一の一歩          衣×京太郎×一                    衣の人    


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一の一歩1/3 衣×京太郎×一 衣の人
第3局>>81~>>102 支援1つ


   「一、一聞いていますの!?」
   「えっ、ど、どうしたの透華?」
    ある事を考えていた国広一は、自分の主である龍門渕透華に話しかけられているのに気付くのが遅れた。
   「はぁ・・どうしたんですの一、今日は様子がおかしいですわよ?」
   「あっ、ご、ごめんね、そのぼうっとしちゃって・・・」
    失敗を反省して謝る一だが、透華は別に謝って欲しいわけではなさそうだ。
   「それは良いんですけど、何か悩みがあれば聞きますわよ」
   「えっ、あっ、その・・」
    心配そうに訊ねてくる透華に、話しにくい内容なのか言いよどむ一。
   「はぁ・・あのな、透華さんよ」
    今まで透華と一の会話を見守っていた、井上純が横から口を挟んできた。
   「なんですの純、私は一の話を聞くのに忙しいのですわ!」
   「いや、確かに話せば楽になる事もあるだろうけどよ、話せないこともあるだろう、もしくは話してもどうにもならないってのも」
   「どうにもならないですって、私は一のためならなんでもしますわよ」
    純の言葉に不服そうな表情で反論する透華。
   「透華・・・ありがとう」
    透華にそこまで言ってもらい、一はとても嬉しくなりお礼を言う。
   「うっ、と、当然ですわ、一は私の大切なメイドですもの・・だから、その・・そんなた、他意はありませんわよ・・」
    自分の言った事を思い出し、恥ずかしくなり頬を染め何やらぶつぶつと呟く透華。
   「はぁぁ、確かにほとんどの事は出来るだろう・・けどな、できないこともあるだろうが」
   「どういう意味ですの?」
   「いくらお前さんでも、女特有のものはどうにもならんだろう?」
   「女性特有?」「・・?」
    透華と一は純が何を言いたいのか理解できず首を傾げる、とそこに。
   「純がそれを言うとセクハラに聞こえる」
    今まで会話を黙っていた沢村智紀が、横から茶々を入れる。
   「俺も女だっつぅの、ちゃんとあるわ!」
   「女性特有で純が言うとセクハラ・・・・ああ!」
    智紀の言葉でようやく何が言いたいのか理解した透華。
   「そこでわかられるのは、さすがにむかつくぞ・・・」「我ながらナイスフォロー」
    不満そうな純と見事に言い得たと自画自賛する智紀。
   「ま、まあ・・そうですわね、その・・あれで辛いのなら仕方ありませんわね」
    透華は頬を染めて何やら話しにくそうにしていた、未だによく分からない一はじっくりと考えてみる。
   (なんだろう、女性特有でぼうっとしていもおかしくないか、それで純にもあるけど純が言うとセクハラ?)
    言葉を色々頭に思い浮かべ、それから連想できる事はと言うと・・・。
   「あっ!?」
    答えがぱっと頭に浮かんだ瞬間、声を上げたる一。
   「は、一、大丈夫ですの、お薬を飲みます?」
    その声に反応した透華が心配そうに一に声をかけてきた。
   「えっ、だ、大丈夫だよ、うん」
   「だから、放っておいてやれって」「薬もあまり、あれが辛いときはどうしようもない」
    純と智紀は原因が原因だけに、なんとも出来ないと判断して諦めモードになっていた。
   「うっ、た、確かに・・・」
    何とかしようという気はあるが、どうしようもない事は分かっていて悔しそうな透華。
   「一、あまり辛いのでしたら休んでいても良いんですわよ?」
   「うん、休むほどじゃないから、大丈夫だよ、ボ、ボクちょっとお手洗いに行ってくるね」
   「つ、着いていきましょうか?」
   「平気だから、そんなに心配しないで・・ね」
    心配する透華にじっと見つめられ、この部屋に居辛くなってしまって一は急いで部室を出た。
   「・・・はぁぁぁぁ」
    扉が閉まり、数歩進んだ一は長いため息をついた。
   (ごめんね透華、皆、別にその・・せ、生理って訳じゃないんだけど、言い辛いってのは正解だけど・・・)
    嘘をついたわけではないが、それに近い罪悪感があった、とはいえ本当の理由を語る気にはなれなかった。

