを感じる京太郎。
   (・・どうしちまったのかな俺は・・・)
    などと考えていたが、ぐぅ~と言う自分の腹の虫の鳴き声で考えるのを止めた。
    携帯を取り出して時計を見る、そろそろ夕食の時間になろうかとしていた。
   「ってやばっ!、あんまり遅いと飯抜きにされちまう」
   「おっ、京太郎の家は時間に厳しいのか?」
   「まあ電話すればなんとか」
    急いで帰っても間に合わないかもしれないな、とりあえず母親に電話をかけてみる京太郎、数回コールがなって電話が繋がる。
   「あっ、もしもしお袋か、京太郎だけど」
   『ああ、はいはい、何かしら?』
   「いや夕飯のことなんだけど、ちょっと帰りが遅くなりそうなんだけど」
   『何言っているの、母さんと父さん今日明日と旅行だって言ってでしょう』
   「えっ・・・ああ、そっか、そんなこと言っていたな」
    一週間前くらいにペアの旅券が当たったから次の週末に行くと、母親に言われたのを京太郎は今思い出した。

   『そうよ、だから適当に食べなさい、あっ、お金置いてくるのを忘れたけど、いくらかもっているわよね、じゃあね』
   「あっ、ちょっと、ま・・・って切れたな」
    呼び止めようとしたが、無常にも電話は切れてしまった。
    携帯をポケットにしまって財布を取り出す京太郎、その財布に残るのは二千円と小銭のみ。
   「今日の晩と明日の朝、昼、晩、ぎりぎりか・・・いやでもな・・」
    京太郎の頭に三食カップめんの図が思い浮かぶ、これならば余裕でクリアだろう。
   「どうした京太郎、電話を切ったと思ったら、財布を見て百面相して」
   「いや、親が旅行に行くって言っていたの忘れてて、それで飯をどうするかって・あっ」
    反射的に衣の質問に答えた京太郎だが、よく状況を考えてみれば今はまだ衣の部屋で、そして目の前には衣と透華と一がいる状態だった。
   「なんだ、もしかしてご飯が無いのか?」
   「いや、大丈夫だ、ぎりぎりあるし、カップめんで食いつなげばなんとか」
   「京太郎それは駄目だ、医食同源、食事はとても大切なんだ、それに栄養が無ければ頭も働かないぞ」
   「いや、でもな・・」
    衣の注意ももっともだが、とはいえそれを聞き入れたところでお金は増えない。
   「でしたら、食べていけばよろしいのでわ?」
    先ほどまで会話を黙ってみていた透華がそんな提案を出した。
   「いや、でもいきなり一人増やすのは迷惑なんじゃ?」
   「ハギヨシ、一人増えますけど大丈夫ですわね?」
   「はい、問題ありません」
    透華の問いに考えるまもなくハギヨシが答える。
   「一もいいですわね?」
   「うん、問題ないんじゃないかな」
   「というわけですから、問題ありませんわ」
   「でも・・・おやつもごちそうになった上に食事もってのは・・」
    さすがにいきなり始めて訪れた家でそこまでするのは、京太郎にも気が引けた。
   「あら、私が構わないのですから構いませんわ、それとも私や衣と一緒に食事をするのは嫌ですの?」
   「いや、嫌ではないですけど・・」
    再びあの時と同じようにギロリと京太郎を睨みつける透華、そこで一が横から京太郎に小声で話しかけてきた。
   「ごめん須賀君、こうなると透華は人の話は聞かないから、嫌でないなら食べていってよ」
    確かにこの空気の中を一人で帰るのは何だし、今の財布の中身よりは絶対ましなものが食えるだろう、考えた末に京太郎の結論は・・・。
   「わかりました、ごちそうになります」
   「ええ、そのようにしてちょうだい、それと今日はお父様もいないので衣と一も一緒に食べますわよ」
   「えっ、で、でもボク今メイド・・」
   「あら、こうなると私は人の言うことを聞かないのでしょ?」
   「えっ・・あっ・・」
    一の顔が青くなる、先ほどの京太郎に小声で伝えたことは透華にも聞こえていたのだ。
   「というわけよ、ハギヨシ」
   「かしこまりました」
    ハギヨシは指令きくと何処かへと消えていった。
   「と言う訳で衣、今日はみんなでご飯ですわよ、良いですわよね」
   「みんなで一緒にご飯か・・・・凄く楽しみだ」
    衣だけはただ無邪気に笑っていた。

    食事が終わり、食後のお茶の時間。
   「ふぅ・・・美味しかった、なぁ京太郎」
   「あっ、ああ、そうだな、想像していたのと次元が違ったが、滅茶苦茶美味かった」
    龍門渕家の夕食は豪華すぎて、京太郎には良くわからないものだった、ただどれも味は美味しかったのだが。
   「おほほ、満足いただいてお誘いしたかいがありましたわ」
   「お気に召していただければ、幸いです」
   「う~ん、これでよかったのかな・・・」
    一は最後まで微妙な面持ちで食事を終えた。
   「さてと、それじゃあ俺はそろそろ帰らないと・・・ああっ!」

