アナザーシノビ

「この力が俺を変えてくれたんだ…! それで俺は、王になるんだ!」

【名前】 アナザーシノビ
【読み方】 あなざーしのび
【声/俳優】 多和田任益
【登場作品】 仮面ライダージオウ
【登場話】 EP17「ハッピーニューウォズ2019」
EP18「スゴイ!ジダイ!ミライ!2022」
【分類】 アナザーライダー
【変身者】 2019年の神蔵蓮太郎
【特色/力】 シノビの力を操る
【モチーフ】 仮面ライダーシノビ、骸骨、忍者

【詳細】

スウォルツが用意したアナザーシノビウォッチを、ウールが神蔵蓮太郎という青年に埋め込み作り出した「仮面ライダーシノビ」の力を宿すアナザーライダー

仮面ライダーシノビ由来の多彩な忍法を使いこなし、影に潜んだり水や雷等の自然現象を自由自在に操ることが出来る。
またメインの武器は腰に下げた忍者刀だが、両腕に装着している鉤爪を使った格闘戦もこなすなど、忍者モチーフらしく多彩な技能を持つ。

変身者である神蔵蓮太郎とは、2022年の未来において仮面ライダーシノビに変身する変身者本人である。
だが力を得るのは現在から約3年後にあたる2022年であり、2019年になったばかりの現代においてはシノビに変身する能力は持っていなかった。

そもそもオーマジオウが2068年に君臨する本来の歴史において、仮面ライダーシノビは存在しない。ジオウがオーマジオウとして君臨してから仮面ライダーは誕生していないとされている。
明光院ゲイツがオーマの日と呼ばれるターニングポイントにおいて、オーマジオウを倒し救世主となった未来に誕生する、それが仮面ライダーシノビを始めとするジオウに登場する「未来の仮面ライダー達」である。
本来の変身者がアナザーライダー化する事例は彼が初めてであるが、同じタイプであるアナザーリュウガが後のエピソードに登場している。

その姿は仮面ライダーシノビをベースとしつつも、「シノビのデザインから仮面ライダーらしらを極力排除した」かのような姿が特徴的。
仮面を剥いだ人面を思わせるドクロのような頭部、肋骨が浮き出たかのような上半身等、変装を得意とする忍者が仮面ライダーシノビに変装しているかのようにも見える。
腰に巻かれたシノビドライバーは手裏剣ではなくバツ印の意匠となっており、仮面ライダーシノビの姿をしていながら、シノビの資格を持たないアナザーシノビの存在を否定しているかのようでもある。
右腕に「SHINOBI」と英語でライダーの名前が、左腕に「二千二十二」と漢字で活躍する年代が刻まれている。

忍びと書いて刃の心」がキャッチフレーズの仮面ライダーシノビの変身者、神蔵蓮太郎は「力無き者を間違った力の使い方をする者から守る」ことを心情に戦う心優しき青年である。
だが2019年では心意気だけで力が伴わず、友達に絡んでいたチンピラに挑んでもたやすく返り討ちにされてしまうひ弱な自分のことを悔しく思っていた。
そこに現われたウールがアナザーシノビウォッチを埋め込んだことで、仮面ライダーシノビの力を宿すアナザーライダーへと変身。

アナザーライダーという「力」を得たことでその正義感が歪んだ形で発露されることとなり、シノビの忍法でチンピラたちを一方的に制裁していく闇の仕置人とでも言うかのような行動を取っていくこととなる。

アナザーライダーを撃破するためのルールに乗っ取り、対応するライドウォッチを入手するべく2022年に飛ぼうとするゲイツらだったが、
オーマジオウにつながる未来か、はたまた救世主ゲイツリバイブが誕生する未来かその時点では時間軸が不安定だったため2022年に到達できず、ジオウ陣営ではライドウォッチを入手することは不可能であった。
このままではアナザーシノビを撃破できずタイムジャッカーの目論見を防げない。

その状況に現われた「違う未来のウォズ」こと、後に白ウォズと呼ばれることとなった男は仮面ライダーウォズに変身。
ウォズが導いた未来にそってタイムエクスプロージョンを受け撃破されるも、スウォルツが白ウォズの目的をシノビミライドウォッチ生成だと見抜き、
再起動したアナザーウォッチを埋め込まれたため復活した後、影に潜みその場から逃走した。

予想外に得てしまったアナザーライダーとしての力に困惑するも、スウォルツからアナザーシノビの撃破は不可能、故に無敵であると唆されたため、
この力で彼の望む王になろうと考え、次々とアナザーライダーの力で悪人を成敗し続けていく。