   「はぁぁぁ、お手洗い行こう」
    別に行きたかった訳ではないが、嘘をつくのは気が引けた一はお手洗いに向って歩き出した。
    一がここまで悩んでいる理由、それはあの日の出来事が原因だった。

    その日、その時、その場所で国広一がしたのはわが目を疑うことだった。
   「うそ・・でしょう・・・」
    口から零れた言葉もこの状況を疑うもの、でも直ぐに目の前で繰り広げられている事が、嘘ではない事を理解した。
    声が聞こえる喘ぐ声が、交わるのは一がよく知る男と少し知っている女、よく知る男は・・須賀京太郎、天江衣と言う一の友達の恋人、だが交わっているその天江衣ではなく宮永咲、京太郎の学友で同じ部活の女の子。
    ここだけ見れば浮気と言う裏切りに見えるがそうではない、なぜならばその恋人である衣が咲の側で微笑んでいるからだ。
    それだけではない咲の近くもう一人の二人と同じく全裸で寝転ぶ一人の少女、衣に今日友達と紹介されたばかりの片岡優希がそこに居た。
   (なに・・なんで、なんで須賀君あの清澄の大将の子としているの、しかも片岡さんまで・・裏切りじゃないよね、だって衣楽しそうに笑っている)
    今、目の前の光景を見て、普通ならば女性にだらしないと怒るかもしれない、でも一はそんな怒りよりも大きな感情を覚えていた、それは・・・。
   「良いな・・・へぇ?」(ぼ、ボク・・・今・・)
    自分の口から零れ出た言葉に驚く一、一は怒るでも呆れるでもなく目の前のそれに憧れていた。
   「あははは・・ボク、やっぱり・・でも、今は・・・うっ・・うっん」
    自分の気持ちに気付いた一、でもどうすることもできない、今、この瞬間に一にできることは自分の股間に手を伸ばし自分自身を慰める事だった。

   「はぁ・・・」
    思い出して一はため息をつく。
   (どうしよう、やっぱり透華に報告したほうが良いのかな・・・でも、してどうなるのかな、ショックを受けて倒れる、それで衣と須賀君を無理やり引きさいて)
    以降、一の脳裏に思い浮かんだのは、無理やり別れさせられて泣きながら『透華なんて大嫌いだ』と言う衣と、そのショックで寝込む透華、二人とも落ち込み寝込み・・そのまま。
   「だ、駄目だよそんなの、そんな・・・事・・・」
    自分でも大げさだと思う一、そんなことは起こらないだろうと。
   「で、でも・・万が、ううん億、ううん兆が一でも可能性が・・」
    実際起こらないだろうが、そんな可能性を考えて、その場合どうすれば良いのかを考えてみる一。
   「黙っている、透華に秘密を作るのは嫌だけど・・・」
    今までどおり透華には内緒にしておく、これならば痛むのは自分の心だけ、でも一の脳裏に浮かぶのはそれとは違う方法、衣の隣でベッドに寝転ぶ自分と透華の姿。
   「ば、馬鹿だな、だ、駄目だよ、そんなの・・ぜっ・・だめ・・」
    馬鹿げた案だと否定しようとしたが、絶対にと否定できない一、そしてそれ上手くいったときの事を考えると、気分が高揚した。
   「ああ・・い、いけない、早く戻らないと」
    水道水で顔を洗い火照る頭と顔を冷ましてから、一は透華達が待つ部室に戻った。