    時間を見ようと携帯を取り出した京太郎は大きな声を上げる。
   「きゃぁ、もうなんですの、いきなり大きな声を上げられたら、驚くではありませんの」
   「ど、どうしたの須賀君?」
   「うん?」
   「いかがなされましたか?」
    全員の視線が京太郎に集中する。
   「いや、その・・・時間的に終電に間に合わないんじゃないかなって」
   「ああっ、そっか今からだと車でもきついかな・・・」
    一も時計を見ながら最終電車の時刻を思い出し、さらにこの家から駅までの時間を考えるが、間に合うか間に合わないかとぎりぎりだった。
   「あら、それなら家まで・」
   「ならば泊まっていけばよいのではないか?」
   「えっ?」「へぇ?」
    さも当たり前の様に語る衣に、ハギヨシを除く全員があっけにとられていた。
   「あっ、いや、衣さん何を仰っておられるのですか?」
   「言葉遣いが変だぞ京太郎、泊まっていけば良いと言ったのだ」
    京太郎の口調に一瞬眉を顰める衣だったが、特に気にせず先ほどの言葉を繰り返す。
   「いや、その・・・さすがにそれはまずいんじゃないか?」
    食事ご馳走になるだけでもあれなのに、まして今日友達になったばかりの相手の家に泊まるのはどうかと思う京太郎。
   「問題無い、衣の部屋のある別館ならいくらでも部屋は余っている」
   「いや、そういう意味じゃなくてな」
   「困っている友達を助けるのは友達として当然の事、心配無用だ」
    どうやら困っている京太郎に対しての、衣なりの助け舟だったようだが、この助け舟に即座に乗り込むわけにはいかない事は京太郎自身も理解していた。
   「こ、衣、それはさすがにあれではなくて?」
   「あれとはなんだ透華?」
    さすがの事態に透華が止めに入るが、衣の首を捻るのみ。
   「ですから、あれよ・・その、ですわよね一?」
   「えっ、ぼ、ボクに振るの・・・」
    困った透華が一に話を振る、突然の事に焦る一だが、それでもなんとか透華の役に立ちたいと思う一はいろいろ考えた末に。
   「その、年頃の女子の家に男子を泊めるのは不味いんじゃないかなって、事じゃないかな?」
   「そうですわ、そう、一の言う通りですわ」
    上手いこと言った一に乗っかる透華・・・だが。
   「疑問・・・なぜ男を泊めてはいけないんだ?」
   「えっ、いや、それはその・・・一!」
   「無茶言わないで、ボクにも説明できないよ!」
    花も恥らう乙女二人、その意味を説明することは出来そうに無い。
   「あっ~~とにかく、駄目といったらだ・」
   「駄目か?」
   「うっ・・」
    いつも通り我を通そうとした透華だが、衣の潤んだ瞳に言葉を詰まらせた。
   「衣はどうしても京太郎を助けてやりたいんだけど、透華は駄目だというのか?」
   「・・・・ううっ」
   「駄目・・なのか?」
    今にも泣き出しそうな衣を見ていると、駄目の一言がどうしても透華は言い切れず・・・そして。
   「か・・・構いませんわ」
    透華の方が折れる結果になった。
   「本当か?」
   「ええ、この龍門渕透華に二言はありませんわ、須賀さんは今日あの別館に泊まっていただきます」
    完全に開き直る透華の言葉を聴いて、衣の顔がぱぁっと明るい笑顔になった。
   「よかったな京太郎」 
   「えっ、あ、でも着替えとか無いし」
    なんとか断る口実を考えた京太郎だが。
   「ハギヨシ」
   「はい」
   「うぉ!?」

    透華が一声かけると、いつの間にか京太郎の前にハギヨシが現れた。
   「パジャマにシャツにバスローブ、下着はブリーフとトランクスを各サイズ揃えております」
   「それで問題は無いですわね?」
   「は、はい」
    退路を立たれた京太郎は首を縦に振るしかなかった。
   「衣、これで良いですわね?」
   「うん、ありがとう透華」
   「うっ!?」
    とても嬉しそうな衣の笑みに、思わず胸がどきりとする透華だった。
    
