特捜戦隊デカレンジャー

「『S.P.D=SPECIAL POLICE DEKARANGER』。燃えるハートでクールに戦う5人の刑事達。彼らの任務は、地球に侵入した宇宙の犯罪者達と戦い、人々の平和と安全を守ることである!!」

【番組名】 特捜戦隊デカレンジャー
【読み方】 とくそうせんたいでかれんじゃー
【放送開始】 2004年2月15日
【放送終了】 2005年2月6日
【話数】 全50話
【劇場版】 特捜戦隊デカレンジャー THE MOVIE フルブラスト・アクション
【続編】 特捜戦隊デカレンジャー 10 YEARS AFTER
特捜戦隊デカレンジャー 20th ファイヤーボール・ブースター
【前作】 爆竜戦隊アバレンジャー
【次回作】 魔法戦隊マジレンジャー

【あらすじ】

恒星間飛行が現実のものとなり、地球人類と異星人の交流が日常となっている時代。
犯罪もその態様を変えていた

地球人が持たない身体能力や、地球文明が及ばない科学技術を用いた犯罪は、もはや地球の警察の処理能力の限界を超えてしまっていた。
このような犯罪を取り締まる惑星間組織が、宇宙警察スペシャル・ポリス・デカレンジャー(略称「S.P.D」)である。

ある日、ラブーリ星人 バラン・スーによるバスジャックが発生した。
犯人は「ホージー」こと戸増宝児率いる宇宙警察地球署の刑事達によって素早く逮捕されたが、処理を終えて戻ってきた刑事達を地球署署長ドギー・クルーガーが待っていた。

彼は先に護送されてきた犯人に対する取り調べで、謎の金属を犯人が所持していたことと、鑑定の結果その金属が地球に存在しないことが分かったことを伝える。
署長はこの犯人が何者かによって運び屋に使われたと推測していた。

早速聞き込みに出たホージー達は金属の秘密を知る人物を突き止めるが、目の前で何者かに射殺されてしまう。
暗殺犯は大量のメカ人間を放って刑事達の足止めを図るが、突如割り込んだ6輪パトカーのマニピュレーターに捕まってしまう。
パトカーから降りた、警察官にあるまじき派手な髪型の男の名は「バン」こと赤座伴番。ドギーの要請で地球署に配属されたばかりの新米刑事だった。


スーパー戦隊シリーズ28作目。
マンネリの打破と原点回帰を目論み、21世紀に入ってからは初の女性メンバー2名を含む5名編成のオーソドックスな構成でスタートした(『電磁戦隊メガレンジャー』以来)。
また時代設定は現代(2004年度)であるが、人類が既に宇宙に進出し、宇宙人と日常的に交流を持っている“近未来的”社会な架空の世界観を舞台にストーリーが構築されている。

従来の戦隊メンバーや関係者でも警察に関わる立場を持った者はいたが、シリーズで初めて明確に警察をモチーフにして制作された作品である。そのため、本作は刑事ドラマを意識した造りになっている。
特にシリーズ構成面では、敵組織を設定せず、毎回、宇宙警察地球署の刑事達が異なる事件を捜査していく、1970-80年代の刑事ドラマでは主流だった「一話完結」の手法がとられた。
これはシリーズを通して一つのドラマを綴っていく傾向が強かった当時の特撮テレビドラマでは異例である。
またブルーがリーダーなのは初である(劇中ではウメコ(ピンク)がリーダーを自称している)。

また、各エピソードや登場人物のキャラクターには、随所に『太陽にほえろ!』『Gメン'75』『特捜最前線』など1970-80年代の名作刑事ドラマへのオマージュが込められている。

同シリーズにおける巨大ロボットの戦闘シーンは1990年代末以降CGを中心とするスタイルに移行しつつあったが、今作では「CGに頼り過ぎない」のと「質感重視」の方針から、昔ながらのミニチュアを用いた手法を併用しており話題を呼んだ。

未来戦隊タイムレンジャー』同様、本作では怪人は犯罪者で、その討伐は法律に基づいて行われている。
しかしタイムレンジャーが怪人の命そのものは奪わず、主に逮捕、圧縮冷凍刑に処していたのに対し、本作では宇宙最高裁判所より怪人のデリート許可の判決(いわゆる死刑執行命令)が下されることが多く、タイムレンジャーよりは厳罰な世界感の中に有るのが伺える。
ただし、タイムレンジャーに登場する怪人は窃盗や恐喝、詐欺、無銭飲食などの比較的軽い犯罪者も多く、また、すでに刑の確定している囚人である一方、デカレンジャーの場合、怪人の大半が大量殺人や複数の惑星を滅ぼしているなど、他戦隊の悪の組織、一組織分に相当するほどの重大犯罪を犯した者達である。

本作は、20世紀末以降のスーパー戦隊作品には珍しく、無辜の市民(エイリアンも含む)が悪の犠牲となることが少なからずあった。スーパー戦隊の初期の作品では、一般市民が悪の組織によって殺害される描写が多く見られたが、中期以降の作品では、重要人物を除いては、一般市民が悪の組織により命を失うような描写は、極力避けられてきた。一時的に悪の側の作戦によって、市民が生命の危機に立たされることはあっても、作戦の首謀者である怪人が敗北することにより、その命は開放されることが大半である。しかし本作は悪の対象が犯罪者であるため、時に市民が犯罪に巻き込まれ命を失うこともあった。

本作における「デカレンジャー」という名称は、宇宙警察そのもの、またはその捜査官を指すものであり、本編中では初期メンバー5人以外にも多くの戦士が登場している。
第13話で上官のドギーがデカマスターに変身できることが判明(変身する機会は抑え目)。第6の戦士であるデカブレイクも第22話から登場。
この7人以外にも、第36話に登場したデカスワン、第40話のみ登場したデカブライト、劇場版で一瞬だけ登場したデカゴールドと、計10人の「デカレンジャー」が登場する。次作の『魔法戦隊マジレンジャー』でも5人の他に複数の戦士が登場している。

余談であるがパワーレンジャーSPDが東映チャンネルにて2011年8月より放送中である。主要キャストの吹き替えは白鳥スワンを除き、同じ役者が演じている(スワン役の石野真子氏もアバンナレーションで出演)。

放送10周年を記念した単独作品が作られた後、20周年記念作品もまた制作されることが決定した。

最終更新:2024年03月26日 23:23