    そんな事があった翌日。
   「一・・その、少し良いかしら」
    一は何やら焦った様子の透華に声かけられた。
   「どうしたの、透華?」
   「実は・・今日は火急の用事で、この後すぐに出なければならなくなりましたわ」
   「あっ、うん、わかった、ボクも直ぐに準備を」
   「いえ、そうではなく、今日はハギヨシについて来てもらわなければならないので、その・・」
    何故か所々言い辛そうな透華を見て首を捻る一、ハギヨシに用事があれば、衣の世話は親しい一になるのは分かるが、透華が言い辛そうに頼む理由はよくわからなかった。
   「それだとボクは衣のお世話だね、透華と一緒じゃないのは寂しいけど、でも大丈夫だよ」
   「私もさ、寂しいですわ、けど、そうではなく、その・・・平気ですの?」
    訊ねながら自分をちらちらと見る透華の態度で、一は何を心配しているのか理解した。
   「あっ、そ、そのね・・もう平気だから」(透華が気にしているのって、昨日のアレだよね)
   「そ、そうですの・・・おほん」
    一が大丈夫なので一安心した透華は一度咳払いをして、改めて口を開いた。

   「では一、衣と須賀さんの事、お願いしますわ」
   「うん、任せておいて、ちゃんとするから」
   「ええ、お願いしますわ、ハギヨシ行きますわよ」
   「はい」
    時間が差し迫っていたのか、頼みごとが終わると直ぐにハギヨシを呼んで出発する透華。
   「いってらっしゃい、透華・・・って、あ、あれ、透華確か・・・」
    透華とハギヨシをその場で見送る一だが、先ほど透華に頼まれた内容を思い出す。
   「衣と・・須賀君って・・えっ、ええっ!?」
    聞き間違いかと思い、確かめようとしたがそこには透華の姿はすでに無く。
   「も、もしかして・・須賀君が来るの?」
   (ど、どうしよう、あんな事があったのに、か、顔を合わせ辛いよ・・)
    京太郎の顔を思い浮かべると、一の心臓の鼓動は早くなり顔が熱く赤くなる。
    衣以外との情交を覗いてしまった、そんな恥ずかしさもあるが、それだけでは無い何かに一は胸の鼓動が早くなるのを感じていた。