    部屋に戻ってうな垂れるように椅子に座る透華。
   「はぁ・・・どっと疲れましたわ」
   「お疲れ様透華、でも須賀君を泊めて本当に良かったの?」
    労いの言葉をかけながら、一は透華の前に紅茶を置く。
   「はぁ・・良かった何も、一あなたにはあんな表情をした衣に駄目って言えまして?」
   「あっ~~~無理かな・・・」
    悲しそうに『駄目?』と聞いて衣の顔を思い出して苦笑する一。
   「と言うわけですわ」
   「泣く子と地頭には勝てない事か」
    しみじみとその意味を噛み締める一。
   「それにあの方悪い人ではなさそうですし、まあ麻雀は弱いですが」
   「そうだね、須賀君って良い人そうだね・・・みんなでわいわい麻雀しているだけでも楽しいか、
   麻雀始めたばっかりの頃の事を思い出しちゃったよ、あの頃はみんなでわいわいと打っているだけで楽しかったな~って」
   「そうね、強い相手でもないのに、衣が凄く楽しそうでしたわ、案外ああ言う方が衣の寂しさを埋めてあげられたのか・・・って、あんまり悩むのは私らしくありせんわね!」
    落ち込むのを止めて、紅茶を飲んで気分転換を図る透華。
   「そうだな、でも本当に須賀君を泊めてもよかったのかなって思うけど」
   「あらまたその話に戻るんですの?」
   「透華を攻めているわけじゃなんだ、ただ・・」
   「ただ?」
   「衣が須賀君を見る目って・・・恋しい人を見ているような、そんな感じが・・・」
   「こ、衣が須賀さんに恋をしているって言うんですか一は!?」
    一の予想外の言動に動揺が隠せない透華。
   「いや、そのね、もしかしたらただ単純に初めてできた男友達だからって可能性もあるけど」
   「そ、そうですわよね、初めてできた男友達ですから・・多少私達とは違う目で・・・見ますわよね」
    落ち着きを取り戻したように見える透華、しかし紅茶を持つその手は小刻みに震えて動揺を隠しきれない様子であった。

    ガラララ・・・。
   「はぁ~~~、やっぱり風呂まで広いんだな」
    マンガでよく見かけるような、西洋式建築の建物に似合う所々に彫刻が施された豪勢なお風呂、想像していたものよりさらに豪華な作りに、京太郎は感嘆の声を上げる。
   「だけど・・・あれはどうなんだ?」
    普通ならライオンの口からお湯が出ているところなんだろうが、それが透華の顔になっている。
   「シュールだな・・・金持ちの考えることはよくわからんな、しかしまるでプールだな・・・」
    ここまで広いと飛び込んでしまいたくもなるが、あまりに豪華な作りに別の心配が京太郎の脳裏によぎる。
   「あんまり汚れてはいないと思うが、飛び込んで汚してもなんだよな・・・先に洗うか」
    京太郎は自分の体を見ながら、ここを汚してしまったときの事を想像すると、体も洗わず飛び込む気は完全に失せた。
   「えっ~と洗い場は、あっちか・・・」
    京太郎が洗い場まで移動すると、入り口のほうから衣の声が聞こえてきた。
   「京太郎~」
   「衣~どうした~?」
    言い忘れたことでもあったのかと、洗い場の椅子に座ったまま声を出して衣に尋ねる京太郎だったが・・・。
   「京太郎~、お~い」
   「こっちだ、洗い場の方だ」