「救世主」を現代に誕生させるため仮面ライダーシノビの力がほしい白ウォズは膠着状態を動かすために若き魔王、ソウゴを未来ノートの力でアナザーシノビと関わらせようと目論む。
そしてノートの導きに従ってその場に現われたソウゴは、未来で仮面ライダーになる蓮太郎の資質を信じ、「力を捨てる勇気」を説いてアナザーシノビを撃破し続ける。
そのたびにアナザーウォッチをスウォルツが再起動し復活するいたちごっこが2度続くも、3度めの復活を蓮太郎本人が拒否。

「確かに今は誰かを守る力はないけど…でも俺は、未来の自分に賭ける!」

「貴様の意見は求めん!」


蓮太郎の意見は求めていないスウォルツが強制的に彼を三度目のアナザーシノビへと変身させるのだが、その場にいた白ウォズはアナザーライダーの力を蓮太郎が拒否したことで、
仮面ライダーシノビにつながる未来が確定したと判断し、未来ノートにその文章を書き込んでシノビミライドウォッチを生成。
そのミライドウォッチを使って仮面ライダーウォズはフューチャーリングシノビへと変身し、仮面ライダーシノビの力でアナザーシノビを圧倒していく。
そしてベルト操作で発動した忍法時間縛りの術により身動が取れなくなったところを、カマモードのジカンデスピアから放たれた一撃カマーンに切り裂かれ爆散。
アナザーウォッチは砕け散り、蓮太郎は元の力無い一般人に戻ることになった。

しかし、息も絶え絶えになりながら、蓮太郎の顔には笑顔が浮かんでいた。


【余談】

未来に誕生するという仮面ライダーのアナザーライダーとしては初となる怪人。
スーツは後にジオウスピンオフとして配信されたRIDER TIME シノビに登場する敵怪人のスーツに流用されている。
そのためアナザークイズ、アナザーキカイの未来ライダーのアナザーライダー3体は再登場していない。

本来の変身者がアナザーライダーになってしまった初の例だが、何故本来の力の持ち主でありながら歪んだ姿になっているのかに関して、
今はまだシノビとして力を得るのに不適格だからではないか?と考察されている。
その一方でアナザーシノビのデザインがドクロを全面に押し出した姿なのは、アナザーシノビであっても仮面ライダーシノビであっても、神蔵蓮太郎という人間の「骨子は変わらない」という現われではないかという見方もされている。
なお本来の変身者が同じライダーの力を宿すアナザーライダーになった例としてはアナザーリュウガが存在する。
こちらの姿も他の個体同様に歪んでいるが、こちらは「正規の変身アイテムで変身していないから」考えられている。これはアナザーシノビにも当てはまる法則となっている。

実際にアナザーカブトに変身する矢車想はホッパーゼクターを使って仮面ライダーキックホッパーへの変身能力を残しつつ、アナザーライダー化しており、正規手段で変身できるのであれば歴史改変中でもちゃんと原典のライダーに変身できるのだと思われる。
ただアナザーカブトの場合、劇中で語られた「時空の歪み」とやらがどれくらい歴史に影響を与えているのか不明であり、矢車に埋め込まれたのがアナザーカブトウォッチであり、アナザーキックホッパーウォッチが登場していないため、もし仮に本来の変身者がそのアナザーライダーになり、原典のアイテムを持っていた場合どういう扱いになるのか…
最もカブトゼクターがカブトライドウォッチになったり、アギトから奪った力がアナザーアギトウォッチをアギトライドウォッチに変化していたり、
原典の変身能力、アイテムがライドウォッチ化しているのが確認できるため、アナザーライダーになった時点で原典の変身アイテムとの共存は出来ない、のかもしれない。

タイムマジーンでは2022年に到達できなかった。
しかしアナザーシノビウォッチを用意したスウォルツは仮面ライダーシノビが敵と戦っている最中力を奪ってアナザーウォッチを生成しているシーンが確認できる。
現役の仮面ライダーシノビから力を奪ったということはタイムマジーンでは到達できない「オーマの日にゲイツリバイブがジオウを倒した未来」の2022年にスウォルツは移動できることを意味する。
さらに後日明かされた事実によると、オーマジオウにつながる本来の歴史の流れを作り出したのは他ならぬスウォルツである可能性が生じ、彼の真意がますますわからなくなることとなった。

スウォルツの出身が違う時間軸、違う世界だったことを考えると、彼は縦の時間軸の移動意外に、世界ごと移動することが出来る可能性がある。
そもそも魔王と救世主、どちらの未来が確定するか不安定とは言え、両方の未来が並行しているということはどちらの未来も世界が別ということ。
自力で時間移動をこなしている描写が有り、世界を渡る門矢士の能力にも当たり前のように追いついていたあたり、世界の破壊者たる士相応の移動能力は持っていたということだろう。

最終更新:2022年07月20日 22:28