   「あれ、京ちゃん?」
    部室に向かおうとしていた咲は、自分とは違う方向に進んでいた京太郎を見つけて声をかけた。
   「よぉ、咲」
    咲に気付くと、京太郎は片手をあげて咲に挨拶をする。
   「こっちって校門の方だけど、京ちゃん今日は部活でないの?」
   「ああ、今日はこの後用事があるからな、部長にも言ってあるから、ああ、明日も無理だから」
   「えっ、何かあったの、もしかして病気とか?」
    咲は驚いた、週末でも部活がある時にも京太郎は基本的に休むことは無い、だから今日そして明日と休むのは明らかに異状に思えた。
   「違うって、ほら交流戦があっただろう」
   「こ、交流戦って・・あ、あれだよね・・」
    交流戦と聞いて咲の頬が紅く染まる、咲の脳裏に浮かんだのは交流戦自体ではなく、その後にあった京太郎への告白とその後の情交についてだ。
   「あっ~、まあその交流戦だ、であれの優勝賞品がまだ何も使われてなかったからよ」
   「あっ、その・・・私のせいだね、ごめん」
    敗北が決まった瞬間に咲が飛び出してしまい、賞品どころの話ではなくなってしまった、それを思い出した咲はすぐさま謝る。
   「それは良いって、もう怒ってねえよ、それに咲と恋人になれて良かったと思っているしな」
   「京ちゃん・・・うん、私も嬉しいよ」
    慰めの言葉や何よりも、『恋人になれてよかった』の一言が咲にとって一番嬉しかった、咲が照れくさそうにしながらも笑うと、京太郎も同じように笑っていた。
   「おっと・・話は戻るんだけどな、そのときの賞品が」
   「あっ、わかった、用事って衣ちゃんのお願いか」
    話を戻すと直ぐに事情を理解する咲、交流戦で勝ったのは京太郎の恋人である天江衣だった。
   「そうそう、で、そのお願いって言うのが、今週末に泊まりに来いって」
   「へぇ~、そうなんだ」(そっか・・そういう風にお願いすれば、京ちゃんと長く一緒に居られるんだ、覚えおこう)
    さすがにこの場でメモを取るわけにもいかないので、必死に記憶に留める咲。
   「それで、今から帰って、速攻着替えを済ませて衣の家に行くから、部長には理由を説明しておいたから」
   「そっか、それならいいけど、週明けまで会えないね、寂しいかな・・」
   「ならお前も来るか?」
   「えっ、い、良いの・・その恋人同士の時間を邪魔しちゃって」
    予期せぬ京太郎の言葉に、驚きながらも少し嬉しそうに、でも戸惑う咲。
   「う~ん、いいんじゃないかな、連絡さえすれば、それにお前も俺の恋人だろう」
    衣と咲は共通の恋人を持つもの同士、そういう意味では遠慮は要らないのかもしれないが。
   「そ、そうだね・・・あっ、でも駄目、土曜は優希ちゃんと出かける予定があるから駄目だ」(それに・・衣ちゃんもたまには二人っきりになりたいだろうし)
    予定があるのは本当、でも気遣いもまた本当で、咲は京太郎の申し出を断る。
   「そっか、予定があるならしかたないな」
   「うん、態々誘ってくれたのにごめんね」
   「良いって、またそのうちって事で、それじゃあ俺は帰るな」
    あまり衣を待たせるのも忍びないのか、京太郎は咲に別れを告げて一旦帰宅しようとしたのだが、直後咲に呼び止められた。
   「うん・・あっ、ちょっと京ちゃん」

   「うん、どうした咲?」
   「今・・なら・・大丈夫だよね、えい!」
    咲は周囲を見回して誰も居ない事を確認すると、京太郎に抱きついてそのまま唇を奪い去る。
   「えっ~と、咲さん・・・いきなり何を?」
   「ご、ごめん、けどその・・週明けまで会えないと思うと、寂しくて・・ご、ごめんね」
    突然の事に驚く京太郎に謝る咲、それに対して京太郎は呆れながらため息をつく。
   「はぁ・・お前な、前に行っただろうが、恋人なんだからあんまり遠慮は要らないんだぞ、まあさすがに人前ならどうかと思うが・・・」
   「う、うん、ごめ・・ん!?」
    それでもやはり謝ろうとする咲の唇を、今度は京太郎がお返しとばかりに奪い去る。
   「だから、人いないところならいいんだぞ、こんな風にしてもな、じゃあまた週明けにな」
   「・・うん、またね京ちゃん」
    キスをして直ぐに立ち去る京太郎を、咲は笑顔で手を振りながら見送るのだった。