   「なんだそっちか」
    京太郎が場所を答えると、衣の声はどんどんと京太郎のほうに近づいてくる、だんだんと湯煙に移る衣のシルエットが大きくなってゆく・・・・そして。
   「あっ、居た!」
    湯煙の向こうから衣が現れた・・・一切何も見につけていない、生まれたままの姿で。
   「ぶぅぅぅ、こ、衣お前なんちゅう格好を!?」
   「どうした、何かおかしいか?」
   京太郎に指摘された衣は、不思議そうな顔をしながらも、その場でくるりと回って自分の姿をみる。
   「うっ!?」
   その瞬間、衣の小さなお尻がしっかりと京太郎の目に入った、思わず目を逸らす京太郎。
   「何も変なところは無いぞ?」
   「いや、だってよ・・・お前裸じゃないか」
   「意味不明、何を言っているんだ京太郎、入浴するのに裸になるのは当然だろう」
   「いや、確かにその通りではあるが・・・」
    衣の言っていることは間違いではない。
   (落ち着け俺、落ち着くんだ俺、相手は子供だぞ、年齢的には年上だが、とにかく焦ることじゃない)
    反論することをあきらめた京太郎は、なんとかどきどきしている自分の心を落ち着けようとする。
   「それで、衣は何しにきたんだ・・・って、風呂に入りにきたに決まっているか」
    裸でこの場に居るのだから、それ以外の理由はとくに思いつかない。
   「もちろんだ、でもそれだけじゃないぞ、京太郎流しっこをしよう」
   「流しっこ・・って、背中を洗いあうのか?」
   「そうだ、友達と風呂に入ったら流しっこをするものだと聞いたぞ、衣も一度してみたいと思っていたんだ」
    目をきらきらと輝かせながらそう語る衣。
    京太郎も漫画や話の中なのでそういう話はあるが、それはあくまでも同姓の場合だろう、とは言えこの衣の期待に満ちた目を裏切る気にはなれなかった。
   「わかった、どっちが先にする?」
   「衣だ、衣が京太郎の背中を流す」
    京太郎の言葉に、さらに乗り気になった衣は京太郎の後ろに椅子を置くと、それに座りスポンジにボディーソープを付け泡立てる。
   「じゃあ頼むな」
   「準備万端だまかせておけ、しっかりと洗ってやるぞ」
    やる気十分でさっそく京太郎の背中を洗い始める衣。
   「どうだ、京太郎気持ち良いか?」
   「う~ん、もっと強くしてくれるか」
   「もっと強くか・・・う~~ん、これくらいか!」
    衣は洗う手に思いっきり力を入れる、とは言え衣の腕力では強すぎることは無く京太郎にはむしろ心地よいほどだ。
   「おおいいぞ、そのくらいで頼む」
   「うん、わかった」
    京太郎に褒められた衣は嬉しそうに手を動かす。
   「京太郎の背中は大きいな、透華や一とはずいぶん違う」
   「そりゃ男と女だからな、だいぶ違うだろう」
    さすがにあの二人と比べて、小さければ京太郎も少々へこむだろう。
   「うむ・・・幼少の頃に父上の背中を流したことを思い出す・・・」
   「衣・・・」
   「幼少の頃はまだ衣も小さくて、父上の背中を洗うのは一苦労だった・・・、でも洗い終わった後に父上が労いの言葉をかけてくれて、すごく嬉しかった」
    懐かしむように手を動かしながら、衣は父親との思い出を京太郎に語って聞かせた。
   「それって、なん・・」
   「さて、終わったから流すぞ」
   「あっ、ああ、頼む」
    尋ねようとしたところで洗い終わってしまい、仕方なくそのままお湯で背中を流してもらう。
   「うんしょ、うんしょ」
    衣はお湯の入った桶を必死に持ち上げて、二回お湯をかけて京太郎の背中についたボディーソープを落とす。
   「ふぅ、清掃完了だ」

    自身の仕事に達成感のある満足げな笑みを浮かべている衣の方を向いて、京太郎は頭を撫ぜながらお礼を言った。
   「ありがとう衣、気持ちよかったよ」
    その瞬間。
   「えっ・・・」
    カラン・・・と衣の手から桶が零れ落ちて、徐々に衣の目に涙が溜まってゆく。
   「・・・えっ、あっ、わ、悪い、頭撫ぜられるの嫌いだったな?」
    ゲームセンターの前でのやり取りを思い出して、京太郎は慌てて手を退けて謝るが、衣は首を左右に振った。
   「・・・違う、頭を撫ぜられたのが嫌だったわけではない」
   「じゃあ」
   「昔、父上にも頭を撫ぜられながら同じ言葉を言われた、寝耳に水と言うかあまりに突然だったんで、つい・・・」
   「衣、その・・・大丈夫か?」
   「うっ・・・うっく」
    衣は涙を飲み込み、今度は嬉しそうに笑った。
   「問題ない、それに衣は嬉しかったんだ、父上を思い出せて、だからありがとう京太郎」
   「そうか、それなら良いんだけど・・・さてと、次は衣の番だぞ」
    これ以上何も言うべきではないと思い、京太郎は背中の流しっこに話を戻す。
   「おおっ、そうだったな」
    衣は京太郎に背中を向けて座る、京太郎はスポンジを手にとって衣の背中に当てた。
   「それじゃあ、いくぞ」
   「うん、頼むぞ京太郎」
    力を入れすぎないように注意しながら衣の背中を洗い始める京太郎。
   「どうだ?」
   「うん、気持ち良いぞ、京太郎は背中を流すのが上手いんだな」
    よほど京太郎の洗い方が上手いのか衣は上機嫌だった。
   (しかし、小さな・・・女の子は小さいとかて聞くけど衣は特にか、まるで子供みたいだな)
    子供の体を洗う機会など無いが、○学生の女の子だと衣位の大きさだろう。
   「うん、どうしたんだ京太郎、急に黙って」
   「いや、本当に子供みたいだなって・・・あっ」
    考え事をしていたため、衣に聞かれて京太郎はつい本音を漏らしてしまった。
   「なん・・だと?」
    先ほどまで上機嫌だった衣の表情と雰囲気が一変すると、衣は立ち上がりくるりと反転した。
   「いっ!?」
   「子供じゃない衣だ、そして活目せよどっからどうみても衣は正真正銘の大人だ!」
    自信満々に一切隠そうとせずに、京太郎の前で仁王立ちする衣。
    膨らみの無い胸、くびれていないがぽっちゃりもしていないおなか、
   そしてタオルを巻いてない上に毛も無いので完全に丸見えのあそこ、背も低く、顔つきも幼い、頭の先からつま先まで、どこからどう見ても子供だろう。
    だが肌は白くとても柔らかそうで、見ているだけで吸い込まれそうな、そんな感覚を京太郎は感じていた。
    (ああ、やばい・・・あんまり見ていると、変な気分になってくる、相手はお子様体系なのに、駄目なのに)
    ジレンマを感じながらも、京太郎は自分の一部が固くなりつつあるのに気づいた・・。
   (やばい、これは・・・)
   「どうだ、衣は大人だろう?」
    衣が京太郎の顔を覗き込んだ瞬間、京太郎は衣からボディーソープではない何か甘いとても匂いを感じた。
   (うわぁ、なんだこれ・・・これが女の子独特の香りとか言うやつなのか!!)
    それを意識した瞬間、京太郎のペニスが完全に勃起した。
   「どうした京太郎・・・うん、京太郎それはなんだ?」
    衣が指差した先にあるのは、ペニスによって突き上げられ膨らんだタオル。
   「何か膨らんでいるみたいだが?」
   「これは、なんでもない、なんでも無いから、まだ背中流してなかったな後ろ向け」
    よもやタオルをずらして、衣に見せ付けるわけにもいかないので話を逸らす。
   「うむ、そうだったな、でもそれは」
   「さぁ流すぞ」
   「う、うん」
    京太郎がお湯の入った桶を持ち上げると、衣も仕方なく大人しく黙りお湯をかけられた。