    京太郎が衣の邸まで来ると、邸の前には既に衣と一が立っているのが見えた、そして衣は京太郎の姿を見ると走り出した。
   「京太郎ーー!!」
    京太郎が数歩進むと、衣が京太郎の名を叫びながら抱きついてきた。
   「よう衣、約束通り泊まりに着たぞ」
   「いらっしゃいませ、京太郎、ゆっくりしていってくれ」
    普通の挨拶を交わして、その後恋人としての挨拶・・キスを交わす京太郎と衣。
   「ここではなんだから、衣の部屋に行こう京太郎、こっちだ」
   「おっと、そうだな・・」
    衣は一旦京太郎から離れて、押さえきれぬ気分のまま京太郎の手を引いて邸に向う。
   「あっ・・、いらっしゃい須賀君、ゆっくりしていってね」
    邸の前に着くと、その場で待っていた一がお辞儀をしてくれた。
   「今日から三日間お世話になります、・・・ところで国広さんだけですか?」
    京太郎が周囲を窺うが、気配を消すのが得意なハギヨシはまだしも、一の主人であるはずの透華の姿まで見当たらない。
   「透華は用事でハギヨシさんもそれについていって、だからボクが変わりにお世話をさせてもらうから、よろしくね」
   「京太郎、早く中に入るぞ、一お茶を頼む」
   「うん、わかっている」
   「行くぞ京太郎」「あっ、ああ・・・それじゃあ」
    京太郎は一に軽く会釈すると衣に手を引かれて邸に入っていった。
   (さっき須賀君と衣、キス・・していたよね・・・)
    先ほどのキスのシーンを思い返す一、京太郎とキスをする衣・・そんな衣の顔が自分の顔に変化した。
   「って、ぼ、ボク何考えているの、と、とにかく・・・早くお茶を用意しないと」
    いけない事を考える頭を軽く叩きながら、一は急いで邸の中に入ってお茶の用意をするのであった。

   「はぁぁぁ」
    仕事を終えた一は使用人用の部屋で、ネグリジェに着替えつつため息をつく。
   「今日は駄目駄目だったな、大きなミスはしなかったけど小さいのはいっぱい」
    思い出すのはお茶の温度が低すぎたり、夕食のスープを運ぶときに少し零してしまったりなど、理由は単純、他の事に気を取られていたから。
   「須賀君の顔を見ていると・・」
    落ち着かない、ドキドキと胸の鼓動が高鳴る、それが嫌ではないが、手が届かないと思うと切なくなる。
   「衣としているのを見たときはここまで思わなかったのにな・・・」
    見てしまったから、衣以外の女性と京太郎が交わるのを、それも衣も了承の上で、衣の彼氏だから悲しませるから駄目、そんな言い訳が通らなくなる、僅かばかりの可能性の前では決意など見事に散り果てた。
   「今日も・・するんだよね?」
    誰が答えるわけでもない質問、だがそんな質問に対する答えが聞こえてきた。
    跳ねる様な足音、そう・・衣が京太郎の所に向う足音。
   「やっぱり・・・」
    一は自分でも気付かぬ笑みを浮かべて、少しまってから部屋を出た。

    目の前で繰り広げられるのは、一の予想通り京太郎と衣が愛し合う姿。
   (幸せそうだな衣、それに凄く気持ち良さそう・・)
    衣だけではない、京太郎もまた気持ち良さそうな表情をしていた。
   「あっあああ!!、いいきょうたろうぅぅ!!こ、ころもはもうぅ!!」
    京太郎のペニスで突き上げられるたびに、大きな声を上げて喘ぐ衣の姿が一の目には眩しく映る。
   (良いなあ・・衣、あんなに愛してもらえて・・それに・・)
   「くぅぅぅ、俺ももうだから、いっしょにくぞぉぉ!!」
   「う・うん、いくぅぅ、きょうたろうといっしょにころもいくぅぅぅぅぅぅ!!」
    京太郎と衣が同時に達すると、声が漏れないようにネグリジェの一部を噛み締め一も絶頂に達する。
   「んん!!・・・はぁ・・はぁ」
    ほぼ同じタイミング絶頂に達したの、嬉しそうに京太郎の精を浴びる衣と違い、一は寂しさと空しさを感じていた。
   (良いな、ボクも衣や・・他の子達みたいに)
    淡いと言うにはあまりに生々しい望み、でも欲して止まない、そのためにどうすれば良いのか、一には分からなかった。
   (きょ、脅迫・・だ、だめ、そんなことしたら衣が悲しんじゃうよ、じゃ、じゃあこのまま、ここで声を上げてみるとか、そうしたら気付いた須賀君にお、犯されちゃう・・、って無いよね、須賀君優しいから・・・)
    案が浮かんでは消えてゆく、雲を掴むような気持ちになっていた一は再び中を覗き見る。
   「あれ・・?」
    そこで京太郎の動きが止まっていることに気がついた、そして衣がベッドに倒れこんで息も絶え絶えになっている、一は音を殺して聞き耳を立てる。
   「・・はぁ・・はぁ・・すまない・・」
   「気にするなって、衣を抱けて満足だから」
    謝る衣の頭を撫ぜながら慰める京太郎。
   (あっ、そうか・・須賀君凄いから、衣バテちゃったんだ、無理もないよね・・)
    三人相手に普通にしていた京太郎相手に、衣だけでは辛いのは当然といえば当然、京太郎は不満そうな態度はしていないが、衣は京太郎を満足させられないのが悔しそうだ。
   (今、他には誰もいない、ボクなら・・ボクなら手伝える!)
    それが正しいか間違っているか考える前に一の体は動いていた。