   「ほら綺麗になったぞ」
   「うん、ありがとう京太郎・・・ところで」
    衣は何か聞きたそうなしたが、それをさっちした京太郎は衣の手を取る。
   「さぁ、洗い終わったら湯船につかるぞ」
   「えっ、ああ、そうだな」
    さきほどの話題に戻されないうちに湯船に急ぐ京太郎、そのまま湯船に入った。。
   「ふぅ~~良い湯だな」
   「風呂は良い、心の洗濯とはまさにこのことだ」
    京太郎も衣も、気持ちよさそうに声を上げて肩まで浸かる。
   「なぁ、京太郎さっきのことだが?」
   「いや、あれはそのなんと言うか・・男特有の・・」
   「うん、何を言っているんだ京太郎、衣が言いたいのは衣はちゃんと大人だっただろうということだ」
   「えっ、ああ・・・そっちのことか」
    先ほどの自分のナニの件で無いことに胸を撫で下ろす京太郎。
   「う~ん、なんの事かはよく分からないが、とにかく衣はちゃんと大人だっただろう?」
   「えっ・・・ああ、どうだろうな?」
    大人とは言い切れないが子供といえば衣はまたへそを曲げてしまうだろう、だがそんな京太郎の態度もまた衣の神経を逆立てしてしまうのだった。
   「うっ~まだ衣を大人と認めぬか、もう一度心して活目せよ!」
    衣が立ち上がり再び京太郎に自分の体を見せ付ける、京太郎の目の前にはちょうど衣の大切な部分が・・・。
   (うっ、こ、これが衣の・・・)
    ようやく収まりかけていた京太郎のペニスが再び硬さを取り戻しだす。
   (こ、これ以上はやばい・・・)
    これ以上衣を見ていると、京太郎は超えてはいけない一戦を超えてしまいそうなので、視線を逸らすが・・・。
   「視線を逸らさずに見るが良い」
    といってその先に回り込む衣。
   「お、おい・・・こ、衣・・・」
   「どうだ、隅から隅までよく見ろ!」
    京太郎は止めようとしたが、衣も意地になっているのか止める気配が無い。
    我慢の限界に達したのか、京太郎が立ち上がる。
   「いい加減にしろ!」
   「ひっ!?」
    京太郎の大きな声に、驚いた衣は肩を震わせた。
   「うっ・・お、怒ったのか・・京太郎」
    涙目の衣を見て、京太郎は自分の仕出かした失敗に気づく。
   「悪い・・・けどな衣、大人の女性だって言うなら、男にそんな風に裸を見せるものじゃないぞ」
    謝りながらもちゃんと注意する京太郎、それを聞いた衣は不思議そうに首を傾げた。
   「そう・・なのか?」
   「ああ、そういうのは好きな男にだけするもんだからよ」
   「でも衣は京太郎が好きだぞ?」
    衣に好きといわれて、嬉しく思う京太郎だが、それが今言っている好きだとは何か違う気がした。
   「嬉しいけど、それは友達としてだろ?」
   「そうだが、好きとは千差万別なのか、それほどの種類があるのか?」
    衣が真剣な表情で京太郎に聴いてくる、しかし当の京太郎もそれを正確に知っているとはいえない。
   「えっ~とな、相手を思うとドキドキしたり、相手が他の異性と楽しそうにしているのを見るともやもやして嫌な気分になったりとか・・・かな」
    どこかの漫画やゲームなどからの受け売りだが、衣はそれを真剣に聴きながら自分の胸に手を当てる。
   「ドキドキしたり・・もやもやしたり・・・それは心が惑うと言うことか?」
   「あっ、ああ、そんな風に好きなになった男にしか裸は見せちゃいけなんだ、わかったな?」
   「理解不能・・・衣には良くわからぬ、だが京太郎がそう言うのだから、そういう好きもあるのだろうな・・・、すまぬな・・・京太郎、無理に裸を見せてしまって」
    神妙な面持ちで謝罪を口にした衣はそのまま湯船に遣る。
   「いや、わ、わかってくれれば良いんだ、大きな声出して悪かったな」
   「ううん、京太郎・・・衣とまだ友達でいてくれるか?」