   「気にするなって・・」(優希や咲が居る時と同じペースでやっていた、衣一人相手に調子に乗りすぎた)
    反省しつつ衣の頭を撫ぜながら慰める京太郎、でも衣はやはり残念そうな表情をしていた。
   「でも京太郎は・・・まだ満ち足りぬのだろう?」
    衣も視線は京太郎の顔から、まだ硬く勃起したままのペニスへと移る。
   「うっ、それは・・その」
    図星を射られて言葉に詰まる京太郎。
   (この頃、いつも果てるまで射精していたからな・・しばらく納まらないだろうな、でもそんな事言ったら、衣は無理するだろうしいな・・)
   (京太郎め、気遣って我慢しているな・・・うっ、麻雀と違って、情交では衣の完敗だ・・)
    衣の事を考えて言わない京太郎だったが、衣はそれも含めて見通していたが、それでもすぐさま体力がつくわけでもない。
   「兎に角、京太郎続きをするぞ・・」
   「はぁぁ・・衣があんまり無理しても俺は嬉しくないぞ」
    疲れた体に鞭打ち起き上がる衣に、京太郎はため息をつきながらそんな衣を宥める。
   「ううっ、衣は出来うる限り、京太郎を大満足させたいのだ!」
   「その気持ちは嬉しいけど・・」
    無理はして欲しくない、と京太郎が続けようとした時、部屋の戸が開いた。
   「そ、その・・衣が大変なら、ぼ、ボクが、手伝ったら駄目・・・かな?」
    ネグリジェ姿で頬を染めて目を潤ませた一が、そんな事を口にしながら入ってきた。
   「く、国広さん・・・ど、どうして!?」「一!?」
    突然の一の登場に驚く京太郎と衣、そんな二人をよそに一はベッドまで歩いてきた。
   「ごめんね、実は二人の事覗いていたんだ」
   「うっ・・そ、そうなんですか」「ほぅ・・一は好色だな」
    バレていたことに焦る京太郎、衣は特に焦らず落ち着いていた。 
   「う・・うん、いけなって思ってはいたんだけど、本当はただ見ているだけのつもりだったけど、衣が大変そうだから・・だから手伝おうかなって」

   「国広さん・・」「嘘だな・・・」
    潤んだ瞳で話す一の言葉をすっかり信用した京太郎だったが、女の勘で衣はそれを直ぐに嘘と見破った。
   「えっ、お、おい衣!」「えっ、ぼ、ボク・・うそなんて・・」
   「京太郎は気付かないのか、一の目を見て・・一は優希や咲・・そして今の衣そうだが、同じ目をしているぞ」
   「えっ・・・う~ん、そういえば・・・」
    言われてしっかり一の目を見る京太郎、潤んだ眼・・だがそれだけではなくその奥に何か、衣の言うとおり何かを感じる、衣や優希や咲と同じ様な雰囲気を。
   (あっ、そっか・・・衣は全部見抜いているんだ、当然か・・あれだけ須賀君を好きな女性を見ているんだか・・本音で話さないと)
    一も気付いた、今自分の口から語ったのが、ただの言い訳である事に、だから意を決し本音を口にする。
   「嘘をついてごめん、見ているだけのつもりだったんだけど、実はボク見ちゃったんだ、須賀君が他の女を・・あの片岡さんと宮永さんを抱いているところを、それで怒りを感じたよ・・」
   「あっ、す、すみません、そのあの時はお世話になったのに」(と、当然だよな・・態々、お世話してくれたのに、それなのに・・あんな関係になってしまった)
    一が怒りを覚えたのも当然だと思い納得する京太郎、だが当の一は首を横に振って笑った。
   「くすす、違うよ須賀君、ボクが覚えた怒りは・・嫉妬だよ、あと羨みも混ざっていたかな」
   「嫉妬に羨んでって・・」
   「だってボクが覗いているだけで満足していたのに、あの子達はしてもらえているんだよ・・、須賀君は衣の恋人だから駄目だと思ってあきらめようとしていたのに・・・」
   「やはり・・一も・・」
    衣の言葉にしっかり頷く一。
   「うん、衣は須賀君と一緒だと凄くキラキラ輝いていて幸せそうで楽しそうだから、だから須賀君みたいな彼氏が居たら楽しいのかなって、そう思って目で須賀君を追っていたら、気付いた時には・・好きになっていたんだ」
    一の恋、それは叶わないはずだった、叶わないと諦めていた、だがその前に可能性が提示された。
   「衣と須賀君が仲良くしているところに、ちょこんと加わりたいなって思っていたんだよ、それが無理だと思っていたのに、あの事があって・・・そしたら、その欲望がどんどん強くなって、でもそれ加わる方法が分からなくて、それでさっきみたいに」
   「一のそれは真言か?」
    今度は嘘ではないから目も逸らさず、まっすぐと衣を見て頷く一。
   「うん、さっきは手伝おうかって言ったけど、あれは嘘、手伝いたいんだ・・・ううん、手伝わせて欲しいかな、そしてボクも須賀君の寵愛を受けたいって」
   「ちょ、寵愛って・・そんな大層なもんじゃ」
   「良いではないか、京太郎、今度は一の真言だ」
    本音を聞きだした衣は満足そうな笑顔を浮かべていた、それに驚いたのは京太郎ではなく一の方だ。
   (こ、衣笑っているけど・)
   「衣・・・怒ってないの?」
   「なぜ衣が怒るんだ、さっきは一が嘘をついていたみたいだから、そんな状態で情交を交わすのは納得いかなかっただけだ」
   「そっか、そうだね・・嘘ついて彼氏とエッチされたら嫌だよね、うん、須賀君」
   「は、はい、なんですか?」
    一はしっかりと京太郎を見つめて笑顔で言った。
   「ボクは須賀君が好きだよ、その・・良かったらだけど、ボクも彼女の一人にしてくれないかな?」
    いつもどおりの少し軽く感じる口調での告白、でもそれは言葉から真剣さが伝わってくる。
   「衣・・良いのか?」
   「もちろんだ、一は衣の大事な友達だぞ、本心ならば特に異を唱える気は無い、京太郎が嫌なら話は別だが・・」
   「あっ・・そっか、須賀君が嫌な可能性もあるのか・・・」
   「えっ、いや・その・・」「京太郎・・」
    今まで高かった一のテンションが一気に底辺まで落ち込む、衣の責任なのだが衣はそれに気付かず京太郎を恨めしそうに見た。
   「気にしなで衣、だってボクあんまり可愛くないし・・はは」
   「そんな事無いですよ、国広さんは可愛いです!」
    力なく笑う一を見て、力いっぱい否定する京太郎。
   「ほ、本当・・お、お世辞ならう、嬉しくないよ・・」


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