   「当たり前だろう、友達の間違いを指摘するのも友達の役目だろう」
   「そうか、良かった」
    友達でいてくれると言われた、衣はようやく安堵の息をついて笑った。
   「じゃあ、ちゃんと温まろうな」
   「うん、なぁ・・・京太郎一つ聞いても良いか?」
   「なんだ?」
   「その・・・そんな心惑う好きになったら、衣はどうすれば良い?」
   「どうすればって・・・告白とかで思いを伝えるしかないんじゃないか」
    京太郎も告白することが全て正しいとは思わないが、それでもその感情をどうにかするには告白しか無い気がした。
   「告白、伝えれば相手も衣を好きになってくれるのか?」
   「わからないけど、上手くいけばな・・・」
   「そうか・・・」
    そう呟きながら衣は天井を見上げる、京太郎もつられて天井を見上げた。 

   「ふぅ・・・」
    風呂から上がり濡れた髪を乾かし終えると、衣はため息をついた。
    鏡に自分が映る、お風呂では京太郎を怒らせてしまった。
   「ああいうことをしてはいけなんだな・・・うん、注意せねば」
    反省をしつつ考えるのはお風呂で京太郎に言われた事・・・。
   「好きにも色々と種類がある・・・衣は京太郎も透華も一も智樹も純も歩もハギヨシも原村ののかも好きだ」
    友達はみんな好き、それが当たり前だと思っていたのに、いろんな種類があることを知った、だから全員の事を思い浮かべる、その中で京太郎に対しての好きだけは少し違う気がした。
   「京太郎と居ると楽しいドキドキする、京太郎は衣といても怖がらないし、楽しそうにして話してくれるし、友達になってくれて凄く嬉しかった」
    突然できた友達は、今日一日でとても多くのこと衣に教えてくれた。
   「もっと一緒に居たい、でもこれは・・・透過達と同じ友達として・・?」
    鏡を見て映っているのは、いつもと自分と変わらないはずなのに、少し違って見えた。
   「他の異性と楽しそうなのを見るとか・・・」
    目を閉じて衣は想像してみる、和と咲と仲良くしている京太郎の姿を。
    楽しそうに話す・・・その中に自分は居ない、寂しい・・・そう思う、自分混じりたい・・・そう思う、
   想像の中で京太郎は笑っていた、でもその笑みは自分に向けられている訳ではない、そう思うと・・・チクリとした痛みを感じた。
   「・・・・なんだ今の」
    寂しさなどとは違うその感情、心に黒い靄の様なものが掛かる。
   「曖昧模糊、これはなんだ・・・この感情は初めてだ」
    突然振って沸いた感情に戸惑う衣。
   「こんな感情は聞いたことがな・・・いや、ある」
    そうお風呂の中で京太郎の言葉を思い出す。
   「もやもやする、これが京太郎の言っていた感情・・・これは嫉妬か?」
    本や何やら知識はあったが、それは衣が初めて体験した嫉妬と言う名の不の感情。
   「衣は京太郎ともっと仲良くなりたい、莫逆之友に・・・違う」
    口か出た言葉を即座に自分で否定した衣。
   「そう・・・先ほどのが嫉妬だというのならきっとこの思いは・・・」
    いろんな言葉を知っていて、いろんな言葉を思い浮かべるが、衣の今の気持ちにぴたりと合う言葉はとても短い言葉・・それは。
   「恋」
    
    風呂から上がった京太郎は、用意されていたゲストルームで、椅子に座り水を飲んでいた。
   「しっかし、広いな・・・俺の部屋の何倍だよ」
    衣の部屋よりは狭いが部屋としては十二分に広い、椅子や机やベッドなどが一々高そうだ、壊したり汚したりしたら大変だなと思うが・・・・そんな事より気になることが京太郎にはあった。
    風呂での衣に聞かれた事・・・・。
   『そんな心惑う好きになったら、衣はどうすれば良い?』
   「告白とかで思いを伝えるしかない・・・なんて言ったけど」
    もしも本当に衣が誰かに告白したら、そんなことを想像すると、京太郎は自分の胸にもやもやと嫌な感情に気づく。
   「これって、やっぱり・・・」

    それと同時に気づいた、今日友達に、しかもプレゼントを渡す理由として友達になった純粋無垢な少女に、いつのまにか自分が引かれていることに。
   「はぁ、どうすりゃ良いんだよ」
    ため息をついて、天井を見上げる京太郎。
   「でも、あんな格好で見せられたらな・・」
    団体戦決勝の時は咲を苦しめた、凄い打ち手だと思ったが、今日会って話してみればただの純情無垢な少女。
   「たぶん恋とか無縁だっただろうな」
    それ以前に異性とすら無縁なのだろう、知識はあるだろうにあれほど無防備に肌を晒すとは、あるいはただ・・・。
   「友達が嬉しかっただけなのかな・・・」
    それならば怒るべきではなかったと反省する京太郎、だがもしもあのまま衣の裸を見せ付けられていたら・・・。
   「襲っていたかもしれん・・・」
    子供などと馬鹿にできない、あるいは自分がそう言う趣味なだけなのかともんもんとした考えが京太郎の脳裏に浮かぶ。
   「う~ん、俺は和みたいなナイスバディに興味が・・」
    前にプールに行った時の和の姿を思い浮かべると・・・・やはり鼻の下が伸びる、
   でも衣の姿を・・・先ほど見た裸を思い浮かべると、興奮している自分に気がつく京太郎、そのまま想像の中で衣を押し倒して・・・涙を浮かべる衣の顔が浮かんできた。
   「さ、最低だ・・・俺最低だ」
    想像で自己嫌悪に陥る京太郎、その時、コンコンと部屋の戸がノックされた。
   「は・・はい、開いていますからどうぞ」
    たぶんハギヨシか使用人が何か言いに来たのだろうと思い、返事をすると。
   「入るぞ、京太郎」
    戸が開いて入ってきたのは、にこにこと笑顔を浮かべた衣だった。
   「えっ、こ、衣!?」
    さきほど妄想の中で、押し倒して泣かせてしまった相手の登場に驚く京太郎。
   「あっ・・・そうだな、さきほどの風呂の事まだ怒っているのか?」
    京太郎の反応を見て衣は、お風呂の件で機嫌悪いものだと思い込んでしまい落ち込む。
   「ああ、いや、そうじゃなくて、今さっきまで衣の事を考えていたら、衣が来たんで驚いただけで、別に怒っちゃいないから」
   「怒っていない、それに衣のことを・・・良かった、それに嬉しいぞ」
    落ち込んだ顔が一変、怒っていないのと自分の事を考えていてくれた嬉しさからか、衣はとても明るい笑顔を浮かべる。
   「ふぅ・・・それで、何か用事か?」
   「おっ、そうだったな、実は部屋に戻り京太郎に言われたこと熟考した、好きはいろんな種類があると、それで京太郎がどっちの好きなのかも熟考した、
   色々と想像して京太郎といると楽しくてドキドキした・・でもそれだけじゃわからなくて、だからそれでもう一つのこと想像した、
   京太郎がののかや清澄の大将と一緒に・・仲良さそうにしているところをだ」
   「・・・ごくっ、それで、どうだったんだ?」
    固唾を呑む京太郎、判決を待つ被告のような感覚だ。
   「仲良き事は美しいはずなのに、京太郎の言うとおりだ、胸に黒い霧でも掛かっているようにもやもやが溢れて、それが嫉妬だとわかると・・・同時分かった」
    衣はまっすぐに京太郎を見つめて、とても綺麗に清々しい笑みを浮かべた。
   「衣は京太郎が大好きだ、これがたぶん恋なんだと思う」
    衣の告白を聞いて、京太郎もまた自分の思いを確定させる、そして笑いながら衣の気持ちにこたえた。
   「衣・・・俺も衣の事が大好きだ、俺もこれが恋なんだと思う」
    その言葉を聴いた瞬間、衣はぽろぽろと涙を流す。
   「衣!?」
   「京太郎!」
    告白に答えた瞬間泣かれてしまい焦る京太郎、衣は涙を流しながら京太郎に抱きついた。
   「あはぁ・・・すまない、悲しいわけではないんだ、感慨無量喜びが溢れて涙に・・」
   「そっか・・・」
   「京太郎は凄い、京太郎の言うとおりだ、心を惑う恋をしたら告白するしかない、その通りだ、そして通じて相手が答えてくれるとまさに至福」
    目には涙をためながらも、笑顔に一切の曇りがない心から喜ぶ衣をみて、頭を撫ぜる京太郎。
   「ああ、俺も嬉しいぞ・・・って、頭を撫ぜられるのは嫌いだったな」

   「子ども扱いされているみたいで好きではない、けど京太郎に撫ぜられるのはとても心地が良い」
   「そ、そうか・・・」
    頬を紅く染めて照れ臭そうに笑う衣を見て、京太郎も照れくさくなってしまう。
   「なぁ京太郎、寝屋を共にしても良いか?」
   「えっ、ね、寝屋を共に・・・ってあれだよな・・その・・」
    突然の衣のお願いに戸惑う京太郎、はたして自分が想像しているのと同じなのだろうか、それ以前に衣はその言葉の意味を理解しているのだろうか・・と。
   「そうだ、衣の部屋でもここでも良い、衣は京太郎と一緒に寝たい」
   「で、でもな、そのいきなり一緒に寝るのは早くないか?」
   「なぜだ、恋人や夫婦は寝屋を共にして、互いの仲を深めるものと聞いた気がするが」
   「それは、そうかも知れないが・・・」
    今日の風呂で衣の裸を見てそれが目に焼きついているのと、おそらく無防備に寝るであろう衣を想像すると、京太郎に自分を抑える自信などかけらもなかった。
   「それとも京太郎は嫌か、衣と寝屋を共にするのは?」
   「嫌じゃないけど、わかっているのか?」
   「何がだ?」
   「あのな・・・あっ~~~つまりだな、衣が言っている寝室を共に仲を深めるってのは寝るだけじゃなくてすることがあるんだよ、衣はそれがわかっているのか!?」
    埒が明かないと思った、一応言葉は濁しながらもなるべく直接的に京太郎は衣に聴いてみる、衣は自身ありげに答えた。
   「衣だって知っているぞ、恋人や夫婦が寝屋を共にして秘め事を行うことは」
   「その秘め事がどんなことかわかっているのか?」
   「それは・・・情交を結ぶ・・性交するのだろう」
    恥ずかしそうにしながらもしっかりと言葉にする衣。
   「知っているんだな」
   「経験皆無、ただ女子の最初は痛みを激痛必至とは聞いたことがある」
   「俺も良くわからないけど、人によってはかなり痛いらしいぞ」
    経験がないと、自分で言っていて少し空しくなるが京太郎だが、変に見栄をはっても後で失敗する怖さのほうが大きく感じた。
   「痛いのは・・・嫌だ・・・」
    まだ見ぬ苦痛への恐れか、衣の表情は暗く言葉。
   「わかっただろう、だから今日は、別々に・」
    京太郎が衣から離れようとした瞬間、衣はきゅっと京太郎の寝巻きの袖をつかむ。
   「痛いのは確かに嫌いだ・・・だけどそれでも、衣は京太郎と仲を深めたいと・・心底願わずにはいられない・・・」
    恥ずかしそうに自分の心根を語る衣、そして最後に上目遣いで京太郎に問いかけた。
   「駄目・・・か?」
    少女の必死の告白に、その可愛らしさに、京太郎の我慢が限界に達し、結果。
   「衣ぉぉ!!」
   「きゃぅ!?」
    京太郎は衣をベッドに押し倒し、そのまま衣の顔を覗き込む。
   「ああっ、もう衣は可愛いな、そんな表情でそんな事を言われたら我慢できねぇよ」
   「きょ、京太郎・・・?」
    京太郎の態度の急変振りに驚く衣だが、次の京太郎の言葉で表情が変わる。
   「本当にしても・・・いいんだな?」
   「・・・うん、互いに愛念できたと思えるほどに深めたい・・・京太郎」
   「衣・・・」
    二人の距離が縮まり唇が重なる、唇が重ねるだけの簡単なキス・・・なのに。
   「はぁぁ・・これが接吻、こんなに凄いのか・・・気持ちが溢れて胸が・・五体が満たされてゆく」
    衣は今にもとろけてしまいそうな表情で、不思議そうに自分の感情を語る。
   「ああ、確かに気持ち良いな、でもこれは序の口だぞ、接吻だけでももっと凄いのがあるんだからな」
   「これが序の口だど、接吻でもこれより凄いのがあるのか!?」
    京太郎に言われて愕然とする衣、そんな衣を見ていると京太郎の悪戯心に火がつく。
   「怖いなら、止めるがどうする子供?」
   「子供じゃない衣だ、ううっ、京太郎は意地悪だ」
    すぐさま反応した衣だったが、京太郎にからかわれた事に気付くと恥ずかしそうに顔を逸らす。
   「悪いな、衣が可愛いからついからかいたくなって・・・」


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